プロローグ
10年前戦争があった…
いえ…戦争なんて人間の歴史の上で何度もあった
人間の営みは戦争と常に隣り合わせだった
悠久の時を…
ヨーロッパにその名を轟かせていた「彼ら」…
この世の春を謳歌せんとしていた「彼ら」は己達の力が永遠に続くと信じていた
そんな「彼ら」は歴史が変わった事に気付かなかった
時代の変化と共に「彼ら」は衰退していく…
かつてヨーロッパの半分を治めていた「彼ら」は、やがて自らが生まれし故郷の小さな国のみとなっていた
あの栄光をもう一度…その執念ともいえる願いを胸に、「彼ら」は築き上げた比類なき工業力で今一度世界に打って出た
それが10年前の戦争
「彼ら」は猛々しく戦い…そして惨敗した
自らの故郷で核すら使った「彼ら」…
まだ私が子供の頃の出来事…
自分が住む世界からはあまりにも遠く…現実感がない出来事
それから何度か人間はいざこざを起こしてきたが、私には離れた対岸の火事だった
私には戦争なんて非現実的だったし、常に平和が隣にいてくれた
そう…近すぎて見えないくらいに
そんな平和な場所の平和を守る者がいる
平和と呼ぶには離れすぎた場所で平和の為に飛ぶ「少女達」…