第一章〜始まりの空
プロローグ
10年前戦争があった…


いえ…戦争なんて人間の歴史の上で何度もあった

人間の営みは戦争と常に隣り合わせだった

悠久の時を…


ヨーロッパにその名を轟かせていた「彼ら」…

この世の春を謳歌せんとしていた「彼ら」は己達の力が永遠に続くと信じていた


そんな「彼ら」は歴史が変わった事に気付かなかった


時代の変化と共に「彼ら」は衰退していく…

かつてヨーロッパの半分を治めていた「彼ら」は、やがて自らが生まれし故郷の小さな国のみとなっていた


あの栄光をもう一度…その執念ともいえる願いを胸に、「彼ら」は築き上げた比類なき工業力で今一度世界に打って出た


それが10年前の戦争


「彼ら」は猛々しく戦い…そして惨敗した


自らの故郷で核すら使った「彼ら」…



まだ私が子供の頃の出来事…


自分が住む世界からはあまりにも遠く…現実感がない出来事


それから何度か人間はいざこざを起こしてきたが、私には離れた対岸の火事だった


私には戦争なんて非現実的だったし、常に平和が隣にいてくれた

そう…近すぎて見えないくらいに


そんな平和な場所の平和を守る者がいる


平和と呼ぶには離れすぎた場所で平和の為に飛ぶ「少女達」…



どらごん ( 2013/11/27(水) 03:34 )