10.
鮫島が取り出したのは二本のマジックハンド。
長い柄の先端に妖怪を模した不気味な質感の手と指がついている。
一見、子供のオモチャのように思えるが、それは立派な大人のオモチャ。
「よく見たまえ」
と菅井の視線を呼び、その顔の上で操作を加えると、マジックハンドの指先が大きく開き、それぞれの指が蜘蛛の脚のようにワラワラと動き出す精巧なギミック。
さらに、よく耳を澄ませれば、それぞれの指の中から小さな振動音も聞こえる。
「ククク…どうだ?我々が開発した女体くすぐりマジックハンドだ。オモチャだと思うなよ。五つの指はそれぞれ違う材質で質感を変えてあるし、中には超小型の強力ローターも内蔵してある。人間の指では出来ないような動きをするし、文字通り、痒いところに手が届く代物だ」
と、いかにも悪趣味な開発器具に得意満面の鮫島。
付け加えて、
「先日、試しに長濱ねるの身体を使ってテストをしたが、10分ももたずにあっさりギブアップ。挙げ句の果てには、これでアソコを触ってくれだのワガママを言ってよがり狂っていたよ。ハッハッハ!」
「くっ…ウ、ウソよ…!ねるがこんなオモチャに屈するワケ…!」
「残念ながら事実だよ。そして、その後、すっかり火がついて半ば無理やり俺に跨がってくるものだから、そのままハメてやったよ。もちろん生でだ。それで五、六回は気をやっていたな。これも事実だ。一度ハメると、なかなか離してくれないからな、アイツは」
「━━━」
「さぁ、始めよう。まずはこいつにもたっぷりオイルをつけて、と…」
いつの間にか洗面器に溜められたオイルの中にマジックハンドの先端をじゃぶじゃぶと浸ける鮫島。
やがて引き揚げられたマジックハンドは、おびただしい量のオイルにまみれ、それぞれの指先からトロトロと糸を垂らしている。
そんなオイリーなマジックハンド二本…これが次なる刺客として、菅井の美ボディーに襲いかかる…!
「さぁ、まずはこのへんからくすぐっていこうか」
と、足の裏から足の甲、キュッと締まったふくらはぎにハンドを向ける。
ウィィン…ウィィン…
と振動音を放つ作り物の指が這うと、
「…くっ…!」
妙なくすぐったさに小さく息が漏れる。が、声を上げるほどでもない。
指先についたオイルがくすぐる動きを滑らかにしているが、それも、唇を結べば耐えられる。
「ククク…どうだね?」
巧みに二本のハンドを操りながら聞く鮫島を、
「ふ、ふん…!こ、こんなオモチャ、なんてことないわ…!くだらない…!」
と一蹴する菅井。
すると鮫島は嬉しそうに笑って、
「ほぅ…くだらないオモチャ、か。その一言、あとで後悔しても知らんぞ?」
と不敵な眼をした。
続いてハンドは左右の膝小僧を標的に。
「ちょっ…!んっ…!」
さすがにここは少しくすぐったい。
人の血が通わない無機質な指は、こちらが反応してもしなくても、ずっとくすぐってくる。
そしてハンドはそのまま内ももへと滑り降り、脚の付け根を目指してゆっくり上昇を始める。
「んっ!あっ…!」
(くっ…し、振動が…!)
ふくらはぎや膝と違って、クネクネと作り物の指が動き回るたび、ぷるぷると震わされる太ももの肉。
そして、その振動は脚の付け根、紙パンツの奥へと伝わる。
「んっ、くっ…うぅっ…!」
「んん?どうした?くだらないオモチャだと言った矢先だぞ?こんなくだらないオモチャで感じているのか?」
「く、くぅっ…!う、うるさい…か、感じてなど…いない…」
「そうだ、当たり前だ。欅共和国のリーダーともあろう女が、こんなくだらないオモチャで太ももをくすぐられただけで感じる筈がない。なぁ?そうだろう?」
「━━━」
唇を噛む菅井に、
「ククク…まったく、バカな女だ。軽率な発言で自らの首を絞めるとはな」
と、余裕の鮫島。
つい気丈に振る舞って放ったセリフが、とんだブーメランとなって返ってきた。
「さぁ、どんどん行こう」
巧みな操作できわどいところ、脚の付け根を責め立てる鮫島。

オイルで湿る紙パンツに触れそうで触れない絶妙なタッチがもどかしく、
「んっ、くっ、うぅっ…!」
「んん?どうした?何やらエロい腰つきになってきたぞ?触ってほしいところでもあるのか?」
「う、うるさい…んんっ!」
「触ってほしいなら触ってほしいと素直に言ってみたらどうだ?ねるは言ったぞ?『それでオマンコも触ってぇっ♪クリちゃん、いじめてぇっ♪』と絶叫していた」
「わ、私は…そんなこと、絶対に言わないっ…!」
「ほぅ。果たしてそうかな?」
ニヤリと笑った鮫島は、スッと二対のマジックハンドを持ち上げ、左右の胸の膨らみに移した。
むにゅっ、むにゅっ…
「んんっ!?くっ、んんっ…!」
身体を突っ張るようにして悶絶する菅井に、
「ククク…どうだ?ヘタな人間よりか遥かに優秀だろう?こんな仔細な動きも出来るぞ」
とペーパーブラ越しにも硬くなっているのが分かる左右の乳首を上手に摘まむマジックハンド。
振動が伝わり、
「くはぁっ!?」
と、思わず飛び跳ねた弾みで、オイルまみれのペーパーブラが、ペリペリ…と破れてしまった。
「おぉ、これはこれは…脱がす手間が省けて助かるね」
「うぁぁっ…!あぁっ!んんっ!」
「どうだ?胸だけでも、相当、気持ちいい筈だ。それならいっそ、これでオマンコも触ってほしいと思うのは人間の性だと思うがね。えぇ?」
「んはぁっ!?」
人の手ではなく、マジックハンドに胸を鷲掴みにされて絶叫する菅井。
計十本の偽物の指が、ぶるぶる震えながら乳肉を揉みしだく。
「んっ、くっ…!」
身体が跳ねるたびに、ぶるんっ…ぶるんっ…と肉が震える太もも。
その肉感的で艶やかな弾力を見て、
「こっちが寂しそうだな。一つは戻してやろう」
と、片方のハンドを太ももに戻し、太ももと胸のダブル責めにする。
「んっ、んはぁっ…あぁっ…!」
「ほら、どうしたぁ!?くすぐったいのか、気持ちいいのか、ハッキリしろよ!ハッハッハ!」
(くっ…こ、こんなもので…!たかがオモチャ…!オモチャのくせにぃっ…!)
こんなオモチャで感じてなるものかと必死に言い聞かせるが、自然と声が漏れ、身体が躍ってしまう。
「ククク…おや?これは何だ?」
ふいに鮫島が白々しく声を上げると、それまでタイマーを映していたモニターが、突然、施術台の脇に置かれたゴープロの映像に切り替わった。
そのカメラを手に取り、持ち上げる鮫島。
モニターに「X」の字で拘束された菅井の身体が大きく映し出されると、カメラは、その艶かしい太ももの間をめがけて一直線に下りていく。
「や、やめて…!」
狙いを察して声を上げる菅井を無視し、紙パンツの股間部分をモニターいっぱいの画で捉えるカメラ。

「ククク…菅井友香。これはどういうことか説明してもらいたいね。たかがオモチャと言ってなかったかな?」
と勝ち誇ったように口にする鮫島。
カメラは捉えた。
菅井が身につける紙パンツの股間の部分に“中の具”が版画のように密着し、大陰唇の凹凸と楕円形のシミをくっきり浮かび上がらせていることを…!
「━━━」
悔しそうに唇を噛んで顔を背ける菅井だが、その背けた顔を、長髪を鷲掴みにして戻す鮫島。
「もうこんなことになってるんだ。こんなのは無視する方が失礼というものだろう。安心しろ。しっかり元は取らせてやるからなぁ?ククク…」
不敵な笑みに戦慄を覚える菅井。
嵐の予感…。
まもなくここに快楽の暴風雨が吹き荒れようとしている…!
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