8.
次に手を伸ばしたのは、そのスラリとした健康的な脚線美だ。

太もも、膝、すね、ふくらはぎ、くるぶし、足首、足の甲、そして指。
生傷のない肌色一色の美脚が余すことなくオイルまみれになっていく様は意外なエロチシズムを醸し出し、そして飽きない。
「くっ…うぅっ…」
何度も何度もスリスリと往復する、まるで粘着質な痴漢のような手つきに嫌悪感を露わにする菅井。
やがてその手つきは撫で回しから揉みほぐしへと移行した。
(うむ…素晴らしい!)
むにゅっ、むにゅっ…と引き締まった太もも、ふくらはぎの肉付きを手の平で味わっていると、たまらず、
「い、いつまで続けるつもり?脚ばっかり…!」
と菅井のたまりかねた苦言が飛ぶが、返す刀で、
「残念だが、嫌がってるのはお前さんだけのようだ。配信画面のコメント欄を見ても『もっとやれ』とか『アップで映してくれ』とか好意的なコメントばかりだよ」
「へ、変態の集まりね…!信じられない…!」
「そうかね?男ってのは、元来、オンナの脚が好きな生き物なのさ。少なくとも、男を奴隷にして飼っていたお前さんなら分かってる筈だ」
と臆せずに生足タッチを続け、さらに、
「視聴者は、こういう画も欲しいんじゃないか?そらっ!」
と、菅井の左のふくらはぎを掴み、自分の肩に掛けて持ち上げた。
「くっ…!」
まるでエアロビクスのように、横になって片足だけ上げた格好。
ぷるぷる揺れる太ももの肉と、少しズレてきわどい紙パンツがそそる。
さらに、その状態で、
「内ももが性感帯という女も多いぞ。たとえば、いまや“俺の女”同然の田村保乃に小林由依、アイツらなんかがまさにそうだ。こうやって触れるか触れないかの加減でなぞってやれば…」
「んんっ…!」
内ももを襲った淫靡なソフトタッチに身を固くする菅井に、
「そう。今みたいな艶かしい声を出して、もどかしそうにしながらも『もっと触って!』という眼をするんだ。さてはお前さんも同類か?ククク…」
一度いい反応が聞ければ何度もやる…それが男の性というものだろう。
「んっ、くっ…さ、触らないで…!ひゃっ…!」
無防備な内ももをオイルまみれの指でなぞられ、息を乱す菅井。
性感帯だという自覚はないが、オイルも相まって、とにかくくすぐったい。
力を入れて脚を閉じようとするも、その脚はしっかりと鮫島が肩に乗せているので閉じられない。…いや、閉じさせない。
そして、その撫で回す手は次第にきわどい脚の付け根を行き来し始める。
「んっ…んっ…」
紙パンツと地肌の境をなぞってやると、もぞもぞと身体をくねらせる菅井。
「どうした?待ち遠しくてたまらないか?」
「そ、そんなワケ…!」
「だったらじっとしてろよ。ククク…」
まだ“メインディッシュ”を触ってやる気はない。
モニターにでかでかと映るタイマーの残り時間は、
<47:42>
ゲーム開始からまだ15分も経っていない。
追い詰める時間はたっぷりあるのだ。
つぅ〜っと太ももからつま先まで指を走らせながら、
「それにしても良い脚だ。こんな綺麗な脚で嬲られたら喜ぶ男も多いだろう」
刺激を待ち焦がれるところからはあえて離れ、一本一本、足の指の間までこねくり回しながら、
「お前のこれまでの所業はそこにいる元・奴隷たちから聞いてるぞ?この脚でイチモツを弄り倒し、時には蹴飛ばしたり、踏んづけたりしていたらしいな。顔に似合わず、なかなか酷いことをするもんだ」
「━━━」
「その男たちにも見られているんだ。当時の威厳を失わないように、せいぜい頑張るんだな」
「くっ…!」
唇を噛む菅井だが、ふいに眉間に皺を寄せて顔を背けた。
足首を掴み、露わになった足の裏にこしょこしょと指に這わせてやったからか。
「んっ…!は、離して…!」
「どうした?くすぐりは苦手か?」
思った以上の好反応。
女王という立場では決して味わうことがない刺激、くすぐり。
「ほら、こっちもだ」
と抱える脚を入れ替え、反対の脚も同様にオイル漬けにして、くすぐりを追加する。
さらに、空いた手で、無防備に油断している脇腹もくすぐってやると、
「んっ…!ふっ、ふぁぁ…?」
と、逃げるように身体を揺らす菅井。
時折、施術台から転げ落ちそうな勢いで身体を捻るところを見ると、効果てきめんのようだ。
苦笑しながらその肢体を支え、
「ククク…くすぐりに弱いとは、なかなかいい情報だ。強き女は、当然、一筋縄ではいかんからな。弱点を突くにかぎる。こいつの出番だ」
と、その早くも汗だくの顔の前に見せつける鎖のついた革バンド。
それを一つずつ、右手首、左手首…さらに右足首、左足首へと巻きつけ、それぞれ四方に引っ張って鎖を施術台の脚と固定する。
「…どうだ?動けないだろう?」
あられもない「X」の字固定。
これでもう菅井は、急所を隠すことはおろか、身体をひねることすら出来なくなった。
まさに、まな板の上の鯉。
「さぁ、動けなくしたところで、じわじわ弱らせていくとしよう…!」
と不敵に笑うと、ガサガサと次なる責め具を漁った。
怪訝そうな眼を向ける菅井に、
「ククク…さて、次はこいつでもてなしてやる」
と突きつけたものは…?

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