2.嫉妬
連れ込まれた拷問部屋の扉に「使用中」の札が掛けられた。
そして、その部屋の中から聞こえる女たちの声。
「んっ…んっ…!くぅっ…!」
と堪えるような声をかき消す、いかにもイジメっ子っぽいケタケタとした笑い声。
部屋の中央にて、天井から垂れる鎖で手を吊られて拘束された織田の股間を、その声の主・志田が無遠慮に触っていた。
撫で回したり、揉みしだいたり…そして時折、竿を指でなぞると、
「んッ…!ま、愛佳っ…!や、やめてよ…はうぅッ…!」
制する織田だが、志田はやめるどころか、
「ほら、もんちゃんも触ってみ?マジで本物のチンポだから」
と隣の鈴本を促す。
相棒に誘われ、
「え、ホントに…?ホントに…?」
と言いながらも、その小さな手の平で織田のふたなりチンポをそっと握る鈴本。
それに対しても、
「んんッ…!」
と背筋を伸ばすようにして反応した織田に対し、鈴本は、終始、
「え、待って。どうしたらいいの?…どうすんの?これ。…え、どうすんの?」
と困惑し、連呼するばかり。
そこに志田が、いかにも意地悪な目で、
「とりあえず…軽くシコってやればいいんじゃん?」
と悪魔の囁き。
それにまんまと乗せられ、
「えー…こ、こう…?」
と、そのままシコシコと手を動かす鈴本。
すると、
「あッ!ちょっ、ちょっとッ…!うぁぁッ…!」
ふいの刺激に、つい内股になる織田。
それを見て志田は、
「アハハ!なに、その反応!ガチじゃん!ウケるっ!」
と手を叩いて豪快に笑い、鈴本には、
「ねぇ、もっとやろうよ!もっと!」
と、けしかける。
こうなってくると普段からイジられ役の織田の立場はどんどん弱くなり、徐々に志田のペースに。
スッと立ち上がり、ニタニタした目つきで横に寄ってきて、
「ねぇ、オダナナぁ…?こっちも一緒に弄ったらどうなんのぉ…?」
と言って、放り出した胸を撫で回せぱ、
「あんッ…♪」
「いや、なに?今の声…もしかして感じてんの?」
「か、感じてないってば…!」
「でも、今、『あんッ…♪』って言ったよね?明らかにオンナの声だったけど?」
と、志田の羞恥心を抉るツッコミ。
その、明らかに変なスイッチが入った不敵な笑みに、焦りを覚えた織田は、たまらず、
「んッ…!ちょっとッ…二人とも、いいかげんにしてッ…!」
と制止を試みるが、鈴本の手コキは止まらず、そして志田もエスカレートして胸の膨らみを寄せ集めてはモミモミと揉み始めた。
「んんッ…!」
と思わず宙を仰げば、
「あれぇ?オダナナ、気持ちいいのぉ…?」
「き、気持ちいいワケないじゃんッ…!」
「えー?ウソだー!だって、身体、震えてるし!」
と笑う志田に、たまらず、
「ふ、二人ともッ…ホントやめて!いいかげんにしないと、大きい声、出すよッ!?」
織田としては、それで終わらせるつもりで言ったのだが、志田はクスッと笑って、
「大きい声、出せば?それを聞きつけて誰かが入ってきて一番困るのはオダナナでしょ?」
「━━━」
お手本のようなブーメランに完全に言葉が詰まる織田。
さらに、追い打ちをかけるように鈴本が、
「ねぇ、愛佳。見て…何か、だんだん大きくなってきたんだけど」
と声を上げた。
確かに当初の子供サイズに比べると、いつの間にか起き上がり、ふた回りほど膨れ上がって硬さも身につけていた。
そして志田に、
「なに?オダナナ、もしかしてマジで感じてんの?チンポ勃ってきてるじゃん」
「━━―」
デリカシーの欠片もなく核心をついてくる志田に返す言葉がない。
やがて、完全にこの場の空気を掌握した志田はニヤリと笑って、
「ねぇ、もんちゃん。オダナナも感じてるみたいだし、この際、いつも冷たくあしらわれてる仕返しに、そのチンポ、好きにしちゃえば?」
それを聞いて、すかさず、
「し、仕返し…?なに言ってんの!?やだよッ!」
と焦る織田をよそに、まんまと志田の口車の乗せられ、
「そうだねぇ…♪たまにはいいかもねぇ…♪」
と、急に笑みを見せる鈴本。
それと同時に竿を握る鈴本の握力も急に増し、
「オダナナ、私に冷たいもんねぇ…♪」
「つ、冷たくないよッ!別に普通じゃん…!」
「普通じゃないよ。特に最近、私に冷たいから…」
「ふ、普通だってばぁッ!」
と必死に弁明する織田だが、そこで、
「じゃあさぁ…こばゆいと私、どっちが好き…?」
鈴本が口にした不意の二択に、
「…そ、それは…!」
と口ごもってしまった織田。
今の鈴本の問いかけには背景があった。

小林由依。
同じ統治メンバーの仲間だが、織田は以前からずっと彼女のことがえらく気に入っていて、廊下などですれ違うたびに、よく絡みにいく。
そして、その仲睦まじい姿に、鈴本は、内心、嫉妬していた。
織田に対してあまり釣れない態度の小林とは対照的に、自分は織田が大好きだから、常々、その愛を素直に態度に出してきたつもりだ。
(それなのにさ…)
織田はあしらわれてもなお小林に夢中で、逆に自分に対しては釣れない態度ばかり。
ひどい時には鈴本と二人で話している時にも、唐突に小林の話をしてきたりする。
小林がどうだとか、こないだ小林とこんなことを話したとか…。
あまりに楽しそうに話すので、仕方なく澄ました顔で相槌を打っていたが、それも、内心、
(今、こばゆいの話するんだ…目の前にいるのは私なのに…)
と思って、ひそかに落ち込んでいた。
小林の話をしている時の織田の顔は輝いていて、
(私と喋ってる時も、その顔してよ…!)
と、鈴本は、日々、そんな思いを抱いては、一人でやきもきしていたのだ。
それもあって、
「…ねぇ。こばゆいと私だったら、どっち?」
再度、問いかけて答えを迫る鈴本に対し、
「ま、待ってよ…!ゆ、ゆいぽんは、今、関係ないじゃんっ…!」
鈴本の手コキに悶えながら反論する織田。
その歯切れの悪さに、
「はぁ…」
と鈴本は露骨に溜め息をつき、
「やっぱりオダナナって、私のことはあんまり好きじゃないんだ…」
「ち、違うってッ!ゆいぽんも美愉もどっちも好きなのッ!同じぐらい!ホント、ホント!マジな話!」
と織田は言うが、すかさず志田が横から、
「いや、こんなの信じちゃダメだよ、もんちゃん。オダナナって、まずくなったらテキトーなことばっか言うクセあるから」
「テ、テキトーじゃないってばッ…!」
とにかく竿を掴んだ手を早く離してほしい織田は必死に、
「美愉だよ、美愉ッ!ゆいぼんより美愉の方が好きッ!もう10━0で美愉…!圧勝だから…!」
と言葉を並べるが、それもすぐに志田が、
「うわぁ、ウソっぽ〜い…よく、そんなの平気で言えるよね。節操ないわ〜…」
と横でドン引きし、そして、
「ちょっとさぁ。コイツ、マジで一回、懲らしめない?言うことテキトーすぎてヤバいんだけど」
と、もはや織田のことを“コイツ”呼ばわりして鈴本を煽る。
それを受けて鈴本も頷き、
「そうなんだよ…オダナナって、ホント、いつもテキトー…」
膨れっ面で呼応し、手の動きを再開。
しゅっ、しゅっ、しゅっ…♪
「んんッ…♪ちょっとぉ…!んんっ…あっ、あっ…♪」
硬化する一方のふたなりチンポを包み込むむず痒い感覚。
さらに志田が、半勃ちになっている織田の両乳首を指で擦ってアシストし始めれば、
「あッ、んんッ…♪」
「ほら、気持ちいいんでしょ?認めなよ、オダナナ」
普段は捕らえたスパイなどに行う性拷問を、なぜか今夜は織田が受ける羽目になっていた。
そして志田は、クリクリと織田の乳首を指で転がしながら、鈴本に扱かれるふたなりチンポに目線を落とし、
「ねぇ、オダナナ。これってさぁ…いつも一人でシコッてヌイたりしてるワケ?」
と、もはやオブラートに包む気すらなく、直接的に聞く。
「な、何でそんなこと言わなきゃいけないのッ…!」
と怒ったような声を出す織田だが、志田は引き下がる様子もなく、
「聞きたいよね?もんちゃん」
「うん。聞きたい」
「ほら、もんちゃんも聞きたいって言ってるよ。だから教えてよ」
「な、何をよ…?」
「だから、普段、自分でシコってんのかどうかってこと」
「━━━」
一瞬、変な間を置いて、
「…し、しないよ。するワケないじゃん…!」
織田としてはそれでも平常心を装ったつもりだが、付き合いの長い志田と鈴本は、あっさりと、
「はい、ウソ!絶対ウソ!」
「オダナナって、ホント、ウソつくの下手だよね。図星の時、すぐ黙るからバレバレ…」
と一蹴。
「うぅっ…」
あっさり見破られた情けなさと恥ずかしさで、ぐうの音も出ない織田に、
「へぇ…オダナナも男みたいに一人でシコシコしてるんだぁ…♪でも、まぁ、こんなのついてたら、そりゃするか…」
と、なぜか感心した様子で独り言を呟く鈴本。
それは、ある意味、愛があるからこそ出る相槌ともいえる。
一方、そういった愛などこれっぽっちもなく、ふたなりチンポをぶら下げた織田に対してS心しか湧かない志田は、
「ちなみにオカズは誰?もしかして、ゆいぽん?」
と容赦なく踏み込む。
そのキラーパスに対し、
「━━━」
再び図星の無言…志田は呆れて、
「うーわ…やってんなぁ、コイツ。ありえないわ、ホント。仲間のこと、何だと思ってんの?」
「だ、だって、しょうがないじゃん…!す、好きなんだから、ゆいぽんのこと…!」
と、つい無意識に言ってから、すぐ、
(あ…!し、しまった…!)
という顔をした織田だが、もう遅い。
今の禁断の一言で、明らかにムッとした様子の鈴本。
その静かなる怒りの感情を表すように握り拳の上下するスピードが上がると、
「んんッ、ああッ…♪ちょっ、ちょっと!美愉ッ…!」
と悶絶する織田に対し、とうとう鈴本の日頃の鬱憤が爆発。
「ゆいぽん、ゆいぽんって、さっきからマジうざいッ!一回イカせて黙らせるわ、マジでッ!」
そんな斜め上の言い分をぶちかまし、捻りまで加えだしてさらに激しく扱く鈴本に、
「んんっ♪あっ、あっ…♪ま、待ってッ!ひぃぃッ…♪」
繋がれた手足をくねらせ、反応が増す織田に、
「あーあ、とうとう怒らせちゃったねぇ…知らないよ?私は」
と無責任な笑みを浮かべ、なおも乳首を弄る志田。
やがて、織田のふたなりチンポは鈴本のハンドテクニックでフル勃起に到達し、その先端からは透明な液体がじわじわと…。
それを潤滑油に、嫉妬を原動力とする鈴本の高速手コキは一向に止まらず、
「んひぃぃっ…♪」
繋がれたまま、思わず仰け反る織田。
やがて鈴本の小さな拳の中から、ぐじゅっ、ぐじゅっ…と卑猥な濁音を聞こえだし、たまらず織田は、
「み、美愉ッ…!ちょっと待って!一回タイムっ!ねぇ、待ってってば…!」
これまで以上に焦った様子で懸命に制止の声を上げるも、それを無視して全然やめない鈴本。
「ダ、ダメだって…!それ以上はマジでダメだってばぁッ!」
そんな、のっぴきならない反応の織田に対し、志田が、
「え、出んの?出んの?」
と楽しそうに目を向ける。
そして、とうとう、
「あぁぁぁっ!?み、美愉ッ!ダメっ!ホントにダメぇぇぇッ!」
かすれた声で絶叫する織田に対し、
(イッちゃえ!バカっ…!)
鈴本が心の中で一喝すると同時に、
どぴゅっ♪どぴゅっ♪

かすれた声で絶叫した織田のふたなりチンポの先から、白濁とした液体が、二度、三度と激しく飛び散った。
スプラッシュと形容した方がしっくりくるような豪快な飛散に、
「うわぁ、ヤっバ!マジで出たじゃん!しかも、くっさッ!つーか、出す量やばくないッ!?」
と、しきりに興奮している志田をよそに、
「はぁ…はぁ…!」
と、すっかり放心状態の織田。
鈴本も、自身の手コキで織田をイカせたことでいくらか冷静さを取り戻し、澄ました顔で精液まみれの指をティッシュで拭く。
そして、
「ねぇ、オダナナ。どうだった?もんちゃんにヌイてもらって、気持ちよかった?」
ぐったりした織田の乳首をつっつきながら感想を聞く志田。
その刺激で我に返った織田は、答えるよりもまず赤面して、
「も、もぉっ…!何やってんの、二人ともっ!やめてよぉ…恥ずかしいじゃんッ!」
と、まくし立て、
「もういいでしょ!?早く離してっ!」
と怒ったような声を出した。
だが、それに対して、一向に頷かない二人。
そして、ふいに志田が、織田の目の前に手をかざした。
「ちょっ、ちょっと…!何をする気!?」
と、思わず織田が声を上げたのは、その志田の手の平の中にスマホがあったからだ。
(ま、まさか…写真!?)
青ざめる織田に対し、
「ふふっ…♪一応、口止めに一枚もらっとかないとねぇ…♪」
と志田はクスクス笑いながら、滑らかなタップでカメラを起動する。
「バ、バカっ!やめてよっ!」
慌てて股間を隠そうと四肢を揺するが、拘束が外れず、そのまま、
カシャッ!
とシャッター音が鳴り、結局、ふたなりチンポが剥き出しの状態で、一枚、撮られてしまった。
そして、
「もし誰かにチクったら、これ、茜に見せるからね」
と志田は言ったが、すぐに思い出したように手を叩いて、
「あ、そっか♪別に茜じゃなくても、ゆいぽんに見せればいっか…♪」
それを聞いた瞬間、
「ちょ、ちょっとぉッ!それはやめてよぉぉっ!」
と、とうとう半泣きで絶叫しだす織田。
「だ、誰にも言わないから…ゆ、ゆいぽんにだけは見せないでッ…お願い…!」
と懇願する姿を見て、してやったりの志田とは対照的に、また少し複雑そうな鈴本。
(また、こばゆいのこと言ってる…)
という落胆とともに、
(全然、反省してないじゃん。コイツ…ムカつくから、もっかいイカせちゃおっかな…)
と謎の闘志を燃やす。
そして、そんな鈴本の心情を汲み取ったのか、志田は、
「あんまり、ゆいぽん、ゆいぽんって言ってると、もんちゃんがまた怒るよ?」
「あ…ご、ごめん…!」
と謝る織田だが、志田はニヤリと笑って、
「オダナナさぁ。ホント、ゆいぽんのこと好きだよね…♪そんなに好きなら、今からゆいぽんにテレビ電話でもかけてあげよっか?」
(え…?)
きょとんとする織田を置いて、
「ふふっ…そうだ、いいこと思いついた♪せっかくだからさぁ…もんちゃんのテクニックに耐えながらゆいぽんとテレビ電話してチンポ生えてること隠し通せるかゲームやろうよ」
「はぁッ!?バ、バカじゃん!?そんなゲームないから…!」
「あるある!今、私が作ったから…♪」
動揺する織田をガン無視し、流暢にスマホを操作して、どんどん勝手に話を進めていく志田。
「や、やだっ!やめてよっ!やんないから、マジで…!」
「大丈夫。下は映さない。ここで構えててあげるから」
と志田は言って、織田の顔をアップにスマホを構え、
「そのかわり、感じてる顔したり、声出したらヤバいよ?大好きなゆいぽんに変な風に思われたくないでしょ?」
ニタニタする志田に、
「む、無理だって…!我慢できないって…!」
と、既に半分白旗のような織田だが、志田は聞き入れず、
「言っとくけど、万が一バレても私たちは知らないよ?自己責任だから、私たちのことは巻き込まないでね」
「はぁっ!?い、意味わかんないって、それは…!」
と怒る織田を無視して、志田はスマホを操作し、いよいよ小林にテレビ電話をかけだした。
「ほら、かかったよ…♪」
と志田の言う通り、呼び出し音が鳴っている。
織田が顔面蒼白になっている隙に、そっと近寄り、再び、織田のふたなりチンポに手を伸ばす鈴本。
そして…。
「…はい。もしもし?」
聞き慣れた声の応答があった瞬間、志田が、
「ゲーム、スタート…♪」
と耳元で意地悪に囁いた。
(つづく)