欅共和国の激動‎ ―咲く櫻、散る櫻―































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【🌸櫻咲く編】松田里奈と森田ひかるに捕まった男
1.無邪気な女たち
 彼の名は二郎。
 裏の世界では世紀の怪盗、現代のルパンとして名を馳せている。
 今回、彼に舞い込んだ依頼は『欅共和国』の中で要塞と化している『欅ハウス』に潜入し、統治神と称される『ヒラテ』の素性が分かる機密書類を入手すること。
 手に入れたあかつきには、それを高値で売り込んでしこたま儲けようと企み、早速、その『欅ハウス』とやらに潜入した。
 最初は難なく事が進んでいた。
 雲行きが怪しくなったのは隠し階段を見つけ、その先の地下室に入ってからだ。
 暗い通路を歩いている時に、急に意識が薄れ、目眩がした。
 ほんのり異臭がする。
 閉じかけの瞼を見開き、目を凝らすと、壁の隙間から霧のようなスモークが吐き出されていた。
(しまった…催眠ガスだ…!)
 と気付いたまではよかったが、そこから二郎は強烈な眠気に襲われ、ふらついて右へ左へ壁に衝突を繰り返し、やがて冷たい床に這いつくばっていた。
 その後の記憶は曖昧だが、完全に意識が飛ぶ寸前、ツカツカと足音が近寄ってきたことだけは覚えている…。

 ……

「うぅ…」
 目を覚ました二郎。…だが、動けない。
 視界に映ったのは見覚えのない部屋で、そこで自分が今、壁に手足を留められて「X」の字で拘束されていることに気がついた。



 しかも、いつの間にか服を脱がされてパンツ一丁…。
「こ、ここは…!?」
 と、まだ頭が回ってない中で絞り出した独り言に対して、
「あ、起きたみたい…♪」
「気がついた?」

(…!)

 まだ完全には目も開いていない中、前から声をかけられ、ハッとして目をやると、女が二人、立っていた。
 ともに小柄で、特に左の女は、一瞬、子供かと思うぐらいの低身長だったが、その整った顔立ちは妙齢の女性そのものだ。


 
 一度、水を浴びた猫のように頭をぶんぶんと左右に振ってしっかり目を覚まし、
「…お、お前ら…誰だ…?これはいったい何のマネだ…?」
 その質問に、女の片割れ、松田里奈は苦笑して、
「いや、それはこっちのセリフだから。こんな夜中にコソコソ忍び込んできたのはアンタの方でしょ?ここは、我が欅共和国の官邸…そこに忍び込むなんて大それたことをするヤツ、簡単には帰さないよ?」
 続いて隣のミニマムな女、森田ひかるも続けて、
「取り逃がせば我が国を転覆の危機に陥れたかもしれない重要参考人。二度と悪さ出来ないようにしてあげるから覚悟しなよ…!」
「チッ…!」
 必死に手足の枷を揺するが、外れる気配はない。
「ふふっ…♪暴れてる…おもろ…♪」
 と何が面白いのか、暴れる二郎を見て、やたらクスクスと笑っている森田。
 そして松田は、ゆっくりと五郎の傍に寄ってきて、
「無駄、無駄。その枷は特殊金属で作られた特製の拘束具。この鍵がないと絶対に外れんから」
 と、その鍵を二郎の顔の前ででちらつかせる。
「く、くそっ…!」
「で、どうするぅ?外してほしい?」
 と聞いておいて、間髪いれず、
「そりゃあ外してほしいわよね。こんな格好してるんだから早く服を着たいでしょ?アハハ!」
 と笑うのが憎たらしい。
「お、おのれ…!」
 相手が若い女ということで余計にパンツ一丁の恥じらいが徐々に込み上げる。
 そして、ちらつかせていた鍵をポケットにしまった松田が、
「さーて…あっさり捕まっちゃうようなマヌケな泥棒さんには罰として、お仕置きをしてあげないとね。たっぷり楽しませてもらおっかな…♪」
 そして、まず二人が手にしたのは羽根。
 それを左右から二郎の肌に這わせる二人。
「…くっ…!」
 とっさに小さく声を上げた二郎。
 こんなもので痛みなどある筈がないが、拘束されて剥き出しの腋や脇腹、へそに当てられると、さすがに少しくすぐったい。
 それが延々と続くので、たまらず、
「くっ…いつまで続ける気だ!つまらないことはやめろッ!このチビども!」
 と、声を荒げる二郎。
 すると、
「あ〜!チビって言ったぁッ!」
「はい、お仕置き延長〜♪」
 暴言の仕返しとばかりに羽根を腋に這わせる二人。
 特に森田の方は、今のチビ呼ばわりで、さらに好戦的な目になっていた。
「くっ…くっ…や、やめろッ…やめろっつってんだろぉ…!くだらんことを延々と…いいかげんにしろ、貴様らッ!」
 と二郎が怒声を上げても、まるで堪えていない。
 それどころか、むしろ楽しんでいるような屈託のない笑顔に、この女のS気質が垣間見えた気がした。
 そして、
「何でこんなことをするか分かる?」
 ふいに松田が聞いてきた。
「━━━」
 真意が計れずに黙っていると、松田は、二郎の耳元に口を寄せ、

「くすぐりって、性感を高める効果があるんだよねぇ…♪そろそろいい具合だと思うけど、試してみよっか?」

「た、試す…?」
 怪訝そうな顔をしている二郎の胸板を這っていた松田の羽根が、ふいに乳輪をなぞってきて、思わず、
「うッ…!」
 むず痒い刺激に、つい声を出してしまった二郎。
 その反応に満足そうな笑みを浮かべ、
「ほら、いい感じになってる…♪」
「じゃあ、そろそろ本腰を入れようかな。じゃ〜んっ♪」
 と言って、もう一本、羽根を取り出し、ここからは二刀流で左右の乳輪をダブルで責めてくる松田。
「くっ…や、やめろ…!あぁっ…!」
 制するも聞いてもらえず、それどころか、さらに声が漏れる二郎。
 さらに足元では森田が、こちらも、いつの間にか二刀流になって左右の内腿に羽根を這わせてくる。
「あっ…あっ…」
「アハハ♪ヤバっ…おもろすぎるんやけどっ…♪」
 手足を留められたまま、ビクビク震えて反応する二郎の様子がツボに入った様子の森田は、さらにパンツの淵をなぞるように股の間を往復させ始めた。
 じわじわと額に脂汗が浮かぶ二郎。 
 たちまち、口を真一文字に縛って声を抑える戦法に切り替えたようだが、一方で、どうしても抑えられないものもある。
 そして、

「あれぇ…?ここ、どうしたのかなぁ…?」

 ふと、松田がニヤニヤしながら左右の羽根で乳首をかすめ、
「さっきまでは、こんなに尖ってなかったけど…もしかして、アンタ…くすぐられて感じてる?」
「そ、そんなワケないだろッ!」
 狼狽し、声を張り上げる二郎だが、松田は動じず、
「でも、勃ってるけど?」
「き、気のせいだッ…!」
 苦しい言い訳で逃げる二郎だったが、松田はあっさりと、
「気のせいかぁ…じゃあ、もうちょっと続けてみよっと♪」
「くっ…や、やめろって…」
「え?何で?だって気のせいなんでしょ?」
 意地悪な笑顔を浮かべる松田は、
「強情はいらないよ。ちゃんと自分で勃起したことを認めるまでやるから…♪」
 と言って、なおも乳首嬲りを続ける。
 一方、森田も、内腿だけでは飽き足らず、とうとうパンツの上まで責めのテリトリーを広げてきていた。
「ねぇねぇ、泥棒さん。こういうのはどう?」
 と無邪気な顔で問うわりに布越しに蟻の戸渡りを的確に狙ってくる小悪魔。
 玉の裏と肛門の間を行き来する羽根が刺激を生む。
「あっ…くっ…うぅっ…はぁ…はぁ…」
 そのくすぐったさとじれったさで徐々に落ち着きを失くし、息が乱れてくる二郎。
 すると、
「あれー?何だ、これー?」
 白々しい棒読み口調で声を上げた森田が目をやったところ…そこには、当初より格段にもっこりとしたパンツの膨らみと、その先端に滲む怪しいシミ。
「ここもやってみよっと…♪」
 と、次はその膨らみを標的にして羽根を這わせる森田。
「んっ…くぅぅ…」
 もどかしい刺激が竿をなぞり、先端を撫でてくる。
 無邪気なふりをして、パンツに浮き上がる裏筋や亀頭をしっかり丹念に責めあげる森田。
 なおも、
「ヤっバ…!どんどんパンパンになってくる…♪え、待って…先っぽ、超濡れてんだけどッ!」
 経過を嬉しそうにいちいち声にする小悪魔っぷりが、二郎の羞恥心を煽る。
 そして、それを、
「ねぇ。見て、これ!」
 と、わざわざ相方の松田の視線を呼びつけ、呼ばれた松田も、
「うっわ、出しすぎでしょ…染み出てきとるやん…♪」
 と少し訛りのある口調で冷やかす。
「コイツ、もしかしてドMかなぁ?」
「かもねぇ…♪何なら今、むしろ喜んでるのかも…♪」
 とニタニタ話し合う二人に、
「や、やめろよ…お前ら…!」
 虫の音のような精一杯の抵抗は、二人の小馬鹿にした笑い声であっさりとかき消された。
 こんな羽ごときで性感帯を刺激され、まんまと翻弄される二郎。
 挙げ句の果てには、
「ほら。もっとシャキッとしなよ、シャキっと」
「張り合いないんだけど」
 と、防戦一方で嬲り甲斐のない二郎に文句を言ってくる二人。
 なおも乳首嬲りを続けながら、
「こんなのでヒィヒィ言ってたらもたないよ?まだまだ用意してるんだから…♪」
 と言った松田の言葉が冗談に聞こえない。
 そして、
「よーし…そろそろ、アレ、使っちゃおっか?」
 と、羽根を操る手を止めた森田が、スッと二郎の前から離れていく。
(…?)
 股間への攻撃が中断され、ひと時の安息…。
 しかし、部屋の隅の棚から何かを持って戻ってきた森田を見て、二郎は一抹の不安を感じた。
 森田が楽しそうに手にしているもの…それは遠隔ローター、いわわる「とびっこ」と呼ばれるものだ。



「へへへ…♪」」
 と無邪気な笑みで、使う前から既にニヤニヤが止まらない森田。
 そして、
「じゃあ、次はこれで遊んであげるねっ…♪」
 間違いなくドS…五郎は、だんだん、軽率にチビ呼ばわりしてしまったこの女のことが怖くなってきていた。


(つづく)

鰹のたたき(塩) ( 2024/02/25(日) 23:41 )