1.狩りの成功
プシューッ!!
大木に縛りつけられた後輩メンバーに手をかけた瞬間、突如、雑木林の木々の間、四方から噴き出し、辺り一面を包み込む催涙ガス。
「くっ…!」
(やっぱり罠だ…!)
そう直感し、慌てて顔を覆ったのは欅共和国の統治メンバーの一人、上村莉菜。

だが時すでに遅し…襲いかかる目の痛みに耐えられず、その場でうずくまった。
そこへバタバタと駆け込んでくるガスマスクの連中。
ガスをもろともせず、煙の中で的確に莉菜の両脇を抱えると、素早く用意した改造スタンガンを脇腹に押しつける。
バチバチっ!!
「あうッ…!」
小さく上げた呻き声とともに、一度ビクンと身体が跳ねた後、力が抜けたように崩れ落ちた莉菜の身体を支え、速やかに雑木林を後にする男衆。
やがて煙が晴れた雑木林に残ったのは、莉菜を誘い出す餌として大木にロープでくくりつけられた関有美子。…いや、よく見れば、それも有美子に似せて精巧に作られたマネキンだった。
そして完全に煙が晴れたのを確認して、ようやく木陰から姿を見せるこの狡猾な罠の首謀者、鮫島。
先日、捕らえて拷問にかけた有美子を返すのを条件に、一人で来るようにと条件をつけて誘い出す作戦が見事に成功し。顔に浮かぶ満足げな笑み。
そして、
「ククク…バカめ。せっかく調教した肉奴隷をむざむざ返すとでも思ったか」
と、独り言を吐き捨て、男衆の後を追う。
こうして、今宵…また一人、強き女が復讐兵団の餌食となる…。
(つづく)