欅共和国の激動‎ ―咲く櫻、散る櫻―































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【櫻散る編🌸】上村莉菜の陥落物語
1.狩りの成功
 プシューッ!!

 大木に縛りつけられた後輩メンバーに手をかけた瞬間、突如、雑木林の木々の間、四方から噴き出し、辺り一面を包み込む催涙ガス。
「くっ…!」
(やっぱり罠だ…!)
 そう直感し、慌てて顔を覆ったのは欅共和国の統治メンバーの一人、上村莉菜。



 だが時すでに遅し…襲いかかる目の痛みに耐えられず、その場でうずくまった。
 そこへバタバタと駆け込んでくるガスマスクの連中。
 ガスをもろともせず、煙の中で的確に莉菜の両脇を抱えると、素早く用意した改造スタンガンを脇腹に押しつける。

 バチバチっ!!

「あうッ…!」
 小さく上げた呻き声とともに、一度ビクンと身体が跳ねた後、力が抜けたように崩れ落ちた莉菜の身体を支え、速やかに雑木林を後にする男衆。
 やがて煙が晴れた雑木林に残ったのは、莉菜を誘い出す餌として大木にロープでくくりつけられた関有美子。…いや、よく見れば、それも有美子に似せて精巧に作られたマネキンだった。
 そして完全に煙が晴れたのを確認して、ようやく木陰から姿を見せるこの狡猾な罠の首謀者、鮫島。
 先日、捕らえて拷問にかけた有美子を返すのを条件に、一人で来るようにと条件をつけて誘い出す作戦が見事に成功し。顔に浮かぶ満足げな笑み。
‎ そして、
「ククク…バカめ。せっかく調教した肉奴隷をむざむざ返すとでも思ったか」
 と、独り言を吐き捨て、男衆の後を追う。
 こうして、今宵…また一人、強き女が復讐兵団の餌食となる…。


(つづく)

鰹のたたき(塩) ( 2024/04/14(日) 00:29 )