欅共和国の激動‎ ―咲く櫻、散る櫻―




























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【🌸櫻咲く編】長濱ねるに狙われた男
2.尋問開始
 男が、ぼんやりと目を覚ました。
 天井の間接照明を見つめる視界はまだ揺れている。
「こ、ここは…?」
 部屋には見覚えがある。
 酒場で意気投合した女と一緒にチェックインしたホテルだ。
 だが、なぜ、そこで自分が今、ベッドに四肢を縛りつけられ、身動きがとれなくなっているのかは記憶にない。
 しかも、いつの間にかパンツ一丁…。
 脱がされた服はベッドの脇に乱雑に捨ててあった。
「くっ…」
 起き上がろうにも手足が動かせない。
 そして、そんな彼の耳にかすかに聞こえてくるのはシャワールームの水音。
 明らかに誰かの入浴中…その水音を聞きながら、
 (ま、待て…よく思い出せ…確か、女にワインを勧められて、それから…)
 そんな淡い記憶を懸命に遡っていると、やがて水音が止まり、シャワールームから顔を出した女が、
「あ…♪もう起きたと?思うたより早かね…♪」
 と言った。
(…!)
 濡れた長い髪にバスタオルをかけ、童顔で長崎弁を話すバスローブ姿のその女に、男は見覚えがない。
「だ、誰だ…?」
 と困惑して訪ねると、その女、長濱ねるはクスッと笑って、
「私のことはどうでもよか。それより私の質問に答えんね」
 と長崎弁全開で、頭に掛けたバスタオルでくしゃくしゃと髪を拭いただけのまだ少し湿った髪のまま、いきなり男の上に覆い被さった。
「くっ…」
 鼻に香るボディソープの良い匂い。
 そのまま前屈みで、グッと童顔の顔を寄せて、
「最近、アンタの周りで何か変わったこと起きとらん?」
「か、変わったこと…?」
「人、ようけ集めて、何か良からぬこと企んどるような人間、知らん?」
「━━━」
「はい、図星…♪」
 沈黙した男に対し、クスッと笑ったねる。
 そしてまた、男をホテルに誘った時の悩ましい目をして、
「その人のこと、詳しく教えてくれん?」
「え…?い、いや…俺は何も…」
「ホントに…?ホントに何も知らん…?」
 前屈みのバスローブの隙間から意図的にチラつかせる胸…。
 小柄なわりに、なかなか魅力的なボリュームに見えるその膨らみ…。



 男の視線がそこに留まったのを確認した上で、
「正直に教えてよ。教えてくれたら、私のおっぱい、好きにさせてあげてもいいよ…?」
 と誘惑の目線を送られると、思わず判断が鈍りそうになって、
「し、知らん…何も知らん。俺は…」
 と顔を背けてしまう男。
 すると、
「ふーん…そういう態度とるんだ…?だったら仕方ない…」
 ねるの指が蜘蛛のように妖しく蠢き、男の胸板を這いだす。
「くっ…や、やめろよ…」
 と制する男の声を無視して乳輪を取り囲み、人差し指がその中心にある尖りを弾く。
「う、うぅッ…!」
「教えてくれないなら、こういうことして無理やりにでも聞き出すことになるよ?それとも、こういうこと、そんなに嫌いじゃない…?」
 小悪魔的な笑みを浮かべ、さらに乳首を弄っては、その反応を窺うように男の顔を凝視するねる。
「ぐっ…そ、そんな目で見ないでくれよ…」
 と赤面する男に、すかさず、
「自分がやらせてるんやろ?で、だんだん赤くなってきてるけど大丈夫?」
「うぅっ…あっ、くっ…!」
「ふふっ♪感じてる顔、可愛いね…♪」
 と、まるで恋人のような表情を見せるねるだが、実際は情報収集のたるの尋問。
 その証拠に、単なる愛撫だけでなく、時折、ぎゅっとつねり上げたりもしてアメとムチの使い分けを忘れない。
「ほら、早う教え」
「━━━」
 押し黙る男。
(い、言えない…!)
 彼の脳裏によぎる“あの男”の冷たい目…ヘタなことを言うと報復が怖い。
「ねぇ、早く〜!」
 口を割るのを急かすねる。
「しらばっくれても、何か隠しとんのは分かっとーとッ!」
 と言って、次は男の乳首に唇を押し当て、

 チュッ…♪
 ズッ、チュッ…♪ジュル、ジュル…♪

「うぁぁっ…!」
 ねるの生温かい舌がナメクジのように男の乳首をねぶり、唾液まみれにしては指で擦る。
 たちまち、
「…見て?すぐ硬くなった…♪」
 と無邪気な笑みで話しかけてくるのが、たまらなく恥ずかしい。
「んっ、くっ…!」
 じっとしていられずに腰を浮かせるも、手足の拘束によって、すぐにベッドに戻される。
「ふふっ…暴れてる…♪焦ってるその顔、たまんない…♪」
 と、ねるはクスクスと笑って、
「まだ言わん…?」
「━━━」
「これでも教えてくれんのなら、こっちもいじめるしかなかねぇ…♪」
 と、蜘蛛の指があばらから下腹部へ下り、残された唯一の防具の上で躍る。
「くっ…や、やめろぉ…!」
 と口にする男だが、ねるは笑って、
「やめろ…?ホントは期待してるくせに…♪」
 と、あっさり一蹴し、そこに出来た山を登っては、
「あれぇ?ここ、こんなにボコボコしとったっけ…?」
 と、わざとらしく口にする。
「んっ、くっ…がぁっ…」
 魅惑のソフトタッチと、なおも目を逸らさない妖艶な上目遣い。
 幼さの残る顔立ちとは裏腹の痴女責め…そのギャップがたまらない。
 そして、いよいよ、ねるの指がパンツのゴムに掛けられた。
 びよん、びよん…と引っ張っては指を離し、ゴムが戻るのを楽しむねる。
「ねぇ?言う?」
 と最後の問いかけでも返事がないと見るや、
「あーあ…じゃあ、恥かいてもしょうがないね…♪」
 と、ゆっくり、最後の防具を脱がしにかかる。
 太ももまで引きずり下ろすと同時に、勢いよく飛び出る男のイチモツ。
「アハハ…何これ?もうこんなになってしもうて…♪」
 と、ねるは笑い、早速、その指を竿に絡ませて、
「ほら、早う言わんと、このままシコシコして情けない声いっぱい出させちゃうよ?出すものが声だけで済むうちに早う言うたら?」
「くっ…!」
 誰がそんな上手いことを言えと…なおも口を噤んでいると、宣言通り、竿を掴んだねるの拳がゆっくりと上下に動き始める。
 はじめはゆっくり…だが徐々にリズムに乗り、そこに捻りと、さらに親指の付け根で亀頭を擦る動きもミックスされ、極めつけは乳首舐めも再開。



「んんッ…♪はぁッ、あッ…はうぅッ…♪」
「ふふっ…すっごい声出てる…♪もう限界じゃん?」
 さらにねるは、耳元に口を寄せてきて、
「ほら、見える?アンタの勃起したオチンチンの先っぽからエッチなお汁が溢れとーよ?何でこんなに出しとーと…?ほら、そのお汁をローション代わりにしてシコシコされてるところ、自分で見てみ…♪」
 と淫語を囁いて羞恥責め。
 巧みに男の性感をコントロールし、手玉に取るねる。
 男は早くも陥落寸前だ。
「ほら、早よ言わんねッ!意地張るなら、こうしてやるばいッ!」
「うぅっ…!うぁぁっ!?」
 促すように我慢汁まみれの手の平で亀頭を包まれ、そのまま、グジュッ、グジュッ…と扱かれて、さらに悶絶する男。
(ダ、ダメだ…!こ、こんなに気持ちいい手コキ…た、耐えられない…!だけどッ…!)
 流されそうになるたび、あの人を刺すような冷たい目と淡々とした口調が脳裏に蘇る…。


 数日前、彼の元に現れた見知らぬ男から持ちかけられた復讐兵団への勧誘。
 意気地のない彼は、この国を治める強き女たちへの復讐など夢のまた夢…そんなのは絵空事に近いと思い、誘いを断った。
 男は、彼が誘いを断ったことには別に嫌な顔はしなかった。
 ただ、最後の別れ際に言われた一言が、今も頭に残る。

「俺の誘いを断った以上、俺と会ったこと、俺の言ったことは全て忘れた方がいい。でないと、後々、この誘いに乗っておけばよかったと、そっちの意味で後悔することになる…」

 その瞬間は何も感じなかったが、後になって、その妙に冷静なトーンを思い出すたび、だんだん怖くなってきた。
 だから彼は、言われた通り、何も見ていない、何も聞いていないで通し、今後も生きていくつもりだった。
 そんな矢先のハニートラップ…恐怖と快楽の狭間で彼の心は激しく揺れ動く…!


「ほら、どんどん腰が浮いてきてるッ!血管も浮き出てるし、キンタマもパンパンっ!…もう限界やろ?隠し事もそろそろ潮時ばい!」
 手コキをさらに速め、最後通告のように問うねる。
「うぅっ…!や、やめてくれぇッ…!」
 繋がれた四肢を揺らしてもがく男に、
「すごいビクビクしとぅ…♪イクん?イッちゃうと?いいよ、イッて。ほら、私の手コキでいっぱい臭いの出しんしゃいッ!」
「がぁぁっ…!」
(ダ、ダメだ…!で、出るっ…!)

 ドピュッ…!ドピュッ…!



 二回に分かれて飛び出した白濁汁は、勢いよく彼自身の胸板に着弾した。
 我ながら、まるで熱湯をスポイトで垂らされたような熱さ。
 スラム街に流れ着く以前は、欅ハウスにて統治メンバーの中でも特に悪名高い守屋茜、小林由依の兼用奴隷として飼われていた彼…。
 そんな二人のドSで乱暴な手コキとは全く違うタイプの手コキによって、彼は為す術もなく果ててしまった。
 そして、
「アハハ♪すごーい♪いっぱい出たよ、ほらっ…♪」
 と、指に付着した精液を見せびらかすねる。
 なおも、
「はぁ…はぁ…」
 と荒い息をして余韻に浸る彼に対し、
「こんなにたくさん出してしもーて…でも、まだ終わらんよ?知ってること洗いざらい聞き出すまでヌイてヌイて、ヌキまくったるから…♪」
(…!)
 愛らしい笑顔のまま言うのが余計に怖い。
 そして、
「気持ちいいのは最初だけ…♪今に快楽よりも苦痛が上回ってくるから早く吐いた方が身のためだよ…♪」
 と言って、再び竿に指を、それも精液まみれで少しヌルヌルする指を絡ませるねる。
「んっ…!がぁっ…!」
「ふふっ…何回目の発射で素直になるじゃろか…♪」
 所々に訛りを残した小悪魔ねるの不敵な笑み…。
 堰を切ったように、上下運動の第二幕が始まった…!


(つづく)

鰹のたたき(塩) ( 2024/03/25(月) 00:26 )