episode-4_2 【ANOTHER】道連れにされた小坂菜緒の末路
「ぐっ…お、おのれ…」
ヒナタグリーン、松田好花を処刑しようとしたところから一転、救出にかけつけたヒナタブルー(渡邉美穂)、さらにはヒナタレンジャーのリーダーであるヒナタレッド(小坂菜緒)まで現れ、一気に劣勢に追い込まれたキャタピラー。
必殺の火炎放射を跳ね返されて身体も焼け、既に足もフラフラ…。
そこにレッド、ブルー、グリーンが構えるヒナシューターの銃口が向き、
「くらえっ!」
「レインボー!」
「ショットぉっ!」
赤、青、緑の三色のレーザー光線が合わさり、よたつきキャタピラーの胸部に直撃。
「ぐわぁぁぁっ…!」
断末魔の叫びを上げるキャタピラー。…だが、そのまま倒れて爆発四散するかと思いきや、意外にも足を踏ん張って倒れず、そして、、
「お、おのれ、ヒナタレンジャー…!こうなれば…奥の手だ…!」
と、瀕死の中でそう言い放ったかと思えば、次の瞬間、さっきまで業火を噴いていた口から、突然、真っ白い糸を噴射した。
(…!?)
驚き、慌てて散らばる三人。
左右に散ったブルーとグリーンは何とか逃がれたが、運悪く真っ正面にいたレッドが糸に絡まった。
「くっ…!」
思いのほか粘着性があるその謎の糸。
手刀で断ち切ろうとしたその手にも絡みつき、その間もずっと糸を吐き続けるキャタピラー。
「な、菜緒ッ!」
慌てて助けようとするグリーンを、
「触っちゃダメ…!好花の一緒に巻き込まれる…!くっ…!」
と制したのが最後、真紅のマスクにも糸が絡みつき、たちまちヒナタレッドはミイラのように、全身、白い糸まみれに巻かれた状態になっていった。
そこに、なおも口から糸を吐き続けながらヨタヨタと近づき、ミイラ状態のレッドに抱きつき、そのまま抱き合って床に倒れるキャタピラー。
やがてその大量の糸はキャタピラー自身の身体にも大量に巻きつき、そして次はみるみる硬化し始め、たちまちレッドを中に閉じ込めて巨大な繭(まゆ)と化した。
「し、しまったッ!」
「菜緒ッ!」
慌てて駆け寄り、足元に形成された巨大な繭にキックとチョップを打ち込むブルーとグリーン。…だが、びくともしない。
表面は既に粘着性は無くなっていて、そのかわりにとてつもなく硬い。
強化スーツの二人がかりで蹴っても叩いてもびくともしない。
そして、その中に、全身を糸に絡め取られたレッドが、キャタピラーとともに閉じ込められてしまった。
すかさず、
「ブルーナックルっ!」
と、いかつい棘のついた真っ青な球体を拳に装着したブルー。
それでドカドカとボクシングで鍛えた強烈なパンチのラッシュを見舞うが、繭は割れない。
「く、くそっ…!」
息が上がるまでパンチを続けたブルー。
モンスターなら粉々になっているであろう怒涛のラッシュだったが、そこまでしても繭にはヒビひとつ入れられず。
この様子では打撃系は全く効果がないと察し、
(ど、どうしよう…!)
と問うように目を向けるブルー。
問われたグリーンは意を決し、手にしていたヒナシューターを繭に向けた。
「ちょ、ちょっと、好花ッ!」
仮にそれで装甲のような繭の殻を破れたとして、中のレッドにまでダメージが加わるんじゃないかと危惧するブルーだが、
「美穂のパンチで無理ならこうするしかない」
と言い、お決まりの、
「シューターっ!」
の掛け声で引き金を引いて緑色のレーザー光線を発射!…したが、それすらも繭は弾いて針の穴すら空かない。
「そ、そんな…!」
愕然とするグリーン。
その後も、二人で同時に撃ったりしたが、結果は同じ。
ヒナシューターのレーザービームすら効かない繭の殻。
その後も、インパクト抜群の巨大な繭を眼下に、どうにか閉じ込められた救助策を考える二人。
一方その頃、繭の中では…。
「くっ…くっ…」
閉じ込められた繭の中でもがくレッド。
一時はすごかった粘着力は次第に薄れ、腕に絡みついた糸が自然と切れて払われていくようになっていた。
まず身体に巻きついた糸がなくなり、そしてマスクのゴーグル部分を覆った糸もなくなっていく。…と、その瞬間、すぐ目の前にキャタピラーの顔があり、思わず、
「くっ…!」
驚きとともにファイティングポーズを取ろうとしたレッドだが、腕が壁に当たり、何やら尋常ではない窮屈さを感じる。
(な、何これ…!どういうこと…?)
それがキャタピラーの糸で作られた繭の中で、自分がその中に閉じ込められていると気付くのにそう時間はかからなかった。
そして…。
「フフフ…驚いたか、ヒナタレッド。これが俺の奥の手だ。糸が完全に凝固したこの繭はダイヤモンドより硬い。外の仲間が何をしても絶対に破ることは出来ん。俺様が羽化するまで、貴様は絶対にここからは出られんぞ」
「くっ…!」
とっさに身体を動かそうとしたが動かなかった。
繭の内壁にくっついた背中、腕、脚…内壁の粘着力は衰えないようで、これではまるでとりもちにくっついた虫同然。
そしてキャタピラーは、
「通常なら羽化まで丸二日はかかる。が、それを待たずに早く羽化するにはそれ相応の養分が必要だ。幸い、養分は中に閉じ込めた。…ヒナタレッド、貴様という養分をな!」
「な、何ですって…!」
とマスクの中で怪訝そうな顔をした菜緒だが、次の瞬間、
「…え?な、何で…!?」
なんと、急に変身が解け、こんな非常時にもかかわらず人間体に戻ってしまった。
それと同時に、何やら変異が始まる目の前のキャタピラー。
(ま、まさか…!強化スーツのエネルギーを養分として吸収された…?)
とりもちのように密着する背中の内壁にエネルギーを吸収され、それがそのままキャタピラーに伝わったということか。
その答え合わせをするように、
「ほぅ…思いのほか、一気に進化が進んだ。貴様らの強化スーツには相当なエネルギーが蓄えられているようだな」
「く、くそっ…!」
慌てて再変身を試みる菜緒だが、両腕が内壁にくっついてクロスできない。
一方のキャタピラーは、自分の吐いた糸だからか内壁に触れても粘着がなく、手が動く…!
「フフフ…さぁ、養分を頂こうか…♪強化スーツの次は貴様自身からなぁッ!」
「くっ…」
狭い繭の中で掴みかかってくるキャタピラーに対し、身体が動かず無抵抗の菜緒。
進化に伴い、より鋭くなった爪のひと掻きは、菜緒の着ている服をいとも簡単に切り裂き、その切り口から地肌が露出した。
「さぁ、拝ませてもらうぞ…♪」
と小さく笑ったキャタピラーが、さらにひと掻き、そしてもうひと掻き…。
「くっ…な、何を…や、やめろぉッ…!」
声だけの抵抗も虚しく、どんどん衣服を裂かれていく菜緒。
そして、とうとう前が完全に開き、ブラが露出する。
「ほぅ…これはこれは…♪」
とりわけ大きくもないが、かといってぺったんこでもない、ちょうどいいサイズ。
嫌でも感じる超至近距離からの視線に、
「や、やめろっ…見るなッ…!」
と恥じらうも隠す手立ちもなく、それどころか、
「邪魔だ。さっさと見せろ」
と、そのブラまで谷間のところで切断され、はらりと前が開いて御開帳。
「やぁッ…」
こんな電話ボックスほどの空間の中で晒される美乳、そして先端の可愛らしい小粒の突起。
それを、
「どれどれ…♪」
「んっ、くっ…さ、触んなッ…触んなぁッ…!」
無遠慮に揉みしだきにかかるキャタピラー。
最初は嫌がっていた菜緒だが、ふいに、むぎゅっ…♪と力が込められると、つい、
「んんッ…♪」
「ほぅ、激しい手つきの方が好きか。よし分かった」
と味を占めて激しくなる手つき。
背中が貼りついて身動き出来なければ、このままされるがまま…たまらず、
「み、美穂ッ…!好花ぁッ…!」
と外の二人に助けを求めるも、
「無駄だ。この繭は完全防音、そしてもし仮に声が届いたところで外の二人が殻を割ることは絶対に出来ん…つまり、俺様が養分を蓄えて羽化をして殻を破るまで、お前は俺とこの狭い密室で二人きりなのだ!」
「そ、そんな…!」
「フフフ…さぁ、それではこの調子で下も拝ませてもらおうか!性的興奮も羽化を促進するにはもってこいだ」
と再び爪をかざし、菜緒のスカート、パンティをまとめて切り裂き、下の毛まで露出させるキャタピラー。
「きゃっ…!」
と恥じらったのも束の間、いつの間にかすっかり膨張していた人外のイチモツを素早く菜緒の脚と脚の間に差し込み、現れた毛の上からズリズリと擦りつけ、
「さぁ、楽しませてもらうぞ。即ハメセックスほど養分が賄えるものはないッ!」
「い、嫌ッ…嫌ぁぁぁッ!や、やめてぇぇッ!」
菜緒が身動きとれないのをいいことに、まだ潤滑油すら出ていない女性器に無理やりねじ込むキャタピラー。
ただでさえ狭めの菜緒の膣に裂けるような激烈な痛みを与えて失神させた後は、死姦さながらに自分だけで楽しむ養分吸収レイプ。
そして…。
バリバリバリっ!!
「なっ…!」
打つ手をなくしていたブルーとグリーンの前に、前触れもなく、突然、繭を割って現れた毒蛾のバケモノ。
養分を得て見事な羽化を遂げ、成虫となって名を「モス」に変えたその怪人に、繭に閉じこもる前のいわば幼体、キャタピラーの面影は微塵もない。
そして割れた繭の中には、羽化に必要な養分を性交でしこたま吸収された全裸の菜緒がぐったりとして倒れていた。
股の間からこぼれ落ち、太ももを伝う大量の白濁汁…。
「な、菜緒ッ!」
と呼んでも返事はなく、その間にも羽根を広げて襲いかかる成虫怪人モス。
「くっ…!」
とっさにヒナシューターを構え、
「シューターっ!」
の掛け声で引き金を引いたグリーンだが、緑色のレーザービームを受けてもモスはへっちゃらだ。
続いてブルーが加勢し、青色のレーザービームを発射しても同じ。
「そ、そんなッ…!」
「ヒナシューターが効かないッ!」
狼狽する二人に、
「フハハ!そんなビーム、せいぜい幼体にしか効かんわ!成虫となった俺様の力を見せてやる!」
高笑いとともに羽ばたき宙を舞うモス。
そして、その羽根からパラパラと鱗粉(りんぷん)を撒き散らすと、途端に、
「ぐっ…!」
「く、苦しいッ…!」
喉を押さえ、ヨロヨロと膝を折って崩れ落ちるブルーとグリーン。
「フフフ…俺様の毒の鱗粉だ。さぁ、苦しめ!苦しむのだ!」
と高笑いのモス。
まずグリーンが、そしてそれを追うようにブルーも、あっけなく気絶…。
こうして全く歯が立たずにノックアウトを喫した二人。
この後、菜緒と同じくモスの養分にされ、さらに強化したモスは、翌日、ヒナタベースを急襲。
残りの戦士たちにかすり傷ひとつ負わずに完勝し、彼女たちだけでは飽き足らず、逃げ惑っていた通信係の高橋美来虹、メカニックの森本茉莉、山口陽世、分析班の正源司陽子に加え、隊長の佐々木久美をも手にかけ、一人残らず養分として食い荒らし、とうとう幹部のイグチ魔女をも凌ぐ最強の怪人へと進化。
虫捕り少年が見つけた一匹の毛虫が、この星の希望を粉々に打ち砕いたのだった…。
(おわり)