episode-1_2 【ANOTHER】捕らわれた河田陽菜の末路
「とぉッ!」
「やぁッ!」
闇夜にこだまする気合いの声。
夜の帳が下りた公園で、色鮮やかな戦士たちと化け物が交戦している。
身体能力に長けた人間を拉致し、血統の良いガーナ兵に転生させるべく暗躍した蜘蛛のモンスター・スパイダー。
今宵も夜の公園で獲物を待ち伏せし、通りがかった部活帰りの陸上部のエースを手にかけようとしていたところを、間一髪、駆けつけた戦士たちで妨害し、そのまま戦いに発展した。
早速、変身して立ち向かうヒナタレンジャーの面々だが、すんなり多勢に無勢とはいかず、スパイダーの撒き散らす子蜘蛛爆弾に大苦戦。
そして、次々に投げつけられる子蜘蛛爆弾に逃げ惑う戦士たちの一人に狙いを定めたスパイダーが、
「くらえッ!」
シュルルル…!
「きゃっ…!」
スパイダーの口から吐き出された糸が、爆風から逃げることに夢中で隙だらけだったヒナタホワイトをみるみる捕縛していく。
「陽菜っ!」
リーダーのヒナタレッドが気付き、すかさず助けに向かおうとするも、
「させるかッ!」
先手を打ってそのレッドの走路めがけて子蜘蛛爆弾をばらまくスパイダー。
それを見たヒナタグリーンの、
「菜緒っ!危ないッ!」
の声とともに
ドゴォン…!ドゴォン…!
「くっ…!」
発火、爆発の瞬間だけ明るくなる周囲。
進路を塞がれ、立ちすくむレッド。
その間にも、スパイダーの口から際限なく吐き出される糸はホワイトの華奢な身体にさらに何重にもなって巻きつく。
さらにスパイダーは、ホワイトの脚に向けても糸を発射。
「きゃぁッ…!」
ぐるぐる巻きの胴体に続いて両足も束ねるように縛られ、そのままバランスを崩して倒れ込んだホワイト。
振りほどけず、芋虫のように地面にのたうち回る姿を見て、
「フフフ…これでもう貴様は動けんぞ!一丁あがりだッ!」
と得意げなスパイダー。
そして、
「このヤローっ!」
と、すかさず攻撃に転じて飛びかかろうとしたヒナタブルーに向けては再び子蜘蛛爆弾を投げつけて爆風の防御壁を作り、間合いを詰めさせない。
「うわぁッ!」
爆炎の向こうで上がる悲鳴。
有効打にはならずとも、足は止まった筈。
その隙に、米俵のような状態で足元に転がるホワイトをひょいと肩に担いだスパイダーは、傍らの木の上へとジャンプ。
そして、残りの戦士たちを眼下に見下ろし、捨て台詞として、
「ヒナタレンジャーども、よく聞け!二度と俺の計画の邪魔をするな!それを守ってもらうためにも、コイツはしばらく預かっておく!次に邪魔をしに出てきた時はコイツの命は無いと思えッ!」
そう言って、またしても口から吐き出した糸を別の木に巻き付け、その糸を伝って器用にスルスルとそっちの木へ移動。
それを素早く繰り返し、街路樹を伝って闇の中に退散したスパイダーの背中には、
「し、しまった…!」
「待てッ!」
「陽菜ぁッ…!」
と戦士たちの嘆きが次々に聞こえた。
……
こうして、捕らわれの身としてスパイダーのアジトに連れ込まれたヒナタホワイト。
それまで肩に担いでいたのを放り出すようにして降ろされ、なおもぐるぐる巻きの状態で地面で転がっている彼女に対して、
「フフフ…ここが俺様の巣だ。ようこそ…♪」
と不敵な笑みで声をかけるスパイダー。
そこは薄暗い倉庫のようなところで、天井には碁盤の目のように梁が張り巡らされている。
そこに着いてまずホワイトが最初にやられたことは拘束の仕方の変更。
胴体と脚を何重にもして巻きついた糸は、いくらもがいても…人間体に比べてパワーが上がる筈の強化スーツを持ってしても振りほどけなかったのに、生成した主であるスパイダーがパチッと指を鳴らすと、途端にボロボロとほどけ落ちた。…が、しめたと思って立ち上がるよりも先に、すかさず新しい糸がスパイダーの口から吐き出され、次は両手首を束ねられた。
そして、図体のわりに身軽なスパイダーはその糸を手にしたまま、ぴょんと飛び上がり、視界から消えて頭上の梁の上へ。
「起きろ!」
と両手を束ねる糸をグイッと引っ張って無理やり立たせ、そのまま頭上まで手を上げさせたところでその糸の先を梁にくくりつければ、あっという間に棒立ちバンザイ拘束の完成。
そして、立たされたホワイトの目先1メートルのところに糸が垂れてくると、カサカサとその糸を滑り降りるようにして再び視界に戻ってきたスパイダー。
「フフフ…いいザマだ、ヒナタホワイト。さらわれる人間たちを助けに来たにもかかわらず自分がさらわれたというのはどんな気分だ?えぇ?」
「う、うるさいっ…!くっ…!くっ…!」
今のセリフだけで、底意地の悪い、憎たらしいモンスターというのが分かった。
よって、そんなヤツにこそ正義を執行したいところだが、いくら身体を揺すっても両手首を束ねる糸を弾き飛ばせず、それが出来ないと身動きがとれない。
それをいいことに、
「どうした?さっさと殴りかかってこいよ。それに、早く振りほどかないと、また俺は優秀な人材を狩りに街に出てしまうぞ?」
ニタニタと笑みを交えて煽るスパイダー。
そうはさせまいと、
「くっ…!くっ…!」
クネクネと身体を揺すって奮闘するホワイトだが、一見ただの糸のくせにやたらと頑丈でいくら頑張っても断ち切れない。
スパイダーは自慢げに、
「俺様の糸は、乗用車でも楽々と吊り上げられる強度を誇る。いくらヒナタレンジャーでも、そう易々と断ち切ることは出来ん。三日三晩、寝ずにもがいても無理だろうな」
「くっ…」
マスクの下で悔しそうに唇を噛むホワイト。
そしてスパイダーが、
「あれを見ろ」
と、そのアジトの壁に埋め込まれたモニターを指差すと同時に画面が点灯。
映し出されたのは真っ暗な公園…それこそ先ほど自分たちが戦っていた公園で、そこで、小坂菜緒、渡邉美穂、松田好花ら、人間体に戻った仲間たちがさらわれた自分の行方を探し回っている姿が見えた。
「み、みんな…!」
「フフフ…街灯に留まる俺の偵察蜘蛛の存在にすら気付かんマヌケどもが駆けずり回って探しておるわ!」
とスパイダーは嘲笑い、
「あの調子では、俺のこのアジトは、到底、見つけることは出来ない。つまり、そこに連れ込まれたお前の命運はもはや尽きたも同然ということだ」
勝ち誇るスパイダーに対し、押され気味ながらも、
「わ、笑ってられるのは今のうちッ…お前がタカをくくってるだけで、すぐにみんなはこのアジトを突きとめるに決まってるんだからッ…!」
と言い返すホワイトだが、拘束されたその状態ではどうしても迫力に欠ける。
スパイダーも一笑に付すような調子で、
「果たしてそうかな?仲間が見つけてくれるのと夜が明けるの、どっちが先だと思う?俺は間違いなく後者だと思うがな」
そうは言ったものの、すぐに、
「…とはいえ、いざ来られると面倒なのも確か。万が一、このアジトを突き止めて乗り込んできた時に迎え撃つ準備として、貴様らの弱点を一つでも知っておきたいところだ」
そう言いながら、棒立ちのホワイトににじり寄るスパイダー。
「な、何よ…何をするつもり…?」
警戒するホワイトに、
「今、言った通りだ。貴様ら、ヒナタレンジャーの弱点を今のうちに教えておいてもらおうか」
そんな、あまりにド直球な問いかけに、
「バ、バカじゃないの…そんなの教えるワケないでしょッ…」
「ほぅ…教えるワケない、か。それは、つまり、何かしらの弱点は存在するという風に捉えていいんだな?」
「━━━」
まんまと誘導尋問に引っかかり、押し黙ってしまうホワイトと、そのホワイトの態度に、また新たな糸を頭上に向けて吐きだすスパイダー。
その糸は、一旦、天井の梁を跨いでからホワイトの首に巻きつき、そして梁を支点にしたテコの原理でホワイトの顔を上げさせる。
「うっ…く、苦しい…!」
首に巻きついて締まる糸に呻くホワイトに、
「さぁ、教えてもらおう。貴様らの弱点は何だ?言うのだ」
「…い、言わないっ…!」
と突っぱねるホワイトだが、あいにく、その可愛らしい声色では美穂や好花ほどの迫力は出せない。
そしてスパイダーは、
「フン…その姿では表情も分からんから尋問には向かんな。ひとまず人間の姿に戻ってもらおうか」
そう言うなり、またまた新たな糸を生成し、その糸を棒立ちのホワイトに向かって発射…!
シュルルル…!
「くっ…」
次の糸は、再び、さっきみたくホワイトの胴体にぐるぐると巻きついた。
そしてスパイダーは、
「俺様の糸にはいろんな使い道がある。獲物を捕獲する時はもちろん、攻撃手段…移動手段…」
と語りだし、続けて、
「そして、こういう使い方も出来るのだッ!…エネルギー吸収ッッ!」
と声高らかに叫んだスパイダー。
すると、その瞬間、ホワイトの身体に巻きついた糸がぎゅっと締まり、そのホワイトの身体を包囲するように、一つ、二つ…と、小さく、ホタルほどの光が点き始めた。
(…?)
そして、その点々と連なった光が糸を伝って動き出し、糸の出処であるスパイダーの口へ向かっていくと同時に、
「んっ…くっ…!あぁっ…な、何これ…あぁッ…!」
急に悶絶するような声を上げ始め、棒立ちのまま、ぴょんぴょん小さく跳ね出したホワイト。
まるで電流でも流されているような反応だが、そうではない。
ホワイトの身体から点々と糸を伝ってスパイダーの口に運ばれる小さな光…それは締めつけた標的の身体から絞り出して具現化したエネルギー。
それを体内に取り込めば、それはすなわち、スパイダーが叫んだ通り、標的からのエネルギーの吸収である。
まるでイルミネーションの演出のごとく、一定方向に流れるようにしてホワイトの身体から抽出されるエネルギー。
「あぁぁっ…!はぁぁっ…!」
「フフフ…どうだ?驚いたか?こういう使い方も出来るということだ」
やがて、一定量のエネルギーが吸収されたことでモチーフカラーの白のマスクがゆっくりと消えていき、同時に身に纏った強化スーツも消滅して、不本意ながら人間体の河田陽菜の状態に戻ってしまったホワイト。

その可憐な容姿を晒しても、なお、
「あぁっ…あぁぁっ…!」
と顔をしかめて悶える陽菜。
額に汗が滲み、苦しそう…。
そしてようやく、
「…よーし、一旦このへんにしておこう。これ以上、吸い尽くしたら干からびてミイラになってしまうからな」
と、締めつけを緩め、まるで巻き尺が元に戻る時のようにして口の中に糸を回収するスパイダー。
一方、思わぬ使い道を示され、スパイダーの言った通り、干からびる寸前までエネルギーを吸収された陽菜。
ほんの1分前、気丈に強がっていた態度から一転し、両手を吊り上げる糸に全体重を預け、
「はぁ…はぁ…」
と、息を乱してぐったりとしてしまった。
そこで再度、
「さぁ、では続きだ。貴様らの弱点は何だ?吐け」
「…い、言わない…そんな…みんなを裏切るようなことは…口が裂けても…」
と懸命に反抗するも、明らかに声のトーンは急落…。
再び口の中で糸を生成しながら、
「本当にミイラになるぞ?いいのか?全て吸い上げても」
と脅すスパイダーだが、そこはやはり、星を守るという使命を背負った戦士の一員。
ぐったりしながらも顔を上げ、その乱れた長髪の隙間から覗かせる強い目とともに、
「…す、好きにすればいいでしょ…たとえ殺されても私は言わないから…!」
少し舌っ足らずなたどたどしい声色はともかく、ビシッと決めた啖呵。
そして、少しの沈黙の後、
「…チッ、見かけによらず強情なヤツめ…」
その決意の固さに呆れるスパイダー。
しかし、だからといって引き下がるのもまた違う。
ヒナタレンジャーの弱点は、今後のためにも、是が非でも聞き出しておきたいところ。…となると、必然的に行き着く答えは一つ…。
「フッ…そうか。ならば、こちらも本腰を入れて聞き出すとしよう。幸い、お前の仲間のマヌケどももがこのアジトを突き止めるまで、まだまだ時間がかかりりそうだ。たっぷりいたぶって、必ず吐かせてやるぞ。ヒナタホワイト…!」
そして…。
……
数分後。
「くっ…や、やめてよッ!ちょっと…!」
時間が経つにつれて微量ながら回復していく陽菜の体力は、すぐさまその場で、制止の声を張り上げることに消費されていった。
先ほど、ヒナタレンジャーの弱点を聞き出すことに本腰を入れると宣言したスパイダー。
それによって、拷問のセオリーとして痛めつけられることを覚悟した陽菜だが、いざ蓋を開けてみれば、スパイダーは予想外の行動を取ってきた。
「フフフ…どうした?やけに取り乱して…さすがの貴様も、こんな格好を晒すのは恥ずかしいか?」
と不敵な笑みで問いかけるスパイダーに対し、
「あ、当たり前でしょッ…か、返してよッ!私の服ッ…!」
と赤面とともに言い返す陽菜。
蜘蛛という生物の容姿を忠実に再現されたスパイダー。
その複数ある腕には、シャツ、スカート…と、陽菜から剥ぎ取った衣服が脱がせた順に握られていた。
そして、それらを没収された陽菜が晒す下着姿。
スラリとした体型で、モチーフカラーが白色なら下着も白色…これぞ清純派という見惚れるような出で立ちで、これにはスパイダーも、
「フフフ…これはなかなか目の保養になる…♪」
と上機嫌。
それに対し、
「ふ、ふさげないでッ…この変態モンスター…み、見ないでよッ…!」
と赤面しながらも牽制した陽菜だが、身動きが取れない上、両手を吊られているので隠しようもない。
そして、また、口の中で新たに糸を生成しながら、
「さぁ、話す気になったか?ここらで態度を変えないと、いよいよ恥ずかしい思いをすることになるぞ?その真っ赤に染まった顔がさらに赤くなる」
「━━━」
次はどうなるか…さすがに予想がつきつつも、
「な、何をされても…私は喋らないっ…」
と突っぱねる陽菜。
「そうか。ならば…!」
シュルルル…!
次なる羞恥へ向けて吐き出された糸は、まるでピアノ線で細工でもされているように重力に逆らって宙を漂い、ゆらゆらと陽菜の背後…ブラのホックめがけて一直線。
そして絡みつき、巧みにそのホックを外し、緩めたそのブラジャーをスルスルと剥ぎ取っていく。
「…くぅぅっ…!」
こうして、とうとう人外の化け物の前に晒された陽菜のバスト…。
それはまさに「美乳」という言葉以外では形容できないような美しい形で、しかも、先端の突起は小さくて可愛い薄ピンク。
そして、すかさず、次の糸がスパイダーの口から撃ち出され、その糸は陽菜の晒された上半身にスルスルと巻きつくと、没収されたブラの代わりにその胸元をギュッと締め上げた。
「んッ…!」
と小さく声を漏らした陽菜に対し、
「フフフ…よくお似合いだ。そうやって強調して見れば、意外に胸もあるじゃないか…♪」
と下卑た笑い声を上げるスパイダー。
糸による屈辱の亀甲縛りによって絞られ、さらに強調される美乳…。
そして、回収したブラジャーは、先に剥ぎ取ったシャツ、スカートと同様、空いている腕に持ち、戦果のように掲げて見せつけながら。
「どうだ?人の指ではなく、糸によって脱がされるのは初体験だろう。初めてのことで案外ゾクゾクしたんじゃないか?えぇ?」
と得意げなスパイダー。
「くっ…うぅっ…」
首を左右に振り、その遠心力で靡く長髪で赤面した顔を隠そうとする陽菜だが、
「隠すな。その恥じらう顔を見せろ」
という声とともに、靡いていた髪がひょいと吊り上げられ、束ねて勝手にポニーテールにされてしまった。
当然、これもスパイダーが操る糸によるもの。
そして隠れ蓑にしていた髪の毛のヴェールを剥がれ、恥辱にまみれた赤面をまじまじと観察されながら、
「さぁ、残り一枚だ。さすがに吐く気になったか?」
「━━━」
これまで比べると少し長いためらい…だが、結局、
「…お、教えないって言ってるでしょ…!」
「フフフ…そうか。では望み通りに…♪」
シュルルル…!
最上級の恥辱を与えるべく吐き出された糸は、途中で左右に分かれ、陽菜に残された最後の防具であるパンティの両脇に巻きついた。
そして、ゆっくりと下へ向けて引っ張りながら、
「ここは少し時間をかけて脱がせてやろう。一気に剥ぎ取るよりも、その方が余計に恥ずかしいだろうからな」
「━━━」
ゆっくりと…1センチ刻みで下に引っ張られていく陽菜の純白パンティ…。
恥じらって吊られた身体を左右にクネクネ揺する陽菜だが、それをすることで亀甲縛りで強調された美乳がぷるぷる震え、本人の意思とは裏腹に妙にエロティックな雰囲気が出てしまう。
なおもパンティは遅々としながらも確実に下降。
「さぁ、今ならまだ間に合うぞ?ヒナタレンジャーの弱点を吐けば大事なところは見られずに済むんだ。どうする?」
そんなスパイダーの問いかけを無視し、グッと唇を噛んだまま固まる陽菜。
やがて、
「…フッ。とうとう毛が見えてきてしまったぞ?せっかく待ってゃったのになぁ」
「━━━」
まるで初日の出のごとく、牛歩で下ろされるパンティから、ゆっくりと見え始めたアンダーヘア…。
そして、
「こうなればもう遅かれ早かれだ。そぉらッ!」
スパイダーの声とともに、それまでゆっくりだった下降が一気に早まり、ひと思いに足首まで下ろされた。
「…やぁッ…」
と、さすがに小さく恥じらいの声を上げた陽菜。
抜き取られた白のパンティも同じように空いた腕で高く掲げられ、これで陽菜は防具ゼロ…とうとう見られてしまった生まれたままの姿。
この星を守るために結成された戦士の一員という大役がある立場としては、その侵略者の前で全裸を晒すなど屈辱この上ないこと。
さらにスパイダーは、
「どれどれ…♪」
「やぁッ…さ、触らないでッ…やんッ…!」
人外のモンスターといえど、げんきんなもので、ここでは糸を使わず、自らの手を伸ばしてきたスパイダー。
無情に靡く毛をファサファサと撫でられ、
「フフフ…これは多い方なのか?それとも少ない方なのか?人間ではない俺には基準がどれぐらいが分からんが、とりあえずキレイに整えてあることは分かるぞ」
「くっ…さ、触るなぁ…うぅっ…」
無遠慮に陰毛を触られて、蚊の鳴くような声で制することしか出来ない陽菜。
そしてここで思いがけぬハプニング…!
これによって、スパイダーにとっては有利に…また、陽菜にとっては不利な方向へ風向きが変わってしまう。
「…んんっ?」
伸ばした手を土手からピタッとくっついた美脚の間に下ろしていったスパイダーが、何かに気付いた様子。
「気のせいか…?」
疑いつつ、再確認するように、より深く、太ももの間に手をねじ込むスパイダー。
一方、それに対して陽菜は、少し動揺した様子で、
「や、やめてッ…手を抜いてッ…!」
その訴えも虚しく、人外の指が陽菜の性器に触れると、途端にスパイダーは笑いだし、
「おやおや…♪これは面白いことになってきたぞ…♪」
スパイダーがみるみる上機嫌になるのに相反して黙ってしまった陽菜。
そしてスパイダーは、股の間に伸ばしていた指を抜き取ると、その指を一目散に陽菜の眼前に示し、
「おい、貴様。弱点なんかよりも先に、なぜ股ぐらがこんなに湿っているのかを先に教えてもらおうか?」
その突きつけられた指先にはテカテカと光る粘液…。
そして無回答で黙っていると、スパイダーは、陽菜の縛り上げた上半身を眺めながら、
「さては、お前…俺様の糸で緊縛されたことで興奮しているのか?」
「━━━」
黙り込み、いかにも図星という間を空けて気まずそうに目を背ける陽菜。
さらにスパイダーが、
「どうなんだ?こうして濡れているのは事実だ。何か別の理由があるのなら反論してみろ」
と詰めると、陽菜は絞り出したような声で、
「…ち、違う…違うもん…ひな、縛られて興奮なんて…してないもん…」
対ヒラガーナという現在の構図をすっかり忘れ、叱られた子供のような口調で否定する陽菜だが、突きつけられた愛液という決定的な証拠に対して「違う」の一辺倒ではあまりにも弱く、むしろ暗に認めているようなもの。
それを受けて、
「ハハハ!これは傑作だッ!ヒナタレンジャーの一員とのあろう者が、実は緊縛願望を秘めたM女だったとはな!」
「…ち、違う…本当に違う…そんな変態じゃないもん、ひな…」
と、さらに赤面しながら、ボソボソと繰り返す陽菜だが、もはや手遅れ…。
確かに「願望」とまではいかない…せいぜい「少し興味がある」程度だが、今この状況においては、もう、たいして変わらない。
そして、
「なんだ。それならそうと早く言えよ。面白いことになってきたな。尋問は一旦中断し、少しばかりお前の性癖に付き合ってやろうではないか…♪」
と、ニタニタ笑いだしたスパイダーは、
「そら、こっちにも糸を…いや、縄だな。縄を通してやるぞ」
と、また新たに口から糸を陽菜の閉じた股の間に…それも、美乳を締め上げたのよりも少し太くしたまさにSMプレイに用いられる麻縄のような太さで通す。
そして、突き抜けて尻の方に出たところで、今度はそのキレイな背中伝いに上昇し、胸を締め上げている糸も結びついた。
グッと股下に食い込んだ瞬間、
「んんッ…♪」
と小さく可愛い声を上げ、クネクネと揺れた陽菜の身体。
その後も巧みな糸の操作が続き、みるみる緊縛の強化が施された陽菜の裸体。
やがて、
「…よし、出来た♪」
と、ここにきて急に、少し無邪気ともとれる声を上げたスパイダーだが、そうなるのも無理はない。
「どうだッ!我ながら、なかなかの出来だ!悪くないだろう?」
と自慢げなスパイダーに対し、紅潮した顔色でだんまりを決め込む陽菜だが、そのわりに息だけは妙に荒い。
それもその筈。
スパイダーも自画自賛するだけあって、それはまさに力作。
自身の口から出した糸を巧みに操り、ヒナタホワイトこと河田陽菜の裸体を下地に作り上げた珠玉のアート…。

そして仕上げに口から垂れる糸を断ち切り、緊縛を完成させて、
「フフフ…どうだ?実はひそかに縛られ願望を隠し持っていた変態マゾ戦士の河田陽菜。感想を聞かせてもらおうか?」
「━━━」
返答するのも憚られる不名誉な揶揄に赤面したままノーコメントを貫く陽菜。…だが、だんまりの上の口に代わり、下の口は興奮の証である愛液を太ももまで垂らして一発回答…。
そして、
「そらッ!何か言ってみろ!」
「んんッ♪あぁっ…♪ダ、ダメぇ…それダメぇ…あぁんッ…♪」
股下に通されたところを食い込ませるようにグイグイ持ち上げられて悶絶する陽菜。
口では「ダメ」と言いつつ、これまでにない甘え口調…しかも身体のくねりが今まで以上で、見ようによっては悦んでいるようにも見える。
その反応を見て、痛めつけて聞き出すよりも、この路線で責め続ければ勝手に陥落すると踏んだスパイダー。
「そうと決まれば、早速どんどんやっていこう…♪そらッ!」
シュルルル…!
次に吐き出された糸は、縛られた興奮で知らぬ間にビンビンに勃っていた陽菜の両乳首にスルスルと巻きつき、きつく締め上げてグイグイと前に引っ張る。
「はひぃぃッ♪い、痛いぃぃッ…♪」
と言うわりに声色は甘い陽菜。
さらにまた別の糸を吐き出し、何本も束ねて紡いでハケのようにものを作って、それで引っ張り上げた乳首を先端を優しく愛撫。
思った通り、
「あっ、あっ、あっ…♪」
と好反応なので、それをさらにもう一つ作り、次はモジモジしている股ぐらへ。
「そぉらッ!三点責めだ!」
と言って、両乳首、そして股の間に這わせる蜘蛛の糸製のハケ。
「あんっ、あんっ…♪ま、待って…やめてッ…あぁっ、ダメぇぇ…♪こんなのッ…こんなのダメだってばぁ…」
おそらく本人も肉体を痛めつけられる系の拷問を想像していた筈…そんな矢先に予想外の性感責めで、しかも秘めていたマゾ性、緊縛願望にドンピシャ。
そう長々と耐えられる筈もなく、たちまち、
「あっ、ぁっ…♪ダ、ダメっ…やぁッ…イ、イクっ…イッちゃうッ…!あぁっ…イクぅぅっ…♪ひゃうぅッ…♪」
手を吊られたまま、ぴょんぴょんと小さく跳ね、綺麗に縛り上げられたそのスレンダーボディーがビクビク震えるところを余すところなく見せつけながら果てた陽菜。
ついさっきまで真一文字に結んでいた唇はいつの間にかだらしなく緩み、ちょろっと舌を出しながら、その舌を伝って唾液をねっとりと自身の縛られた身体に垂らしていく。
そして、恍惚の表情を浮かべながら余韻に浸って息を乱す陽菜だが、これはあくまで拷問…スパイダーの責めは終わらず、イッてもなお三点責めは継続。
「ひ、ひぃぃッ♪」
一度はボリュームが蚊の鳴くレベルまで絞られていた声量がみるみるアップし、ブルブル震えまくって連続イキに突入した陽菜。
ひそかに抱いていた緊縛願望が叶ったことでよほど興奮していると見え、中盤からはイク時の絶叫もかなりそそるものになっていた。
こうして短いスパンで何度もイキまくった末、とうとう頭上に吊られた手に全体重を預けて脱力し、そのまま失神してしまった陽菜…。
先ほどの時点で太ももまで垂れていた愛液は、この間に美脚を伝って足首にまで到達しており、一見、おもらしをしたような状態に。
そんな戦士としてあるまじき姿に変わり果てた陽菜だが、当のスパイダーはまだ物足りなさそうで、すぐさま、
「寝るな。起きろ」
と頬をペチペチ打って叩き起こし、そして告げる。
「さぁ、次はもっといいことをしてやろう。こっちへ来い」
……
そして数分後。
「あぁっ…こ、擦れるッ…♪いやぁんッ…♪これヤバぁい…♪」
と、すっかり悦びの声に変わった陽菜に対し、
「止まるな。さっさと歩け」
と命じるスパイダー。
さっきまで吊り上げていた両手を次は後ろ手。
そして、股の間に糸を紡いで作ったコブ縄の橋を通し、そこを歩かせる羞恥プレイ。

ポイントは等間隔に作られた結び目…そこを通過するたびに、
「あぁんッ…♪いいぃッ…♪」
と嬌声を上げる陽菜。
それに対し、
「ほぅ。何が良いのか言ってみろ」
と問うと、最初こそ恥じらっていたが、次第に快楽に負けて自制心を失い、
「ク、クリっ…♪クリが結び目で押し潰されて気持ちいいぃ…♪」
と蕩けた顔で口にして、その流れで、
「あぁっ…イ、イクっ…またイクぅぅ…♪」
「イクのは誰だ?ちゃんと言ってからイケよ?」
と釘を刺されて、すかさず、
「ヒ、ヒナタホワイト改めマゾホワイトの河田陽菜ッ…河田陽菜、イキまぁすッ…ひぃぃッ♪あんっ…あんっ…♪」
と、自身をマゾホワイトと称し、綱渡りの途中で直立イキする始末。
そして、それを何往復もやらせるうちにすっかり軽くなった陽菜の口。
完全に酔いしれているところで、当初の目的…股縄プレイのおかわりを餌にしてヒナタレンジャーの弱点を聞くと、さっきまでの膠着状態がウソのようにペラペラと白状。
そして…。
……
翌朝。
…ドカァァンっ!
出入り口の破壊とともに、ようやくこのアジトを発見し、颯爽と雪崩込んできた色鮮やかな戦士たち。
「えいっ!やぁっ!」
「とぉっ!」
と、挨拶がてら差し向けた数体のガーナ兵はあっさりと一掃され、そして、
「スパイダーっ!いるんでしょッ!出てきなさいッ!」
「陽菜を返してもらうわよっ!」
「どこッ!どこにいるのッ!」
と威勢よく声を張り上げる面々。
そんな彼女らに対し、天井の梁の上に巣食って不敵な笑みで機を窺うスパイダー。
そして、連中が完全に頭上への警戒を蔑ろにしているところで、
「フフフ!待っていたぞ、ヒナタレンジャー!勝負だッ!」
と糸を垂らして滑り降り、奇襲を皮切りに交戦開始。
最初こそ善戦していたヒナタレンジャーだが、こちらは陽菜から聞き出した弱点を握っている。
そこを突いて攻撃することで、たちまち、一人…また一人と追い詰め、最後は順に蜘蛛の糸で手足を絡め取って、ものの数分で全員捕縛成功、見事に完勝のスパイダー。
早速、ゆうべの陽菜と同様、手を吊り上げて一列に並べて、まずは一人ずつエネルギーを吸収。
「あっ、んんっ…くっ…!ち、力が…力が抜けていくッ…!うぁぁっ…!」
などと悶えながら次々に変身を解除して人間体に戻っていく戦士たち。
そして、
「くっ…!」
「く、くそっ…」
「こ、こんな筈じゃ…」
と命運尽きて悔しがる素顔の連中を勝ち誇った笑みで見比べ、
「さーて…どいつだったかな?」
と品定めの末、ある女の前に移動したスパイダー。
その女は疲弊しながらも気丈な目で、
「くっ…な、何をする気…!」
と凄んでいたが、もはや恐れるに足らず。
陽菜から弱点のついでにオマケで聞き出した有益な情報を元に、
「フフフ…貴様だな?よく河田陽菜と二人で緊縛願望を語り合ってる隠れマゾ2号は…♪」
そのスパイダーの指摘で動揺し、その後、陽菜のように緊縛責めにされて堕ちた戦士が果たして何色の戦士だったか…それは諸君の想像にお任せするとしよう…。
(おわり)