太陽戦隊ヒナタレンジャー ―虹色の戦士たち― - episode-13 『イグチ魔女のラストチャンス!再生怪人軍団、総攻撃!』
episode-13 【ANOTHER】敗北した戦士たちの末路 -序章-
 戦いが終わった採石場。
「…くっ…」
 と歯噛みをした声を無視してテキパキと作業を進めるガーナ兵たち。
 そして、

 …カチャッ…!

 最後の拘束具が留まる音を確認して、
「アハハ♪壮観ねぇ♪いい気味よ、ヒナタレンジャー!」
 採石場に響き渡るイグチ魔女の高笑い。
 笑いを誘ったのは、再生モンスター軍団を召喚した九基の十字架サークル…そこに敗北したヒナタレンジャーの戦士たちがそれぞれ処刑を待つように拘束された光景だった。



 全員、人間の姿に戻されており、
「くっ…くっ…」
「は、外せよぉ…」
 左右に広げて留められた両腕を揺する富田鈴花と渡邉美穂。
 まだまだ戦えると言いたげな態度だが、そんな彼女らも、つい数分前、無様に地面に突っ伏し、ダメージの蓄積によって変身が解けてしまったのは紛れもない事実。
 そんな二人の前にツカツカと歩いてきて、
「ふふっ…♪負け犬のくせにまだ威勢がいいのねぇ?アンタたち」
 鼻で笑ったイグチ魔女は、そのまま横並びの鈴花と美穂の十字架を通過し、さらに円周に足を進めながら、
「それに引き換え、お前はやけにおとなしいわね。もしかして怖くてブルブル震えてるのかしらぁ?」
 そう言ってイグチ魔女が顔を覗き込んだのは河田陽菜。
「そ、そんなワケないでしょ…別に怖がってなんか…」
 と反論する陽菜だが、その声は小動物のように小さい。
 …無理もない。
 一人や二人だけなら仲間の救援を待つという形で希望を持てるが、こうしてヒナタレンジャーのメンバー全員が十字架に拘束されてしまったという絶望的状況には動揺していない筈がない。
 全員ということは、もちろんリーダーである小坂菜緒も、である。
 その菜緒も、陽菜のちょうど真後ろに建てられた十字架にて、美穂らと同様に、
「くっ…くっ…」
 左右に広げて留められた両手と、さらに束ねるようにして拘束された両足をお尻ごと揺すって懸命に脱出を試みるも、特殊金属で造られた手枷と足枷は外れる気配が全くなし。
 人間体に戻されてしまった以上、再び変身するには腕のクロスが必要だが、この拘束ではそれもままならず。
 そうこうしてるうちに、イグチ魔女は十字架のサークルを一周し、菜緒の前に戻ってきて、
「フフフ…さぁ、どうする?小坂菜緒。リーダーのお前が情けなく涙でも流して命乞いをしてくれたら誰か一人ぐらいは放してやってもいいけど?…まぁ、もっとも、逃がしたところで、すぐにまた狩りに行くけどねぇ…♪オホホホホ♪」
「くっ…!」
 目の前で浴びせられる耳障りな高笑いに対しても、唇を噛むことしか出来ない菜緒。
 そしてイグチ魔女は、ひと笑い終えたところで、
「さーて…お楽しみはここからよ?お前たち。まさか、こうして十字架に磔にされただけで済むと思ってるヤツはいないわよねぇ?」
 そう言って妖しくニヤリと笑みを浮かべたイグチ魔女と、かたや、ごくっ…と息を呑む戦士たち。
 確かに、これだけで終わるとは誰も思っていない。
 イグチ魔女のことだから、これまで散々、邪魔をされた復讐とでも称し、私刑を開始することは想像に容易い。
 それもあってか、再度、
「くっ…くっ…」
 と手足を揺すりだした者が何人かいるが、そんなのはもはや無視。
 背後の、戦果を上げた再生モンスター軍団に目を向け、
「そうねぇ…まずは誰の恨みから晴らさせてあげようかしらぁ…♪」
 品定めをするように端から順に視線を移していくイグチ魔女…そして、

「そうねぇ…じゃあ…まずは…お前から殺された恨みをたっぷり晴らしてやりなさい!」

■筆者メッセージ
ひとまず今は、次の「執行人→オクトパス」編だけ。
今後、「執行人→〇〇」を追加で書いていければ…。

※全話通しての続きモノではなく、序章→各「執行人→〇〇」の分岐完結となります。
鰹のたたき(塩) ( 2025/10/22(水) 23:40 )