太陽戦隊ヒナタレンジャー ―虹色の戦士たち―












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episode-9 『恐怖の蟻地獄!地底への招待状!』
episode-9_1 【ANOTHER】捕らわれた齊藤京子の末路
 地中に造られたアントリオンのアジト。
 その壁に立てかけられた十字架の上で、
「…うぅ…」
 気絶から目を覚まし、小さく呻き声を上げたのは齊藤京子。
 そして、その小さな声を聞きつけるなり、
「あら?起きたようね。ほら、目を開けなさい。顔を上げなさいよ、ほらッ」
 と、鞘付きのサーベルの切っ先で垂れ下がった京子の顎を無理やり持ち上げる無遠慮な女、イグチ魔女。
 その乱暴な扱いに、起き抜けで思わずムッとしてしまった京子だが、すぐに、
「お、お前は…イグチ魔女…!」
「フフフ…久しぶりねぇ、京子…♪ご機嫌いかが?」
「くっ…!」
 その小馬鹿にした態度以前に、馴れ馴れしく下の名前で呼ばれたことに嫌悪感を覚える京子だが、それもその筈。
 久美をはじめ、自分たちとこの女は長きに渡る因縁の仲で、ましてや京子は、かつての「けやき谷の合戦」において敗北を喫し、不本意ながら奴隷船員として虐げられてきた屈辱の時期もあるから尚更だ。
 依然、鞘付きサーベルの切っ先で顎を持ち上げてくるイグチ魔女に、
「くっ…ウ、ウザいっ…!ウザいっつってんでしょッ!」
 追い払うように首を振り、長髪を乱す京子。
 声の低さのおかげで、可愛らしい見た目のわりに逞しく聞こえる。
 そのウザいサーベル…出来ることなら手で叩き落としたいところだが、あいにく両手は真一文字に広げられた状態で固定されていて動かせない。
 束ねるように両足首をロープで縛られている脚もだ。
「フフフ…哀れねぇ、京子…」
 と、意地悪な笑みがなかなか消えないイグチ魔女。
 蟻地獄に落ちてしまった子供を助けるため、自らも飛び込んだ。
 自殺行為であったとはいえ、かつて自分も星や人の命を守るために戦う戦士だった以上、その判断に後悔はない。
 実際、その子供だけでも何とか地上に戻すことが出来たし、それだけで京子としては本望だが、それによって自身は蟻地獄を作りだした張本人・アントリオンに捕まり、まんまと地中に引きずり込まれてしまった。
 まるで底なし沼みたく、ズブズブと土の中に埋まっていった身体。
 やがて頭のてっぺんまで完全に埋まったところで苦しくなって気を失ってしまったが、その後、アントリオンに連れられ、こうして地中のアジトに連行されたらしい。
 そして、それを思い出したところで、
(そ、そうだ…!あのモンスターは…?)
 キョロキョロと周囲を見渡すも、アントリオンの姿は見当たらず、代わりにイグチ魔女が、
「アントリオンなら任務遂行に向かったわ。まもなく、ひなたコンビナートが火の海よ」
「な、何ですって…!くっ…くっ…!」
 ぎょっとした後、そんなことをさせてたまるかと必死にもがく京子だが、依然、十字架拘束から脱することが出来ない。
 そして、そんな京子に対し、イグチ魔女は、
「コンビナートも大事だけど、それよりも今は自分の心配をしたらどうかしら?本題はここからよ」
 何とも不敵に語りかけてきたイグチ魔女に対し、一気に高まる警戒心。
「ど、どういう意味よ…」
 と牽制するように聞くと、
「用が無ければ、あのまま生き埋めにして殺してもよかった…ってことよ。それが、こうして生かされているってことは、つまり、それなりの用があるってこと…♪」
「わ、私に何の用があるというの…?」
「そんなの決まってるでしょ?あの女…佐々木久美の潜伏先を教えなさい。私たちの船から逃げ出して再会した以上、当然、今どこにいるかも知ってるでしょうに」
 と問い詰め、そこでようやく京子の顎を持ち上げていた鞘付きサーベルをゆっくりと下ろすイグチ魔女。
 その問いに対し、
「い、言うワケないでしょ…そんなこと…」
 と、当然の回答をする京子。
「素直に教えれば命ぐらいは助けてあげるわよ?」
 と言われても首を振り、
「仲間を売って生き延びるぐらいなら死んだ方がマシよ」
 と殊勝に答えた京子に対し、イグチ魔女はクスッと笑って、
「まぁ、そうでしょうね。始めはそれぐらい言ってくれないと張り合いがないわ」
 そういう回答は想定内というように笑みを浮かべ、

「でも、そんなこと言ってられるのも今のうち…♪じきに、こうして突っぱねたことを後悔することになっても知らないわよ?フフフ…♪」

 不気味な宣戦布告と笑顔に、磔のままでも思わず身構える京子。
 イグチ魔女は、
「ちょうどいい。最終試験も兼ねて実際に性能を見せてもらうとしようかしら…♪」

(さ、最終試験…?性能…?性能って、何の…?)

 イグチ魔女の口から飛び出した不可解なワードに、自然と怪訝な表情になる京子。
 そしてイグチ魔女が、ふいに、

「いでよッ!オヒサマっ!」

 声高らかに叫んだ「オヒサマ」という謎の四文字。
 それとともに、突如、宙に魔法陣が浮かび上がり、そこからゆっくりと謎の影が姿を表した。
 まず脚…下半身から上半身…そして頭部…。
 こうして、ゆっくりとアジト内に降り立ったのは、一見、宇宙人のような見た目をした生命体…。



 窺うように外見を眺める京子も、
(な、なに?コイツ…気持ち悪いんだけど…)
 と、その不気味さに困惑。
 そしてイグチ魔女は、
「フフフ…コイツはね。先日、Dr.アモンが新たに生み出し、『オヒサマ』と名付けた対女性用の拷問アンドロイドよ」
「ご、拷問アンドロイド…?」
 何とも物騒な響きのワード…頭についた「対女性用」というフレーズも気になる…そんな怪訝そうな表情の京子に、
「ふぅ…口で説明するのも面倒だから、詳しくは実際に体験してみなさい」
 突き放すように一蹴し、場所を譲るように磔の京子の眼前から退くイグチ魔女。
 すると、その不気味なアンドロイド・オヒサマは、入れ替わるように京子の元に移動し、相対するように目の前に立ちはだかった。
 動きは意外と滑らか…人間と遜色ないものの、いかんせん、その見た目が近くで見れば見るほど不気味…。
 続いて退いたイグチ魔女の方にも目を移すと、彼女はいつの間にか説明書のようなものを手にしていて、それを見ながら、

「ヘイ、オヒサマ。まずはこの娘の基本データを採取しなさい」

 そう語りかけると、今の言葉を認識したのか、大きな目がチカチカと光り、そしてツルツルの頭頂部から細い触手がウネウネ生えてきて、それが京子めがけて伸びてきた。
「ちょっ…!な、何ッ!嫌ッ…!」
 あまりに突然の出来事に取り乱す京子だが、いくら慌てても身動きは出来ない。
 その触手の先端は吸盤のようになっていて、たちまち、それが京子の両こめかみにペタッと貼りついた。
 ひんやりとしたものが吸着した感覚だけで、別に刺激や痛みなどはない。
 そして、AIのような声色で、

「データ収集中…データ収集中…」

 と機械的に繰り返すオヒサマ。
 まるで脳波の検査でもされているかのようだが、当の京子は、いったい何のデータを収集されているかすら不明。
 そして、30秒ほどして、再度オヒサマの目がチカチカと光ったところで、二本の触手は京子のこめかみを離れ、再びオヒサマはツルツルの頭に戻った。
 その間も、終始、困惑していた京子に、
「フフフ…データの収集が終わったみたいよ」
「な、何のデータ…?」
「そうねぇ…じゃあ、試しに聞いてみる?」
 と説明書を片手に、不敵に笑みを浮かべたイグチ魔女。
 さっきと同様、
「ヘイ、オヒサマ」
 と声をかけ、そして、

「この娘が最近、一人でコソコソ、エッチなことをしてたのはいつなのか教えてちょうだい」

(は、はぁ…?)
 と、その瞬間は何を言ってるのかと呆れた顔をしてしまった京子。…だが、次の瞬間、オヒサマの目がまたチカチカと光り、AI口調で、

「一昨日…22時17分…指で…」

(なッ…!)
 呆れ顔から一変、ぎょっとしてしまった京子に、
「へぇ…一昨日ねぇ…思ったより最近だったわ。しかも指派なのね」
 いいことを聞いたというような意地悪な目を向けたイグチ魔女の視線に、慌てて、
「な、何よ。これ…!何を言ってるの!デ、デタラメよ!」
「あら?何を焦ってるのかしら?そんな焦った感じになると、かえって図星のように聞こえるわよ?」
「━━━」
 凄まじい速さで頬が熱く…真っ赤に染まっていくのを感じる京子。
 一気に速まった心拍数。
 理由は簡単…事実だからだ。
(き、記憶を読まれたってこと…?ウ、ウソ…そんなことが…)
 困惑する京子をよそに、イグチ魔女は、続けて、
「じゃあ、次は…初体験はいつだったのかも聞こうかな…♪ヘイ、オヒサマ。この娘の初体験はいつかしら?」
 下世話な質問を投げかけるイグチ魔女なんかよりも、それに対する回答が気になる京子。
 もちろん半信半疑でいたが、目の点滅とともに、

「16歳…夏休み…同じクラスのいい関係だった男子と…花火を見た帰りに勢いで…」

 淡々とした口調で次々に発表されるその回答に、またしても顔が強張る京子。
 これも事実…青ざめて血の気が引いていく京子をよそに、ニヤニヤと笑みを浮かべ、
「どう?驚いたでしょ?これが我らヒラガーナが誇る奇才博士、Dr.アモンが技術を結集させて生み出したアンドロイドの力…もし事実と違っているのなら訂正してくれてもいいけど?」
「━━━」
 恐怖すら感じる記憶の読み取り…茫然としているところに、
「さーて…じゃあ、次は何を聞こうかしら?本当に知りたいのは佐々木久美の居場所だけど、そんなのはもう後回し…♪たかだか10秒あれば聞き出せるんだし、せっかくだからもっと他のことが聞きたいわねぇ♪」
 まるで水を得た魚のように饒舌と化すイグチ魔女。
 かたや京子は、当初とは明らかに違う真っ赤に染まった顔で、
「くっ…!くっ…!」
 と、十字架に固定された手足を懸命に揺するも、びくともせず、自由には程遠い。
 その無駄な努力をクスクス笑いながら、
「じゃあ…次は性感帯でも聞いておこうかしら♪ヘイ、オヒサマ。この娘の性感帯は…」
「や、やめろッ…くっ…!く、くだらないことはよしなさいッ…!」
 と、イグチ魔女の問いかけに被せて声を張り上げる京子だが、この高性能なアンドロイドにかかれば声の聞き分けなどお手の物。
 うまくイグチ魔女の声だけを拾って解読し、そして、必死に喚く京子をよそに、

「耳…首筋…二の腕の肉…腋の下…乳首…太ももの内側…」

 と、淡々とバラしていくオヒサマ。
 それを聞いて、
「あらあら…性感帯だらけじゃないの。そんなに全身が敏感肌なの?アンタ」
「う、うるさいッ…!」
 また一段と顔が赤くなった京子。
 必死に強がるも、面白がるイグチ魔女に、
「どれどれ…ちょっと確認…♪」
 と手を伸ばされ、スッと耳たぶを触られた瞬間、
「んんッ…!」
 慌てて首を振るってその手を追い払う京子だが、イグチ魔女は笑って、
「アハハ♪ちょっと触っただけなのに良い反応しちゃって…今、オヒサマの言ったことが事実と認めたようなものよ?」
「━━━」
「…で。あと、どこだっけ?ほら、教えなさいよ。京子」
 無論、教える義理などない京子。…だが、その黙秘も、
「ヘイ、オヒサマ。この娘の性感帯、もう一回、教えて?」
 の一言で、あっけなく突破される。
 オヒサマの発表に合わせて、
「ふむふむ…耳…それから首筋ね…」
 と順に触れていくイグチ魔女。
 そのたびに、
「んっ…んっ…!」
 と反応する京子。
 そして、その次、
「ん?二の腕の肉…?何それ?アンタ、そんなところも感じちゃうワケ?」
 首を傾げながらも、ゆっくりと手を伸ばすイグチ魔女。
 奇しくも十字架拘束…両腕を横一閃で留められているため、二の腕は剥き出し…。
 蟻地獄に呑みれた際についた土の汚れが散見されるも、それを透かして見れば、スラリとした腕のラインをしながら意外に肉付きが良い京子。



「くっ…や、やめてッ!触らないでッ!」
 と抵抗してみるも、そんなのは全くもって無意味。
「ねぇ、どうやって触られるのが良いワケ?こういうこと?」
 と、左右の二の腕の下からこしょこしょと指先でソフトタッチされれば、
「はうぅッ…♪」
 飛び上がるように動いて十字架を軽く揺らし、思わず天を仰ぐ京子。
 その思った以上の好反応に、
「へぇ…♪面白いじゃない…♪」
 と、それまでの耳、首筋は確認程度のワンタッチだったのが、この二の腕に関しては、二回、三回と繰り返し触って長居するイグチ魔女。
「んんッ…♪んっ、んっ…♪」
 お腹をペコペコ浮き沈みせて悶絶する京子。
 さらに、ようやく二の腕が終わったかと思いきや、
「次は…へぇ、腋の下ね。ここは、まぁ、あるあるっちゃ、あるあるよねぇ…♪」
 とニタニタしながら、二の腕の下に陣取っていた手を少し横にズラして差し向けるイグチ魔女。
 二の腕と同様、ここも十字架拘束のせいで無防備…。
 それをいいことに、

 こしょこしょ…♪

「ひゃうぅぅッ♪」
 再び、十字架拘束のまま飛び上がる京子。
 シャツ越しでもこの反応…さらにイグチ魔女は、再度、説明書をチラチラ目を移して、

「ヘイ、オヒサマ。透過光線でこの娘のシャツを消してちょうだい」

 了解を意味する目の点滅…そして、その目がカメラのフラッシュ撮影の閃光を放つと、次の瞬間、着ていたシャツの繊維が瞬時に分解され、まるで消し去りマジックのように一瞬にして消え、小柄なわりにパンパンに膨らむ純白のブラがあっさりと晒されてしまった。
 ぎょっとする京子。
 これもオヒサマに搭載された機能。
 この機能によって、標的を全裸にする際も、ちまちまと一枚ずつ衣服を脱がせる必要はなく、「身につけている防具の枚数×透過光線」で難なく素っ裸に出来るというワケだ。
 こうして、守っていた布を消されて全貌を晒した京子の腋…。



 しっかり処理が行き届いて綺麗に無毛な反面、既に汗だくで湿り気たっぷり…。
 それを見て、思わず目を光らせ、
「フフフ…ここはさすがの私も少しくすぐったいところだからねぇ…♪さっきからずっと感度抜群なアンタなら、どんな反応をするのか楽しみだ…♪」
「い、嫌ッ…やめてッ!ダメっ…そこはダメぇっ…!」
 と懸命に声で制する京子だが、当然、聞いてもらえず、

 こしょこしょ…♪こしょこしょ…♪

「んひゃぁぁッ♪」
 両腕を留める拘束具を引きちぎらんばかりの好反応。
 なおも直で見舞うくすぐりを続けながら、
「フフフ…もう汗でベトベトじゃないか。どれどれ…♪」
 その手を鼻の前に近づけ、クンクンと嗅いだイグチ魔女は、
「あぁ…酸っぱい…♪鼻の奥にツンとくるわぁ…♪」
 そう言いながらも、心なしか表情は嬉しそう。
 さてはこの女…汗の匂いフェチか…?
 その後も執拗に京子の腋をくすぐっては、その都度、指についた汗のニオイを堪能するイグチ魔女。
 やがて、とうとう我慢できなくなったのか、磔の京子に抱きつくように密着し、その腋の下に直に顔を近づけ、クンクン鼻を鳴らす始末。
「あぁ…♪これはクセになる…♪京子。まさか、こんなにも私好みの腋を持っていたとは…♪」
 と、完全に性的嗜好が暴走しだしているイグチ魔女。
 これには京子も、悶えながらさすがにドン引き…だが、そこで不快そうな顔をすると、
「んー?何だ?その顔は…お前も、つい二日ほど前にコソコソとオナニーしていたくせに真面目ぶるんじゃないよ。まったく…」
「う、うるさぁいッ…!」
 赤面を落ち着かせるタイミングが一向に来ない京子。
 さらにイグチ魔女は、
「ヘイ、オヒサマ。このブラも邪魔だからとっとと消しちゃって」
 と命じ、それを受けて二発目の透過光線を発射。
 閃光とともに、それまであった胸部の圧迫感が一瞬にしてなくなり、弾んで飛び出したように京子の隠れ巨乳が露わに。
 その瞬間、イグチ魔女の視線のロックオンを肌で感じ、
「み、見るなッ…見るなぁッ…!」
 磔の身体を可動域内で必死に揺する京子だが、それはかえって逆効果。
 遠心力でぶるんぶるん震える乳肉…曝した隠れ巨乳の弾力アピールにしかなっていない。
 それを見てニヤリと笑い、
「確か…乳首も性感帯の中に入ってたわよねぇ?京子…♪」
 不敵な笑みで、そっと持ち上げるように乳肉に手を添えるイグチ魔女。
 危険を察し、
「い、嫌ッ!や、やめてッ…!やぁぁッ…!」
 拒絶する京子を無視し、まずはクンクンと大好きな腋の下の汗のニオイを鼻孔に溜め、その流れで、

 ぺろんっ…♪ぺろぺろ…ぺろぺろ…♪

「ふぁぁぁッ!?」
 右の乳房の中心部に襲いかかった淫猥な長い舌。
 同時に、もう一方には指先での摘まみ上げ転がしを見舞い、それと腋の下くすぐりを交互に展開。
「あっ、あっ、あっ…!ダ、ダメっ!ダメぇぇッ!ひぃぃぃッ♪」
 絶叫、悶絶する京子。
 続いて下半身の性感帯チェックも始まり、次の透過光線で、まず履いていた土まみれのデニムを消された。
 すかさず、持っていた説明書を、一旦、横に置き、自由になったことで加勢してくるイグチ魔女の右手。
 曝された美脚の間にスッと添えられ、そのスベスベした魅力的な内ももを腋と同じようにくすぐり責め。
「ひゃぁぁっ…♪ダ、ダメっ!無理ッ!そこ無理ぃぃッ!」
 と、いくら絶叫してもイグチ魔女の手は止まらず、それによって口に含まれてチュパチュパと吸われる突起が次第に硬度を増していく。
 なおも舌の上に乗せて転がしたり、音を立てて吸い上げたりしながら、
「フフフ…こんな全身性感帯の身体でオナニーなんて始めたら、一回きりで終われる筈がない。さしずめ、一昨日の夜も、三回ぐらいオーガズムに達するまで延々と慰めたのだろう?えぇ?」
「そ、そんなことッ…!」
「ほぅ…では、実際に確認してみよう。…ヘイ、オヒサマ。一昨日したオナニーで京子は何回イッたのかしら?」
 その問いに、すぐさま目が光り、

「四回…その後、少し間を置いて、眠りにつく前に、もう一回…」

「うぅっ…!」
「フフフ…ほら見なさい。三回どころか、もっとイッてたじゃないの。案外、見た目のわりに強欲なのねぇ?京子…♪」
「ち、違うッ…!違うぅぅ…!」
 不名誉なレッテルを必死に否定するも、事実はこめかみから盗まれたデータで全て丸分かり。
「ほらッ…もう乳首もビンビンになってきたわ。せっかくだから、このままイカせちゃおうかしら♪」
 と笑ぃ、頬をすぼめて吸引を強めるイグチ魔女。
 その刺激を、
「あんっ♪あんっ♪あんっ♪」
 と、まともに喰らって万事休す状態の京子。
 それと同時に、各所を転々とくすぐり、崖っぷちのところから軽く押し出してやれば、
「ひ、ひぃぃッ♪ダメっ!やめてッ!もうやめてってばぁぁッ!はうぅぅッ…♪」
 普段、声が低い京子の口から出た甲高い絶叫。
 それとともに十字架に留められたまま、ピクピクと震え上がったその様を見るに、不本意な快楽を極めてしまったことは明白。
 その余韻で、
「はぁ…はぁ…!」
 と息が乱れだした京子。
 そこでやっと乳首を解放するも、相変わらずヤミツキになった腋汗の香りを我慢できず、再び鼻孔にたっぷりと吸い上げるイグチ魔女。
「あぁ、たまんない…♪嗅げば嗅ぐほど良いニオイ…相当、中毒性があるわよ。京子の腋汗…♪」
 と恍惚の表情を浮かべた後、ゆっくりと我に返り、
「さーて…オヒサマの機能はまだまだあるわよ」
 先ほど、責めに夢中になりすぎて横に置いてしまった説明書を再び手に取り、ざっと目を通して、

「フフフ…すごいわよ、京子。『オヒサマに標的の身体を触らせることで、手の平に内蔵されたセンサーから標的の各部の感度を瞬時に記憶、解析して、常に最上級の快楽を与えることが出来る』んだって。どういうことか、早速、試してみようか…♪」

 興味津々で感度記憶モードを起動させるイグチ魔女。
 モードチェンジを理解したように妖しく目を光らせたオヒサマは、スッと両手を上げ、そこから京子の身体を首筋から順にくまなくボディタッチ。
 その手付き…敏感肌で、なおかつ一度イッた直後の京子にすれば、性感マッサージと何ら差異はない。
 そのまま次々と各部に触れては、

「首筋、感度レベルA…肩、感度レベルB…鎖骨、感度レベルC…」

 とAI声で解析されていく京子の感度。
 そして、オヒサマの手が、さっきまでイグチ魔女に嬲られた乳房に移れば、まずは乳肉を強弱をつけて揉みしだき、続いて突起をクリクリと刺激。
 そのたびに、
「あっ、あっ…♪んんッ…♪」
 と反応する京子に、

「乳房、左右とも感度レベルA…スペンス乳腺、未開発…乳首、左右とも感度レベルS…」

 と、とうとうAのさらに上、Sという評価が出る始末。
 さらに、続いて脇腹から恥骨…そして股ぐらへと移ったところで、最後の防具、白のパンティが残ったままだということを認識したオヒサマ。

「感度チェックのため、衣服は全て除去します…」

 とアナウンスを口にしたかと思えば、とうとうイグチ魔女が命じなくても自動的に透過光線を放ち、京子のパンティを消し去ったオヒサマ。
 キレイに整えられたアンダーヘアが露わになるや、早速、股ぐらに伸びる解析の手。
 手始めに割れ目を覆い、摩擦するように動いた手に、早くも、
「あんっ…あんっ…♪」
 と好反応を見せた京子。
 その後、膣内も含めた触診の結果、ほとんどがA、もしくはSという評価だったのは言うまでもなく、さらには

「愛液分泌量、多め…潮吹きの難易度、E…」

 と羞恥的な発表まで。
 それを聞いて、
「あらあら…潮吹きの難易度、Eだって。この説明書によると『膣内の愛撫時、ほぼ100%の確率で潮を噴く』人がEと判定されるらしいわよ。そうだったのね、京子…♪」
 と呆れ笑いを浴びせるイグチ魔女。
 こうして、終始、悩ましい刺激を与えられながら全身の感度チェックが完了した京子。

「記憶中…記憶中…」

 と人工知能への書き込みに数秒かかった後、オヒサマは、どうやら主人と認識したイグチ魔女の方に身体を向け、

「それでは愛撫を開始します。責めの強さやオーガズムの上限数など希望があればお伝えください」

 それに対し、
「そうねぇ…まだ最初だから『優しめ』で行こうかしら。オーガズムの上限数は…ひとまず5回ぐらい…?あ、最後の5回目はファックでヤッちゃって♪」
 と伝えるイグチ魔女。
 すると、それに応じて、オヒサマの形態がみるみる変化。
 それまで全身ヒト型エイリアンのような簡素な見た目だったのが、口と指がみるみる人間のものになっていき、そして、それまでツンツルテンだった股間にもムクムクと巨根が生え始めた。
 微妙に反り上がった形で、カリが太めのその巨根…おそらく先ほど、膣内を触診した際に取ったデータの結果、これが京子の膣の形状に最もフィットする男根なのだろう。
 やがて、

「変形完了…変形完了…責めを開始します…」

 とアナウンスをしたオヒサマ。
 スタスタと十字架の京子の前に歩み寄ると、人間のものへと変化した口で、早速、首筋にむしゃぶりつき、さらに同じく人間の指へと変形した五指で乳房を鷲掴み。
 その際の揉む力も、分析の末、京子が最も感じてしまう強さを心得ているようで、開始早々、
「あぁぁッ♪んんッ♪す、すごいぃッ…♪んあぁッ♪」
 と感じまくりの京子。
 そこからはもう、機械的に進行するAI性拷問…。
 イグチ魔女の指示した通り、イカせた回数はキッチリ5回で、最後の一回は股間に生やした“京子用”の男根でのファック。
 十字架拘束のまま、正面から密着され、こじ開けた脚の間から対面立位でねじ込まれる光景は圧巻で、その頃には京子の理性もすっかり溶け落ちていて、
「あぁぁッ♪ヤ、ヤバいぃいッ…♪このオチンチン、私のオマンコにぴったりすぎいぃッ♪あぁッ!イ、イクっ…イクぅぅッ♪」
 と絶頂を自らの口で予告するぐらいにまで堕ちていた。
 そして、その間、途中で飽きが来たのか、イカされ続ける京子ではなく、いつの間にか説明書の方に興味津々だったイグチ魔女。
(…へぇ…寸止め焦らしモードとかもあるんだぁ…♪わぁ…変形した指やオチンチンに振動を付加させることも可能だって…♪え?何これ?触手モード…?面白そうじゃない、この機能…♪)
 と、穴が開くぐらい読破する始末。


 こうして、のちに「最凶兵器」と称されることになる対女性用の拷問アンドロイド、オヒサマ。
 これを従えたイグチ魔女は、
(フフフ…これで、まずはあの憎き佐々木久美を…そして、その後は、ヤツが手塩にかけて育てたヒナタレンジャーの連中を、一人ずつ順にとっ捕まえて、様々なプランで廃人にしてやるわ…♪私に歯向かったらどんな目に遭うか…それをイヤというほど思い知らせてやるんだから…♪)
 想像しただけで笑みが止まらないその目論み…。
 この後、いったい誰と誰がオヒサマの餌食となったのか…また、誰がどういう攻略法を用いてオヒサマに勝利したのか、もしくは誰も勝利することは出来なかったのか…など、この世界線におけるこの続きの展開は、読者の皆さんの想像に委ねることとする。


(おわり)

鰹のたたき(塩) ( 2024/08/04(日) 03:03 )