後編
そして翌朝。
北街区の住宅地の中にある公園の前に、一台のバスが到着した。
いかにも子供ウケするイラストが所狭しと描かれた車体。
側面に平仮名で「きたがいくようちえん」と書いてあるそのバスは、読んで字のごとく、北街区幼稚園の通園バスだ。
そして、そのバスが到着してほどなく、親御さんと手を繋いだ園児たちが続々と集まってきた。
計四人。
朝から身だしなみがシャキッとした目覚めのいい女の子もいれば、ほんのついさっき叩き起こされた流れで慌てて家を飛び出してきたような寝ぼけまなこの男の子もいる。
そして、そんな園児たちを迎えるように、バスのドアを開け、
「はい、みんな。おはよー♪」
それぞれ長い髪を揺らして降りてきた二人の保母さん。
彼女らの名は齊藤京子と潮紗理菜。
ともに園児たちに好かれていると見え、瞬く間に取り囲まれては一人ずつ順に会話を交わし、テキパキとバスに乗せていくが、その顔は紛れもなく、かつて佐々木久美とともに戦った先代戦士の一員の京子と紗理菜である。
ヒラガーナの監視下から脱し、後輩にあたるヒナタレンジャーのサポート役に転身した先代戦士たち。
菜緒たちの良き相談役になったり、トレーニングのパートナーを務めたり、はたまた偵察で街をパトロールして回ったりと、それぞれ自身の役割を見つけて尽力していたが、そんな中、同じ先代戦士だった高本彩花が、
「ヒラガーナの動きを探るならヒナタベースの中からだけじゃなく、もっと街に溶け込んで一般市民の目線から監視するってのもアリじゃない?」
学力でいうと決して優秀ではないくせ、昔から何かと目の付け所が良いことでおなじみの彩花。
その提案はすぐに賛同が賛同を呼び、次々と副業を見つけては、外の世界に溶け込んでいった先代戦士たち。
その流れで、京子と紗理菜も、ヘルパーの保母さんとして北街区幼稚園に勤めることになった。
まだ見習い期間ではあるが、いざやってみると実は意外と子供に好かれる性格だったようで、早くも溶け込んだ感がある。
「はーい。みんな乗ったらシートベルトつけてねー」
と愛らしい声色で紗理菜が園児たちに呼びかけると、続いて、
「じゃ、出席確認しまーす。名前を呼ばれたら返事してねー」
と見た目のわりに低い声で出欠を取り始める京子。
「まず、ヒコちゃーん」
「はーい」
「次、ロッヒーくーん」
「はーい」
返事が返ってきた園児は名簿に印をつけ、早くも板についた様子で園児たちの朝の通園業務をこなす京子。
紗理菜がこれをやると、きまって園児の名前を間違えたり、途中で園児にちょっかいをかけられててんやわんやするのだが、それに比べると、物事を淡々と進めるタイプの京子の方が適任か。
そして、その出欠確認のうちにドアを閉め、幼稚園に向かって走り出す通園バス。
一見、聖母のようにいつもニコニコしている紗理菜の方が子供ウケが良さそうだが、実際は、案外、京子も負けてはいない。
その証拠に、
「ねぇねぇ、きょんこ先生ー。何かクイズ出してー」
と言われれば簡単なクイズを出してやり、
「バビ語で何か言ってー」
と、最近、園内で流行っているバビ語という謎の発音を頼まれれば、すんなりと対応して、
「らばーめべんだばいびすぶきび」
とスラスラ言ってやり、
「きょんこ先生のお歌、聞きたーい」
と言われれば、つい歌ウマの血が騒ぎ、童謡にもかかわらず本気で熱唱して園児たちだけでなく、紗理菜やドライバーさんまで魅了する京子。
そして、そんなこんなの間にバスは幼稚園へ近づき、
「はい、みんなー。そろそろ着くから降りる準備してねー」
と、車内に向いて園児たちに声をかけ、まもなく門の横にバスが到着という時だった。
突然、バスがグラグラと横揺れを始めたかと思うと、ふいに、
「うわぁッ!」
とドライバーの悲鳴。
それと同時に、京子と紗理菜も、
(え…?)
(きゃッ…!)
乱れる平衡感覚…よろめき、咄嗟に座席の取っ手を掴んだ瞬間、平坦な筈の車内に下り坂が出来ていることに気付き、そして、それが下り坂ではなく、バス自体の傾きだと気付く二人。
突如、アスファルトを割ってバスの前輪の真下に生じたくぼみ…それがみるみる拡大すると、やがて、ゆっくりとバスはその穴の中に滑り落ちていく。
慌てて、
「ド、ドライバーさんッ!バックっ…!」
と声を上げる京子。
その声でドライバーもギアをバックに入れるも、タイヤが空転して一向に下がらず、むしろ無駄に土砂を巻き上げることでさらに斜面をズルズルと滑り落ちる格好に。
車内にこだまする園児たちの悲鳴。
それを耳にするにつれ、みるみる本来の元・戦士としての目になっていく二人。
「なっちょ!脱出ッ!」
「オッケー!」
当時を彷彿とする好連携を見せ、まず京子が揺れる車内をよろけながら移動して非常口を蹴破るようにして開き、そこに紗理菜が手近な園児を二人、両脇に抱えてくるや、その非常口から身を乗り出し、
「やぁッ!」
変身能力を失ったとはいえ、さすがは元・戦士。
見事な跳躍力で、穴の縁までひとっ飛び。
続いて京子も、
「ヒコちゃん!ロッヒーくん!来てッ!」
と残る園児二人を同じように両脇に抱えると、紗理菜に続いて穴の縁へ向かって脱出のジャンプ。
園児とはいえ二人ぶんのウエイトを背負い、なおかつ元から身体能力が秀でている紗理菜に比べると、若干、劣る京子…一瞬、想像していたほど浮力が得られずでヒヤッとしたが、それでも何とか穴の縁スレスレのところで着地できた。
そして子供たちを放すと、
「なっちょ!あとはドライバーさんだけ!」
「よーし!二人で一緒に飛べばいける筈ッ!」
「行こうッ!」
紗理菜とともに再び穴の中でみるみる沈んでいくバスにUターン。
上手く開けっ放しの非常口のところへ着地すると、取り残されて逃げ惑っていたドライバーさんを今度は二人で左右から腕を組むように抱え、いち、にの、さんで、再び、穴の縁めがけてジャンプ。
やや右翼の京子の方に傾いた不安定な跳躍となったが、左翼を担った紗理菜の並外れた跳躍力でカバーし、もんどり打つようにして、どうにか穴の縁へ着地。
「ふぅ…」
少し冷や汗をかいた京子が安堵の溜め息をつき、そして振り返って眼下の穴を見据え、
(これが例の蟻地獄…まさかピンポイントで私たちの乗ってた通園バスの真下に出来るなんて…)
なおもゆっくりと穴の底に沈んでいく、今さっきまで自分たちが乗っていたバス。
幸い、二人の咄嗟の判断で既に車内は無人。
もし仮に、逃げ遅れていたらバスもろとも地中に引き込まれていたところだと思うとゾッとする。
そして紗理菜も横に寄ってきて、同じようにバスを呑み込んでいく蟻地獄を見ながら、
「とにかく久美に報告しなきゃね」
「うん。お願い」
そして紗理菜が、
「穴が広がるかもしれないから、もう少し離れておいた方が…」
と言った時だった。
危惧した通り、ふいの余震によって穴の円周がさらに拡がり、その瞬間、
「わぁぁッ…!」
轟いた幼い悲鳴に、ハッとして目をやった京子。
「ヒ、ヒコちゃんッ…!」
なんと、園児の一人・ヒコちゃんが、今の余震で足を滑らせ、円を広げた蟻地獄にズルズルと落ちてしまった。
立ち上がることも出来ず、転んだ体勢のまま、斜面を滑落していくヒコちゃん。
それを見て、助けだそうという一心から、反射的に穴の中にジャンプで飛び込んでいった京子。…だが、いかなる理由があろうと蟻地獄の中に自ら飛び込むのは完全な自殺行為。
何とかヒコちゃんは腕の中に保護したものの、
「くっ…」
思うように立ち上がれず、今度は二人で斜面を滑り落ちていく。
それを上から、
「きょ、京子ォっ!」
パニックのあまり、金切り声のような高い声を上げる紗理菜に、
「なっちょ!来ちゃダメっ!一緒に巻き込まれるッ…!」
と今の自分の状況も同時に伝えるように叫び、
「とにかくヒコちゃんを…!」
ぼやぼやしている余裕などなかった。
腕の中で護るヒコちゃんを抱き上げるようにして持ち上げ、紗理菜の声がした方に向かって、ほぼノールックで放り上げた京子。
踏ん張りが全く利かない斜面滑落中の、懸命なスローイング。
投げた後は、
(なっちょ、お願いッ!取ってッ!)
と祈る思いで上を見るしかなかったが、そこは身体能力が高くて体幹の強い紗理菜。
まるでポートボールのゴールマンみたく、足は出さずに腕だけひょいと伸ばして掠め取るようにして宙を舞ったヒコちゃんを上手くキャッチ。
その手が頭上に見えて一瞬ホッとした京子だが、次の問題は自分自身。
「くっ…!」
幾度となく立ち上がろうとするも、斜面の傾斜…さらに上からサラサラと落ちてくる土砂に手足をとられて、なかなか身体を起こせない。
いや、むしろ、もがけばもがくほど滑落の速度が増していく。
上で、
「京子、待ってて!今、ロープ持ってくるからッ!」
と紗理菜の声がしたが、おとなしく待っている余裕などない。
「ん、んぷッ…!」
どんどん顔にも降りかかってくる土砂。
あっという間に衣服はドロドロになり、気付けば着けていたエプロンは滑落の途中で脱げ、一足先に穴の底に落ちてしまっていた。
先に沈んだバスは既に車体後部が埋没。
そして、その横にふわりと落ちたエプロンがモゾモゾ盛り上がると同時に、
「シュワシュワシュワシュワ…」
不気味な鳴き声とともに穴の底から這い出るようにしてバケモノが登場。
目が合った瞬間、
(コ、コイツが例の…アリジゴクのモンスター…!)
と、なおも滑落途中ながら察知した京子。
一方、そのアリジゴクのモンスター・アントリオンも、まもなく自身の懐へ落ちてくる京子を見るや、
「グフフ…足でも滑らせたか?若い女…♪運の悪いヤツだわい」
そして、
「ほれ、もっとこっちへ来い。せっかくだからワシの住処のルームツアーでもさせてやるとしよう」
そう言って、両手のハサミで周囲の土砂を崩して柔らかくし、それを京子に向かって振り掛けるように飛ばすアントリオン。
それによって、さらに身を起こすのが困難になり、滑落速度が増してしまう京子。
「きゃぁぁッ…」
まさに蟻地獄に落ちたアリ…何も為す術がなく、穴の底で半身を出して待ち構えるアントリオンの懐にナイスイン。
そんな京子の身体を抱きしめるようにして腕を絡め、
「グフフ…捕まえた…♪」
とご満悦のアントリオン。…だが、ちょうどそこに頭上からロープの先が降ってきて、さらに上から、
「京子ォっ!今、引き上げるからッ!そのロープ、しっかり持っててッ!」
と紗理菜の声。
「く、くぅッ…」
アントリオンに捕獲されながらも、そのロープの先を手繰り寄せ、しっかりと握る京子。
それと同時に垂れていたロープがピンと張ったのを見ると、どうやら上で綱引きのように引き揚げを始めたらしい。…が、
「グフフ…こんなロープ一本で何が出来る。こんなものはこうして…♪」
と、昨日同様、腕の先のハサミでロープをあっさりと切断。
その瞬間、
「きゃぁッ…!」
バランスを崩し、そのまま園庭にド派手に尻もちをついてひっくり返る紗理菜。
「イタタタタ…」
と口にするも、すぐに起き上がり、再び穴の底に目をやるも、そこには既にアントリオンも京子も姿は見えず、残るはタイヤ半分とバンパーのみとなった通園バスの車体と、その傍らで虚しく靡く京子の脱げたエプロンが残っているだけ。
それを見て、
「きょ、京子ッ…!京子ォォっ…!」
懸命に名を呼ぶ紗理菜だが、尋ね人からの返事は一切なく、その狼の遠吠えのような高い声が園庭にこだまするだけだった。
……
事態はすぐにヒナタベースに知れ渡り、小坂菜緒、金村美玖、松田好花の三人が駆けつけた。
残された紗理菜と合流するや、早速、
「ハッピー…オーラっ!」
それぞれのモチーフカラーに合わせた腕のブレスレットの発光とともに、菜緒はヒナタレッドに、美玖はヒナタイエローに、そして好花はヒナタグリーンにそれぞれ変身。
既に穴の底はもぬけの殻。…だが、それでも念の為、イエローが腰のホルスターから取り上げた光線銃・ヒナシューターを構え、
「シューターっ!」
の掛け声で黄色のレーザー光線を発射。
巻き上がる爆炎…だが、その粉塵が晴れた後に見えたのは、土にまみれた通園バスの車体のみで、京子をはじめ、それ以外は何も見当たらない。
「アカンか…」
とマスクの中で舌打ちをするグリーン。
するとレッドは、ふと神妙な口ぶりで、
「…好花。好花のグリーンウィップで私を身体を縛って」
「え…?し、縛ってって急にそんな大胆な…どうしたん?菜緒」
「まだお昼前だよ?」
と驚くグリーンとイエローに、
「ち、違うよ!バカっ!あの穴の底に下りてみたいから私の腰のところを縛って上で持っといてってことッ!へ、変な意味でとらないで…!」
赤色のマスクの下で、同じぐらい紅潮して怒る菜緒に、
「あぁ、そういうこと。ごめんごめん」
平謝りでグリーンウィップを手にし、言われた通り、レッドの腰に固く結んだグリーン。
そして、その根元をイエロー、そして紗理菜もともにしっかり握り、
「何かあったら言うてな。三人がかりですぐ引き上げるから」
「うん。お願い」
と頼み、いざ、ゆっくりと斜面に自らの身体を落とすレッド。
(きゃッ…!)
と思わず声が出そうになるぐらい、ぐんぐんスピードに乗る滑落は、まるで天然の滑り台。
ヘタにもがいたり、抵抗する気は一切なく、ハナから穴の底まで滑り落ちるつもりでいるから尚更だ。
そして、あっという間に穴の底まで下りたレッド。
念の為、ヒナシューターをいつでも撃てるように構えつつ、おそるおそる足元をグッ、グッ…と踏みしめてみるも、何も気配を感じないし、その体重をかけた足が土に沈んでいく様子もない。
(いない…もう別のところに移動済みということか…)
つまり、それとともに京子も連れ去られてしまったということになる。
行き先は、おそらく当該モンスターのアジト…モチーフとなったアリジゴクの性質から考えるに、どこかの地中にあるに違いない。
「…とうッ!」
穴の底からジャンプで地上に戻ったレッドは、腰に巻いたグリーンウィップを二人にほどいてもらいながら、
「探すものが2つになった…この穴を作って回るモンスターの居所と、京子さんを連れ去ったと思われるこのモンスターのアジト…」
「そのモンスターがアジトにおる時に発見できたら一石二鳥で一番ええんやけどな」
「でも、そんなうまくいくかなぁ…」
と、輪になって話し合う戦士たち。
(何か…何か一つでも、モンスターの居場所を先読みできる手段があればいいんだけど…)
対策自体は結論に近づきつつある。
問題は、その導き出した結論をいったいどのようにして実行するか、だ。
……
それからほどなくして、ヒナタベースの久美から一斉帰還命令が出され、それに従ってヒナタベースに戻った菜緒たち。
何事かと急ぎ足でメインルームに駆け込んだが、その瞬間、
「わッ…何ですか、これッ…!」
そこで見たのは、室内を所狭しと駆け回る犬の大群。
久美の招集は、ヒナタベースに携わる人間たちだけではなく、その彼女らが各自、自宅などで飼っている愛犬も含めてだった。
そして、そこにちょうど、
「竹内、ただいま戻りましたぁ」
と最後に入ってきたのは竹内希来里。
今回の一連の事件の発端となった愛犬そらに加え、一緒に飼っているショコラとムクも引き連れて戻ってきた彼女。
こうして、メンバー間の愛犬同士がじゃれ合いを始める中、
「た、隊長…これはいったい…?」
困惑する菜緒に回答するよりも先に、
「みんな、よく聞いて!これから手分けをして、このワンちゃんたちを連れて街を散歩してきてほしい。飼ってない人は、複数匹、飼っているメンバーの愛犬を借りて、とにかく出来るだけ広範囲に散らばってみて」
「はいッ!」
聞き分けの良い四期生たちは特に理由も聞かず、早速、手分けして、メインルームに集まった犬たちにリードを繋いで出ていった。
それに先代メンバーたちも続き、さらには普段、通信係の高橋未来虹、メカニックの森本茉莉や山口陽世、さらには船医の上村ひなのも参加。
こうして瞬く間にメインルームから犬の鳴き声は消え、残るは久美とヒナタレンジャーの戦士たちだけになったところで、再度、
「隊長。今のはどういう思惑が…?」
と問いかける菜緒。
久美は、ソファーに腰掛けると、神妙な顔で、
「今回の一連の事件…私たちの中で、一番最初に実物の蟻地獄に遭遇したのは一般隊員の希来里ちゃんだった。そこで私は、その時のことを、もう一度、希来里ちゃんに事細かに聞いてみたんだけど、そこで彼女が一つ、気になることを話してくれた」
「気になること…?」
久美は頷き、
「蟻地獄が出来る前兆の地震…その地震が起きるよりわずかに先に、散歩させていた愛犬がけたたましく鳴いたっていうの。それも、希来里ちゃんいわく、普段はおとなしい子で、彼女自身も今まで飼ってきて初めて聞いたような鳴き方だったって言ってた。となると…」
「我々には分からない地中の不穏な気配を、犬が一足先に感じて吠えだした…ってことですか?」
久美は正解というように頷き、
「よく『ナマズが暴れるのは地震が来る予兆』って言ったりするでしょ?そのメカニズム自体は私もよく分からないけど、とにかく、それに近いことが犬でもあったんじゃないかと思ってる」
「蟻地獄が出来るところの近くに行けば犬が吠えると?」
「その可能性を信じてみたい」
そんな久美の希望的観測に対し、
「でも…今のところ、それに懸ける以外に打つ手はないですもんね」
「うん。確かに…」
と同調する美穂、美玖。
これはまさに二人の言う通りで、ただ待っていてもどんどん被害が増えていくだけ。
さらに久美は、
「そろそろ連中も味を占めだす頃…私は、公園の時計塔や幼稚園の通園バスなんかがヤツらの真の目的だなんて思わない。必ず、もっと何か大きいものを最終目的に定めてある筈…」
断定は出来ない。…が、さしずめ、被害の大きさで考えると、走行中の鉄道や着陸寸前の航空機…もしくは発電所やコンビナートといったあたりが有力ではないだろうか。
それをみすみす蟻地獄の穴で破壊されるワケにはいかない。
そのためには、オンナの第六感ならぬ犬の第六感が機能することを信じるのみ。
飛び出していた各メンバーから、それらしき無線が飛び込んでくるのを期待して待つ。
……
久美の指示で、一斉にヒナタベースを飛び出し、東西南北に散った一般隊員たち。
それに混じって高橋美来虹も同じようにヒナタベースを飛び出し、なんとなくで東に向かって駆け出した。
連れているのは山口陽世が飼っている愛犬のうちの一匹、ミク。
幸い、人見知りしない犬で、本来の飼い主ではない未来虹とでもすんなりと散歩してくれる。
出発する直前、久美からおおまかに目的を説明され、
「連れている犬が少しでも変な行動をしたら、すぐに私のところへ無線を飛ばして」
と言われた。
さらに「もし、そうなった時は、その場をすぐに離れて」とも言われた。
それを、足元の犬の速度に合わせて小走りしながら、
(ま、まさかね…)
と半信半疑の未来虹。…だが、それを久美が言うことでやたらと説得力が増すのも事実。
なおも散歩を続け、犬の首に引っ張られるまま進路を変え、最近できた大きめのスーパーの前まで来た未来虹。
すると、そこで突如、
「ワンワンっ!ワンワンっ!」
それまで軽快に駆けていた足を急にぴたりと止め、地面に向かってけたたましく吠えだした陽世の愛犬、ミク。
それを見て、
(こ、これって、もしかして…!)
半信半疑でも、すかさず胸元の無線機になるバッジを口を近づけ、
「こちら高橋!久美さん、聞こえますか!」
「はい、こちら久美。どうぞ」
「犬が…犬が、突然、鳴き始めました!」
「場所は?」
「ヒナタベースの東、最近できた『ジョイフルラブ』というスーパーの前です!…あッ!じ、地震ですッ!地震が来ましたッ!」
「了解ッ!すぐに菜緒たちを向かわせる!未来虹は至急そこから避難!」
「は、はいッ…!」
無線が切れると同時に陽世の愛犬ミクをスッと抱き上げ、どの方角とも決めずにとにかく駆け出した未来虹。
その背後で、
ゴゴゴゴっ…!
と地割れが起きるような音がするのを、内心、
(マ、マジぃッ…!?本当に久美さんの言う通りだったってことぉッ…!?)
感服と驚愕、恐怖が入り交じる中、背後に出来始めた蟻地獄の円周外のところまで、その長い脚を活かした大きなストライドでとにかくひた走る未来虹。
すると、ふと前から、地を滑るような走行音とともに凄まじい速さで近づいてくる紫色のマシン…!
光のような速さ…すれ違いは一瞬だったが、その一瞬でも、マシンに跨っていたのはヒナタパープル、富田鈴花だと分かった未来虹。
そのパープルは、久美の指示を受け、自身専用の高性能マシン・パープルチェイサーをアクセル全開で駆ることで、他の仲間たちより一足先に現場へ。
キィィィっ…!
ドリフトをかけるように急停止したその眼前では、広大な駐車場のド真ん中に穴を空け、まさに今、すり鉢状の蟻地獄を作りだしている最中という状況。
駐車場に停めてあった車が次々と斜面を滑り落ちていく中、マシンに跨ったまま、じっと穴の底を見据えたパープルは、
(…いたッ!)
例のモンスター、アントリオンの姿が穴の底で見え隠れするのを確認するや、自身が跨るパープルチェイサーの頭をそこへ向け、手元の青いボタンを押し、声高らかに、
「ハイドロポンプっ!」
シュバババババっ…!
さすがハイテクマシン。
火災などに出くわした際に対応するために搭載された放水機能を目の前の蟻地獄の底、アントリオンめがけて放つパープル。
凄まじい放水…それによって斜面を形成していた砂利がみるみる泥水にかわり、やがて崩落するように穴の底めがけて流れ落ち始め、それと同時に、
「ぬわーーッ…!み、水ッ…!なぜこんなところに水がぁぁッ…!」
慌てふためいたようなアントリオンの悲鳴。
みるみる身体が泥の濁流に浸かり、これは参ったとばかりに底から這い出て飛び上がってきたところを、まるで西部劇のガンマンみたく、待ってましたとばかりに、
「シューターっ!」
ドゴォォン…!
「ぎぇぇッ…!」
まるでミサイルの迎撃システムのごとく、飛び上がって姿を見せたところに見事に命中した紫色のレーザー光線。
小爆発を起こし、落下してきたアントリオン。
そのまま地面に叩きつけられ、苦悶の声を上げて起き上がったところでパープルと目が合うと、
「き、貴様…!昨日の…!」
「そうね…また会ったわね…!ヒラガーナのモンスターっ!今日こそは逃がさないわよッ!」
「こ、こざかしいッ!者ども!かかれッ!」
アントリオンの掛け声とともに、周囲に生じた空間の歪みからガーナ兵が数匹、パープルを包囲するようにして登場。
それを、
「えいッ!やぁッ!」
華麗な身のこなしにキックとチョップで応戦するパーブル。
すると、そこに、
「とぉぉッ!」
声高らかに宙返りをして現れ、相次いでパープルを取り囲むガーナ兵の輪の中に割って入るヒナタブルーとヒナタイエロー。
出会い頭に、それぞれ目の前のガーナ兵をハイキックで蹴散らすのを見届けた後、イエローとは、
「…ねぇ、美玖。遅すぎじゃない?来るの」
「いやいや、あのマシンが速すぎるだけだから!これでも頑張って追いついた方!」
とやり合い、さらにブルーとも、
「…で、何しに来たの?美穂。こんなザコは私一人で充分なんだけど?」
「はぁ?よく言うよ。ちょっと押されてたくせに!」
加勢への感謝を照れ隠しで憎まれ口に変えるところが何とも鈴花らしい。
そして、
「ブルーナックルっ!」
の掛け声で棘のついた青いグローブを左右の拳につけ、群がるガーナ兵を次々に一発KOしていくブルー。
こうして、みるみる手下の数が減っていく様子に、
「ぐぬぬ…!おのれ…!」
と舌打ちをしたアントリオンは、しびれを切らし、
「えーい!不甲斐ないヤツらめ!こうなったらワシがまとめて始末してくれるッ!」
そう言って、腕の先の鋭いハサミを足元のアスファルトを打ちつけて亀裂を入れると、そこに身体を潜り込ませ、
「図に乗った罰だ!蟻地獄を恐怖を思い知れぇッ!」
ゴゴゴゴゴっ…!
「きゃッ…!」
「わぁッ…!」
「し、しまった!」
ガーナ兵との交戦に夢中だった三人の虚を突く形で、足元に巨大蟻地獄が発生。
斜面に足を取られ、まずパープルが、続いてブルーが滑落。
そして、慌ててジャンプで脱出しようとしたイエローも足場の悪さから上手く飛び上がれず、同じようにゴロゴロと転がるようにして斜面を滑落。
その穴の底で、
「グフフ…さぁ、落ちてこい。ワシの元に落ちてきた順に始末してくれるわッ!」
と腕の先のハサミを打ち鳴らして獲物を待つアントリオン。…だが、そこに、
「シューターっ!」
ドゴォォォン…!
「ぐわぁぁッ!」
滑落中の三人に釘付けだったアントリオンの背中に、今度は赤色のレーザー光線が直撃。
引き金を引いたのはもちろん、飛んできた光線の色からも分かる通り、リーダーのヒナタレッド。
そして、団子になってズルズルと滑落する三人の元に、
「グリーンウィップ!」
と、助けのロープを投げ入れるグリーン。
「サ、サンキュー!好花っ…!」
「ナイスタイミング…!」
「ふぅ…焦ったぁ…」
一目散にそれに掴まり、何とか自分たちの滑落を止めた三人。
そして、その状態でイエローが、
「イエローフリスビーっ!」
と専用武器の円盤を、穴の底のアントリオンめがけて投げつける。
見事なコントロールで、標的に向かって一直線の黄色いフリスビーはその円盤の周囲についた鋭い刃で、アントリオンの頭部に生える二対のツノを相次いで破壊。
さらに穴の縁から、もう一人、ヒナタホワイト(陽菜)も姿を見せ、
「ホワイトアローっ!」
天に掲げた両手にスッと現れた白い長弓をクルクルと華麗に回しながら身体の前に構えたホワイト。
弦を目一杯まで引っ張りながら、照準を穴の底のアントリオンの胴体に定め、いざ、
「…ホワイトショットっ!」
放った渾身の白い矢は突風を纏い、目にも止まらぬ速さで、
グサァっ!
「おうぅッ…!」
見事、アントリオンの胴体に命中。
「ぐっ…お、おのれぇ…こ、こんなものでワシを倒せると思うな…!」
と言うわりには、かなり効いている様子。
そして、ズルズルと穴から這い出てきて、その刺さった矢を引き抜こうとふらつくアントリオンに、とどめの、
「レインボー…ショットぉッ!
あらゆる方向から放たれた色鮮やかなレーザー光線が射抜かれて悶える一挙に命中。
「ぎゃぁぁぁッ…!」
射抜かれたアントリオンの身体が、色とりどり、虹色に煌めくと同時に断末魔の悲鳴を上げて爆発四散。
「オッケー!」
「やった!」
と勝利を喜ぶ戦士たち。
そして、斜面の途中にいるブルー、イエロー、パープルを次々に引き揚げ、
「よし…あとは京子さんを助け出すだけね」
とレッドが呟いたところで、ふいに頭上に舞い降りてきた妖しげな蝶に気がついた。
黒地の羽にピンクの斑点で、しかもその斑点がハートマーク…。
「な、何?この蝶…」
ホバリングするようにレッドの前から離れない謎の蝶。
そして、その蝶は、一度、助走をつけるように円を描くと、ゆっくりとしたスピードで飛び始めた。
それを、
「な、なに…?」
「どういうこと…?」
戸惑う戦士たちだが、ふとレッドが、
「つ、ついてこいってこと…?」
その呟きにイエスと返すように飛ぶ速度を上げだした黒い蝶。
それによって、自然と後を追って駆け出す戦士たち。
先導する妖しげな蝶…その蝶に導かれた戦士たちが向かった先は、なんと…。
……
その頃。
今は亡き…となったアントリオンのアジトに虚しく響く、
「くっ…!くっ…!」
という女の声…。
その声の主、齊藤京子は、牢屋の中で横たわったまま、後ろ手に固定する拘束具を相手に格闘していた。
身体の自由を取り戻すため、芋虫のように身体をくねらせては懸命に奮闘。
幸い、今はあのアリジゴクのモンスターも出払っているし、様子見に来たイグチ魔女も帰っていったばかり。
そのイグチ魔女からは、
「フフフ…懲りないわね、京子。せっかく助かったんだから、おとなしく山奥にでも隠居してればよかったものを…まぁ、いいわ。アンタの出番はアントリオンの『コンビナート破壊作戦』が成功した後。拷問にかけてヒナタレンジャーの面々や佐々木久美、他の逃げた連中の居場所を全て吐かせた後、もう一度、我々の奴隷船員として強制的に再雇用してやるわ。オーッホッホッ♪」
と、耳障りな高笑いを浴びせられた。
もちろん、二度とあんな地獄の日々に戻る気はない。
みすみす仲間を売るぐらいなら、今度こそ舌を噛み切って死んでやる。…が、せめてその前に、後進を譲った戦士たちに連中の狙いを伝えなければならない。
(コ、コンビナート…!ヤツらの最終的な狙いはコンビナートよ!菜緒ッ…!)
それを伝えるまでは死ねない…そのために、地べたに這いつくばりながら必死にもがく京子。…と、その時。
ふと、壁の向こうに人の気配…そしてドタドタと数人の足音。
(だ、誰か来た…?)
と、奮闘を中断した京子。
すると壁の向こうで、
「私に任せてッ!…ブルーナックル!」
と聞き覚えのある声が聞こえ、そして、
「爆裂拳ッ!おらおらおらおらぁッ!」
その掛け声と同時に牢屋内に鳴り響く凄まじい打撃音。
たちまち、その壁に亀裂が入り、そしてガラガラと崩れ落ちた。
そして、その向こうにいたのは見覚えのある色鮮やかな戦士たち。
それを見て、
「…みんなッ!来てくれたのね!」
と、それまでの絶望感がみるみる薄れ、安堵した表情へ変わっていく京子。
駆けつけた戦士たちも、
「京子さんッ!」
「よかった、無事で!」
と、すぐさまヒナタパープルとヒナタグリーンが駆け寄り、後ろ手の拘束を解いてもらう。
それで自由を取り戻した京子は、立ち上がるなり、レッドに、
「菜緒ッ!コンビナートが…コンビナートが危ない!」
と訴えるも、レッドは京子の肩に手を置き、
「安心してください、京子さん。あのモンスターは倒しました。もう、あの蟻地獄の穴が出来ることはありません」
と教え、そして、
「さぁ、帰りましょう。私たちもですけど、何より、北街区幼稚園の園児たちが京子先生の帰りを待ってますよ」
と声をかけた。
……
そしてヒナタベース。
新手のモンスターを退治し、今回もまた、見事にヒラガーナの企てた侵攻作戦を打ち砕いた戦士たちの凱旋。
「ふぅ…疲れたぁ…」
「もうクタクタだよぉ…」
と、メインルームに入ってくるなりソファーに沈む鈴花や陽菜と、かたや生真面目に久美の元へ足を向け、戦果を報告をする菜緒。
それを聞いた久美も、
「お疲れ様。みんな、よくやったわ。今、コーヒーを淹れてあげるから、ゆっくり休んで」
と労い、自身も含めメンバーたちが愛好するコーヒーメーカーを操作。
たちまち室内にコーヒーの芳醇な香りが立ち込める中、そこに、
「違いますよ!そらのお手柄ですッ!そもそも、そらがいないと解決の糸口すら見つかってなかったんですから!」
「だーかーらー!最終的に、あのモンスターを見つけたのはウチのミクだから!これは紛れもない事実だってば!」
と言い合いながら入ってきたのは竹内希来里と山口陽世。
察するに、どうやら今回の事件の手柄が、どちらの愛犬にあるかを争っているらしい。
そんな飼い主二人の子供のようなケンカを微笑ましく眺めるメンバーたち。
そして、確かにどちらの主張も一理あると感じた久美は、後日、二人にお礼の高級ドッグフードを渡した。
もちろんケンカにならないよう、均等に同じ量を、だ。
……
一方。
その日の夜。
ヒラガーナの侵略艦隊「アンビバレント」の船内では、大幹部のイグチ魔女が船長ネルネルから呼び出しを食らっていた。
コンコン…
おそるおそる船長室の戸をノックすると、中から一言、
「お入りなさい」
優雅な口調で入室を許可しながらも、明らかに冷たいその声色に背筋が凍るイグチ魔女。
そして、青い顔をして遠慮がちに部屋に入ったイグチ魔女を、じっと見据えるネルネル。
一見、柔和な笑顔。…だが、目の奥は全く笑っていない。
これはむしろ彼女にとって怒りの表情であることを、長らく仕えてきたイグチ魔女もよく分かっている。
そのまま少しの沈黙…そして、その静けさを破るように、
「ねぇ、イグチ魔女?またヒナタレンジャーの連中に邪魔されて、作戦に失敗したんですってね?あなた、これで何回目かしら?」
「うぅ…そ、それは…その…」
冷や汗が止まらないイグチ魔女をさらに追い込むように、
「しかも、せっかく捕らえた齊藤京子も、幽閉してたアジトを留守にした間にまんまと急襲されて奪還を許したそうだけど…いったい何をどうすればそんなことになるのかしら?」
「そ、それに関しては私も…な、なぜ連中がアジトの場所を特定できたのかが不思議で…」
しどろもどろのイグチ魔女に、
「あら…?もしかして言い訳しようとしてる…?私の前で言い訳…?」
「い、いえ…!その…そんなつもりは一切なくて…その…あの…」
一瞬、グッと好戦的になったネルネルの目から戦慄を感じ、慌てふためくイグチ魔女。
そしてネルネルは、傍らにあったドクロのついたステッキを手に取り、それをイグチ魔女に突きつけ、
「言い訳するヒマがあったら、素直に反省してとっとと次の作戦でも考えなさい!この役立たずッ!」
ビビビビビっ…!
「ぎゃぁぁぁッ…!ネ、ネルネル様ぁッ…お、お許しをぉぉぉッ…!」
ステッキの先から放たれた高圧電流に絶叫するイグチ魔女。
その声量…そして表情が、そのお仕置き電流がいかに苦痛なものかを見事に体現している。
そして、それから半時間ほどしてようやくネルネルのお説教が終了…。
追い出されるように船長室を後にしたイグチ魔女は、ヨタヨタしながら廊下を歩き、心配そうに駆け寄って手を添えてくれたガーナ兵すら、
「無礼者ッ!雑兵の分際で私に触るでないッ!」
と突き飛ばして八つ当たり。
ネルネルに褒められたい一心で今回の計画…我ながら良い線を行ったと自画自賛までしていた計画だったのに、またしてもヒナタレンジャーに邪魔されてあっけなく頓挫。
そして何より不可解なのは、幽閉していた齊藤京子をあっさりと連中に奪還されたこと。
その失態が、ネルネルの怒りをさらに増幅させたといっても過言ではない。
なおも、
(おのれ、ヒナタレンジャーめ…いったいどうやってアジトの場所を知り得たのだ…?)
いくら考えても不可解な謎…。
そして、そんなむしゃくしゃしながら廊下を歩くイグチ魔女の目に、ふと、上機嫌な軽い足取りで近寄ってくるあの女…小悪魔メミーの姿が見えた。
「チッ…」
もはや見かけただけで舌打ち…。
思った通り、近寄ってきたメミーは相対するや、気に障るぶりっこの笑みを浮かべ、いかにもわざとらしく、
「あらぁ?どうしたの?イグチ魔女?やけにお疲れじゃない…あ、分かった♪さては“またいつものように”ネルネル様にこっぴどく叱られたんじゃないのぉ?」
「う、うるさい…消えろ…」
悔しさと恥ずかしさ、そして苛立ちが入り混じったまま吐き捨て、相手をする気力もなく無視して立ち去るイグチ魔女。
そんな彼女の背中に、聞こえるか聞こえないかの声量で、
「ふふっ…バーカ…♪前回、私のことをバカにしてきたからお返しよ」
と小さく囁いてはニヤニヤするメミーだが、その後、華麗に翻したマントの柄は奇しくも黒地にピンク色のハートの斑点と、どこかで見たことのあるような柄だったのは偶然か…?
(つづく)
〜次回予告(※当該メンバーの声で脳内再生推奨)〜
正源司陽子です。
郊外の朽ち果てた廃病院をヒラガーナの一味が根城にしているという情報を掴み、殲滅のために乗り込んだ小坂さんたち。
でも、実はそれは先輩たちを誘い出すための罠だったの。
そこで待っていたのはナメクジのモンスター、スラッグからの奇襲…!
そして、スラッグの撒き散らす凝固液でヒナタブレスを封じられた先輩たちは、ヒナタレンジャーに変身できなくなってしまった…!
そんな窮地に陥った先輩たちを救うため、私たち一般隊員が力を合わせて奮闘する!
次回、『絶体絶命!ヒナタレンジャー変身不可能!』…お楽しみに!