欅共和国外伝 女王陥落物語 ― 悪魔の襲来 ―










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第二部 小池美波の陥落物語
1.蓋
 とうとう幕を開けた…いや、開いてしまった小池美波の快楽拷問。
 鮫島が背を向けて何やら準備をしている間も、絶えず、
「くっ…くっ…!」
 と麻縄で縛られ、吊られた手首を揺する美波。
 それに対して鮫島は、見もせぬまま、
「…無駄だ。守屋茜のような腕っぷしのある女ならまだしも、お前のようないかにも非力な女ではいくら暴れたところで絶対に切れはせん」
 そんな彼の肩越しにチラチラ見え隠れするフラスコ…。
 中で揺れる液体は青色で、まるでブルーハワイのかき氷シロップ。
 それを黙々とスポイトで吸い上げる姿は、まるで科学実験のよう。



 その背中を見て、
(コ、コイツ…!さては媚薬を…!)
 彼がセックスドラッグのスペシャリストだという話は、既に欅ハウス内でも共有されている情報。
 どうやら何種類かのクスリを混ぜ合わせ、調合している様子だ。
 彼ぐらいになれば、その女の見た目や性格に合わせたオリジナル媚薬を作り出すなど朝飯前。
 まるで、目の前の客に合うオリジナルカクテルを作って出してくる洒落たバーテンダーのよう…そうやって出来上がったものをこれから美波に使うつもりか。
 その気配を察し、たまらず、
「な、何やねん。それ…なに作ってんねん…」
 と問う美波だが、鮫島は、
「今、大事なところだ。少し黙ってろ」
 と一蹴し、調合に夢中。
 背後から見ていても分かる慣れた手つき…ドラッグに精通し、これまでも数々の悪魔の調合で生み出したミックス媚薬で幾多の女を鳴かせてきた男。
 時々、小さな声で、
「おっと、入れ過ぎた…まぁ、いいか…♪」
 と呟く独り言には、美波もヒヤヒヤせざるを得ない。
 そして、数分後。
「…よし、できた!」
 と言って振り返った鮫島の表情は、いかにも楽しそう。
 そんな悪魔の笑顔には目もくれず、反射的に彼の手元に目をやった美波がまず感じたのは、
(な、何あれ…?なんか…思ってたんと違う…)
 てっきり、俗にいう媚薬オイルのような液体状のモノを作っているのかと思いきや、見せられたのは乳鉢の中でよく練られたゲル状の固形物だった。



「…どうした?予想と違ったか?」
 鮫島はクスクス笑って、
「安心しろ。お前が期待した媚薬オイルみたいなのは、堕ちた後の“しつけの時間”でまたたっぷり使ってやるさ…♪」
「くっ…べ、別に期待なんかしてへんわっ!」
 見透かしたように冷やかされ、少し頬が赤くなる美波。
 その紅潮を誤魔化すように、再度、
「な、何やねん。それ…」
 と尋ねる美波だが、鮫島は、
「それは今から自分の身体で確かめてみるんだな…♪」
 はぐらかし、その乳鉢をひとまず傍のワゴンに置いて美波の背後に回る鮫島。
 華奢な身体を包み込むように回された手に握られていたのはハサミ…。 
「ククク…あれが何にせよ、まずはこの邪魔な服を脱いでもらわんと話にならんからな」
「くっ…」
 抵抗の意思として身体を揺すってはみるものの、そんなものは気休めにもならない。
 ジョキ、ジョキ…と無造作に切り裂かれ、美波の透き通るような真っ白い肌がみるみる晒されていく。
 ふと、耳元で、
「お前…胸はそんなにデカくないな…」
「う、うっさいわ!ボケっ…!」
 ひそかに気にしてる微乳を指摘されて赤面する美波。
 切り裂きストリップは上だけにとどまらず、当然、下も…。
 上質な生地を使って作られた統治メンバーの専用衣装が見るも無惨にズタボロにされていく。
 こうして、あっという間に残るはブラとパンティの下着姿にされた美波。
 白の下着が、肌の白さに同化する。
「さて…どっちから見てもらいたい?」
「だ、黙れ…どっちも見られたないわっ…!」
 と強がるも、ここでの気丈な振る舞いは、鮫島の気分をさらにアゲるだけ。
「では、せっかくだからペチャパイは最後に楽しみに取っておこうか…♪」
 と、彼女が気にしている微乳をあえてトリに回し、セオリー無視でパンティの切断が先という玄人の羞恥プレイで美波を辱める鮫島。
 あっけなく、ジョキ、ジョキ…と左右を切られ、はらりと床に落ちたパンティ。
「くっ…!」
 たてがみのように縦一筋に集約された薄毛の陰毛を露わにされ、さすがの美波も恥じらって顔を背ける。
 この恥辱に耐える態度に本来のか弱いオンナの本性を見え、鮫島は笑みを堪えずにはいられない。
 さらに追い打ちをかけるように、その薄い茂みの毛先をひょいと指で摘まみ、
「これぐらいの毛量じゃ、あってもなくても一緒だろ。あとで剃り上げてツルツルにしてやるよ。小学生のガキみてぇにな」
 と、あえて美波の背けた表情を覗き込みながら呟く鮫島。
「こ、殺す…絶対、殺す…あとで殺したるからな、マジで…」
 と念仏を唱えるようにブツブツ呟く美波がいとおしい。
 そして最後は、わざわざ後回しにしたブラの解体。…なのだが、鮫島の態度が一変、まるで消化試合というような冷めた表情で面倒くさそうに、パツっ、パツっ…と、あっさり切断し、露わにしてやる微乳。
 いざ晒してみれば乳首がキレイなピンク色をしていて、これはこれでそそるものがあるが、ここではあえて笑みを堪え、
「ふっ…まぁまぁ…こんなもんだろうな…」
 と鼻で笑ってスベッたような空気にして辱めてやれば、
(くっ…そ、そんなん、そうなるに決まってるやろぉ…わざわざ余計な恥かかせやがってぇッ…)
 と美波の顔はさらに赤くなるのを見て、
「んー?どうしたぁ?急にしおらしくなって…微乳イジリでメンタルやられちまったか?」
「━━━」
「聞いてるぞ?お前に奴隷扱いされた男たちから…お前、奴隷を脅して『美波さんのおっぱい、すごく大きいです』って無理やり言わせたりしてたんだってなぁ?どんだけプライド高いんだよ」
「━━━」
「デカいヤツってのは胸の谷間でチンポ挟んだり出来るんだよ。ねるは出来るぞ?お前は出来るのか?えぇ?」
「━━━」
 もはや、そっぽを向いてだんまり…こうして今まで女尊男卑とかなんとか言ってことごとく男を下に見てきた女を、ぐうの音も出ないようにして恥をかかせる優越感がたまらない。
 唇を噛んで悔しそうな美波に、
「ククク…さて、お遊びはこれぐらいにして、そろそろ本題に入るとするか」
 と、ワゴンに置いた先ほどの乳鉢を再び手に取り、ちょこっと指先を浸け、掻き混ぜながら美波の前に回る鮫島。
 その際に彼が呟いた、

「…いい具合だ。ちょうどいい固さになってる」

 というのがどういう意味かよく分からないまま、鮫島と対峙する美波。
 鮫島はニヤニヤしながら、そのゲル状の半固体を指先に絡め取ると、それを散々イジリ倒した美波の微乳の先端にペタペタと塗り始めた。
「んっ、くっ…つ、冷たい…やぁっ…」
 官能的な反応というよりは、単にそのゲルが冷たいという意味合いのリアクション。
 構わず、その後も円を描くようにして美波の乳頭付近にたっぷり塗り込む鮫島。
「んっ、んんっ…」
 鮫島の指が乳首に触れた刺激に少し息が乱す中、念入りに塗られたゲルは、やがて、ニップレスのように美波の左右の小粒乳首を完全に覆い隠してしまった。
「くっ、な、何やねん。これ…何のつもり…?」
 なかなか意図が読めない鮫島の行動に戸惑いを隠せない美波だが、鮫島はただ不敵にニヤニヤしているだけ。
 続いて、股ぐらにも同様にゲルが丹念に塗り込まれていくと、そこはさすがに擦りながらネチョネチョと塗り込まれて、つい、
「んんっ…あっ、んんっ…♪」
 と可愛らしい吐息を漏らしてしまうが、なおも鮫島は黙々と塗り込むことに集中。
 こちらは胸以上に念入りに、まるで切断したパンティの代わりに性器を隠すかのように、土手から尻穴のあたりまで、余すことなくベタベタと塗りたくる。
「くっ…くっ…」
 今なお真意が読めず、その不穏な手つきを堪えているだけの美波。
 やがて美波の花弁一帯がゲルで覆われると、時を同じくして一足先に塗り込まれた左右の乳頭のゲルは徐々に水分が飛んで硬化し始め、だんだん石膏のように固まってきた。
 そして、その後を追うように陰部のゲルもみるみる固まっていく。
 その間にカラになった乳鉢を片付け、指先についた残りのゲルをしっかり洗い落とす鮫島。
 戻ってくると、美波の立ち姿を眺め、
「ククク…恥ずかしくないように隠してやったんだ。感謝しろよ」
 と笑うが、今の言葉、美波には到底信じられない。
(何か…何か意味がある筈…これはいったい…)
 チラッと目線を下げ、自分の目でも確認する現状。
 両胸の先、そして股ぐらで完全に石膏と化したゲル。



 試しに軽く身体を左右に揺すってみたが、それらは見事に肌に密着し、ずり落ちる気配がない。
(…アカン。全っ然とれへん…)
 と思った瞬間、ふと、

(ちょっと待って、これ…取れへんってことは…)

 取れない…それは、すなわち“触れない”ということ…。
 そして、彼が媚薬の調合に長けた男であることを、今一度、思い出した美波は、徐々に顔色を変え、
「くっ…!」
「ん?急に慌ててどうした?」
 しらじらしく声をかける鮫島を無視して可能なかぎり身体を揺するも、完全に固まり、石膏の蓋と化したゲルはびくともしない。
 それを見て、クスクス笑う鮫島が、

「おいおい、ヘタに暴れても中に閉じ込めた媚薬の効き目が早まるだけだぞ?いいのか?触りたくなっても触れないのに…♪」

 その言葉が答え合わせ。
(や、やっぱり…!)
 やはり、この入念に塗り込まれたゲルは媚薬入り…そして、その媚薬ゲルは左右の乳首と陰部にしっかりと密着したまま固まって蓋をした…。
 となると、この後、どうなるかというのは容易に想像がつく。 
「くっ…!ア、アンタ…!」
 キッとした目で鮫島を睨む美波だが、時すでに遅し…あのゲルが身体に触れた時点から拷問は始まっていたのだ。

「さぁ!せいぜい頑張って耐えてみせてくれよ、小池美波。…といっても無理して耐える必要はないぞ?どのみち蓋が邪魔で、どうあがいても触ることは出来ないんだからな…♪」


(つづく)

鰹のたたき(塩) ( 2022/11/10(木) 00:29 )