9.
突きつけられたのは二種類の筆。
一本は子供用の絵の具セットに入ってるような細い絵筆。
そして、もう一本は、それとは対照的に、書道家が使うような柄も毛先も太いものだ。
「ククク…さぁ、次はこいつでくすぐってやろう。指でされるのとどちらが辛いかな?」
と、早速、二本の筆を菅井のへそに集結させる鮫島。
ファサファサと毛先を回転させられ、
「はぁっ、ふぅっ…!」
と可笑しな声を上げる菅井に、
「さて、太いのと細いの、どっちが上で、どっちを下にしてほしい?せっかくだからリクエストに応えてやるよ。なぁ、どうだ?おい」
「んっ、くっ…す、好きにしなさい…!んっ、んっ…」
「おいおい、えらく冷たいじゃないか。発注が来ないと始めるに始めれんな、こっちは。えぇ?」
「んひっ…あっ、んんっ…!」
「ほら、太いのはどっち?細いのはどっち?答えろよ」
しつこく聞き返す鮫島に対し、
(くっ…へ、へそ…!とりあえず、おへそから離れて…!)
と悶絶する菅井。
自分でもまさか、意外なところにあった性感帯に動揺が走る。
そして、それをまるで初めから知り得ていたかのように、執拗にへそを責める鮫島。
(さ、悟られないように…)
と必死に声を堪える菅井だったが、鮫島は、あっさりと、
「どうした?そんなにへそを嬲られるのが気持ちいいか?」
「くっ…!」
「ククク…俺を、調教師の腕を甘く見てもらっちゃ困るなぁ?この俺にかかれば、貴様ごときの小娘、最初にオイルを塗った時から、どこが性感帯か見抜くことなど造作もないことだ」
「デ、デタラメを…言わないで…」
と、まだ半信半疑の菅井に、
「ならば、確かめてみるか?」
と、細い方の筆で二の腕を、太い方の筆で内ももを、それぞれなぞる鮫島。
「ひゃぁっ…!」
拘束具をピンと伸ばして悶絶する菅井に、
「ほら見たことか。お前の性感帯はへそと二の腕と内もも。違うか?んん?」
「んっ、くっ…!あっ…!」
「当然、胸もアソコも感じるだろうからな。性感帯だらけの何とも贅沢な身体…さすがだな、女王軍団のリーダーさんよ」
「ふぁぁっ…!あぁっ…!」
「さぁ、じれったい刺激が続くぞ!」
と、鮫島は二本の筆を動かし、楽しそうに菅井の女体を嬲る。
オイルと汗にまみれたペーパーブラ越しに、固くなった突起が突き破る勢いで主張を続ける。
そこに、二の腕から腋を経由して忍び寄る細い筆。
まるで骨董品の埃を払うようなソフトなタッチで突起をなぞると、
「んんっ!あはぁっ…!」
「ほぉ…だいぶ感度が上がってきたな。そんなザマであと30分、耐えられるのか?」
「くっ…た、耐える…!耐えてみせる…!」
悦んでたまるか…という思いで、たとえ不本意な嬌声が漏れても、気持ちは折れない。
一方、鮫島も、
「ククク…こっちを責めても、まだ、そんなことが言ってられるかな?」
と、太い筆の毛先を菅井の股ぐらでファサファサと回転させる。
「んあぁっ…!」
紙パンツ越しの股間が、そして左右の脚の付け根、内ももが、まとめて刺激される。
「ぐっ…んっ、あっ…!」
毛先のじれったい触感に、反射的に身体を揺する菅井。
すると…
ペリっ…
「ククク…おいおい。あまりに暴れるから亀裂が入ってしまったぞ」
と、破けたペーパーブラを指して鮫島は、
「ちょうどいい。ここからお邪魔しようか」
と、その裂け目から筆の毛先をねじ込み、胸の先の突起を、直接、刺激する。
「はぁっ…んっ、くぅっ…」
「どうした?声が上ずっているぞ?思った以上に気持ちよかったかな?」
グリグリと捻る筆が、徐々に裂け目を拡げていく。
「んっ、くっ…くっ、うぅっ…!」
悶える菅井に、
「ほら、早くここにも裂け目を作ってくれよ。直接、刺激してやりたくてウズウズしているんだ」
と、股ぐらの筆を上下させる鮫島。
「い、嫌ぁっ…」
と、髪を乱す菅井だが、貧弱な紙パンツはオイルと汗と、そして菅井自身から分泌された液体で既にグショグショ…。
少しでも余計な力が加わると、たちまち、破れてしまうだろうが、じっとしていると、筆によるくすぐりの格好の的にされる。
よって、施術台の上をオイルで滑るように逃げ回るしかない。
「ククク…さぁ、逃げろ逃げろ!でないと筆が、気持ちいいところを狙い打ちするぞ!」
「うっ、あぁっ…くっ、やんっ、あぁっ…」
巧みに二種類の筆を動かして追い詰める鮫島。
そして、とうとう…。
ペリッ…!
(…!)
嫌な音がして、思わずくねらせていた腰が止まる菅井。
鮫島は、ニヤリと笑ったが、まだ白々しく、
「何だ?股の方から音がしたぞ?」
と、首を伸ばして覗き込む。
「やぁっ!み、見るな…!」
と顔を赤らめる菅井に対し、
「ほぉ…!これはこれは…!」
と、笑みを浮かべる鮫島。
とうとう破けてしまった紙パンツ…。
その裂け目からは、淫靡な陰毛と湿った秘貝が、これ以上、隠れ続けるのは限界とでも言うようにヒクヒクしながら覗く。
「さぁ、貴様に弄ばれた男たちに代わって確かめさせてもらおう。他人を焦らして遊んでいた女が、果たして自分は耐えられるのかどうかをな…!」
不敵な笑いに戦慄を覚える菅井。
嵐の予感…。
まもなくここに快楽の暴風雨が吹き荒れようとしている…!
つづき → 「INDEX」に戻って「11」へ
(※)
惰性で「NEXT」を押すと話が繋がりませんので、続きへ進む方は、焦らずに落ち着いて、一度「INDEX」に戻ってください。