欅共和国外伝 女王陥落物語 ― 悪魔の襲来 ―










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上村莉菜の陥落物語
3.透け水着のフェチシズム
 ギシッ…ギシッ…

 莉菜が繋がれた手足に力を込めるたび、固く結ばれたロープがベッドを軋ませる。
「んっ、あっ…!あっ、あっ…!」
 顔全体を覆うような大きなアイマスクの下から漏れる吐息。
「ハハハ!おら、おとなしくしろよ」
「お前さんはもう逃げられねぇんだよ!」
「焦ってんじゃねぇぞ、この野郎!」
 と男たちの高笑い。
 身動きのとれない四肢固め。
 大きく「X」の字に開かれた莉菜の身体を、絵筆が這う。
 無理やり着せられた薄いハイレグ衣装は全身の汗を吸ったことで、乳輪に乳首、へそ、そして陰毛まで完全に透けて見え、もはや防具としての役目を放棄してフェチシズムを煽るだけの淫具と化していた。
「んっ、あぁっ…!んんっ!」
 衣装を突き破らんばかりにピンコ勃ちの乳首への責めは、なおも続く。
 それも、自らのロングヘアーを束ねられ、その毛先を責め具にされて…。
「ひ、ひぃっ…!」
「ククク…どうだ?自分の髪がこんなに気持ちいいものだとは思いもしなかったか?」
「う、うるさっ…んはぁっ!?はぁぁぁっ!」
 突き出た乳首。
 それを手で覆って隠すことも、身をよじることも出来ない。
 ふいに鮫島が、
「…おい、誰か代われ」
 と、束ねて持った莉菜の毛先を部下に渡すと、
「もう喘ぎ声を抑えることもままならない。そろそろ、こっちも頃合いだろう」
 と不敵な笑みで、ゆっくりポジションを移動した。
 その足が向かう先は、もちろん、むっちりとした二対の太ももの間…。
 首を屈めて覗き込んだ鮫島は、
「おぉ、これはこれは…」
 と微笑混じりに顔を上げ、はっきりと莉菜の耳に届く声量で、
「こっちは、もう乳首以上に大変なことになっているぞ?濡れすぎて、マンコの具も、ビラビラも、そして乳首同様に勃起したズル剥けのクリトリスも、魚拓のように浮き出て丸見えだ!」
「い、嫌ぁっ!」
 浴びせられる卑猥な嘲笑に、より一層、顔を赤らめる莉菜。
 さらに鮫島は、
「おい、お前らも見てみろよ。このエロいマンコ」
 と声をかけ、それに対して男衆も、
「へいっ!」
「どれどれ…」
「そんなにですか?親分」
 と、ぞろぞろ移動する。
「や、やめてっ!そんな寄ってたかって見ないでっ…!」
 目隠しで視界は真っ暗。…だが、男たちの足音や気配で、周りにいた全員が移動したのは分かった。
 そして下半身の方から起きる笑い声。
「ほぉ〜、これはすごい!」
「分厚いビラビラもピンク色の肉もスケスケで丸見えだ」
「顔のわりに、けっこうしっかり下の方まで毛が生えてるんだなぁ?」
「う、うるさいぃっ…!」
 下衆な観察によって、チクチクといたぶられる羞恥心。
 さらに一人の男が、
「これだよ。このマンコで、俺たち、みんな、いいようにやられたんだ」
 と声を上げ、
「親分。どうか俺たちにやらせてくださいよ」
「ほぅ。仕返しがしたいか?」
「ええ。お願いします」
「ククク…いいだろう。ただし、まだイカせるなよ?この後もたっぷり焦らして狂わせてやるんだからな」
 と耳に入る不穏なやり取りに、背筋が凍る莉菜。
 そして、ふいに、
「あっ…!んんっ…んんっ!」
 股の間をサッと通り抜ける絵筆の感覚。
 それが、一本、二本…と増え、やがて、七本にも八本にもなった。
「さぁ、次はこの浮き出てきたマンコを思う存分いたぶってやろうぜ!」
 と誰かが言い出し、複数の絵筆が莉菜の、いや、女という生き物が共通して持つ最大の弱点へと群がる。
「んひぃっ!?ひゃあぁっ!」
「へへへ。どうだ?この、柔らかな毛先が触れるか触れないかの絶妙な刺激は!」
「もう感度もバカになってるだろうからなぁ。こいつは効くぜ」
「や、やめっ…!あぁっ!?」

 ギシギシ…ギシギシ…!

 ベッドの軋む音が増す。
 男たちは、まるで漆塗りの職人のように、形が浮かび上がった莉菜の秘貝を、絵筆の先で丹念になぞる。
「はぁっ!あぁっ!くっ、あぁっ…!?」
「ハハハ。えらく声を出すじゃないか。前からこんなに感じやすかったか?」
 と小馬鹿にしたような笑い声。
 先刻のくすぐり責めと目隠しで、彼らの言った通り、感度が上がっているのだ。
「んあぁっ!や、やめてぇ!一回やめてぇっ…!」
 堪らず泣きが入る莉菜だが、
「おいおい。自分のしてきたことを忘れたか?」
「俺たちがそうやって頼んだ時にはやめてくれたっけ?聞き入れずにニヤニヤしながら続けたよなぁ?」
「欅共和国ってのは女王様の集まりだろ?これぐらいで音を上げてんじゃねぇよ!」
 と男たちの筆遣いは止まらない。
「んひゃあぁぁっ…!」
 顔に似合わぬ絶叫で悶絶する莉菜。
 さらに…。

 ブィィィィン…

「ひぃっ…!」
 突如、左右の耳を襲った振動。
「ククク…これが何か分かるか?」
 鮫島は、取り出した2つのピンクローターを釣りのように莉菜の胸の谷間に垂らして、
「さぁ、そろそろコイツらも、貴様の処刑に追加していこうか」
「い、嫌ぁっ…!」
 胸の谷間で振動する小さな2つの球体。
(も、もしも今…これを乳首やアソコに当てられたら…!)
 考えただけでも震えてくるが、
「さて、まずは…」
 やはり思った通り、ルアーを動かすようにコードを巧みに引く鮫島の手つきは明らかに乳房の山の頂上を目指している。
「さぁ、どうする?ビンビンになった乳首に迫るぞ?」
「やぁっ…!ひ、ひぃっ…!」
「どうする?手足をちぎってでも逃げてみるか?ククク…」
 そして…。

 ブィィィィン…!

「はうぅッ…!」
 ついに振動する球体が乳首を直撃すると、固定された手足を差し置いて、腰がグイッと浮き上がる。
「ハハハ!いいザマだ!そら、もう一度いくぞ!」
「や、やめてぇっ…!もうやめてぇっ!」
 あまりの絶叫続きに喉もやられ、掠れた声で制止の頼みを繰り返す莉菜だが、聞き入れてもらえる筈もなく、最後は、グッと指をかけて持ち上げられた衣装の胸の部分にローターを仕込まれた。
 そして強弱を操るリモコンの部分を、それぞれ左右の肉に食い込んだ肩紐に挟まれ、断続的な乳首責めの開始だ。
「くぅぅっ…んんっ、は、外して…!んあぁっ!お、お願い…!これ、外してよぉっ!」
 とうとうアイマスクの隙間から一筋、涙が垂らして懇願する莉菜。
 だが、そこまで弱っても決して聞く耳を貸してもらえない…。
 そして、また、

 ブィィィィン…!

「ひぃっ!?」
 再び、耳元に恐怖の振動音が迫る。
「ククク…とどめはこいつだ。分かるだろ?これが何か」
 ペチペチと頬を打つほどの大きさと棒状の形で、
(バ、バイブ…!)
 と、目隠しをされていても、その正体が男性器を模した振動器具だと分かった。
 そして、分かったと同時に血の気が引く。
「い、嫌ぁっ…!お願い、それだけは…!それだけは、んぐぅぅっ!?」
「おら、咥えろよ」
 懇願を遮り、莉菜の小さな口に無理やり押し込まれたバイブ。
 まるで生きているかのように、ウィン、ウィンと口の中で暴れる電動の疑似男根が、莉菜の口内を隅々まで蹂躙する。
「さぁ、たっぷりと濡らせよ」
「んぐぅっ、んぐぅっ…」
 突き挿したままグリグリとひねられ、みるみる唾液が絡め取られてゆく。
 そして、それが引き抜かれると、
「…げほっ!げほっ!」
 と、唾液の糸を引きながらむせる莉菜。
「ククク…」
 と、耳に残る特徴的な笑い声を残して離れていく足音。
「や、やめて…!」
 という声も届かず、鮫島が手にしたバイブは
莉菜に引導を渡すべく、股ぐらへ…。
「…ほら、分かるか?」
「ひゃあっ…!?」
 ズリズリと透けた秘貝にバイブを擦りつける鮫島。
「んんっ…!あんっ、あんっ…!」
(お、大きい…!太すぎる…!それに振動も激しすぎ…!こ、こんなの、今、アソコに挿れられたら…!)
 迫る恐怖に身が固まり、絶句する莉菜。
 それを、
「ククク…急にしおらしくなりやがって。観念したのか、それともこいつの大きさに思わず期待してしまったのか」
 と鮫島は笑い、部下の一人に目配せをした。
 男の指が脚の付け根に伸び、ハイレグを持ち上げて隙間を作る。
 その瞬間、

 ヌチャッ…

 と濁音がして、衣装と割れ目の間を、愛液がとろりと糸を引いた。
 そして、クンクン…と鼻を鳴らされ、
「ククク…もう完全に出来上がっているじゃないか。発情したメスのニオイが充満している」
「い、嫌っ…!」
「これだけマン汁が溢れてりゃ、もはやローションなど必要ないな」
 と鮫島は、とうとうその衣装を持ち上げた隙間に極太バイブをねじ込み、莉菜の蕩けた膣へ、ゆっくりと突き挿していった。
「んあぁっ…!あぁっ…!」
 閉じることの出来ない脚。
 たっぷりと分泌された愛液が潤滑油となり、振動と回転によってえぐるように膣内を掻き回されても痛みはない。
 あるのは、むしろ快楽のみ。
「んあぁっ!ダ、ダメぇっ!これダメぇっ!」
 絶叫し、拘束の痛みを無視して手足を揺する莉菜だが、
「おら、おとなしくしろ!」
「もう終わりなんだよ、テメェは!」
 と男たちに押さえつけられ万事休す…!
「んはぁぁっ…!」
 とうとう奥まで挿さってしまったバイブ。
 そして男が衣装を摘まむ指を離せば、ハイレグ衣装による固定バイブの完成だ。
「あぁっ…!んんっ!んあぁっ…!」
 ウィン、ウィンと円を描くバイブの持ち手が衣装を持ち上げ、上下左右へ暴れる。
「んっ…!んんっ…!」
 と必死にお腹に力を込めて押し出そうとしても、もう無理だ。
 手足を固められ、目隠しも。
 そして左右の乳首と股間を快楽玩具で制圧されてしまった莉菜。
 いまや気丈な言葉など出る気配もない。
 出るのは、
「んあぁっ…!ぬ、抜いて…!抜いてよぉっ…!」
 という弱々しい乙女の懇願のみ。
「ククク…どうだ、お前ら!」
 鮫島は、配下の男たちに声をかけ、
「お前らを散々いたぶった女が、今、このザマだぞ」
 と言うと、それに応じて、
「うぉぉっ!さすが親分!」
「やったぜ!この時を待ってたんだ!」
「ざまぁみろ!この勘違い女め!」
 勝利の歓声が上がった。
「くぅっ…!」
 為す術なく弄ばれた屈辱を噛み締める唇。
 だが、それも、堪えきれない性感帯への刺激によって簡単に崩落し、情けなく喘ぎ声を漏らす。
 そして、その状態が続けば、やがて…。
「んあぁっ!?ダ、ダメっ…イ、イクっ!イッちゃうっ!」
 ねちっこい責めで焦らされながら、とうとう来てしまった陥落の瞬間。
「イ、イクっ!ダメっ、イクぅぅぅ…っ!」
 絶叫する莉菜。
 …だが、しかし。
「あっ…!あっ…?…え?」
 戸惑いながら落ち着きを取り戻す身体。
 気をやる寸前に全ての玩具の振動が止まった。
 よって、まだイッては…ない。
(な、何で…?)
 と茫然とする莉菜の傍で、してやったりの笑みを浮かべる男たち。
 そして、次に聞こえた悪魔の一言に、アイマスクの下の莉菜の表情が凍りついた…。

「よし。そのまま、最低あと一時間は焦らし続けろ。絶対にイカせるんじゃないぞ?そして完全に気が狂った頃に、仕上げで俺のをぶちこんで性奴隷の烙印を押してやるさ…」


(つづく)

鰹のたたき(塩) ( 2020/11/18(水) 01:27 )