高橋朱里の場合
3.失言
「んっ!あっ…や、やぁっ…んはぁっ!」
 依然、悶絶し続ける朱里。
 打ち上げられたクジラのようにバタバタと施術台に身体を叩きつけて暴れるも、拘束は外れない。
「あぁっ…!んっ、はぁっ…!」
「ハハハ。可愛らしい反応をするようになったじゃないか」
「素直になれよ、素直に」
 男たちが嘲笑するように、敏感な乳首を執拗に嬲られてるうちに、当初の気の強さがすっかり鳴りを潜めてしまった。
「さぁて、そろそろこっちの方もいじめてやりますかねぇ!」
 と男の声が聞こえ、顔色を変える朱里。
 乳首をこねくり回していた手が一斉に退き、まずは待機位置として、お腹や内ももに集まる。
「や、やめろよぉ…!」
 アイマスクで視界を奪われていても、連中の次の狙いは明白だ。
「へへへ。こんなに股間をもっこりさせちまってよ」
「しっかり形が浮き出てるぞ?恥ずかしくねぇのか、テメェは」
 と小馬鹿にされた後、つぅ〜…っと、パンティの上から一筋、打たせ湯のようにオイルを垂らされる。
「んはぁぁっ!?」
 生地を浸透するだけでなく、隙間からも直で流れ込み、朱里の最後の防具は、あっけなく浸水した。
 そして、その中に潜む、さっきの乳首責めでもう既に固くなっていた男根は、みるみるオイル漬けにされていく。
「さて、こうして準備も整ったことだし、どうなってるか見せてもらおうか!」
 とパンティのゴムに手をかける男たち。
 浮かせて、ゆっくりずり下ろしにかかるが、勃起した男根が引っ掛かって脱げない。
「おいおい、固くなった変態チンコのせいで脱げねぇぞ!」
「誰がここまでおっ立てろって言った!?」
 と笑う男たち。
 そのうちの一人の、
「無理やりずり下ろせ!」
 という声で、竿が引っ掛かったまま、パンティを下ろそうとすると、途端に、
「ひ、ひぃぃっ!」
 と、情けない声を上げる朱里。
 オイルをたっぷり含んだパンティの生地が引っ掛かる亀頭を中でズリズリと擦り上げたのだ。
「お、何だ?無理やり下ろされるのがいいのか?じゃあ、もっとしてやるよ」
「ダ、ダメぇっ!んひゃぁぁっ!」
 敏感な亀頭が擦られると、じっとしていられない究極のむず痒さが全身を襲う。
「んはぁぁっ!?あぁっ!あぁっ!!」
 先ほどの乳首責め以上に思わず絶叫し、悶絶する朱里。
 そして、とうとう勢いあまって、ぶるんっ!…と飛び出した男根。
 飛び出た反動でバネのように揺れている。
「ギャハハハ!何だ、こりゃあ?」
「可愛い顔して、なかなかえげつねぇ代物をぶら下げてるじゃねぇか!」
「あっちの女より全然でけぇ!男も顔負けだぞ、こりゃあ!」
 と、先に拷問にかけた奈々のふたなりチンポとサイズ比べられる屈辱。
 そして…。

 ピシッ…!ピシッ…!

 と何やら乾いた音が聞こえ始める。
(な、何っ…!?何の音…!?)
 暗闇から聞こえる不穏な音に不安な朱里。…と、その時!

 ピシィッ!

「痛ったぁっ!」
 不意に男根の先端を襲った痛みに思わず飛び上がる朱里。
 男たちは、手にした定規をしならせ、次々に、朱里の亀頭めがけて打ちつけた。
 乾いた音とともに激痛が走り、悲鳴を上げる朱里。
「おらおら、どうしたぁ!?」
「痛いか?チンポが痛くて苦しいか?えぇ!?」
「やめてほしけりゃ、許しを請え!」
 散々、乳首責めで快楽を与えておいて、次は痛みによる拷問。
 さらに、しならせた定規によるスパンキングは男根だけでなく、パンパンに張った乳房にも…。

 ピシィッ!ピシィッ!

「ひぃっ!…んひぃっ!…い、痛いっ!や、やめてぇっ!」
 叩かれたところがみるみる赤くなる胸。
 矢継ぎ早に身体へと襲い来る痛みに苦悶の表情を浮かべる朱里。
 その後も、しつこく定規のしなりでいたぶられた朱里は、とうとう口を滑らせてしまう。
「も、もうやめろって…!い、痛いのはやめろよぉっ!」
 つい、漏れてしまった本音。
(し、しまった…!)
 慌てて、自分が吐いた言葉の綾に気付いたが、もう時すでに遅し。
 クスクス笑う男たちの声。
 そして…。
「へへへ。今のはどういう意味か、詳しく聞かせてもらおうか」
「━━━」
「痛いのはやめろ…って言ったよなぁ?じゃあ、何だったらいいんだよ?」
「…な、何のことだよ…?」
 モゴモゴと言い返す朱里だが、もう遅い。
「へへへ、分かったよ。痛いのは勘弁してやるよ。痛いのはやめて、望み通り、気持ちいいのをやってやるよ!」
「ま、待って!そ、そんなこと言ってないっ!」
「何を今さら!言ったも同然だ!」
 と、男は言うと、急にガサガサと何かを準備する音が聞こえた。
 そして、ふいに剥ぎ取られるアイマスク。
 暗闇を脱し、やっと視界に光が戻った。…が、光が戻った瞬間、朱里の顔が強張った。
「へへへ。次はこれでいたぶってやるよ」
 と言われて眼前に突きつけられた男たちの次なる装備。

 ブィィィィィン…

 と唸りを上げる電マが、一人二本で計六本、これ見よがしに朱里の顔の周りに並ぶ。
「━━━」
「さぁ、お前の希望通り、これから快楽地獄に堕としてやるからな」
 そう言って、男たちは、その電マの大群を一斉に朱里の股間へと向かわせた…。

鰹のたたき(塩) ( 2020/07/29(水) 13:55 )