高橋朱里の場合
1.徹底ドミ地獄
 とある廃工場。
 女体に生える男根への快楽拷問に屈してしまったたふたなりの殺し屋、岡田奈々は、見せしめとして全裸で吊るされ、放置されていた。
 試用の精力剤を無理やり飲まされ、勃起が収まらなくなったイチモツには電動オナホールが装着され、唸りを上げている。
 その振動によって搾り出された精液は、とめどなく、足元に置かれたビーカーへと垂れ落ちる。
 既にビーカーのキャパを超え、液状化した精液は縁から溢れて床にまで広がっている。
「し、死ぬっ…し、死んじゃう…だ、誰か…助けてぇ…」
 か細い声で、うわ言のように叫び続ける奈々。
 そして夜半。
 そこへ忍び寄る人影が現れた。
 一瞬、目の前の奈々の惨状に絶句するも、すぐに駆け寄り、
「奈々!…奈々っ!」
 と軽く頬を叩く。
 顔を上げた奈々は、虚ろな眼で、
「…じゅ、朱里…さん…?」
「もう大丈夫!すぐに助けてあげる!」
 と、その女、高橋朱里は頼もしく言って、奈々の両手を吊るす鎖に手を伸ばす。…が、次の瞬間!

 バチバチっ!!

 という音が響いた。
「痛った!!」
 朱里は指先に走った刺すような痛みに思わず声を上げ、同時に、
(しまった!)
 と思った。
 案の定、男たちがぞろぞろと現れ、
「へへへ。かかったな!」
「こんなこともあろうかと、その鎖には電流を帯電させておいたのさ!」
「やはり仲間が助けに来たか!アニキの言った通りだ!」
「くっ…!罠か…!」
「逃がすな!捕まえろ!」
 リーダー格の只野の号令で、一斉にかかってくる男たち。
 だが、いくら指先に電撃による火傷を負ったとはいえ、奈々と同様、朱里も腕利きの殺し屋。
 もちろん体術も会得している。
 軽やかな身のこなしで拳をかわし、カウンターの右ストレートが炸裂する。
「痛てぇ…!くそぉっ!」
「おらぁっ!」
 と声を上げて飛びかかる別の男には、
「触んじゃねぇ!気持ち悪いんだよっ!」
 と罵声つきのハイキックを見舞う。
「がぁっ…!」
 もんどりうって倒れた男の顔から鼻血が吹き出す。
 髪を靡かせて躍る朱里だが、多勢に無勢、優勢なのはここまでで、徐々に劣勢に━。
「くっ…!は、離せよ…!」
 左右から挟み撃ちでかかってきた男に腕を掴まれたところで、只野に無防備の股間を鷲掴みにされて、思わず、
「うぅっ…!」
 と呻き声を上げる朱里。
 その股間の感触に只野は笑って、
「へへへ。…思った通り、やっぱりテメェもふたなりか!」
「くっ…!」
「お前みたいなヤツを黙らせるには、ただの殴る、蹴るより、こういう風にするのが一番だなぁ?」
 と、その鷲掴みの手に力を込める。
「うあぁっ!?あぁっ…!」
 絶叫とともに、瞬時に額に滲み出る脂汗。
 股間の痛みに思わず前屈みになり、苦悶の表情を浮かべる朱里。
「へへへ。どうした、もうおしまいか?このまま握り潰してやってもいいんだぞ?」
 と笑う只野に抵抗することもできない。
 そうしているうちに、
「この野郎…!よくもやりやがったな?」
「見ろよ、この鼻血。倍にして返してやるぜ!」
 と、倒れていた男たちも次々に起き上がってきて、囲まれ、ますます形勢が不利になる朱里。
「おらぁっ!」
 男の仕返し、強烈な膝蹴りが股間に命中する。
「んぎゃぁっ!…」
 思わず男のような声が出て、再び前屈みになるも、両腕を持ち上げるようにして無理やり起こされ、
「まだだよ。まっすぐ立てや、コラ!」
「ごめんなさいするまでだよ、テメェ!」
 と言われて、さらに膝蹴りのラッシュが襲いかかる。
「おらっ!…このっ!」
「んあぁっ…!がぁぁっ…!」
「てめぇっ!…俺たちをっ!…ナメてるとっ!…どうなるかっ!…思い知らせてやるぜ、おらぁっ!」
「んぎゃぁっ…くっ、うぅっ…!」
 弱点の股間を集中攻撃され、サンドバッグにされる朱里。
 なおも攻撃は続き
「おいおい、どうした?このまま潰してやってもいいんだぞ?」
「おい、ふたなり!何とか言えよ!」
 と笑う男たち。
 そして、苦しむ朱里の正面に立つ只野。
 ニヤリと笑って、
「残念だな。仲間を助けに来たつもりが、あっさり二の舞になってしまうとは。まぁ、俺たちからすれば新しいオモチャを手に入れたようなもんだ」
「くっ…くぅっ…!」
 悔しさが滲む朱里の顔。
 そのままキッとした眼を向け、
「お、お前ら…あとで覚えてろ…!絶対に…殺す…からな…!」
「ほぅ。まだそんな目が出来るのか。俺たちを殺す?上等じゃねぇか!」
 只野は、朱里の股間の膨らみに立てた膝を押しつけ、グリグリと体重をかける。
「がぁぁっ…!や、やめろぉっ…!ぎゃあぁっ!」
 苦しさを伴う激痛に、凄惨な悲鳴を上げる朱里。
「へへへ。残念だなぁ?こんなところに、こんなものがついてるばっかりによ!」
 只野は、ようやく膝を離すと、ニヤニヤしながらレザースーツ越しにその膨らみを象るように指を這わせて、
「心配すんな。殺しはしねぇ。まだまだ、じっくり楽しませてもらうからよ!」
 と只野は言った。

鰹のたたき(塩) ( 2020/07/25(土) 01:45 )