欅共和国の罠 ― 捕らわれた男たちの記録 ―
















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<番外編>森田ひかると田村保乃に捕まったヲタレッド
2.練習台
「…うっ…」
 小さく声を上げた瞬間、
「あっ、リサ様!起きたみたいですよ」
 と、ヒカルが声を上げる。
「気分はどう?レッド」
「くっ…」
 顔を上げると、そこは見覚えのあるリサの部屋だった。
 毎日のように射精をさせられた忌まわしき部屋ともいえる。
 目の前には、お馴染みの玉座に鎮座するリサ。
 身体の拘束も、前回と同様、十字架で、まるで、最初に捕まった時のデシャブのようだ。
 あの日と違うところといえば、玉座の傍にヒカルのホノスが侍女のように立っていることと、前回は人間体で拘束されていたのに対し、今回はまだヲタレッドの姿のまま拘束されていることだ。
「ふふっ。半月ぶりの帰宅は、どんな気分かしら?」
 とリサが笑う。
 帰宅━。
 確かに、そういう見方も出来る。
 せっかく、ここから逃げ出したのに、再び捕らわれて戻ってきてしまった。
「あれだけ気持ちいいこと、毎日いっぱいしてあげたのに逃げ出すなんて、いけない子ねぇ…。記憶から消しても、ヒィヒィ鳴きながら私の中にいっぱい射精した事実は消えないわよ?」
「い、言うな…!」
 思わず顔を、もとい、マスクを背けるレッド。
 リサは玉座から立ち上がると、笑みを浮かべて鞭を構え、十字架へ歩み寄る。
「く、来るな…!」
 必死にもがくレッド。
 だが、いくら暴れても十字架の拘束は外れない。
「この痛みで思い出しなさいっ!」

 ピシィィィッ

「ぐわぁっ!」
 しなる鞭に乾いた音、そして悲鳴。
「束の間のヒーローごっこは楽しかったかしら?」

 ピシィィィッ

「がぁぁっ…!」
「何がヲタレンジャーよ。気取ってんじゃないわよ!ドMのチンポ奴隷のくせに!」

 ピシィィィッ

「ぐぅっ…」
 痛みを耐えるレッド。
 そしてリサは笑みを浮かべながら、背後の二人を呼びつけると、
「あなたたちにもやらせてあげる」
 と言った。
 まずはホノス。
「えいっ!」
 と可愛く声を上げて振るった鞭は、リサと違い、

 ペチッ

 と弱い音がしただけで、レッドも無反応。
 リサが、再度、鞭を取り、
「もっと、こう…」

 ピシィィィッ

「ぐっ…!」
「こういう風に」
 と指導して、再度、ホノスに渡す。
「えいっ!」

 ピシィ

「もっと強く!奴隷相手に遠慮は無用よ」
「えいっ!」

 ピシィィィッ

「がぁぁっ!」
「そう、その調子」
 リサが褒めると、次は感覚を掴んだホノスの鞭責めが始まった。
「それっ!よいしょっ!」

 ピシィィィッ
 ピシィィィッ

「ぐわぁっ…!がぁっ…!」
 打つ際に掛け声を出すところが女王様っぽくないが、鞭の使い方は、だいぶ様になってきた。
 続いてはヒカルの番。
 ホノスとは対照的に、ヒカルは、いきなり一発目から、

 ピシィィィッ

 と乾いた音を響かせ、リサを唸らせた。
 その後も、ヒカルはセンスが光るものを見せ、次々に乾いた音を鳴らす。
「上手よ。素晴らしいわ」
 とリサは褒めて、
「その使い方が出来たら、次は、もっと、こう…」
 と、ヒカルに何か耳打ちをする。
 練習台のレッドにとっては、何を企んでいるのかと恐怖の時間だ。
「やってみて」
 と送り出されたヒカル。
「それっ!」
 と振るった鞭は、狙い通り、レッドの股間に命中した。
「ぎゃぁぁっ!」
 激痛に苦悶の叫びを上げるレッドと、それを見てニヤリと笑ってサドの片鱗を覗かせるヒカル。
 その後も巧みな力加減で、狙い通り、股間を打ち払っていく。
 教材にされていたぶられるレッド。
「や、やめろぉっ…!」
 と、たまらず声を上げるが、リサは聞く耳を貸さずに笑って、
「ほら、見てごらん?『やめろ』って言うわりに、だんだんアソコが膨らんできてるでしょ?痛めつけられてるのに勃起する…コイツがドMの証拠よ」
 とヒカルに説明し、
「構うことはないわ。もっとしてあげなさい!」
「はい」
 鞭を打つことに楽しさを見つけたヒカルの狙いすました連打がレッドの股間にヒットする。
「ほぇー、ヒカルすごーい」
 と後ろで感心するホノス。
 もはや強化スーツの上からでも分かるぐらいに隆起しているレッド。
 リサの提案で、ここでまたホノスに交代する。
 ヒカルに比べると思い切りが足りず、当たりが弱い。…が、テントを張った股間には、それが逆によかったりもする。
「はうぅッ…!」
 レッドが漏れる吐息混じりの声に笑みを浮かべるリサ。
 読み通り、固くなった股間にはホノスぐらいの強さの方が効果的だ。
「がぁっ…はぁっ…はぅっ…!」
 股間を鞭で嬲られ、だんだん声が荒くなるレッド。
「アハハ!アハハハハ!
 楽しそうに鞭を打つホノスに対し、ヒカルは、
「え…さっきからめっちゃ感じてんだけど。きっも…」
 と、少し引き気味だ。
 リサは十字架の後ろに回ると、レッドの耳元で、
「無様ねぇ。正義のヒーローが鞭を打たれて感じてちゃ、示しがつかないわよ?ほら、見てみなさいよ、二人のあの顔。あまりのドMっぷりを、笑われて、ドン引きされてるわよ?」
「うぅっ…く、くそぉ…!がぁっ…!」
「ふふっ、自分が奴隷だったってこと、少しは思い出したかしら?」
「ち、違う…!お、俺は奴隷じゃない…!正義の戦士、ヲタレンジャーだ…!」
「違わないわ。アンタは私の奴隷よ」
「違うっ!お前なんかの奴隷なんかじゃないっ!正義の…」
「正義?寝ぼけたこと言ってんじゃないわよ。正義のヒーローが鞭を打たれてオチンチンおっ立てるワケないでしょ?」
「━━━」
 ぐうの音も出ない。
「さぁ、もっともっと、この娘たちの練習台になってもらうわよ」
 とリサは言い、
「そろそろ顔ぐらいは出してもらおうかしらね」
 と、後ろから回した右手で爪を鳴らした。
 すると、レッドのマスクにヒビが入り、ゴーグル部分にも亀裂が及ぶ。
(…!!)
 サイコキネシスまで使いこなすリサに、改めて実力差を感じた。
「さぁ、ヒカル。ここよ」
 と、リサは、ヒカルを指名し、レッドの脳天を指差した。
 再びホノスから鞭を受け取り、ぶんぶん振るって遠心力をつけるヒカル。
「や、やめろ…!やめろぉっ!」
 暴れるレッドを無視して飛んできた一撃は、見事、レッドの脳天に命中し、その衝撃でマスクが真っ二つに割れて落ちた…。


鰹のたたき(塩) ( 2020/07/16(木) 06:41 )