欅共和国の罠 ― 捕らわれた男たちの記録 ―

















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序章編 田村保乃と関有美子に捕まった男
4.殺し屋、またオイル漬けにされる
 五郎は別の部屋に運ばれた。
 拘束の仕方はさっきまでと同様、全裸で仰向け、大の字。
 股にぶらさがるイチモツも相変わらず放り出したままだが、唯一の違いは、先ほどは診察台の上だったのが、次は地べたに敷かれたマットの上だった。
 あの女たちの姿は見えない。
(去ったか…?)
 と、一瞬、ホッとしかけたが、そんな筈はなく、すぐに二人一緒に部屋に入ってきた。
「お待たせ〜」
「さぁ、尋問の続きを始めましょう」
「━━━」
 五郎が目のやり場に困ったのは、なぜか二人が下着姿だったからだ。
 それに、さっきまでと違って二人とも髪を束ねているので、雰囲気も少し違って見えた。
(な、何のつもりだ…?)
 窺うような目になる五郎。
 保乃は、人差し指を突き出し、五郎の胸板をすっとなぞった。
 そして有美子に、
「オッケー。乾いてる」
 と言った。
 どうやら先ほどの媚薬オイルが肌に浸透して乾いているかどうかを見たらしい。
 なぜ、そんなことをするのか分からなかったが、ふいに五郎の目つきが変わった。
 有美子が、また何やらビンを手にしていたからだ。
(まさか、また、あのオイルか…?)
 蒼ざめる五郎。
 まだ、さっき塗られたぶんの効果も消えていない。
 乳首が痒いし、イチモツは勃ったままだ。
 しかし、有美子は笑って、
「大丈夫。これは普通のローションオイルです」
 と言った。
「媚薬入りじゃなくて安心したやろ?」
 と保乃は笑ったが、その直後、おもむろに自身のブラのホックを外し始めた。
(…!)
 突然の保乃のストリップに思わず目を奪われる五郎。
 同じく隣の有美子も同様にブラを外す。
 抜き取られたブラの下から、ぶるん…と肉が揺れ、美乳が飛び出した。
 さらに二人は、パンティも自ら脱ぎ始める。
 保乃の剛毛と、有美子のキレイに処理されたアンダーヘアが、それぞれ顔を出す。
「な、何のつもりだ?お前たち…!」
 なぜか急に全裸になった二人を問いただす五郎。
 答えるより先に二人は五郎の両サイドに添い寝すると、そのままビンの中のローションを自分たちの身体に垂らし始めた。
 そして、ローションまみれになった身体を五郎に擦り寄せていく。
 五郎の胸板に乳房を押し付け、左右の脚をそれぞれ股に挟んで上下する。
 有美子は、五郎の二の腕をその美乳の間に挟みながら、
「ここからはソーププレイでゆっくり蕩けさせて差し上げますね」
 と言った。
(な、なんだって…ソープ!?)
 狼狽して声も出せないうちに身体同士が触れあい、みるみるローションまみれにされていく五郎の身体。
「ほら、保乃のおっぱい当たってんの分かる?」
 確かに保乃の白い乳房がローションをまとったまま、五郎の胸板に押し潰されている。
 その柔らかい感触と、その先端、乳首だけが少し固い感触が伝わる。
 同時に、そのむっちりとした保乃の脚で挟まれた五郎の太腿からは、その肉付きだけでなく、ジョリジョリとした陰毛が擦れる感触。
 反対側では有美子も同様に、ローションまみれのスレンダーな身体を擦りつけ、その何とも言えない肌触りを五郎に与える。
 先ほどの鬼の寸止め手コキとはまた毛色の違う責め方。
 密着する二人の身体に対し、不覚にも妙な高揚感を覚えてしまう五郎。
 そして同時に、彼女らが、さっき、わざわざ丹念にオイルの乾きを確認した理由も分かった。
 先刻、五郎に塗布されたのは媚薬オイル…つまり、この責め方をするには、まず、そのオイルが乾いてからでないと、自分たちの身体も媚薬オイルを吸収して共倒れになってしまうからだ。
 つまり、媚薬オイルが既に乾いた今、心おきなく自分たちの身体を武器に使えるというワケか。
「ただでさえ身体は敏感になってる状態やもんなぁ。…狂っても知らんで?」
 と、顔の真横、超至近距離でヘラヘラと笑う保乃。
「さぁ。夢心地へと誘って、口が軽くなるのを待つとしましょうか。ゆっくりと、じっくりと…」
 そう言って有美子は、自身の身体にさらにローションを追加し、再び擦り寄せてくるのだった。

鰹のたたき(塩) ( 2020/04/22(水) 00:21 )