欅共和国の罠 ― 捕らわれた男たちの記録 ―

















小説トップ
序章編 田村保乃と関有美子に捕まった男
2.殺し屋、オイル漬けにされる
 五郎の身体に塗布された謎のオイル。
 たちまち全身がむず痒くなってきて、ようやく、五郎は、彼女らが言っていた「拷問用のオイル」という言葉の意味が分かった。
(ぬ、塗られたところが…熱い…痒みが…!)
 異変に気付くと同時に、有美子がフッと笑って、
「どうですか?だんだん事の重大さに気づいていく心境は?」
 と、その癒し系の笑顔とは裏腹に皮肉たっぷりで聞いた。
「くっ…!」
 ガシャン…と、手首を繋ぐ鎖を揺らす五郎。
 拘束されているせいで、あらゆるところを掻きたくても掻けない。
 その間にも、二人のしなやかな手、そして五指が、オイルを丹念に塗り込むようにして全身を這う。
 屈強な胸板や逞しい太腿が光沢が放ち、ボディビルダーのようになっている。
 下半身に塗り込む作業を終えた保乃が、まだ3分の1ほど中身が残るオイルのビンを片手に、
「ヒラテ様の暗殺を貴方に依頼したのは誰?」
 と、五郎に問う。
 もちろん言える筈がない。
 黙秘の姿勢を見せると、保乃は、
「そっかぁ…じゃあ、ここにもオイル塗らなアカンなぁ…」
 と呟き、オイルのビンを五郎の身体の上にかざし、傾けた。
 ビンの口から流れ出たオイルがとろりと、唯一、塗布を免れていたところ、パンツの上に落ち、中に染みる。
「あっ…!」
 狼狽して思わず声を上げるも時すでに遅し。
 保乃の指がパンツの上に添えられ、グチョグチョと濁音を立てながら馴染ませる。
 それも、
「あれ〜?お兄さん、ちょっと勃ってませんかぁ?ダメですよぉ、これは尋問なんですからぁ〜」
 と、茶化す一言を添えて…。
 さらに、気付けば有美子の指も、完全に乳首をロックオンし、小刻みな動きで撫で始めている。
 長髪の美女二人による媚薬オイルの全身エステ。
 心地よさの陰で、確実に性感が高められていく。
 ビンが空いた。
 それを横目で確認して少しホッとしたのも束の間、有美子は、もう一本、新品のビンを取り出して、
「心配しなくても、オイルはいくらでもありますからね」
 と言い、ついでに、
「もしかして、なくなったと思ってホッとしてました?残念でしたね」
 と、また皮肉を付け足す。
 その目に、丁寧な言葉遣いに隠れたS性が垣間見えた。
「くっ…うぅ…!」
 徐々に息を乱す五郎。
 股間を撫で回す保乃の指が、きわどいところへ迫ってきた。
 パンツの上から男性器をかたどる。
 しなやかな指が、布越しに睾丸、裏筋、そして亀頭をマッサージしていく。
「んぐっ…がぁっ…!」
 オイルのせいで感度が増し、熱くなっているイチモツは、そんな刺激の蓄積でみるみる勃起し、パンツを押し上げていく。
「うわぁ…!めっちゃ勃ってきたぁ〜!」
 股間に建ったテントに、わざとらしくオーバーに驚き、ヘラヘラと笑っている保乃。
「殺しを依頼した人は誰なんです?」
 有美子からの問い。
「早く答えないと、ますますキツくなりますよ?」
「く、くそっ…!」
(口を割ってたまるか…!何とか脱出を…!)
 だが、四股を繋ぐ鎖はびくともしない。
「こっちもオイル追加するわぁ」
 と保乃が言い、新たなビンを開栓し、テントの先端めがけて垂らす。
「がぁぁ…っ!」
 布から染み、亀頭をコーティングしていくオイル。
 そして、保乃の指が、テントの設営によって生じた隙間に侵入し、そのオイルをすくって直で肉棒へ塗りたくる。
「はうぅぅっ…!」
 ビクッ…と、一瞬、跳ね上がる身体。
 その様に爆笑しながら、保乃は、
「うわぁ、すっごぉっ…!めっちゃカッチカチやでぇ?」
 と、わざわざ状況を伝える。
 オイルの塗られていない額に浮かぶ脂汗。
 保乃の指が竿を扱き、そしてオイルをすくった手の平で亀頭を撫でる。
「気持ちいいですかぁ?お兄さん」
 楽しそうに笑う保乃。
 さらに、勃起によって押し上げられたパンツの生地を掴み、そのままゴシゴシと亀頭に押しつけながら左右に揺すると、五郎は、思わず、
「ぐわぁぁっ…!」
 と呻き声を上げた。
 オイルの滑りで、生地が亀頭を勢いよく摩擦する。
 亀頭が敏感な人間は、ひとたまりもない鬼の責めだ。
「アハハ!アハハハハ!」
 五郎の反応が楽しくて、屈託のない笑顔で何度も繰り返す保乃。
 ブリッジをするように膝立ちで腰が浮き、そのたびに勢いよくマットに落下する。
「や、やめろぉ…ぐわぁぁっ!」 
 苦悶の表情を浮かべる五郎に、有美子がさらに追い打ちをかけようと、
「こっちも勃ちましたよ?ほら、こんなに…!」
 と、尖る乳首に爪を立てていたぶる。
「あぅぅっ…!うぅ…うがぁっ…!」
 悶絶する五郎。
 心地よいマッサージが徐々に拷問の色を濃くし始める。
「ほら、ゆみちゃん、見て見て〜!」
 保乃が注目を引き、何やら、パンツの隙間から抜き出した指をテントの先端に擦り付ける。
「くぁっ…!」
 亀頭が敏感になっている五郎にとっては、今、その布越しの刺激すらも脅威だ。
 そして、保乃が、その指をゆっくり持ち上げると、指先がゆっくり糸が引く。
 プッと吹き出す有美子。
「これ、オイルかなぁ?違うような気がするけど…ゆみちゃん、どう思う〜?」
 保乃は、わざとらしく言いながら、有美子ではなく五郎の顔色を窺う。
 心当たりのある五郎は、そっと顔を背けるしかない。
 そして、その耳元に顔を近づける有美子。
「まだ言う気になりませんか…?」
「さ…さぁ…?知らないなぁ…」
 息を乱しながら突っぱねる五郎。
「そんな態度なら、いよいよ貴方の恥ずかしいところ、どうなってるか見ちゃいますよ…?」
「か、勝手にしろ…!」
 有美子が顔を上げ、保乃に目で合図を出す。
 頷いた保乃は、手にしたハサミでパンツの側面を切った。
 オイルを含んでいるせいで、ジョキッ…と厚紙を切ったような音がした
 締めつけを失い、はだけるパンツ。
 さらに、もう一方も切られると、ぱらりと生地が落ち、パンツは、勃起した亀頭に引っ掛かる湿った布と化した。
 ビクッ、ビクッ…と脈打つ律動によって、保乃が手をかけなくても勝手に落ちてしまいそうだ。
「言わんの?ホンマに言わんの?」
 確認しながら、ずるずると少しずつその布を引っ張る保乃。
「うぅ…い、言わん…絶対に言わん…!」
 そんなことを言ってるうちに、とうとう真っ赤な亀頭が顔を覗かせた。
 そして、その瞬間、保乃の指がパッと布を剥ぎ、血管の浮き出た竿、毛むくじゃらの黒々とした睾丸が、まとめて露わになる。 
「あ〜あ…」
 と、嘲笑の目を向ける保乃。
 さらに、顔を背ける五郎に、
「いつまでも意地張ってるからやん。さっさと白状したらええのに」
 と追い打ちの一言。
 そして保乃は、そのいきり立ったオイルまみれの肉棒に指を絡ませ、グチョ、グチョ…と手コキを開始した。
 さらに有美子も、五郎の横へ移動し、保乃の上から手の平を重ね、左右からのダブル手コキへと発展する。
 そして、二人は、それぞれ空いた手を乳首へ伸ばす。
「があっ!あぁぁぁっ…!」
 オイルをまとったダブル手コキにダブル乳首責め。
 ソープさながらの男を骨抜きにする常套手段だが、それに耐えなければならないとなると、そんな酷な話はない。
「さぁ、洗いざらい全てを話すまで快楽地獄に落として差し上げますわ」
 と告げる有美子。
 地獄はまだ始まったばかりだ。

鰹のたたき(塩) ( 2020/04/20(月) 10:04 )