欅共和国の罠 ― 捕らわれた男たちの記録 ―

















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序章編 松田里奈と森田ひかるに捕まった男
4.負けず嫌い
「がぁぁぁっ…!」
「ほら、イキなよ!イキたかったんやろ!?」
「ああっ…で、出る…出るっ!あうぅぅっ…!」
 森田の高速手コキに耐えきれず、二回目の射精。
 二回目もかわかわらず、一回目と遜色ない量を発射し、精液まみれだった森田の小さな手の平をさらに汚す。
 手を離し、指から糸を引いて垂れる白濁汁を見て森田はニヤリと笑って、
「はい、二回目〜。またこんなに出して…変態だね」
 と、得意気に言った。
「ハァ…ハァ…」
 すっかり息が上がる五郎だが、そんなことも気にせず松田が、
「じゃあ、次は私ね」
 と言って前に出てきて、拘束されている五郎の前にひざまづいた。
 松田は、射精したばかりの肉棒に手を伸ばし、握って、
「ちょっと萎んだかな?ねぇ、早く固くしてよ。次は私が抜いてあげるからさ」
「む、無理だ…もう…やめてくれ…」
 と五郎は白旗を上げるも、松田は聞く耳を貸さずに扱き始め、
「無理かどうかは私たちが決めるから。ほら、早くさっきみたいにバッキバキに勃起させなさいよ」
「ぐぅぅ…!がぁぁっ…!」
「…うるさいなぁ!」
 森田は苦笑すると、再びガムテープを手にとり、
「男の喘ぎ声とかマジ聞いてらんないから」
 と言って、テープを貼って五郎の口を塞いだ。
 手足の自由に加えて声まで奪われ、これでもう完全に二人のオモチャだ。
「ねぇ〜、早く勃たせてよぉ〜。ひかるよりもっと気持ちいいことしてあげるからさぁ〜」
 そう言いながら松田は金玉を撫でたり、裏筋をなぞったりして勃起を促す。
 しかし、既に続けざまに二回も発射しているため、反応は鈍い。
「残念。もう私の手コキでもう満足したから、まりなのはいらないんだって」
 と森田がニヤニヤして煽ると、松田は森田の肩を叩いて追い払い、
「もう!仕方ないなぁ」
 と呆れながら、萎れて下を向く竿をぐっと掴んで持ち上げ、そのまま、そっと舌を這わせた。
(んぐぅぅ…!)
 ぴくっと身体が反応する五郎。
 舌先で丹念に竿、そして先端を舐め回す松田。
「あっ!ダメだよぉー!」
 抜け駆けに文句を言う森田だが、松田は構わずに上目遣いで五郎の反応を見ては笑みを浮かべ、自慢の舌技を見せつけるように披露する。
「んむぅぅ…!」
 テープ越しに漏れる声。
 ふにゃっとしていたイチモツに再び血が巡り、固さを取り戻していく。
「ねぇ!口を使うのはずるいってば!」
 と、唇を尖らせた森田は、同じようにひざまづくと、自分も負けじと五郎の肉棒に舌を這わせた。
 思わず吹き出す松田。
「ひかるもやってるやん!」
「まりながズルするからや!」
「まったく、もう…」
 相方の負けず嫌いに呆れつつ、自分も責めを再開する松田。
 何を競っているのか知らないが、だんだんと大胆になる二人の舌技は、やがて、松田が先端を咥え、森田がフルートでも吹いてるように竿を横向きにしゃぶる。
 拷問にもかかわらず、心地よい刺激と感触に包まれ、満更でもなくなって腰砕けになる五郎。
 時折、二人が顔を見合わせながらニヤニヤしているのも、その反応を楽しんでいるに違いない。
(こ、これは…やばい…!し、舌遣いが…上手すぎる…!)
 意地悪な拷問官二人の思いがけぬダブルフェラ。
 ジュポ、ジュポ…と豪快な音を立てて正攻法のフェラを仕掛ける松田に対し、チロチロと各部を蛇のように舌を這わせて遠回しな刺激を送り続ける森田。
(た、たまらん…!たまらんが…もうやめてくれっ…!)
 と思って見下ろした時、ふいに、こちらの表情を窺う二人と目が合った。
 この女たちは拷問官、いわば敵なのだが、どうしたことか、そんな二人の上目遣いの目線に、何故かドキッとしてしまう五郎。
 照れてしまって、慌てて目線を外す。
 これで生理的に受けつけない醜い見た目なら悩むことは何もないだろう。
 だが、悔しいことに敵ながらイイ女、小柄だが顔立ちの整った二人から同時に責められていると思うと不覚にもそこにエロスを感じてしまう。
(バ、バカ野郎…何を考えている…?い、いい女でも敵は敵だ…!)
 思わず身を預けそうになり、そんな自分に赤面する五郎。
 松田が、その様を笑って、
「何よ。意外と可愛いところあるじゃない。そんな一面を見せられたら、もっといじめたくなっちゃうわ」
「うぅぅ…!」
「ほら、変な意地はさっさと捨てた方が身のためよ?素直になったら、もっとしてあげる。もっといっぱい感じさせてあげるわよ?」
(くっ…!)
 何とか踏みとどまる五郎の頭とは裏腹に、もう無理だと言っていた筈のイチモツは、いつのまにか先ほどぐらいまで、いや、むしろその以上に固く、そして長くなった。
 対象が大きくなることで、松田が咥えて上下するストロークも長くなる。
 ジュポ、ジュポ…と唾液混じりの濁音が部屋に響く。
 結局、森田は、フェラに夢中の松田に追い返される形で立ち上がった。…が、負けず嫌いの彼女も、簡単には引き下がらない。
 先刻、五郎を苦しめたローターを両手に持ち、がら空きの乳首に当てる。
「うぅ…!」
 と呻く五郎に対し、森田は、
「分かってるよね…?もし、まりなのフェラでイッたら許さんよ?」
(えぇっ…!?)
「私の番まで我慢して」
(そ、そんな無茶な…!)
 そのくせ、乳首にローターを当て、しっかり掩護射撃をする小悪魔っぷり。
 フェラをしながらもそれをしっかり聞いていた松田は逆に、
「いいよ、イッちゃって。ひかるより私の方がテクニックあるでしょ?我慢しなくていいからね」
「ダメだよ、我慢して」
「ほら、早くイキなよ〜。私の口の中にいっぱい出して!」
「ホント、イッたらマジ許さんから」
 言い合う二人。
(ど、どうすりゃいいんだ…!)
 戸惑いつつも快楽に釣られた腰が自然と前後に動く。
 そして気づいた時には、そのまま、先ほどのセルフ手コキの時のように松田の口を女性の膣と見立て、自らピストンを始めていた。
 上手に腰に角度をつけ、生暖かくて気持ちいい松田の頬裏めがけて亀頭を擦りつける五郎。
「ふふっ、素直になってきたじゃない。…どう?私のクチマンコ…気持ちいい?」
 と問われ、もはや躊躇もなく、うんうんと頷く五郎。
 すぐ横の森田の睨みつける視線が痛い。
 だが、気にしてもいられない。
(ダ、ダメだ…出る!また出るっ…!)
 腰の振りが速くなるのを察し、チャンスと見た松田が、ぎゅっと唇を締め、とどめのバキュームを開始した。
 こもる吐息で口を塞ぐテープがずれ落ちると同時に、
「ああっ!し、締めつけがすごっ…あっ、イクっ!出るっ…!あぁぁ…!」
 と声を上げ、絶頂に達する五郎。
「うわっ、最悪…」
 森田の小さな舌打ち。
 一方の松田は、ズチュッ、ズチュッ…と卑猥な音を立て、丹念に最後の一滴まで吸い上げると、それを五郎に、そして相方の森田にも見せつけるように広げた手の平に吐き出した。
 どろっとした白い塊が手の平の上で溢れる。
 悔しそうな森田に対し、してやったりの笑顔を見せる松田。
「三回目なのに、まだこんなにたくさん出しちゃって…ごちそうさま〜」
 と松田に茶化され、茫然自失とする五郎。
 そして、そんな五郎の目の前に立ち、
「マジありえないんだけど…?どういうこと?」
 と詰め寄る森田。
 黙りこくる五郎。
 そこに、松田が煽る気マンマンで近寄ってきて、
「どうだった?すごく気持ちよかったでしょ?私のフェラ。ひかるの手コキなんかよりも…ねぇ?」
「はぁ?」
 口を尖らせる森田は、五郎に目をやり、
「いや、私の手コキの方が良かったでしょ?」
「私のフェラだよね?」
「手コキでしょ?」
「フェラ!」
「だって私の手コキの方が声出てたやん!」
「でも、私のフェラ、三回目でこんなに精子出してるし」
「私だから!」
「いや、私!」
 息絶え絶えの五郎の両脇から言い合う二人。
 そして最後は同時に五郎に顔を近づけ、
「どっち…?私だよね…?」
 と問う二人。
 答えに詰まる五郎。
 額には脂汗。
(どっち…って言われても…)
 どっちと答えても、その先に地獄が待っている恐怖の質問。

 この後、五郎は片方の怒りを買い、精液が枯れて失神するまで連続射精させられた。
 どちらの怒りを買ったかは想像に任せることとする…。


(おわり)

鰹のたたき(塩) ( 2020/04/17(金) 17:51 )