欅共和国の罠 ― 捕らわれた男たちの記録 ―

















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<番外編>神出鬼没のイケメン・井上りなお
手篭めにされた幸阪茉里乃
「茉里乃ちゃん。ほら、早くっ…こっち、こっち…♪」
「えー、なになにー?」
 手招きをしながら先を行く井上の後ろを、チョコチョコとついていく幸阪茉里乃。
 井上から「茉里乃ちゃんに、是非、見せたいものがあんねん…♪」と、そんなありきたりな誘い文句で呼び出され、連れ出された彼女。
 仲間であるがゆえ、何の疑いも持たず、それどころか真に受けてワクワクしながらついていくあたりに、この娘の純朴さが窺える。
 一方、そんな純朴な娘をハメようと画策する悪巧み井上。
 いつもの部屋…りなおというイケメンが現れる部屋にまんまと連れ込むと、
「そこに本棚あるやん?その裏側、見てみ?面白いもんあるから…♪」
 と促し、茉里乃が本棚の裏に回った隙に静かに出入口を内側から施錠し、密室の完成。
 そして、
「えー、何もないでぇ?どれのこと?」
 と首を傾げて戻ってきた茉里乃めがけて例の幻覚スプレーを噴霧。
 無警戒だったせいでモロに顔に浴びたにもかかわらず、
「ちょっ…え、なに?何これ?」
 と冷静な茉里乃。
 だが、スプレーの効力はその冷静さをもあっさり凌駕し、たちまち、
「…なんか…頭、ぼーっとしてきた…」
 と、目がとろんとしてきて、その場に立ち尽くす。
 そこに仕上げの第二弾、惚れ薬スプレー。
 前回、田村保乃をまんまとイケメン堕ちさせた際、こっちのスプレーを一回多く噴霧してしまい、それによって惚れ度が増したのを身を持って体験した。
 つまり、こっちのスプレーは、かければかけるだけ、乙女の一面を引き出せるということだ。
(茉里乃ちゃんって、けっこう謎やからな…好きな男の前ではどんな顔するんか、めっちゃ興味あるわ…♪)
 という好奇心から、つい調子に乗って保乃の時からさらにプラス二回、計五回もプッシュしてしまった井上。
 そして、すっかり愛用品となったイケメンパーマのカツラを装着し、突っ立った茉里乃の眼前に回り込む井上。
 いつも通り、
「よっ、茉里乃ちゃん♪」
 と馴れ馴れしく声をかけた途端、茉里乃のとろんとした目がうっとりとしたオンナの目に変わっていくのが手に取るように分かった。
「俺のこと覚えてる?」
 と、いつもの『前に会ったことあるよね?』パターンで展開していこうとする井上だが、そんなチマチマした段階を踏まず一目散に身体を擦り寄せてくる意外に積極的な茉里乃。
 まるで甘えたがりの猫のごとく、身体をくねらせ、スリスリ身を寄せて上目遣い…話が早い。
「可愛いなぁ、茉里乃ちゃん…♪」
 と言って頭をナデナデしてやると、真っ白い頬が瞬く間に紅く染まる。
 これぞ恋に落ちた女の目…依然、寡黙なままなのもまた良い。
 そのモジモジ擦りつけてくる肩を抱き、
「あっちのソファー行こうや…♪」
 と誘うイケメンりなお。
 グッと抱き寄せた茉里乃の身体は、服を着ていてもほんのり熱を帯びていて温かい。
 そのままソファーに腰を下ろしてもなお密着して離れない茉里乃。
 いや、むしろさらに密着し、隠れ巨乳とウワサの柔らかな胸が腕に触れる。
(ホンマや…武元の言ってた通り、でっかいわ…)
 すっかり感心し、何の気なしのフリをしてその膨らみに触れてみると、
「…んんっ…♪」
 と小さく息を乱し、照れて俯く。
「んー?どうしたん?」
 わざとらしく表情を覗き込み、次は茉里乃の目を見ながら手の内の膨らみを揉む。
「んあぁっ…♪」
 と、今度はハッキリ声が出て、眉もピクピクと動いた。
 振り払う気はゼロ…それをいいことに本格的に手を添え、右、左、同時…右、左、同時…と服の上から柔らかな豊乳を揉みしだく。
「あっ、んんっ…んっ…んっ…♪」
 終始、熱情的だった保乃なんかと比べると感じる仕草もおとなしく、控えめに吐息を漏らす程度だが、そのかわりに身体をよく揺する。
「なぁ、茉里乃ちゃん。じっとしてよ」
 とホールドするように抱きしめても、耳元で、
「む、無理…んんっ♪あぁっ…♪」
 と震えながら感じることをやめない。
「もぉ…しゃーないなぁ…♪」
 胸に添えた手の平はそのままで、モゾモゾと体勢を入れ替えるりなお。
 背後を陣取って膝の上に座らせ、二人羽織のような形になって、
「ほら…自分でじっと出来ひんねやったら俺が押さえつけてじっとさせてあげる…♪」
 と抱きしめるようにしながら、再度、堪能する茉里乃の膨らみ。
「あぁぁっ…♪」
 天を仰ぎ、もがこうとする身体をしっかり押さえつけ、なおも、

 むにゅっ、むにゅっ…♪

 と揉みしだき、そして乱れる髪の間から耳に息を吹きかけ、チロチロ舌を這わすりなお。
「はぁっ…んっ、くっ…んんっ…は、はふぅっ…♪」
「茉里乃ちゃん…そろそろ、直接、触ってもいい?」
 と聞くと、茉里乃は、悩ましげな表情でコクリと頷き、一言、
「いいよ…♪」
 とだけ、キュンとくる甘え声を漏らす。
 着ている服の裾からスルスルと細長い腕を潜らせ、まず中でパンパンにして封じ込めたブラを引っ張り下ろす。
「やぁっ…♪」
 恥じらった小声とともに、ぷるんっ♪と服の中で勢いよくこぼれ落ちた豊乳。
 それにすかさず手を伸ばし、次は直で揉みほぐし。
「あぁっ、んんっ…んんっ…♪」
「どう?茉里乃ちゃん…俺みたいなイケメンにおっぱい触られて気持ちいい?」
 とニヤつきながら聞いてやると、チラッと振り返って、
「イケメンって自分で言っちゃうんや…」
「えー?じゃあ、ブサイクってこと?なぁ?」

 むにゅっ、むにゅっ…♪

「あぁっ…♪んっ、んんっ…♪」
「なぁ…ほら。教えてぇや、茉里乃ちゃん…俺みたいな顔は好みじゃない?」
「…んっ…んんっ…す、好き…好きやけどぉ…♪」
 と絞り出すような声で好意を認めるとともに、またさらに赤くなる顔。
 それと同時に、手の内に握りしめる柔肉もほんのり熱くなってきた気がする。
「なんか火照ってきたで?茉里乃ちゃん…♪」
 と言ってフーフー息を吹きかけてやれば、
「やぁっ…そ、そんなんで冷めへんからぁ…♪」
「ふふっ…ホンマ可愛いわ、茉里乃ちゃん…いちいち反応が可愛い…♪」
 我慢できなくなったりなおはその長い首を茉里乃の肩越しに突き出し、モチモチした頬に舌を這わせてキスを誘う。
「ひぃっ…♪」
 くすぐったそうにして身をよじろうとするのをしっかりホールドし、唇を奪って舌を入れ、ネチョネチョと舌を絡めにいくと、意外に乗り気ですんなり応じる茉里乃。
 可愛らしい舌同士の密着。…だが、そのねっとりと絡んでは離さない舌遣いに、
(んっ…な、何か意外…茉里乃ちゃんのキス…めっちゃエロいやん…)
 と思いのほか濃厚なベロちゅーについ気を取られ、茉里乃の身体を抱きしめるホールドを緩めてしまったことで生まれた一瞬の隙…。
(…!?)
 そのチャンスをずっと待っていたかのように、急にグッと身を起こし、絡みつくりなおの腕を弾き返した茉里乃は、そのまま振り返りざまに抱きつき、そのままりなおを押し倒すようにしてソファーの背もたれに雪崩込んだ。
「あっ…ちょ、ちょっと…わぁッ!」
 完全に不意をつかれてバランスを崩し、もつれ合うようにして後頭部から勢いよくソファーに沈んだりなお。
「痛ったぁ…頭打った…」
 と顔をしかめて後頭部をさすっている間に、反撃とばかりにその細身の身体に覆い被さる茉里乃。
 ガッチリ手足を固めたホールド返しで、動けないようにしたところで改めてキス再開…次は茉里乃が上だ。
「んっ…んんっ…♪」
 さっき以上に果敢に潜り込んでくる舌。
 立て直そうと首を左右に揺するも追尾するように追いかけてきて舌が出ていかない。
 たまらず、
「んっ…ちょ、ちょっと、茉里乃ちゃん…く、苦しい…」
「えー?そんなことないやろぉ?もっと私のキスしたいやんなぁ…?」
 と囁くその表情は、いつの間にか、井上が今まで見たことのない茉里乃が現れていた。
 ゾクッと、そしてドキッとするその一瞬の豹変で、何やら違うスイッチが入ったことだけはすぐに理解。
(ちょっ…ヤ、ヤバいかも…)
 その据わった目に危険を察し、反射的に身体を起こそうとするりなおだが、それすらも先読みしていた茉里乃。
「んー?なに逃げようとしてんの…?アカンで…?」
 とろんとした表情で囁き、逃げられないよう、りなおの細い首筋めがけて吸いついてきた。
「あっ…んんっ…♪」
 ねっとりとした舌に思わず上ずった声を出してしまったりなお。
(ちょっ…ひ、ひぃっ♪あぁっ…く、首ぃっ…!)
 不覚にも首は性感帯…そこを狙われてすっかり形勢逆転。
「あっ、あっ…♪」
「…ふふっ…女の子みたいな声出して可愛いやん…♪さっきまでの余裕はどこいったんやろなぁ?」
 と、これまでにない語り口で妖艶な笑みを見せる茉里乃。
 チロチロと舌が首筋に這うたびに、
「く、くぅぅっ…」
 と眉をひそめて身震いするりなお。
 このままではまずい、こんな筈では…と、何とか主導権を取り戻すべく、覆い被さる茉里乃の身体を押しのけんと頑張るりなおだが、それすら茉里乃は楽しそう。
「お、頑張れ頑張れ…♪もうちょい、もうちょい…♪」
 と茶化しながら笑みを浮かべ、あと少しでどうにか身体を抜く隙間が出来るというところで、再度、身を屈めて無情の首筋舐め。

 ぺろんっ…♪

「ひゃぁんッ♪」
 変な声とともに力が抜け、せっかく持ち上げていた茉里乃の身体をあっけなく落としてしまうりなお。
 それを、
「はい、残念♪また最初からやなぁ…♪」
 とニヤつく茉里乃は、さらに、
「ほらっ、早く私の身体を退けて逃げ出さな、こんなこともしちゃうで?」 
 と、立てた人差し指で円を描き、シャツの上から乳首の探索開始。
「あ、あぁっ…アカンっ、アカンってぇ…♪ひぃぃッ♪」
 首筋以上の性感帯、乳首まで狙われ、慌てふためくりなおの様子を見て、
「あれあれぇ?どうしたん?急に血相変えて…さては…乳首、激弱なんかなぁ?」
 と、いいことを知ったとばかりに笑みがさらに増す茉里乃。
「どこやろなぁ…どこやろなぁ…♪」
 と、わざとらしくシャツの膨らみの頂上のあえて周囲をからいじくりまわし、
「うーん…ここらへんかなぁ…?」
 と、撫でるように頂点にかすめる。
「あうぅッ…♪んんっ、あっ、あっ…♪」
 指が触れるたび、電流を流されたようにピクピク震えるりなおに、
「ふふっ…乳首、めっちゃ敏感やん…男の子やのにここまで敏感なん珍しいなぁ?でも…そんないい反応されたら直接したくなるやん…♪」
 と、追い剥ぎのごとく、乱れたシャツをゆっくり捲りにかかる茉里乃。
「あっ、ちょ、ちょっと待って…!ちょっとぉっ…」
 すっかりされるがままになってしまったりなお。
 捲り上げられたシャツから飛び出した微乳…その先端は早くもツンツンに勃起してしまっている。
 それを、
「なぁ。りなお君、見て…?ほらっ…ほらっ…♪」
 とデコピンをする様を見せつけるようにしながら弾く茉里乃。
 嬲られるたびに、
「ひ、ひぃぃっ…♪んひぃっ♪」
 と堪えきれない声を漏らして感じてしまうりなお。
(ア、アカンっ…どっかで体勢を入れ替えんと、ずっとこのまま…)
 頭では分かっているものの、どうにか身体を起こそうとするたびに乳首責めで力を抜かれてしまう。
 さらに茉里乃は、
「んべぇ…♪」
 と舌を出し、りなおの勃起乳首めがけて唾液を垂らすと、それを指先で塗り拡げ、摘まんでは滑りを利用し、ヌルヌルさせながら転がして追撃!
「んおぉぉっ♪」
「ほら、じっとして…♪」
 と、りなおの浮く腰にすかさずしがみつき、押さえつける茉里乃は、さらに、
「なぁ?そんなに乳首が弱いんやったら、この触り方、どう…?」



「ひ、ひゃぁぁっ♪」」
 人差し指と中指で挟むようにして摘ままれたビンビン乳首を親指の腹で円を描くようにして嬲られ、飛び上がる井上。
 たまらず、
「ひ、ひぃっ…ま、茉里乃ちゃんッ…あっ、あっ…ど、どこで覚えたん、そんなんッ…!」
「これなぁ…こないだ麗奈ちゃんが教えてくれてん…こうやってイジったら男の人はみんなイチコロって言って…♪」
 それを聞いて、ふと井上の頭に浮かぶ小悪魔テクの伝道師・守屋麗奈の満面の笑み…。



(く、くっそぉ…れなぁ…お、覚えとけよ、ホンマぁッ…!)
 と、何故か彼女に八つ当たりするぐらい、手も足も出ないりなお。
 なおも、その麗奈直伝の触り方で執拗に責められ、とうとう、
「あっ、あっ…ア、アカンっ…なぁ、アカンってぇぇっ!んぁぁっ、イ、イクぅぅっ♪」
 掠れた絶叫とともに、頭のてっぺんからつま先まで轟く快楽電流。
 その瞬間、ブリッジをするような勢いよく腰を持ち上げ、覆い被さる茉里乃の身体を意図せずにはねのけた井上。
「ふふっ♪すごいな、りなお君…乳首だけでイッちゃったん?」
 と、微笑を浮かべる茉里乃。
 指摘の通り、感電したように震える身体…汗が噴き出し、頭は真っ白。
 そんな、
「ハァ…ハァ…♪」
 と息が乱れる中でも、
(い、今やッ…!今がチャンスっ…今のうちッ…!)
 と余韻に浸る手足に急いでムチを入れ、茉里乃の密着ホールドから抜け出し、逆に抱きついて再度ホールドし返す井上。
 それを嫌がる様子もなく嬉しそうに迎え、
「まだ全身ビクビクしてるやん…めっちゃ伝わる…♪」
 と、乳首イキさせてしてやったりの茉里乃に、
「ハァ…ハァ…アカンで、ホンマ…怖いわ、茉里乃ちゃん…」
 と本音を漏らしつつ、これでようやく本題へ向けて軌道修正。
 再度、攻守逆転し、
「今のと同じことしたるわ。覚悟しぃや?」
 と茉里乃の着ている服とブラをまとめて捲り上げ、露わになった色白巨乳のてっぺんの突起にきっちりお返し。
「あっ、んんっ♪んあぁっ…♪ヤ、ヤバい、それっ…♪」
 今しがた自分がしていた責め方、小悪魔痴女れなぁ直伝の指技をブーメランで喰らい、腰が砕ける茉里乃。
 それに伴い、息を吹き返したように意地悪な笑みを取り戻したりなおは、その感じる表情をまじまじと覗き込み、
「気持ちよさそうやん、茉里乃ちゃん…♪じゃあ、とりあえずこのままイクまで続けよっかぁ…♪なぁ?」
「ひ、ひぃっ♪あぁっ…そ、そんな…私まだ乳首だけでイッたことないから…」
「あ、そうなん?大丈夫、大丈夫…♪すぐやから…♪」
 と自信満々に口にして、自分が喰らってイカされた技を、早速、我が物にして責め倒す井上。
「ひ、ひぃぃっ♪」
 ついさっきの自分と同様、ジタバタする身体を押さえつけられ、背筋を浮かせて悶絶する茉里乃を見て笑みが消えない。
 やがて、
「あぁっ、んんっ…♪ヤ、ヤバい…かも…♪」
「んー?イキそうなん?」
「う、うん…」
「じゃあ、記念すべき初めての乳首イキなんやから、ちゃんと声に出して言うてな?」
 とニヤつき、ついでに何やらごにょごにょと耳打ちをする井上。
 すると茉里乃の顔がさらに紅潮し、
「い、嫌や、そんなん…恥ずかしい…」
「アカンで?ちゃんと言わんとイカせてあげへんで。今ここでやめてもええん?」
 と釘を刺し、
「ほら、言って?大きい声で…♪」
 と、追い込むようにスパートをかけ、グリグリと押し込む両親指。
「あぁっ、ヤ、ヤバいっ…イ、イクっ…♪」
 と漏らした茉里乃は、言いつけ通り、

「り、りなお君っ…私が初めて乳首イキするとこ…自分でカウントするから見といてな…?あぁっ、イクっ…♪んんっ…さ、さん…にぃ…い、いちぃッ…んひゃぁぁッ…♪」

 カウントダウンのゼロと同時に、ビクンっ、ビクンっ…と痙攣する茉里乃の色白の裸体。
 幻想の中のイケメンに初めて導かれた乳首イキは、さっきの井上同様、頭を真っ白にして、
「ハァ…ハァ…♪」
 と、息を荒くさせる。
 そして、その余韻から覚めるのを待たずにキスを仕掛け、だらしなく開いた股ぐらへも腕を伸ばす井上。
 捲り上げたロングスカートの裾から中に侵入し、引き締まった脚を伝って上っていく細い指。
 やがて到達した脚の付け根は、既にムッとしていて、指先で触れたパンティは既にぐしょぐしょ…。
「もぉ…こんなにたくさん濡らしてさ…♪」
 と、空いた手を茉里乃の後頭部に添え、グッと引き寄せて見つめ合う。
「やぁっ…♪」
 目の前10センチ足らずまで近づいた好みのイケメンの顔に、たまらず目を背ける茉里乃。
 視線の代わりに差し出された耳に、そっと口を寄せ、
「この濡れてるところ…直接、触ってもいい?」
「…う、うん…」
「じゃあ、行くで…?」
「…あっ、んんっ…♪あっ、あぁっ…♪」
 ぐしょ濡れのパンティを横にズラし、現れた秘貝に触れると、茉里乃は上ずった声でピクピクと好反応を見せた。
 さらに長い首を活かし、乳首イキを覚えたばかりの突起にもキス。
「あっ、あっ…んんっ♪ヤ、ヤバい…んんっ♪とろけそう…♪」
「いいよ、とろけて…♪」
 指にたっぷり絡ませた愛液を潤滑油に、茉里乃の中にゆっくりと押し込んでいく中指。
 巻きつくような舌なめずり…さらにカリッと歯を立てた甘噛みも織り交ぜ、高みに押し上げていく。
「ひ、ひぃいっ♪気持ちいいっ…♪り、りなお君っ…もっと…もっとしてぇっ…」
 普段、能面のような無感情な顔をしていることも多い茉里乃が、今この瞬間だけ見せる至極の快楽に溺れたオンナの表情。
 それをまじまじと観察しては、
(うわぁ…めっちゃ可愛い…♪これは定期的に見たくなるかも…♪)
 とご満悦のりなお。
 不覚にも、一瞬、主導権を奪われ、まんまと乳首イキさせられてしまったのもここまできたら御愛嬌。
 もがく茉里乃の手首を掴み、
「そうやって茉里乃ちゃんがずーっとエッチな声あげてるから…」
 と自身の股ぐらへ案内してやる。
 股に忍ばせたペニスバンド、疑似男根をなぞらせて、
「ほら…もうカチカチになってんの分かる…?」
「…う、うん…すごい…めっちゃ勃ってる…」
 と、ボソボソ呟く茉里乃だが、一瞬、品定めついでにニヤリとしたのをりなおは見逃さなかった。
「茉里乃ちゃん…触って気持ちよくしてくれる?」
「うん、いいよ…♪」
 そこで掴んだ手首を放しても、もはや居座って動かない茉里乃の手の平。
 それどころか、スリスリとその膨らみを撫で、そして下着の中に潜り込んでくる。
「…捕まえた…♪」
 グッと掴んで捕獲されたペニスバンド。
 それをシコシコ扱く手つきがなんともいやらしい…。
 そして井上は、今宵は一つ、新たに試してみたいことがあった。
(うまくいくんかな…?)
 半信半疑で手にするのはすっかり愛用と化したスプレーの、幻覚効果がある方のボトル。
 腰に巻いたペニスバンドに夢中の茉里乃の頭をナデナデしてやりながら、その頭上で手にしたスプレーをワンプッシュ、自らの鼻先にかけてみる。
(あっ、すごい…ぼーっとする…)
 と、これまで手篭めにしてきた森田ひかる、田村保乃、そして幸阪茉里乃と同じ気分を自ら味わいにいく井上。
 そして、次の瞬間…。

「…んんっ…♪」

 ふいに可愛い声が漏れたのは井上の口から。
(す、すごい…急に感覚が繋がった感じ…あぁ、気持ちいい…♪)
 見事に開通した新たな感覚の神経…まるで腰に巻いたペニスバンドに生命が吹き込まれたよう。
 これまで仲間たちに男装した自分を異性と錯覚させてきた幻覚スプレーを自らに噴霧したらどうなるのか…りなおとの疑似セックスに虜になるひかるや保乃を見ているうちに、

(この挿入している男根に自らの感覚を持たせることが出来ないものか)
(幻覚スプレーで、うまくいけばペニスバンドに男性の性感が宿るのではないか)

 そんなことを考え、ドキドキ、ワクワクしながら実践してみた今夜…その目論みは見事に成功だ。
「あっ、あっ…♪す、すごい…おぉっ…♪」
 ゾクゾクする初めての感覚…この世に女として生まれた以上、本来なら一生味わうことの出来ない筈の男根への刺激を体験し、早くもうっとりしてしまう井上。
 そのとろけた顔をチラッと見上げ、
「…どうしたん?りなお君…急にめっちゃ声出るやん…♪感じてるフリしてくれてんの?」
「ち、違うよ…ホンマに気持ちいいねん…茉里乃ちゃんの手コキ、めっちゃ気持ちいい…♪」
「そっか…じゃあ、よかった…♪」
 と、かすかに笑みを見せた茉里乃は、その掴んだ男根を下着の中から引っ張り出し、
「じゃあ…もっと気持ちいいことしてあげる…♪」
 と、舌を出して竿を軽くひと舐め…そして、そのモチモチした頬の中へ、ゆっくりと頬張っていく。
「…あぁッ…♪」
 初めて味わうフェラチオの感覚…。
(す、すごい…女の子の口の中ってこんなに気持ちいいの…?)
 普段、地下牢で飼う捕虜が情けない声を上げて懇願するから仕方なく施してやってることを、ぃざ自分が受けに回って体験すると、ちょっと先端を咥えられただけで思わず腰砕けになった。
(ヤ、ヤバい…こ、腰が…勝手に動いちゃう…♪)
 無意識に、気付けば頬張る茉里乃の口内で自ら腰を前後させて楽しむ井上。
 それを受け入れるように口角を締め、いい塩梅で吸引してくれる茉里乃。
「あぁっ、き、気持ちいいぃ…♪」
 と、たったワンプッシュの幻覚スプレーで完全に男の快楽に魅了された井上だが、そこでふと、以前、相棒の武元唯衣が話していたことを思い出す。

「茉里乃ちゃんって実は脱いだらけっこう巨乳って知ってた?ああ見えておっぱいで挟んで射精させんの得意なんやって…♪」

 それを、よりによって今このタイミングで思い出してしまった井上に我慢など不可能。
 ましてや、既にその隠れ巨乳を実際に確認し、手触りまで知ってしまっているから尚更だ。
 たまらず、
「ま、茉里乃ちゃん…お願いがあるんやけど…」
「お願い…?なに?」
「あ、あのさ…次は、そのおっぱい使って俺のチンチン気持ちよくしてほしいんやけど…」
 自分で口にしておいて赤面してしまう井上だが、それに対しても茉里乃は柔和な笑顔で、
「…いいよ、分かった…♪じゃあ、おっぱいでしてあげるからここに寝転んで…?」
 と指示。
 昂る気持ちを抑え、茉里乃の言った通りに疑似男根を放り出したまま仰向けに寝た井上。
 そこにスッと身体を密着させ、いざ、天を向くりなおの男根をたわわに実った柔肉の谷間で捕獲。

 むぎゅっ…♪

「うぁぁッ!?な、何これっ…す、すごぉッ…♪」
 両サイドから胸を寄せて乳圧をかけられるとともに歓喜の声を上げた井上だが、これはまだ準備に過ぎない。
「行くで…?えいっ、えいっ♪」
 と言って、茉里乃がその捕獲した谷間をゆっさゆっさと揺すると、
「あぁっ♪ヤ、ヤっバ…ひ、ひぃっ♪茉里乃ちゃんのおっぱい、すごいっ…めっちゃ気持ちいいッ…ヤバすぎぃッ♪」
 もし今、鏡を眼前に突きつけられたら、見るに堪えない情けない顔をしているだろう。
 だが、それはもはや必然。
 この快感…強がっていた奴隷たちが茉里乃にパイズリされた途端、骨抜きにされて言いなりになってしまうという話も納得だ。
 その茉里乃も、普段の奴隷に対する態度とは少し違って、
「どう?りなお君…痛くない?大丈夫?」
 と、好意を含んでいるぶん、優しい。
「うん、大丈夫…あぁ、ヤバい…これ、ホンマにヤバいわ…♪」
 すっかり茉里乃のパイズリ奉仕の虜になった井上。
 やがて、下腹部の奥にじわじわと沸き立つ妙な感覚。
 尿意に近いが、どうもそれとは少し違う。
(こ、これって…もしかして…)
 思い当たることは一つだけ。
(もしかして…これが男のイク時の感覚…?)
 女として味わうオーガズムとは全く違ったアプローチ。
 この体内に宿る熱いものを吐き出したい…自然とそんな感覚になってくる中、それを見越したようにじわじわ激しさを増してくる圧迫摩擦。
「ひ、ひぃぃっ♪」
「ふふっ…腰が浮いてきた…♪もう出そうなん?」
「う、うん…出そう…なぁ、茉里乃ちゃん。このまま出していい?もう我慢できひんねん…」
「…いいよ…受け止めてあげる…♪」
 と少し頬を染めて囁き、擦り合わせる乳房。
 まるで温泉の水脈のごとく、熱い滾りが男根の中を登ってくるのが分かる。
 そして、
「あぁぁっ♪イ、イクぅぅっ♪」

 ドピュッ…♪ドピュッ…♪

 これも幻覚スプレーの効果か、薄目を開けた井上には、身体中を駆け巡った快感に合わせて茉里乃のマシュマロ巨乳に捕獲されたペニスバンドの先から白濁汁が勢いよく噴き出したのがハッキリと見えた。



(す、すごい…これが射精の快感…?こ、こんなん反則やわ…)
 地下牢で捕虜を焦らし責めにしてやるたび、半泣きで射精を懇願する理由が分かった気がした。
(ア、アカン…クセになりそう…♪)
 不純な好奇心を幻覚スプレーで実現させ、すっかり射精の虜となってしまった井上。
 今の仰向けフィニッシュだけでは飽き足らず、その後も、立ったまま、座ったまま、さらには四つん這いになった自分の下に潜り込んでもらって、と茉里乃に頼んで様々な体勢でパイズリを頼んでは射精しまくる始末。
 こうして無限に味わえる幻覚射精、パイズリ抜きにすっかり魅了された井上は、その弊害ともいえるあまりの疲労感に、茉里乃とのセックスは次回に持ち越すことにした…。


(つづく)

■筆者メッセージ
当初、るんるんやほのすと同様、このまま茉里乃ちゃんともセックスまで行こうかと思ったんですが、めでたくチンコと感覚も繋がったことやし(←笑)、どうせならりなお君の記念すべき筆おろしは誰か一期生に委ねようと思って延ばしました。
なので茉里乃ちゃんとのセックスシーン期待してた読者の方には申し訳ないですが、そのぶんイチャイチャしてるシーンを長めにしたのでそれで大目に見てください。
鰹のたたき(塩) ( 2022/10/14(金) 19:13 )