2.狂犬の怒り
小林の目は怒りに満ちていた。
反抗勢力の手先と思われる男を捕縛し、欅ハウスに連れ帰ってきたまではよかった。
だが、叩き起こして尋問を始めようかという時、リーダー格の菅井友香からお呼びがかかった。
そして聞かされた衝撃の事実。
「また一人、連絡のつかないメンバーが…」
そのメンバーの名は関有美子。
調べによると、今朝から一向に連絡がとれず、行方不明らしい。
ここ最近の渡邉理佐、長濱ねるの相次ぐ失踪と状況が酷似していることから、有美子も、反抗勢力の一味に拉致された可能性が極めて高いという。
それを聞いた瞬間、小林は、
(やられた…!)
と思った。
スラム街で自分たちを見張っていた男を捕らえた。
だが、それに気を取られ、その間、小林と土生はスラム街に釘付けだった。
(となると、あの捕らえた男は、次のターゲットを拉致するための時間稼ぎだったんじゃ…!?)
生まれる疑惑。…いや、既に小林はそうに違いないと決めつけていた。
「あのクソ野郎っ…!」
苛立ちのあまり、口が悪くなる小林。
また一人、見せしめのように仲間が襲われ、姿を消した。
じわじわとこちらの戦力を削ぎ、一人ずつ血祭りに上げているつもりか。
「…どうすればいいと思う?」
と聞く菅井に対し、小林は、
「そんなの決まってんじゃん。あの雑魚の口を割らせて一人残らず叩き潰すっ!」
と豪語し、部屋を飛び出していった。
……
一方その頃…。
ズッ、チュッ…ジュル、ジュル…
「んぷっ…!うぅっ…!」
濁音と呻き声が室内に響く。
捕らわれ、パンツ一丁で手を吊られた男。
そして、その棒立ちの裸体を捕食するように、斜め上から男の唇にむしゃぶりつく高身長の拷問官、土生瑞穂。
小林が菅井に呼び出されている間、待ちきれず先に始めてしまった。
まず手始めに、息をつく暇も与えないキス責め。
男の口の周りを唾液まみれにして、たまに口を離せば、
「どう?苦しいでしょ〜?アハハ!いい気味!」
と笑みを浮かべ、再び激しいディープキスを繰り広げる土生。
「んっ、ぐっ…!よ、よせっ…!」
いくら顔を背けても、ろくろ首のように首を伸ばして追ってくる小顔にすぐ捕まってしまう。
それに、与えられる責め苦は、それだけではない。
濃厚なキスを続けながら、フラミンゴのように片足立ちになり、その細くて長い脚をパンツの上からズリズリと擦り付けてくるのだ。
「んっ、くっ…!あっ…!」
しなやかな美脚を押しつける至極の太腿コキで、パンツの中に潜む男根が、みるみる血を溜めていく。
当然、土生も、その反応を布越しに感じ取り、
「ねぇ、どんどん勃ってきてるよ〜?こうやって脚でシコシコされて気持ちいいの?」
「くっ…!うぅっ…!」
「アハハ!必死に耐えてる顔、可愛い〜!」
土生は楽しそうに笑って、
「ゆいぽんが戻ってくるまでの間、私がたっぷり可愛がってあげるね♪」
「くっ…!」
「ほら、こっちにおいでよ」
土生は男の手枷を外した。が、間髪いれずに長い手足で捕獲し、逃げる隙を与えない。
そのまま、ゆっくりと引きずられていく男。
「は、離せ…!」
思ったように身体に力が入らない。
どうやら気絶している間に筋弛緩剤のような薬を打たれたらしい。
「ほら、早く!可愛がってあげるって言ってるでしょ?」
と、不敵に笑って、長い手足で押さえ込み、男をマットに引きずり込む土生。
その様は、まるでゴキブリを捕獲したアシダカグモ。
振りほどくこともままならず、女に組み伏せられ、あえなくマットに沈む男。
その身体を背後からがっちり固めた土生は、自慢の長い脚を器用に折り曲げ、パンツ一丁の男の股間の膨らみを足の裏でグリグリと踏みつける。
「うあぁっ…!」
「ほら、早く教えなよ。アンタたちの親玉の名前は?」
「くっ…!し、知らん…!」
「へぇ…?よくも、まぁ、そんなバレバレのウソが言えたこと…」
より強く、グリグリと踏みつけられる竿。
「くっ…!あぁっ…!」
「ほら、隠しても良いことなんかないんだから、さっさと吐いた方が身のためだよ?」
「う、うるさい…!聞かれても何も答えん!焼くなり煮るなり、好きにしろ…!」
「そう…じゃあ、遠慮なく!」
堅い口とは裏腹に、すっかり勃起し、パンツを押し上げるテントの支柱となった男のイチモツ。
土生は、その支柱の先端を足の裏、土踏まずで固定し、飛行機の操縦棹のように前後左右に操り始めた。
「がぁぁっ…!?」
「ほらぁ〜。もうこんなに固くなってるくせに〜」
右往左往、ぶらぶらと嬲られる男根。
「くっ…うぅっ…」
「あれ〜?先っぽにシミみたいなの出来てきたけど、これ、何かなぁ…?」
と笑みを浮かべながら、なおも巧みな脚捌きで竿をいたぶる土生。
さらに、
「ほら、キンタマもこんなにパンパンになってるよ〜?」
と、かかとで睾丸を小突き、足蹴にする玉責めも追加し、追い詰める。
「うぁぁっ…!」
「ほら、早く教えなよ」
「し、知らん…!」
「知らないワケないでしょ?隠してると、大事なオチンチン、このまま踏み潰しちゃうよ?それとも、もっと痛いことされたいドMなのかな?」
背後から巻きつく美脚に好き放題やられて悶絶する男。
巧みな脚責めに勃起も収まらず、パンツと地肌の間に隙間を作るほどの反り立ちを見せる男根。
そして、その隙間につま先の侵入を許した時、男はさらなる窮地に陥った。
「ぐぁぁっ…!」
「アハハ!すごい勃起!」
悶える男に嘲笑を浴びせながら計10本の足の指を器用に動かし、竿全体をじかにくすぐって嬲る土生。
「ひっ、ひぃぃっ!」
力の入らない身体を必死に揺する精一杯の抵抗は、無情にも土生の長い腕二本であっさり封じられてしまう。
「ほら、どうしたの?もっと暴れてみなよ」
と煽られ、
「抵抗しないと、このパンツ、脱がせちゃうよ?ほらほらぁ〜」
「や、やめろ…!」
器用に脚だけで男のパンツをずり下ろす土生。
中から飛び出したのは、立派にそそり立ったカリ太チンコ。
それを見た土生は、
「わぁ〜!すごいじゃ〜ん♪」
と嬉しそうな笑みを浮かべ、
「ほら、さっきの続きね」
と言って、左右の土踏まずで竿を挟み、ズリズリと擦り上げた。
「あぁっ!や、やめっ…!がぁぁっ!」
ひときわ大きな反応を示す男。
だが、土生は、
「まだまだ、これから!」
と不敵な笑みを浮かべ、男の眼前に腕を回した。
その手に握られていたのは、なんと、ローションのボトル。
引き攣る男の表情をよそに、
「さぁ、行くよ〜?」
と楽しそうに言い、真下の男根めがけてローションを垂らす土生。
糸を引き、スライムのような塊で落下したローションは、見事、土生の両足にロックされた竿の上に落ちた。
「やったね、命中〜♪」
楽しそうに笑い、その塊を、土生の足が丹念に伸ばし、竿に塗り込むと、
「ぐぁぁっ!」
と男は絶叫し、身体がビクビクと跳ねた。
土生のような長身で美脚の女が繰り出すローション脚コキは、もはや瀕死の男には効果抜群だ。
「ひ、ひぃぃっ!?」
「アハハ!ほらほら!もう限界って言ってるよ!この意気地なしチンポがさぁっ!」
ヌチョッ、ヌチョッ…と音を立てて足蹴にしてやれば、男は、
「ぎゃあぁぁっ…!」
と仰け反り、悲鳴を上げる。
「ほら、さっさと教えたら?ボスの名前と居場所。言うまでやめないよ?」
「ひ、ひぃぃっ…!た、助けてくれぇっ!」
悲鳴は上げるものの、なかなか口を割らない男。
「う〜ん、しぶといなぁ…じゃあ、このまま、一度、軽くとどめさしちゃおっかな♪」
と言い放った土生は、脚コキを速め、さらにそのしなやかな指で無防備な男の乳首を摘まみ、転がした。
「うあぁぁっ…!も、もうやめてくれぇっ…!」
「だったら言いなよ。ボスの名前と居場所!」
と詰問する土生。
男は、どうしても言いたくないと見え、その問いには答えないまま、
「ぐっ…あぁっ!で、出るっ!出るぅっ!」
と絶叫し、ブルブルと震えながら腰を浮かせた。
同時に土生の足の間から噴水のように噴き上がる白濁汁。
「アハハ!すごい!めっちゃ出たよ!ほら!」
と、精液まみれにされたふくらはぎをこれ見よがしに突きつける土生。
「はぁ…はぁ…!」
土生の腕の中でぐったりとする男は、荒く息を吐くのみ。
「あれ〜?もう終わり?そんなワケないよねぇ?まだ、あと四、五発は出してもらうからね?」
「━━━」
「それともギブ?知ってることを白状すればギブアップさせてあげてもいいけど?」
と問う土生。
すると、そこへ…。
ガシャァァン…!
地下牢の格子戸を蹴破るように現れた小林。
鬼の形相でマットに近寄り、黒いブーツで足元に飛び散った射精したての精液を踏みにじると、強引に男の顎を掴み、開口一番、
「このクズ野郎…!よくもやってくれたわね…!」
「ゆ、ゆいぽん…?」
あまりの剣幕に戸惑う土生に、小林は、怒りを噛み殺すように、
「…関ちゃんが拉致された。コイツに一杯食わされてる間にね」
「え!?有美子が!?」
驚く土生。
すると、今までされるがままだった男が急に笑い声を上げ始め、
「へへへ…!よ、ようやく気付いたか…!ざまぁみろ、女ども…!今頃、その関っていうヤツも俺と同じように拷問に遭っている筈さ」
「━━━」
「あの人の拷問に耐えれる女なんかいねぇよ…い、今頃、泣きながら奴隷堕ちしてる頃さ…へへへ」
男の挑発的な笑みで、みるみる目が据わってくる小林。
「さ、さぁ…続けろよ…!俺はドMだからよ…!口は割らねぇかわりに…せ、精子ならカラになるまで搾ってくれて構わねぇぜ…へへ…」
「くっ…!コイツ…!」
ムッとする土生。
だが、一方の小林は不敵な笑みを浮かべ、
「なるほど…上等じゃん?…おいっ!」
「ぎゃあ…!」
突然、男の髪を鷲掴みにして捻り上げる小林。
「口は割らない、ですって?…笑わせんじゃないわよ。アンタの方こそ、根掘り葉掘り聞き出した後、泣いて懇願するM奴隷にして仲間のところへ送り返してやるわ!ウチらの仲間、それも可愛がってる後輩にまで手を出したこと、後悔させてやるからっ!」
怒り猛る小林。
狂犬の怒号が地下牢に響き渡った…!
(つづく)