欅共和国の罠 ― 捕らわれた男たちの記録 ―
















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戦争勃発編 長濱ねるに捕まった男
3.晴天の霹靂
「ぎゃぁぁぁっ!」
 響く五郎の絶叫。
 その声とともに、竿の先端から透明の液体が噴射し、ベッドのシーツを広範囲にわたって濡らした。
 男の潮吹き。
 イッた直後の亀頭を無茶苦茶にこねくり回したねるの仕業だ。
 それでなくても、既に四回も射精させられ、もはや瀕死状態の五郎。
 それにもかかわらず、ねるは、まだ竿を扱き、無理やり固くさせて嬲る。
「ねぇ、いつまで意地を張るつもり?」
 と問い、
「早う言わんと、またイカせちゃうよ?」
「も、もう出ないよ…!や、やめてくれぇ…!」
 と五郎は許しを請うが、ねるはクスッと笑って一言、
「だったら言えば?言えば終わるのに」
「━━━」
 五郎の頭に浮かぶ迷い。
 言えば、ひとまずこの場は助かる。
 だが、その後には、おそらく死に等しいような恐ろしい報復が待っているに違いない。
 かといって、このまま黙って隠し通せるかといえば、それも無理だ。
(言っても地獄、黙っていても地獄…)
 そして、こうして迷っている間もねるの手は止まらない。
 亀頭を握られるのは、もはや気持ちいいを通り越し、ヒリヒリして痛い。
 カウパー液の量が追いついていないのだ。
「ほら、早く教えなよ。最近、スラム街で仲間集めをしていたのは何処の誰?」
「ひ、ひぃっ…!」
 ねるは自らの唾液を垂らし、無理やり滑りを足してフニャチンと化したイチモツを扱き、また強制的に勃起させる。
 たまらず、五郎は、
「わ、分かった!待ってくれ!」
「言うと?」
「い、言うっ!言うから…!言うから手を止めてくれぇっ!」
 と、もはや半泣きで訴える五郎。
 そこでようやく竿から手を離したねる。
「その場しのぎのウソなんて、目を見たらすぐ分かるからね?もし、この状況でウソなんてついたらどうなるか…」
 と釘を刺すように言うと、五郎は青い顔で、
「わ、分かってるよ…」
 と言った。

 そして五郎は、鮫島という悪魔の存在と、彼がスラム街を訪ね歩いた様子、復讐兵団の輪郭など、知っていることを、次々とねるに教えた…。

「鮫島…ね」
 ねるがその名前を頭に刻んでいると、五郎は急に身体を揺すって、
「お、俺が知ってることはこれで全部だ…!は、早く解放してくれっ!」
 と喚いた。
 まるで、その足で雲隠れしようというような口ぶりだ。
 だが、ねるはクスッと笑って、
「まだ大事なことが一つ、聞けてないわ」
「だ、大事なこと…?」
「その鮫島って男と復讐兵団の隠れ家。…知っとんやろ?」
 と問われると、五郎は顔を真っ青にして、
「し、知らん…!」
「はい、ウソ!」
 ねるはあっさりと見抜き、
「アンタみたいなスラムで幅を利かせてる男が、スラムを根城にしてる男のことで知らないことなんてあるワケないでしょ?それを教えてもらわないと話にならないから」
 と言って、再び竿に指を絡め、おもむろに真っ赤な亀頭に唇をつけた。
「うぅっ…!」
「さぁ、教えなさい」
 ねるはチロチロと舌を出し、亀頭、そしてカリを舐め回し始めた。
「ぐっ…うぅっ、か、勘弁してくれ…!」
「ダメ。教えるまで終わらんから」
 そう言うと、ねるは口を開け、勃起した竿を先端からゆっくりと呑み込んだ。
「んっ、はぁっ…!」
 生暖かい口内に包まれる尋問フェラ。
 たまらず身体を浮かせる五郎だが、腰の動きだけでは、きゅっと締まったねるの口から抜き取ることが出来ない。

 ジュル、ジュル…ズズズズッ…!

「ぎゃあぁっ…!」
 吸引が始まり、悲鳴を上げる五郎。
 既にカラッポの金玉から、いよいよ生気まで吸い出すのかというような男殺しの吸引力。
 おっとりした顔立ちは、意地悪な小悪魔を経て、いつのまにか立派な痴女と化していた。
 その痴女はバキュームフェラを続けながら上目遣いで、
(早う教え!)
 という目をする。
「がぁっ…!あぁっ…!」
 ベッドのシーツを握り締めて悶える五郎。
 さらにねるは首を沈め、根元から一気に吸い上げてくる。
 威力を緩めない吸引に、たまらず、
「わ、分かった…!教える…!教えるよぉっ!」
 と五郎は絶叫する。
 ねるは、一度、口を離すも、
「さぁ、言いなさい。言い終わるまでしゃぶり続けてあげる」
 と言って、再び根元まで咥えた。
「ひ、ひぃっ…!」

 ジュポ、ジュポ…

「ス、スラムの一角に…ゆ、幽霊ビルと呼ばれている廃ビルがある…!不気味だといって、だ、誰も寄りつかないビルだ…!」

 ジュル、ジュル…

「そ、そこに、最近、怪しい一団が頻繁に出入りしていると聞いたことがある…!お、おそらくら、そこがヤツらの隠れ家に違いない…!」

 ジュルルル…!

「ほ、本当だよぉっ!ウソじゃないっ!だから…も、もう勘弁してくれぇっ!」
 と叫ぶ五郎。
 幽霊ビルというワードを聞き出し、そこでようやく、ねるは口を離した。
 糸を引いて吐き出され、ぴくぴくと脈打つ唾液まみれの肉棒。
 ぐったりして動かなくなった五郎。
 ねるは立ち上がると、
「オッケー。これで尋問は終わりにしてあげる」
「はぁ…はぁ…」
 息が上がる五郎だが、目を開いた瞬間、声を失った。
 口元に近づくねるの指。
 その指の間に、何やら怪しい錠剤が見えた。
「な、何をする…!?」
「ふふっ。これは効き目バツグンの精力剤。これを飲んで、すっからかんの金玉を早う再稼働させてもらわないと、私が楽しめんやろ?」
「くっ…!」
「聞きたいことが聞けたからもう充分。あとは、私自身の性欲処理だけ」
「や、やめろ…!やめてくれぇ!」
 背けた顔を追って近づく指。
 五郎が唇を縛ると、ねるは、その唇に精力剤を押しつけ、
「ほら、早く口を開けて?これ飲んで、私と朝までエッチして気持ちようならん…?」
 と誘う。
 とろんとした目の甘い誘惑だが、それを鵜呑みにしたら、その先に地獄が待っていることは一目瞭然。
 必死に拒む五郎。
「もう…!強情なんだから」
 と肩をすくめたねるだが、ふと、床に脱ぎ捨てられた五郎の靴を見て、急に眉を寄せた。
 何の変哲もないメンズの靴。
 だが、その靴底が、一瞬、チカチカ光ったように見えたからだ。
 その靴を拾い上げて確かめると、改めて、それが見間違いではないと分かった。
 ボタン電池のようなモノが靴底に貼り付けられていたのだ。
(これは…もしかして、発信器!?)
 と思って目を見開いた瞬間だった。
 部屋のドアを突き破るようにして、男が数人、飛び込んできた。
(…!!)
 男たちは素早く出口を固め、ベッドを包囲した。
 その半円の中心、ベッドの上で身構えるねるだが、今の彼女の装備はバスローブ一枚。
 攻撃できるような武器は何もない。
「━━━」
 黙って男たちを見据えるねるに対し、
「へへへ。まんまとひっかかったな?」
「お前さんのターンは終わりだよ」
 と笑みを浮かべる男たちと、その中で一人、
「ククク…」
 と特徴的な笑い方をする男。
「さすが鮫島さんだ!」
 と、その男が喝采されるのを見て、
(コ、コイツが、鮫島…!)
 と、黒幕の出で立ちを確認すると同時に、
(まさか、ハメられた…!?)
 と気付き、内心うろたえるねる。
 どうやら五郎は、本人も知らぬ間に囮として利用されていたらしい。
 その囮にまんまと目をつけ、密室のホテルに連れ込んで尋問を始めたねると、その囮に仕掛けられた発信器を元に、そこへ駆けつけた男たち。
 どうやら獲物にされたのは五郎ではなく、囮に釣られたねるの方だったらしい。
(しまったっ…!私としたことが!)
 唇を噛むねる。
 鮫島は、全裸で横たわる息絶え絶えの五郎の姿と、シーツのシミを見比べて、
「随分、手酷いやり方で尋問したようだな」
「━━━」
「まぁ、いい。今に、この男にしたことが我が身に返るんだ。それでチャラになるだろう」
 と鮫島は笑って、配下の男たちに一言、
「こっちのベッドで同じ格好にしてやれ!」
 と言った。
 
 長濱ねる、罠に嵌まり捕縛…。
 この情報は、まだ、欅ハウスの仲間には伝わらない。
 仲間の助けも来ない状況で、絶体絶命の危機に晒されたねる。
 果たして、ねるは、鮫島の女体嬲りに耐えることが出来るのだろうか?


(外伝、長濱ねるの章へ続く)

鰹のたたき(塩) ( 2020/08/11(火) 10:48 )