乃木坂抗争 ― 辱しめられた女たちの記録 ―




























































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第五部‎ 第三章・秋元真夏の場合(地獄の一丁目編)
10.秋元真夏 性欲爆発プロジェクト -レベル3 ‎(90分経過)-

 残り15分の攻防…。
 ここまで来ればタケルとしてもラストスパートに差しかかるワケで、もう容赦なしだ。
 なおも本物の男根と瓜二つの精巧なディルドーで真夏の花弁を擦りあげ、
「ほら、分かる?この形…♪お姉さんの大好きなデカいオチンチンだよ…♪いつもこれぐらいの大きさのを想像して夜な夜な一人でオナニーでもしてるんでしょ?ねぇ?」
 真夏を勝手にむっつりスケベな女へと仕立て上げ、ネチネチ囁くタケル。
 それに対し、
「んんっ…あぁっ…♪し、してないッ…しないわよ、そんなことッ…んあぁっ♪」
 と言い返す声は毅然に振る舞っていた当初とは別人級にボソボソか細く、見ようによっては図星をつかれて動揺しているようにも見えるし、さては本当に図星なのか…?という妙な期待も膨らむ。
 なおも緩んだ秘肉めがけて卑猥にズリズリとディルドーを擦りつけて疑似オイル素股。
 滑りも加わってスムーズなその上下に合わせ、
「んっ、んっ…♪」
 と途切れ途切れの甘い吐息とともに、連動してクイッ、クイッ…と自然に揺れ動く真夏の腰。
 その動きを眺めながら、
「わぁ、エッチだねぇ…もうこんなに自分から腰振っちゃって…♪さては自分から挿れようとしてる?」
「ち、違うッ…そんなワケっ…」
 と慌てて反論しかけた真夏だが、
「じゃあ、止めてみな?ほら、こっちは止めてあげるから」
 とディルドーの上下を止めるタケル。
 それと同時に真夏も慌てて腰を止めるが、やがて、
「くっ…うぅっ…」
「…ね?我慢できないでしょ?いいんだよ、素直になって。ほら、自分の好きなように擦りつけていいから♪」
「い、嫌ッ…しない…そんなことしない…」
 反論というより自身への暗示…念仏を唱えるように繰り返す真夏だが、そんなのは、
「ふーん…じゃあ、もう一度、試してみよう…♪」
 と再びディルドーを動かされただけで、
「あぁッ!?んんっ、あぁっ…あぁっ…♪」
 あっけなく強がりは崩壊し、妖艶な嬌声ふたたび…そしてそれに連動した無意識の腰振りも併せて再開だ。
「ほら、やっぱり動いてるじゃん…♪」
 と笑われても、もはや意思と裏腹だから止める術がない腰。
(んっ、んっ…♪あぁっ…け、血管ッ…血管のボコボコがアソコに当たって…♪)
 と、浮き出た血管の再現が顔を出した秘肉を淫靡に刺激していく。
 そのまま延々と振らされる腰…。
 そして、あるタイミングで急に真夏の嬌声が噛み締めたように止まった。
「ハァ…ハァ…♪」
 興奮の吐息とともに一気に上昇する心拍数。
 すかさず、
「おやおや…お待ちかねって感じかな?」
 と嘲笑うタケルによって、ヒクヒクする膣穴に対し、ディルドーの先端が、いよいよ垂直にあてがわれたからだ。
 そして耳元で、
「ほら…先っぽが入り口に当たってるよ…♪この状態で今みたいに腰振ったらどうなるか分かる?そのまま、にゅるん♪って中に入っちゃうよねぇ…♪」

(…ごくっ…!)

 確かに彼の言う通り、この位置関係でさっきみたいに腰を突き出せば、そのままオイルの滑りであっさり挿入できてしまうだろう。
 一瞬、言われるがまま無意識に腰を前へ突き出しかけたところで慌てて、
「ダ、ダメっ…!」
 この瀬戸際、かろうじて口から出た理性の叫び…快楽の沼にズブズブ沈んでいる自分への精一杯の抑止だが、浮いた腰を支える脚はぷるぷる震えたまま、どっちつかずの態度。
 タケルはさらに耳元で、
「ほら、何を今さら…♪今までずっと腰クネクネさせてたじゃん…♪同じようにしてみなよ。オチンチンも早くお姉さんの中に入りたがってるからさ…♪」
 と囁き、膣口にあてがったディルドーをグルグルとドリルのように回転させて誘う。
「ひ、ひぃぃッ♪」
 全裸ブリッジがより湾曲し、それと同時に、
(あぁっ、き、気持ちいいッ…!それ気持ちいいぃッ!)
 本物さながらの精巧な造形の亀頭で膣口を抉られ、いよいよ万事休すの真夏。
 今の本音を脳内で留め、声に出さなかっただけ幸いだ。
「ほら、早く。早く腰振りなってば。彼氏のを咥え込む時みたいにさッ♪」
 と急かすタケル。
 そして、その執拗な煽りに流された真夏は、とうとう…。

 クイっ…クイっ…♪

 恥じらった顔で、支えの脚を支点に、おそるおそる股間を突き出す真夏。…だが、しかし。
(…え?な、ない…?)
 咥え込んだつもりが、その感触は一切なく、それどころか触れていた疑似亀頭の感触もいつの間にかなくなっていた。
 すると、すかさず耳元で、

「んー?今の腰の動きは何かなぁ…?明らかに咥え込もうとしてたね?見てたよ?しっかりと…♪」

「━━━」
 挿れる気マンマンで突き出した腰の空振り…それを口頭で指摘されるほど恥ずかしいものはない。
 押し黙る真夏に対し、タケルはさらに畳み掛け、
「いやぁ、とうとう見せてくれたね。お姉さんの本性…♪やっぱりもう欲しくて欲しくてたまらないんだね…♪逃げるタイミングが少し遅れたらあのまま食べられちゃってたかも…♪」
「く、くぅッ…!」
 この最終盤に来ても延々と続く意地悪な焦らし…恥をかいた真夏の赤面はもはや限界突破。
 そして、それもまた少ししたら自然と、
「んんっ…んんっ…♪」
 と遠ざかったディルドーを呼び戻すように再びクネクネ腰が揺れだす始末。
 タケルの言う通り、もう欲しくて欲しくてたまらないのだ。
 そんな真夏に、
「ハハハ、いいねぇ…♪ほらもっとッ!もっとスケベに腰振って誘ってごらんよ!このドMっ!」
 とタケルが発破をかければ、もはや理性のブレーキは利かず、
「ハァ、ハァ…♪」
 と犬のように舌を出し、言われるがままに卑猥なブリッジ腰振りを見せてしまう真夏。



(ダ、ダメ…止めて…その腰、今すぐ止めてぇ…!)
 と自分に対して命じる真夏だが、それを自分自身が無視…。
 無様な空振りを何度も繰り返しては、
「な、ない…!ないよぉッ…!チンチン…オチンチンどこぉ…!」
 と嘆く威厳を失くした室長補佐に、スッと、
「探しものはこれかな?」

 ズリっ、ズリっ…♪

「ひゃぁぁッ!?」
 再び膣口へと帰還し、真夏お気に入りの亀頭ドリルを見舞うディルドー。
 それをされて、

「ひ、ひぃッ♪き、気持ちいいッ…♪あぁっ、こ、これぇッ♪これ欲しいぃッ♪ちょうだいぃッ♪早くちょうだいぃッ♪」

 と、とうとう恥も外聞もなく歓喜の絶叫をする真夏だが、再度、いただきッ!とばかりに突き出した腰をタッチの差でかわすディルドー。
「あぁんッ!な、何でぇッ…!何で意地悪すんのぉッ…!」
 と唇を尖らせるその様子は、もはや彼氏が少し意地悪モードになった時のベッドでの姿そのもの。
 なおもタケルは、
「ほら、もっと…もっとエッチな姿、たくさん見せて…♪」
 と誘導するように囁き、かたや、そのリクエストをすっかり従順になって応じてしまう真夏。
 舌を出し、あられもなく開いた股間をブリッジで突き出してクネクネ揺する…こんな痴態、仲間や後輩には絶対に見せられないものだ。
「ハァ、ハァ…♪」
 卑猥なセルフ腰振りを繰り返し、さらには、
「チ、チンチン…♪オチンチン…♪」
 と、卑猥なうわ言まで言い出す始末。
 そこにタケルがスッと耳打ちをすると、それを境に、
「チ、チンポ…♪チンポほちぃ…♪チンポぉ…♪」
 と、より下品に男性器の別称を躊躇なく連呼し始める真夏。
 そんな、とうとう焦らし責めで完全に溶け落ちた真夏の醜態を見下ろし、
「へぇ…そんなにチンポが欲しいんだぁ…♪しょうがないお姉さんだなぁ…♪」
 と不敵な微笑んだタケル。
 醜態を顧みず、卑猥に懇願する真夏に免じて、再び、ぐしょぐしょの膣口に帰還させてやる亀頭。…だが、それが触れた瞬間、
「はひぃッ♪」
 と、急にこれまでにない反応をして飛び上がった真夏は、すぐさま、目隠し越しでも嬉々としているのが分かる表情で、
「ま、待って…これってもしかして…ほ、本物ッ!?本物きたぁぁっ♪」
「おっと、バレたか…♪さすがお姉さん…触れただけで判別できるなんてすごいね…♪」
 と、いつの間にかパンツを下ろして引っ張り出した巨根を真夏の膣口に擦りつけながら苦笑するタケル。
 とうとう精巧なニセモノではなく、今、真夏がこの世で一番欲しているもの…本物の男根が満を持して登場だ。
 触れただけで感じるその血が通った温度に、
「あぁっ、あ、熱いッ…♪すごく熱いぃッ♪」
「熱い?何が?」
 ニタニタしながら聞き返すタケルに対し、もはや真夏の理性は制御不能。
「チ、チンポっ♪生チンポ、すごく大きくて熱いぃッ♪」
 と、女捜査官集団の幹部らしからぬ発言を恥じらいもなく叫び、続けて、
「い、挿れてッ!お願いっ!は、早くッ…それを…そのまま中にぃッ…!」
 これまで以上にグイグイ突き出してくる卑猥な腰。
 それに対し、タケルも巧みに腰を引き、亀頭をあてがったまま離れもせず、かといって挿れもしないとどめの極限焦らし。
「ひ、ひぃッ♪」
「フフフ…ほら、動けば動くほど欲しくなるよ?そりゃそうだよねぇ。だって先っぽ当たってるんだから…♪」
 と笑みを浮かべて真夏にどんどん腰を振らせるタケル。
「ほら、あと少し!あと少し!今そこでグッと突き出せば…あー、残念。息が合わなかったねぇ…♪」
 と煽れば煽るほど、
「やだぁッ…やだぁぁッ…!欲しいッ…ねぇ、欲しいぃッ…♪」
 と駄々っ子のように声を上げる真夏。
 なおも咥え込もうと懸命のセルフ腰振り。
 やがて支える脚に乳酸が溜まり、腰がへなへなとシーツに沈んでいけば、それを待っていたとばかりにすかさず脚の間に割って入り、
「なに?もう終わり?欲しいんじゃなかったの?これ…♪」
 と真夏の腰を両脇からガシッと掴み、今度はタケル主導で生素股だ。

 ぬちゃっ、ぬちゃっ…♪

 と粘っこい濁音が立つとともに、
「んひゃぁぁッ♪」
 繋がれた手足を突っ張り、仰け反る真夏。
「おぉ、すごい…ここまでとろとろのオマンコ、初めてかも…♪何だか僕もヤリたくなってきたなぁ…♪」
 と期待させつつ、決してハメはしないタケル。
 真夏の腰を引き寄せ、あくまでも性器同士を擦り合うのみ。
「あんっ♪あんっ♪」
 オイルに汗、そして大量の白濁本気汁でふやけた秘貝を竿で摩擦され、シーツに沈んだのも束の間、再び持ち上がってくるくびれた腰。
 そこに、待ってましたとばかりに、再度、膣穴に亀頭を密着させ、
「さぁ、次こそは上手くいくかもよ?頑張って…♪」
 と、腰を掴んだ手を離し、再び真夏に自分で腰を振るように促すタケル。
 それに対し、真夏も従順に、再び美脚を支えに腰を浮かせ、卑猥な剛毛マンコを突き出してセルフ腰振りの第2セット開始。



「ハァ、ハァ…♪」
 と期待だけを胸に、懸命に腰を擦りつける真夏。
 内心、
(あ、当たってる…先っぽはずっと当たってるのにッ…!)
 と、あと一息の歯がゆさに唇を噛みつつ、そのじれったい摩擦だけでも充分に感じて、
「あっ、あっ…♪」
 と声を漏らす始末。
 遠目に見れば既に挿入済み、セックスの真っ最中に見えるぐらいの密着素股で、すっかりそれに夢中の真夏に対し、意地悪に追加攻撃で総仕上げにかかるタケル。
 まずはスペンス乳腺を開発したての胸。
「ほら、もっと真剣に腰を振らないと何回やってもチンポにはありつけないよ?」
 と言って無遠慮に鷲掴みにしてやると、
「ふほぉぉッ♪」
 そのまま乱暴にガシガシ揉まれれば過敏になった乳房はあっという間にキャパオーバー。
「ひ、ひぃぃッ♪」
 ブリッジして身を固くするとともに、股の間の密着した亀頭めがけて、

 ピュッ、ピュッ…♪

 と熱い潮を浴びせる真夏。
 そして次は先端の突起。
「そらッ♪」
 と、これもまた今までにないぐらい乱暴に摘まんで引っ張り上げてやると、
「ふひぃぃッ♪」
 と、おかしな声を上げて悶絶する真夏。



 その状態で、
「ほら、腰が止まってるッ!それとも、もう終わり?だったらオチンチンしまっちゃうよ?」
 と言うと、慌てて、
「い、嫌ッ!ダメっ!し、しまわないでぇッ…!」
 と乳首をつねられたまま腰振りを再開して痴態を晒す室長補佐。
 触れる角度だけを頼りに腰の位置を微調整し、どうやら勢いよく打ちつけて一気に奥まで呑み込もうとしているようだが、それを見越して直前でしっかり腰を引いてやる。
「く、くぅッ…」
 なかなか上手くいかず、もどかしそうな顔をしている真夏。
 そして、そんな真夏のブリッジを押し潰すように身体を重ねて上から乗っかり、シーツに沈ませると同時に摘まんでいた乳首を口に含んだタケル。
「ひゃぁッ♪」
 ここにきてチュパチュパと乳首を吸われ、淫靡な刺激で酔いしれる真夏。
 無論、添えた指でスペンス乳腺のツボをグリグリ指圧することも忘れない。
「あんっ、んんっ…ダ、ダメぇ…!」
 のしかかるタケルの身体を押しのけられず、身体の下でクネクネもがくだけの真夏に、
「じゃあ、お姉さん…可哀想だから、残り時間はおっぱいをたくさん責めてあげるよ。それでいい?」
 と囁くと、真夏はぶんぶん首を振り、
「い、嫌ッ…おっぱいだけなんて…そんなんじゃ満足できないッ…」
「満足できない?よく言うよ、こんなに感じるおっぱいで…♪」

 むぎゅっ、むぎゅっ…♪
 チュパ、チュパ…♪

「ひぃぃッ♪」
 高熱でも出ているかのような熱い身体を覆い被さるタケルの胸板に密着させ、
「い、嫌ッ…挿れて…お願い!中に挿れてぇぇッ…」
 と懇願する真夏。
 なおも意地悪に、
「挿れる…?何を?どこへ?」
 と、とぼけて聞くと、もはや恥じらいも躊躇もなく、
「チ、チンポっ!チンポをマンコに突き挿してぇぇッ!」
「マンコって誰のマンコ?」
「わ、私ッ!秋元真夏ッ!秋元真夏のマンコぉぉッ♪」
 本心からの絶叫とともに、もう待ちきれないとばかりにタケルの身体の下でモゾモゾ動く真夏の腰。
 タケルも、
「そんな頼まれ方したら考えちゃうねぇ…♪」
 と握った自らの竿で真夏の剛毛マンコをペチペチと打ちつけ、さらに、
「ほら、想像して…♪」
 と囁き、生い茂る陰毛の上でズリズリと仮想ピストン。
 それだけでも、
「あっ、あっ…♪」
 と心地よさそうな声を上げる真夏に、
「もしだよ?もし中に入れたら、僕のチンポ、お姉さんのマンコの中で、このへんまで届くから…♪」
 とギンギンの巨根で下腹部をなぞられて、
「はぁぁッ♪す、素敵ぃッ…♪そ、そんなの…こんなところまで届いたら絶対…絶対、気持ちいいに決まってるぅッ♪」
 と、スケベヅラで期待を膨らませる真夏。
 そして、もう我慢できず、四肢を繋がれたまま胴体だけでコバンザメのようにくっついてきて、
「お、お願いッ…もう焦らさないで…挿れてッ!ねぇ、ひと思いに挿れてッ!」
 と訴える真夏。
 すると、それに対し、タケルはクスッと笑って、真夏の耳元に口を寄せ、意外な一言を囁く。

「お客様…たいへん嬉しいお誘いなんですが、当店、本番行為は禁止なんですよぉ…♪」

(え…?)
 きょとんとする真夏。
 そして、その囁きの意味をまだ理解できてないうちに、

 ピピピっ…ピピピっ…♪

 突如、枕元で鳴ったアラーム音…それと同時に覆い被さっていたタケルの身体と、陰毛の上に置かれていた男根がスッと離れ、一言、
「お疲れ様でした。お時間です」
 これまでの笑みを交えた意地悪な囁きから一変、急に温度差を感じる事務的な口調で浴びせられた一言に、

(お、お時間…?え…ど、どういうこと…?も、もしかして…終わり…?)

 困惑している真夏の横で、使用したディルドーやローターを黙々と片付ける物音。
 そして、ここまでずっと視界を封じて性興奮を上乗せすることに一役買っていた目隠しもスッと取り払われる。
「んッ…!」
 久々の光で目が眩み、顔を背ける真夏。
 そして、目隠しの次は四肢を繋ぐ拘束具…と指をかけたところで、
「おっと、違った。これは終わってもそのままにしておけって言われたんだっけ…♪」
 と何やら独り言を言って外しかけた指を止めるタケル。
 結局、目隠しだけ外され、依然として四肢は繋がれたままの真夏。
「やぁッ…ま、待って…ねぇ、待ってよぉ…!」
 と訴える声も届かず、目当ての巨根はあっけなくパンツの中に隠され、そして、
「本日はありがとうございました。またのご利用をお待ちしています」
 と一礼をし、使用した道具を詰めたアタッシュケースを持って、そそくさと部屋から出ていくタケル。
「くっ…ま、待って…!せ、せめてこれを…」
 と手足を揺すって呼び止める真夏だが、聞こえたのは無情にも部屋のドアが閉まる音だけ…。
 そして、それから1分も経たないうちに、
「はぁ…はぁ…♪」
 みるみる息が荒くなり、繋がれた四肢をクネクネ動かす真夏。
 計90分にも及ぶ壮絶な焦らしプランで全身性感帯にされた上、最後は自ら求めてしまうほど発情しきった身体が、そう簡単に冷静に戻れる筈がない。
 もしも、今、両手の拘束が外れれば、恥じらいを捨て、迷うことなく胸と股の間に持っていきたいぐらいだ。
「くっ…うぅっ…」
 みるみる額に浮かぶ大粒の汗…。
 一人、密室の中で、豪胆に放り出した胸、そして剛毛と指摘された陰毛。
(な、何これ…ど、どうしろっていうの…?)
 タケルは帰ってしまった。
 このままでは仲間どころかフロントの人すらも呼べないし、仮に来てもらってもこんな姿で迎えるのは真夏自身かえって困る。
 そして、身体を火照らせたまま時が過ぎるのを待つこと5分。
 ふと、ドアの方から、

 カチャカチャ…

 と鍵をいじる音がした。
(…!)
 気付くと同時に身構える真夏。
 それが誰であれ、自分は今、ベッドの上で全裸…しかも手足を繋がれている。
 仲間なら説明に困るし、敵なら逃げられない。
 やがてドアが開けられ、入室を告げる靴音…それがベッドまでのストロークをゆっくり歩いてきて、そして…。

「おぉ、これはこれは…♪」

 笑みを浮かべて登場した一団の先頭の人物。
 首を捻って宙を見上げ、それと目が合った真夏は思わず絶句する。

(し、柴崎ッ…!)

 この最悪の状況、最悪のタイミングで柴崎一派の長が自らお出ましだ…。


(つづく)

鰹のたたき(塩) ( 2023/05/20(土) 00:37 )