7.感度破壊 〜 捕らわれたスパイ
「へぇ…未央奈、また捕まったんだぁ…♪」
「懲りないんだね…♪」
と不敵な笑みを浮かべて施術台の上の獲物に歩み寄る樋口日奈と星野みなみ。
目隠しにヘッドホン…視覚と聴覚を遮断された上、ガチガチの拘束で身動きも取れずに横たわる未央奈は、自身の左右に陣取ったのがかつての仲間、行方不明中の先輩たちだとはまだ気付く由もない。
そして、そんな二人が小脇に抱えるボトル…これより、未央奈の感度を破壊していくために使用する強力媚薬配合の特製オイルだ。
罠に嵌まって捕らわれて以来、快楽拷問、陵辱調教、性奴隷化、クスリ漬け、ソープ堕ち…もはや跡形もないほど理性をドロドロに溶かされた二人は、悪を憎む正義の心も、捜査官としての誇りも、女としての尊厳もすっかり忘れ、いまや快楽至上主義の柴崎一派の手先と化していた。
樋口にいたっては、そのナイスバディーと容姿を見初められてひそかに柴崎と愛人関係でもある。
とはいえ、この場では他の男たちの目もあるし、隣にみなみもいるので、いつものようにデレデレは出来ない。
柴崎も、ここではしばし、その雰囲気は封印して、
「よし、お前たち。始めろ!」
と冷徹に命じる。
その指令とともに、揃ってボトルのキャップを外す二人。
まるで那智の滝のごとく、高いところから未央奈の身体、二つの小さな膨らみめがけてオイルを垂らす二人。
「ひゃあっ…♪な、なにっ!?」
視界を奪われた状態で突然ひんやりした粘液を浴びせられて驚く未央奈。
二人して贅沢に胸だけで一本を使いきると、早くも施術台はベチョベチョ。
そして、いよいよ、二人のしなやかな指が未央奈の裸体に迫る。
スッ…スッ…
「んっ、くっ…!」
オイルにまみれた胸の膨らみをなぞったみなみの指に思わず身を固くして、
「や、やめろっ…汚い手で触るなっ…」
と声を上げる未央奈。
この時点ではまだ、その指の主が男か女かはもちろん、先輩後輩の壁を飛び越えて親友という間柄のみなみの指であることには気付かない。
そんな親友に対し、
「さぁ、未央奈…たっぷり狂わせてあげる…♪早くこっちにおいでよ」
と囁いてフェザータッチでオイルを伸ばすみなみ。
反対側では同様に樋口も、まずは未央奈の微乳を標的にマッサージを始める。
「あっ、ああっ、やぁっ…さ、触らないでっ…ひ、ひぃっ!うぁぁっ…♪」
開始数秒であっけなく艶めかしい声を漏らす未央奈。
それもその筈。
宣告までハケ水車の絶妙な刺激で何度もイカされ、全身の感度が上がっているところにヌルヌルするオイルをぶっかけられ、じれったい手つきのマッサージを施されては、無言、無表情で耐えることは難しい。
ましてや未央奈は天性の敏感肌…無理だ。
「あんっ、んんっ…や、やめてっ…やめてぇぇっ…んひゃあぁっ♪」
ガシャン、ガシャン…と手足を繋ぎ止める鎖が震えて音を立てる未央奈。
関節を曲げることすら出来ないガチガチ拘束で全身が格好の標的。
それでいて樋口は、
「ふふっ…ダメだよ、未央奈。まだ乳首は触ってあげないよ?」
と添えた人差し指で渦を巻くように乳輪だけをなぞる焦らし責め。
みなみもクスクス笑って、
「すごく触ってほしそうだけどねぇ…♪」
「まだダーメ…♪」
あいにく、二人の癒しボイスはヘッドホンをつけている未央奈には届いていない。
それゆえに、なおも、
「さ、触るなぁっ…触るなっつってんでしょ、このケダモノぉっ…!」
と声を上げる。
「えー、未央奈ひどーい」
と膨れるみなみと、
「あれー?私たち先輩だよねぇ…?先輩に向かってそんなこと言っていいと思ってんのぉ?」
と、こういう時には意外とSっ気を出す樋口。
「口の悪い後輩にはお仕置きっ♪」
と、無防備な腋の下に指先の蜘蛛を放つと、強がりが一転、
「ふひぃっ♪ま、待って…腋は、腋はダメぇっ…あぁっ、く、くすぐったい…んひゃぁぁっ…♪」
髪を振り乱す未央奈だが、反応すればするほど逆効果。
「へぇ…未央奈、腋、弱いんだ…じゃあ、みなみも参戦っ♪」
と、反対側の腋もみなみの指が攻撃。
「ひ、ひぃぃっ…♪ダ、ダメぇっ♪」
悶絶する未央奈に、
「すごーい…未央奈の脇の下ツルツル♪」
「相変わらず女子力が高いこと」
と、終始笑顔の樋口とみなみ。
そこに子分の男たちが追加のオイルボトルを手に近づき、くすぐられる腋の下にもオイルを垂らす。
「あぁっ、ダ、ダメっ…嫌ぁっ!ヌルヌルにしないでっ…あぁっ、んんっ…」
聴覚を支配されているせいで声のボリュームがバカになっている未央奈。
部屋中に反響するような雄叫びを上げて悶え狂う。
樋口はさらに、
「上半身だけじゃ退屈だよね、未央奈?」
と一方的に話しかけながら、脚の付け根、内ももにも指を伸ばし、スリスリとなぞる。
「はひぃっ…♪やぁっ、はあっ…♪」
じれったくも的確なソフトタッチによって、ただでさえ高まっていた感度がさらに上昇していく。
(ダ、ダメっ…!こ、こんなの…どこを触られても声が出ちゃう…!)
その指の主が誰かも分からぬまま、じりじりと追い詰められていく未央奈。
視覚と聴覚を奪われて緊張のドキドキも入り混じっているから尚更だ。
「さぁ、どんどん行くよ?未央奈、覚悟はいい?」
と、まず細長い美脚の先端、可愛らしい足の指から一本ずつ丹念にオイル漬けにしていく樋口。
「人によっては、ここが性感帯って人もいるからねぇ…♪」
「ひ、ひぃぃっ…♪」
未央奈自身も意外な発見…足の指の間をなぞられるのが無性に気持ちがいい。
その感覚にすら焦りを感じ、
「や、やめてっ!やめてぇぇッ…!」
と絶叫する未央奈だが、ふいに、
「んぷっ…!?」
口で口を塞がれた。
一瞬、下卑た男たちの誰かが調子に乗ってキスを仕掛けてきたかと思ったが、どうやら違う。
(え…?お、女の人…?)
触れ合う唇の柔らかさ、舌の丸み…そして何より、擦れるたびにジョリジョリするようなヒゲの感触が一切ない。
たまらず首を揺すって口を離し、
「だ、誰っ!?誰なの、あなたたち!?」
と声を上げるが、仮に返事をされても今の未央奈には聞こえない。
「ねーえ!暴れないのっ♪」
と可愛く叱って再び唇を重ねるみなみ。
その間も樋口は、足の指の次はふくらはぎをマッサージ。
左右の細い足首を両手で掴み、そのままズリズリと上下に摩擦する。
オイルの滑りがむず痒い…そして少しだけ…少しだけ気持ちいい…。
黙ってしまうと、そのまま身を預けてしまいそうになる。
(ダメっ…ダメっ…!惑わされないでっ…しっかりして…流されないで…!)
と自分に言い聞かして堪える未央奈を嘲笑うように、
「すいませーん、オイルくださーい♪」
と手を上げる樋口。
すかさず下っ端の男の一人がまた新たなボトルを持ってきて開栓、これも贅沢にドバドバと脚めがけてぶっかける。
「ほーら、もっと全身ヌルヌルにしてあげるからね、こうやって…♪」
「うほぉぉっ♪」
標的がふくらはぎから内ももに移っただけでこの喘ぎよう。
しかも、この時点でまだ未央奈は、この使用されているオイルが媚薬配合だとは知らない。
今に全身の毛穴から成分を吸収し、灼けるような熱さの火照りに襲われるだろう。
執拗なキスを続けるみなみも、片手間に腋や胸をなぞって絶えず快感を送り続ける。
やがて未央奈の裸体は照明を反射するほどに光沢を放ち、勃起した乳首は点に昇るほどビンビンに…。
そしてようやく、艶めかしいフェザータッチが身体を離れた。
(お、終わった…?)
だが、二人の手が離れていっても依然として、
「はぁ…はぁ…♪」
と息が荒い。
(か、身体が…全身が熱い…)
身体中が灼けるようなこの感覚は以前にも経験がある。
(コ、コイツら…また私の身体に媚薬を…く、くそっ…)
丹念に塗り込まれたオイルにその成分が入っていたと気付くのにそう時間はかからなかった。
「くっ、んんっ…あぁっ…♪」
独りでに声を上げ、身をよじろうとする未央奈。
媚薬の効果で如実に表れている。
その様子を嬉々とした眼で見つめる樋口とみなみ。
「さぁ、ここからが大変よ。未央奈…♪」
「耐えられるかな…?」
と不敵に微笑む二人が着々と自身の手に装備する次なる責め具。
指先が振動するグローブ…次はこれを使って媚薬成分をたっぷり吸収した肌に振動を送り、新陳代謝を活性化させる時間だ。
スイッチを入れると静かに響く振動音も、ヘッドホンをつけている未央奈には聞こえない。
つまり不意にこの振動が襲いかかるというワケだ。
「さぁ、みなみ…どこからやる?」
「そうだなぁ…♪」
ニタニタしながら未央奈の全身を眺めるみなみは、
「…やっぱりここかな…♪」
と、やはり最初は未央奈の微乳に目をつける。
ツンと勃った乳首に引っ張られるように上を向くちっぱい。
「日奈みたいに大きくしてあげなきゃね…♪」
と意地悪な笑みを浮かべながら、じりじりと膨らみに近づける振動を纏った五指。
そして、
「行くよ?せーのっ…!」
という掛け声とともに二人がブルブル震える手の平を未央奈のテカる微乳の上に投下。
「んぎゃぁぁっ…!?」
取り憑かれたような絶叫を上げ、思わず腰を浮かせた未央奈。
その発狂したようなリアクションは止まらず、
「んほぉっ♪ほぉぉっ♪ダ、ダメぇっ!ひゃぁぁっ♪」
と手足がもげるぐらいに暴れる最高の反応。
「ほーら、さっきはお預けにしたここも触ってあげるよ♪」
「きゃはぁッ♪」
とピンコ勃ちの乳首を震える掌底でかすめる樋口は、さらに、
「ねぇ、未央奈?このグローブね、指ごとに振動の強さやリズムが違うの。未央奈はどれがお気に入りかなぁ?」
一方通行の語りかけ、そして、
「声の大きさで判断してあげる♪」
と、まずは人差し指でボタンを押すようにつつく。
「んほぉぉっ♪」
「次は親指」
「ひ、ひぃぃっ…♪」
「中指のはちょっと強めなの」
「ダ、ダメぇぇっ!」
「薬指は小刻みなリズムで…」
「あっ、あっ、あっ…♪」
「最後、小指は当たる範囲は狭いけど超強力♪」
「ひぎぃぃっ!?」
どれをとっても最高のリアクション。
それらを間近で見ていたみなみが、
「最後のが一番いいみたいだよ♪」
「だよね、私もそう思った♪やっぱり強いのが好きなんだ、未央奈…♪」
そして、目で合図をし、指切りのように小指を突き立てた二人。
それを同時に左右の乳首に押し当てると、
「ひ、ひぃぃっ♪ダ、ダメぇっ♪それダメだってばぁっ!で、出ちゃうッ!また出ちゃうからぁっ!」
と絶叫し、なんと、ブルブル震えた太ももの間からジョロジョロと二度目の失禁…!
「アハハ♪気持ちよすぎておもらししちゃってるじゃん、未央奈ァ♪」
「えっ、ウソっ…ホントに…?」
マンコやクリトリスならともかく、乳首を責められただけで失禁…その光景をケタケタ笑いながら眺める樋口とは対照的に、戸惑い気味のみなみ。
「私も乳首は敏感だけど…さすがに漏らしたことはないよ…」
と何なら少し引いている。
施術台の上にみるみる溜まり、床に流れ落ちる聖水に構わず、
「ほら、出したかったらもっと出していいよ?未央奈♪」
と煽る樋口。
最後はスペシャル仕様、様々な振動を纏う五指で左右の乳首を取り囲み、わしゃわしゃと入り乱れる。
「ひぃぃっ♪ダ、ダメぇっ…それホントにダメぇっ!あぁっ…♪」
なおも、ピュッ…ピュッ…と少量ずつ小刻みに股から撒き散らす液体はもはや潮か失禁か分からない。
そしてさらに、みなみが、ここにきて鼠径部のきわどいところもスリスリ…スリスリ…。
「んほぉぉっ♪ほぉっ♪ほぉぉっ♪」
繋がれた手足を動かせない代わりに胴体だけのたうち回って発狂寸前の未央奈。
(も、もうダメっ…どこを何されても感じちゃうっ…こ、こんなの…あ、頭が…頭がおかしくなるっ…!)
まるで蜘蛛の巣にかかったアゲハ蝶…いくらもがいても、その雁字搦めからは抜け出せず、しめしめと現れた二匹の女郎蜘蛛にネチネチいたぶられるのみ。
そして、その光景を、終始、満足げに眺めていた柴崎だが、ふと、子分の男が一人、部屋に入ってきて、
「ボス…お楽しみのところ失礼します。ちょっとよろしいでしょうか」
「うむ…」
耳を傾けて話を聞いていたが、用件を聞き終えると、一言、
「なに…?」
と笑みの消えた顔になった。
どうやら、また何か新しい動きがあったらしい。…が、それが果たして良い知らせか悪い知らせかは、まだ今の時点では判別つかない様子。
「おい!日奈っ!」
と、つい普段の愛人としての呼び方をしてしまったのも気にせず、
「少し席を外すが。お前たちは気にせずそのまま続けておけ!」
「はいっ♪」
にこやかな顔で返事をする樋口。
そして柴崎たちが出ていった後、その疑似エステサロンにて、
「かゆいところはございませんかぁ?お客様ぁ♪」
「あれば何なりとお申し付けくださいませぇ♪我々がしっかりと対応させていただきますよぉ…それがたとえマンコの奥でも、アナルの中でもね…♪」
とエステティシャンになりきって楽しむ二人。
こうして、天国と見紛うほどの地獄…未央奈への性感開発施術は一時間近く続いた…。
……
二人に後を任せた柴崎は、子分の案内で同じ建物の別の場所に向かっていた。
上のエステサロン部屋と同様、リノベーションが済み、8割がた完成している地下牢のスペース。
向かった先はその一室だった。
ガチャ…と鉄格子の扉を開いた先には、捕らわれて両手を吊られた女と、それを取り囲む別の子分たちがいた。
「あ、ボス。ご苦労さまです…!」
と気付いて一歩下がった子分たちと、その空いた隙間からキッとした目を向ける囚われの女。
(…誰だ?)
対峙している『乃木坂46』のメンバーの顔は名簿を作って把握しているが、その中にはない初めて見る顔。
柴崎は、ツカツカと歩み寄ると、傍にいる子分に、
「状況を話せ」
と言った。
「はい。この女なんですが…」
それはほんの半時間ほど前の出来事。
柴崎らが捕らえた堀未央奈をハケ水車拷問にかけて楽しんでいた最中のこと。
その間、見回りをしていた下っ端のポケットから、突然、通知音が鳴った。
現在、建設中のこの建物…柴崎の野望が詰まった一大拷問施設。
これを完成前に捜査官の連中に目をつけられては厄介だと、柴崎がひそかに侵入者用の罠をいくつか建物内外に仕掛けておいたが、その一つにアタリがあったという知らせだ。
反応があったのは裏の雑木林に仕掛けたネズミ取り型の罠の一つ。
ただちに懐中電灯を手にしてそのポイントに駆けつけると、なんと、そこに、漆黒のレザースーツに身を包んだ女が一人、不覚にも足を挟まれてもがいていた。
「何者だ、貴様っ!」
と聞いても答えないその女だが、罠によって足を痛めてしまって逃げることが出来ず、万事休す。
すぐに兄貴分の構成員を呼び、ただちに捕縛し、この地下牢へと連れてきて吊るした。
ヘマを犯したスパイに待っているものは男たちの尋問。
「おらっ、どこの誰なんだ?テメー」
「━━━」
「この建物の近くを嗅ぎ回ってたとなると、ただ者じゃねぇな?」
「━━━」
「黙ってたら分かんねぇだろうが」
「言っとくが、口を割るまで帰さねぇからな?」
「━━━」
何を聞いてもうんともすんとも言わない謎の女。
結局、埒が開かず、業を煮やした男の一人が、
「この野郎、ナメやがって…おい!ボスを呼べ!」
と発したことで、柴崎を呼ばれたというワケだ。
「…なるほどな。経緯はよく分かった」
と言って納得した柴崎は、吊られた女に歩み寄ると、
「おい、貴様。どこの誰か知らんが、ここは私が買った土地なんだ。ちゃんと正規の契約書もある。人の私有地に無断で立ち入らないでもらいたいな」
「━━━」
「それに、近所のガキが迷い込んで来たのなら飴でも渡して帰してやるが、見たところ分別のつく歳の女だし、何よりこんな真夜中…何か理由があってコソコソ忍び込んできたことは明白だ。貴様の素性と、ここに来た理由ぐらいは聞かせてもらわんと、やすやすと見過ごすワケにはいかんな」
「━━━」
一度チラッと見ただけで、すぐにまたそっぽを向く女。
「チッ…」
舌打ちとともに苦笑した柴崎は、ふいに、そっぽを向いた女の顎を掴み上げた。
「ぐっ…!」
「おい、女…あまり俺を怒らさん方がいいぞ?ただでさえ俺は今、お楽しみの最中に邪魔が入って機嫌が悪い」
と掴む手にじわじわと力を込め、
「どこの誰だ、貴様…誰に頼まれてここに来た?」
「━━━」
力ずくで顎を持ち上げても気丈に黙秘を続ける女。
その整った顔立ちから送る敵意に満ちた視線は、こんな状況でもなかなか迫力。
たまらず、
「おい、テメー!その目をやめねぇか!」
「気に食わない女だ!殺っちまうぞ、この野郎ッ!」
と応戦する男たちを、
「待て待て…」
となだめる柴崎。
決して心当たりがないワケではない。
柴崎は、その女の耳元に顔を近づけると、
「さては、お前…最近、コソコソと俺の周りに張りついてる妙な連中の一人か?」
(…!)
ここで初めて、女の眉がピクッと動いた。
その一瞬の反応を見逃さず、
「フッ…図星か。つまり、その謎の一味のマヌケが、ようやく一匹、罠にかかったというワケだ」
「ふんっ…!」
と顎を掴む手を振り払って、みたび、そっぽを向く女。
柴崎は、次は掴み上げずに、スッとその女の視界へと回り込み、
「ククク…まんまと自分たちから尻尾を出してくれたか。こいつは願ってもないチャンスだ」
「━━━」
「俺は売られたケンカは買う主義だが、派手にドンパチやるからにはまず相手を知ることが必要だ。貴様らがどういった連中か、洗いざらい吐いてもらうぞ」
不気味な笑みを浮かべた柴崎に対し、ここで初めて女も口を開いた。
注目の第一声は、
「そんなこと、私がペラペラ話すと思ってんの?」
と威勢のいい挑発。
それを受けて柴崎は、ニヤリと笑って、
「話すさ。今にその強がりを後悔することになる」
と言うと、取り囲む男たち、誰にともなく、
「おい、只野を呼べ。こういう気の強そうな女はアイツの出番だ」
と、組織随一のS男、只野を呼びつけるように命じた。
元・花田組幹部、現在も柴崎一派の中で幹部格の位置に君臨する只野。
この男の功績は何といってもあの橋本奈々未を調教し、ドMの性奴隷にしつけたことだろう。
今では、その橋本に加えて深川麻衣をも自らのペットにして、好き放題に遊んでいるような男。
そして去り際、
「泣かされねぇように気をつけるんだな?知らねぇぞ、ホントに…クックック…」
と笑いながら地下牢を後にした柴崎。
その背中をキッと睨みつけるその女…ついに捕らわれた女スパイ、松尾美佑の運命は如何に…?
……
用を終えて再び上の疑似エステルームに戻った柴崎だが、ドアの前のところで思わずニヤけてしまった。
ドア越しに聞こえる絶叫。
「ひ、ひぃぃっ♪も、もう許してぇぇっ♪ダメぇぇっ!」
と、未央奈の金切り声が耳を澄まさなくても聞こえる。
(アイツら…すっかり楽しんでやがる…)
そしてドアを開けた瞬間、柴崎は身体を包む熱気とメスのニオイに思わずむせかけた。
「あ…!おかえりなさい♪」
と迎える樋口はとにかく楽しそう。
施術台を見ると、拘束の形は先ほどまでと何ひとつ変わりない。
ガチガチ拘束に目隠し、ヘッドホン。
これらはそのままだが、そこにプラスして、いつの間にか左右の乳房にはローター内臓のカップが装着され、さらにお腹の上には不気味なアブトロニックパッドが貼りつけられていた。
「ほぅ、それを使っているのか…♪」
と感心する柴崎。
まもなく完成するこの一大拷問施設。
当然、拷問に使う性淫具の開発にも余念がない。
そしてこれが、先日、ようやく完成した新兵器。
いずれは桜井玲香や白石麻衣をヒィヒィ言わせてやるためのとっておきだ。
そして、コントローラーを握るのはみなみ。
「さぁ、未央奈♪もう一回いくよ?えいっ♪」
と満面の笑みで軽はずみにスイッチを入れると、お腹の上のパッドがブルブルと振動し、未央奈の下腹部の内側に微弱な低周波を送り込む。
一見、健康に良さそうなウエストへの振動。
それにもかかわらず、
「んぎゃぁぁっ…!」
と泣き喚くような絶叫を上げる未央奈だが、それもその筈。
皮膚を透過した低周波が直撃している場所は、子宮、そしてポルチオ…。
敏感体質の未央奈が強力媚薬オイルを使われた上に、そんなところにチクチクする刺激を送り込まれては当然ひとたまりもない。
「ひ、ひぐっ…!ひぐぅぅっ♪」
と絶叫したかと思えば、また股からジョロジョロと失禁。
床が水浸しなのを見るに、もう何度も漏らしているに違いない。
そして、一度オンにしたらなかなかオフにしない意地悪なみなみ。
併せて無防備な両腋を襲う樋口のくすぐり攻撃に、たまらず、
「ひぃぃっ♪も、もう許してっ!お願いっ…休ませて!一回、休ませてぇッ!」
と絶叫する未央奈だが、もちろん、それは無理な相談。
またイッた。
そして、その後すぐまたイッた。
イク感覚が短くなってきたのは感度が暴走している証拠。
「イ、イグぅぅっ♪」
壊れたスプリンクラーのごとく、イキ潮の飛沫を撒き散らして繰り返し果てる未央奈。
「アハハ♪楽しい〜♪」
「最高ぉ〜♪」
と寄ってたかっての後輩イジメに愉悦を覚える二人。
完全にオモチャと化した未央奈だが、まだまだ終わらせない。
女が女に責められる光景もそれはそれでいいものだが、やはり一番は強気だった女が快楽に溺れて男に屈する瞬間。
そして、その引導を渡す役は自分だとばかりに、イキまくる未央奈を遠巻きに眺めては股間を膨らませ、出番が待ち遠しそうな可愛い子分たち。
そんな彼らのためにも、
「さぁ、もっと感度を上げてやれ!肌を触れられただけでイッてしまう超超超敏感ボディーに変えてやるのだ!」
と、妖艶な二人の拷問官に発破をかける柴崎。
それからさらに半時間…。
未央奈は火照る身体を振動責めされ、脱水症状寸前になるまで何度も何度もイキまくった。
破壊された感度…瀕死状態の未央奈だが、快楽の地獄に待ったは無し。
休む間も与えられずに、次は飢えた男たちが襲いかかってくる…!
(つづく)