乃木坂抗争 ― 辱しめられた女たちの記録 ―





























































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<番外編>Member's Private Act ━女捜査官たちの素顔━
白石麻衣との思い出のクリスマス
 ドアを開ける前に、一度、深呼吸…平然を装う呼吸が整ったところで、ゆっくりドアを開け
「はーい…おぉ、白石か。どうした?こんな時間に」
 と、しらじらしく迎える俺。
 白石は、まずペコリと頭を下げ、
「教官、ご挨拶が遅れて申し訳ありません。他の先生方のところを回ってたら、こんな時間になっちゃって…」
「おぅ…そ、そうか…てっきり俺のことなんて式の閉会とともにあっさり忘れちまったかと思ってたよ…」
 ぎこちない笑みで軽い冗談を交えるも、
(…ん?待てよ?今の言い方じゃ、まるで白石が来るのを首を長くして待ってたみてぇじゃねぇか…!)
 本心を吐露したみたいになって、内心パニクり始める俺をよそに、白石はにこやかで、
「…あれ?何か、顔、赤くないですか?もしかして、お酒?晩酌中でしたか?」
「ま、まぁな…この時間になれば、もう誰も来ないと思ってたから…」
 と言うと、白石は膨れっ面を見せて、
「もぉ、私が来る前に…私のこと忘れてたんですかっ!?」
「い、いや…その…夕方ぐらいに何人か固まって来たから、その中にいたのかと…」
「違いますよぉ…私、教官には本当にお世話になったから、ご挨拶して回るのも、教官のところは一番最後に行くって決めてたんです…♪」
「……」
 ふいに照れるようなことを言われ、酔いとは別に頬が少し熱くなる俺に、
「…そうだ♪もしよかったら、私が晩酌お手伝いしましょうか?」
「へっ…?い、いや…それは…」
 耳を疑ったコンマ何秒ぶん、断るのが遅れた隙に、
「最後にそれぐらいさせてくださいよ。私、こう見えてお酒をお注ぎするの、得意なんです…♪」
 と言って自然に部屋の中へ身体を入れてこようとする白石。
「わっ!ちょ、ちょっと…」
 押し返そうにも身体に触れるのは如何なものか…と雑念にとらわれているうちに、あっさり侵入を許した俺の部屋の玄関。
 それでもまだ、
「ちょ、ちょって待てっ!まずいよ、訓練生を部屋に上げるのはっ…!」
 と制する俺に、
「えー?何か問題あります?だって別にいやらしいことするワケじゃないし…」
「い、いやらしいことって、お前…」
 勝手にドキッとして固まっている間に、靴を脱ぎ、スタスタと奥へ行ってしまう白石。
「わぁー♪キレイにしてるじゃないですか、教官の部屋。何か意外…♪」
「い、意外ってのは余計だよ、バーロー…」
 と言い返して、玄関のドアを閉め、あとを追いかける俺。
 白石は、折りたたみテーブルの上に置かれた枝豆と冷奴を見て、
「ちょっと…何ですか、この質素なの。こんなのでビール飲んでも美味しくないですよ」
「い、いいんだよ。別に…」
「しょうがないなぁ…私があるもので何か作りましょうか?」
 と言って冷蔵庫の前に移動し、
「開けていいですか?冷蔵庫」
「…お、おぅ…」
 人様の家の冷蔵庫を見る時は、開ける前に一声…半ば強引に突撃してきたわりに、こういうところの気配りがあるのもまたドキッとする。
 まずメインスペース、そして下の野菜室などを見て回り、
「んー…何が作れるかなぁ…」
 と食材を吟味する白石。
 その後も、
「この中途半端に残ってるニンニク、使っちゃっていいですか?」
 とか、
「このパスタ麺、サラですけど開封してもいいですか?」
 とか、ごく自然な雰囲気で聞いている白石に、
「い、いいよ…好きにしてくれて…」
 と、もはや追い返す気を失せたので、自由にさせてみる。
 適当に見繕った食材を腕に抱え、
「教官。エプロンとかあります?」
「な、ないよ…あるワケないだろ、男の一人暮らしに」
「そっか…じゃあ、油とか飛ばないようにしなきゃ…」
 と言いながら、どこからともなく取り出したヘアゴムを口に咥え、髪を後ろに束ねる白石。
(…!)
 ふいに見えたうなじにドキッとさせられる俺。
 いるだけでは邪魔なのか、
「座って待っててくださいよ。すぐ出来ますから…♪」
「う、うん…」
 そう言われてテーブルに戻りかけたところで、俺は、迷いに迷った末、
「し、白石…お前も何か飲むか?…つってもビールしかないけど」
 と買いだめしてた缶ビールの残りを確認しながら聞いた。
「え?頂いちゃっていいんですかぁ?やったぁ♪」
 と嬉しそうな白石。
 お前も飲むか?…それを聞いた時点で、追い帰す気は完全になくなり、むしろ黙っていればすぐに帰っていったかもしれないものを留めに走ったことは確定。
(い、いいんだよ、別に…やましいことじゃないし、コイツが未成年ってワケでもない…なんてことないだろ…単なる部屋飲みだよ、部屋飲み…)
 と正当化するように言い聞かせながら白石のぶんのビールとグラスを出してやってテーブルに戻る俺。
 夜遅く、訓練生を自室に連れ込んだ教官…。
(ヤ、ヤバいかな…?ヤバいよな…ヤバいっぽいけど…まぁ、大丈夫か…?いや…まぁ、でも、この流れは仕方ないし…ま、まだセーフだよな。ここから何もしなければ咎められることなんて何も…)
 そんな俺の葛藤をよそに、キッチンで手際よく簡易パスタを調理する白石。
 たちまちニンニクの効いた、いいニオイがしてきて、
「はい、出来上がりー♪」
 と皿に盛って出してこられたのはペペロンチーノ。
「おぉ…!うまそうだなぁ♪」
 と、ここは率直にテンションが上がった。…が、すぐに、
(白石がわざわざ俺の部屋に来て作ってくれた手作りパスタ…)
 と途端にドキドキが増す不思議。
 そんな高揚を知る由もなく、
「…はい、教官♪」
 と小皿に取り分け、笑顔で渡してくれた白石は、
「乾杯しましょうよ♪」
「お、おぅ…」
 こう見えて意外に酒好きなのか、自分のグラスに嬉しそうに缶ビールを注ぐ白石。
 それを見て俺も、減ったグラスにもビールを注ぎ足そうごうとすると、
「ちょっと、ダメですよっ。私がお酌するって言ったじゃないですかっ」
「え…?お、おぉ…そうか…じゃあ…」
 しなやかな指で缶を持ち、お酌してくれる白石。
 破壊力充分…これがもし日本酒の徳利だったら、いい小料理屋の若女将みたいに見えて卒倒していたかもしれない。
 そして二人で
「カンパーイ♪」
 と仲良く乾杯。
(…ぷはぁッ♪)
 やはり彩りがあるとないでは全然違う。
 肴に絶品パスタも加わり、それまで何の気なしに飲んでいたビールが格段に美味しくなった気がするし、意外に白石の飲みっぷりも気持ちがいい。



 俺は酔うと話が長くなるタイプだが、聞き上手な白石は、それも終始うんうんと頷き、途中で遮ることなく最後まで聞いてくれる。
 そこに酔いも手伝い、すっかり気分が良くなってきた俺は、ついつい、
「ハッキリ言って、お前らの代は豊作だ。桜井がいて若月がいて。他にも中田、衛藤、生駒、井上…あと誰がいたっけ?…まぁ、いいや。とにかくたくさんいる。でも、その中で一番の出世頭になるのは…白石。お前だと思ってるよ。俺は」
「ホントですか?またまたぁ…♪」
 と謙遜する白石に対し、
「ホントだよ。お前ほど俺のことを慕ってくれた訓練生は今までに記憶にない。いつも俺は、せいぜい、怖いだの厳しいだの、その程度までしかいかない」
 と、あまり良い酔い方をせず、愚痴っぽくこぼした俺に、
「そうかなぁ…?確かに厳しいところはあったけど、その中にも優しさがあって、私はすごく大好きでしたけど…♪」

(…!)

 ほろ酔いでも聞き逃さなかった今の一言。
 ただ、そんなのは社交辞令に決まってるから、照れ臭そうに、
「…よせやい。教官をからかってんじゃねぇ…」
「本当ですよ。私、教官のこと大好きです。人としてもだし…男性としても…♪」
「………」
 今ので少し真に受け、黙り込む俺。
 そこに、続けて、

「この訓練期間中、私は教官のことずっと好きでしたけど…教官は私のこと、どう見てましたか?たくさんいる訓練生の中の一人でしたか?」

 ドキッとして白石の目を見ると、その視線を待っていたように目が合う。
 この真剣な眼差し…もしかしてマジで言ってるのか…?
 いや、そんなワケないと思って、
「な、なに言ってんだよ…さっきから言ってるだろ?からかうんじゃねぇっつーの…」
 と言って逃げようとすると、白石はテーブルに手をつき、身を乗り出すようにして、
「本当ですよっ!私…教官のこと、ずっと好きでした…好きだから、ああやっていつも…毎日お話したかったから声をかけに行ってたんです…」
「し、白石…」
 目をぱちくりさせながら、急に座高の高くなった白石を見つめる俺。
(まさか、本当に…?いや、そんな筈は…)
 戸惑いが沈黙を生み出し、ここまで和気あいあいだったのが一転、シーンと静まり返る室内。
 そして沈黙を裂くように、
「信じてもらえませんか…?」
 なおも目を逸らさず、尊く問いかける白石に対し、
「だ、だって…立場も違うし…それに…俺…今までそんなこと言われたことないから…」
 とモゴモゴ言い訳がましく答える俺。
 すると白石は、いきなり…!

(…!?)

 それは一瞬の出来事…テーブルに手をついて乗り出した身体をさらに伸ばし、その白くて小さな顔が急接近してきたかと思うと、そのまま、チュッ…♪と唇を重ねてきた白石。
 硬直する俺は、たちまち今の口づけで火を焚かれたように身体中が熱くなってきた。
 そして白石は言う。
「これでもまだ信じてもらえませんか?私の気持ち…私…教官のことが、ずっと好きだったんです…」
 
 ……

 頭がぼんやりする。
 白石からの不意のキスを境に、それから数分間の記憶がない。
 そしてようやく頭がハッキリしてきた時には、俺は、いつの間にか寝床のベッドに移動し、その腕の中に白石の身体を、まるで宝物のように大事に抱きしめていた。
 重ね合う唇…常夜灯だけにして薄暗い寝室で、俺たちは濃密な口づけを交わしながら、しわくちゃのシーツに雪崩込んだ。
 この腕の中にいるのは本当に白石か…?
 湧かない実感をゆっくり現実だと認定させていく人肌の感触。
 普段から色が白いヤツだとは思っていたが、この距離で…こんな肌が触れ合うぐらいの距離で見ると、改めて、色の白さに感嘆とする。
 透き通るような美白とはまさに彼女のことを言うのだろう。
 たっぷり舌を絡め合った後、ゆっくりと離した口で、
「いいんだな?白石…」
 と、一言、確認すると、白石はコクリと頷き、訓練中さながら、
「お願いします…」
 と、こちらも一言で返事。
 それを受け、まずは緊張で震える手の平を、そっと白石の胸の膨らみの上へ。
「んっ…♪」
 触れた瞬間の押し返すような弾力に、つい、
「し、白石…お前、けっこう胸あるんだな…いつもお前を見る時は袴(はかま)だから、こんな胸が大きいなんて知らなかった…」
 と野暮なことを口に出してしまう俺。
 そんなことを口に出して言われても白石だって困るだろう。
 顔を赤らめて押し黙ったところで、徐々に揉む指に力を加えていく。

 むにゅっ、むにゅっ…♪

「あっ、んんっ…あっ…♪」
 俺の腕の中でモゾモゾもがき始めた細い身体。
 そのたびに揺れ乱れる髪の先から良いニオイが放たれ、それを嗅ぐたびに、まるで催淫効果でも含まれた香りなのか、じわじわ興奮してくる俺。
(ヤ、ヤベぇ…久々だから…ドキドキが止まらん…)
 最後に女性と交わったのは、かれこれ二年前ぐらいまで遡る…そのブランクが手つきをおぼつかなくさせるし、余計な遠慮もさせる。
 なおも胸を揉んでいたが、ふと白石が目を見てきて、
「教官…もしかして、遠慮されてますか…?」
「う、うん…やっぱり少ししてしまうな…」
 と正直に言うと、白石はまた俺の焚きつけるように口づけをしてきて、
「遠慮しないでください…もっと激しくしても、私、大丈夫なんで…その方が好きだし…」
 そう口にしてから自分でも恥ずかしくなったのか、キスに逃げる白石。
 お言葉に甘えて、試しに一度、指が食い込んで痕をつけるぐらい強く揉んでみる。
 痛がるような反応をされたらすぐにやめるつもりだったが、白石は、
「あぁんッ…♪そ、それいいッ…んぁぁッ…♪」
 と意外にもご満悦の様子。
 では、それを片方だけと言わず、両方で。

 むぎゅっ♪むぎゅっ♪

「あっ、あっ…♪は、激しいっ…♪んっ、あぁっ♪」
 豊かな乳房がニットを揺らす。
 たちまち俺は我慢できなくなり、そのニットの中に手を差し込み、邪魔なブラを捲り上げて次はニットの中で直揉み。
「んっ、んっ…♪あぁっ、んんっ♪」
 手の中に溢れる柔肉…それを楽しみつつ、時折、指の付け根にすっぽり収まる小さくて丸い突起も気になる。
 手探りでその突起を探し、親指と人差し指で捕獲。
「んはぁぁッ…♪」
 と背中を反らせて反応する白石に対し、こんな時でも、ついつい教官ヅラしてしまう俺。
「白石。お前…誰が勝手に乳首を勃てていいと言った?」
「ひぃぃッ…♪す、すいませぇん…♪あぁっ…!」
「罰として…こうだ」

 クリクリ…クリクリ…♪

「んひぃぃッ!?」
 摘ままれた乳首を転がされて好反応を見せる白石。
 その隙に大胆にニットを捲り上げてやれば、つきたての餅のようなぷるぷるおっぱいと、俺の指に捕獲されて弾みながら逃げ惑う桃色乳首がお目見え。
 みるみる硬くなっていく白石の乳首は、やがて呼び鈴の押すところのようにツンツン状態に。
 それを次はカリカリ爪の先で引っ掻きつつ、
「おい、白石…まさか濡らしているんじゃないだろうな?」
 とスカートを手繰り寄せ、覗いた内ももをスリスリ撫でながら詰問。
「ひぃっ♪ぬ、濡れてませぇんッ…♪」
「いや、さっきのことがあるから信用ならん。確認する」
 と言って、さらにスカートを手繰り寄せ、露わになったパンティの上から次は股ぐらをスリスリ、スリスリ…♪
「あっ、あっ…♪」
 股をさする俺の腕にしがみつく白石だが、その指先はほのかな湿りをしっかり確認。
「ほら見ろ。またウソをついたな、白石」
 と、突起乳首と同様、うっすらパンティに滲むシミの上をカリカリ引っ掻いて、
「これのどこが濡れてないんだ?しっかりシミができてるじゃないか」
「ち、違いますっ…!何かの間違いですぅ…!」
「間違い?果たして、そうかな?」
 そう言うのなら、パンティの脇から指を入れ、直に触れて確認するとしよう。
「あっ、あぁっ…んんっ、ダ、ダメぇっ…♪」
 膣口をまさぐる指先…ねっとりとした肉の感触はもちろん、その傍らで親指の付け根にファサファサ触れる豊富な量の毛の感触も興奮を誘う。
 そして、そこから取り出した指を白石の顔の前に示し、薄明かりの中で糸を引かせて、
「見ろ…また一つ、お前のウソが証明されたぞ」
 と意地悪な囁きをしてやると、
「あっ、んんっ…♪きょ、教官の意地悪ぅ…♪んんっ…ハァ、ハァ…♪」
 息を乱し、クネクネ美脚をくねらせながら悶える愛弟子の姿がたまらない。
「ここにも罰が必要だな」
 と、再度、指を股ぐらに持っていき、同じようにパンティの脇から中に内側にすると、ゆっくり中指の先をぬからみの中へ埋めていく。
「あっ、あっ…!は、入ってくる…♪んあぁっ…♪」
 ヌルっとしているぶん、スムーズに沈んでいく指。
 根元まで埋め込んだところで、関節を曲げ、クチュクチュと中を掻き回してやると、
「ひ、ひぃぃッ♪あっ、あっ…きょ、教官ッ!何でそんな上手いんですかぁッ…んんっ、ああっ♪」
 さすが愛弟子、なかなか嬉しいことを言ってくれるヤツだ。
 これが本音ではなく機嫌取りの忖度だと疑うのは野暮な話。
 素直に額面通りで受け取ることで責める熱が増す。
 膣を指責めにしながら、突起乳首に口をつけ、そして吸いつくと、
「ひゃんッ♪」
「さぁ、最後の訓練だ。口を縛って表情を変えずに耐えてみろ」
 と言って、吸引、指の動きともに激しくしていくと、
「あぁっ、き、教官ッ…!む、無理ですッ!あぁっ、イ、イッちゃいますぅッ…ひゃぁぁッ♪」



 ビクンッ、ビクンッ…と二回、大きく腰を跳ね上げた後、小刻みにピクピク震えながらオーガズムに達する白石。
 それと同時に、挿入した指が、きゅぅぅッ…と締め上げられた。
「ハァ…ハァ…」
 茫然とする白石。
 締めつけが緩むのを待ってからゆっくり抜き取った指は根元までヌルヌルまみれ。
 真っ白だった肌が、いつの間にかほんのり桜色。
 なおもピクピク震え続けているのを見て我に返って
「し、白石…?大丈夫か?」
 と声をかけると、
「は、はい…大丈夫です…♪」
 と返事をしたのも束の間、
「な、何か…教官って、こういう時もSなんですね…ゾクゾクしちゃった…♪」
「ご、ごめん。つい…」
 つい、お前が感じてる姿を見て興奮してしまって…とは恥ずかしくて最後まで言い切れず。
 そして白石は、乱れた息を整え、起き上がると、急に意地悪な目になって、
「じゃあ…交代♪」
「え…こ、交代…?」
「教官がどれだけ耐えられるかも見せてくださいよっ…♪」
 と言い、俺をゆっくりベッドに押し倒した白石は、まるで追い剥ぎのように俺のTシャツを大胆に捲り上げ、しなやかな指で反撃の乳首責め開始…!
 思わせぶりに乳輪をなぞる手つきに
「んっ、くっ…」
「あれ?教官…?」
 ニタニタしながら俺の顔を見つめる白石に、
「う、うるせぇ…うぅっ…」
 愛弟子の前とあって、反射的に強がってしまったが、実を言うと乳首が弱い俺。
 まだ今は乳輪とはいえ、明らかに乳首を狙ってきている手つきが興奮を掻き立てる。
 ピクピク動く胴体に、
「ねぇ、ちょっとぉ…♪まだ触ってないんですけどぉ?」
 と教官相手にニヤつく白石。
「耐えれるんですよね…?」
「あ、当たり前だ…俺を誰だと思ってる…」
「了解です…♪」
 と笑みを浮かべた白石の指が、いよいよ乳首を弄り始める。
「…く、くっ…」
 大口を叩いた手前、どうにか平然を装おうとするが、やはり小さな声が漏れてしまう。
 クリクリと半勃ちの乳首を弄る白石の指先。
 手元はノールック。
 白石の視線は、絶えず俺の顔に向いている。
 何とか誤魔化しているつもりだったが、クスッと笑った白石が、
「教官…めちゃくちゃ息荒くなってますけど…♪」
「なってないっ…なってないっつーの…」
 とっくにバレてるのに認めず、子供のように意地を張る俺。
「へぇ…♪じゃあ…♪」

 ぺろんっ…♪

「うおぉッ…♪」
 仔猫が皿のミルクを舐めるような舌遣いに、とうとう堪えきれない声が漏れた。
「ほらぁ…!しっかり反応してるじゃないですかぁ♪」
「し、してないって…!あぁっ…♪」
 唾液で濡らした乳首を指で弄られ、束の間の強がりはあっけなく終了。
 そして、
「我慢しないでくださいよ…反応してくれないと、私ヘタクソなのかなってヘコんじゃいます…」
「んっ、くっ…!おぉッ…♪」
 そう言われたのを境に声を出すのが恥ずかしくなくなった俺は、そこから一転して、白石の舌遣いに悶えた。
 ねっとりとした巧みな舌技…常夜灯でかすかに見える白石の表情は絶えず優しい笑顔だった。
 むず痒さと心地よさでジタバタ動いてしまいそうな身体を、しっかり上からホールドする白石。
 そのスベスベの肌との触れ合いひとつとっても、
(た、たまんねぇ…♪)
 と、徐々に高まる興奮が隠せない俺。
 やがて、俺の両乳首を難なく隆起させてみせた白石が次に狙うのは、当然、股間。
 乳首を離れ、舌をつけたまま股ぐらを目指してゆっくり下降している間に、先回りしてスリスリと股間をさする手。
 途中で舌を離し、クスッと笑みをこぼした通り、既にスウェット越しでもギンギンに勃っているのが分かる。
 そして、遅れて舌が到着する頃合いを見てスウェット、パンツをまとめて引っ張り下ろし、脱がす白石。
 バネ内臓のごとく勢いよく飛び出したイチモツは、早速、着いたばかりの舌でペロペロと舐められる。
「あぁっ…んっ、くっ…し、白石…あぁっ…」
「どうですか?教官…気持ちいいですか?」
 と、舐めながら上目遣いで問う白石に対し、もはや強がりは不要。
 うんうんと頷き、
「気持ちいいよ、白石。最高だ…」
「最高だなんて…嬉しいです♪」
 少し照れつつ、より熱が入る白石のフェラ…。
 先端を円を描くようにして舐め、そしてそのセクシーな唇を開き、ゆっくりと頬張っていく。
 チュポ、チュポ…と顔ごと上下させる音…時折、髪を耳に掛け直すのがたまらなく色っぽい
 そして白石は、
「教官…何か他にしてほしいことありますか?」
「し、してほしいこと…な、何だろな…うーん…」
 考えるフリをしたもののが、実際は、一つ、真っ先に思い浮かんだことがある。が、それを口にするのが恥ずかしい。
「…特にないですか?」
「…じゃ、じゃあ…」
 俺は、赤面を堪えて、

「む、胸で…その胸で、俺のチンチンを挟んでくれないか…?」

 なんともマヌケな要望…。
 言った瞬間にやっぱり恥ずかしくなって、
「ご、ごめん。変なこと言って…嫌なら全然…」
 と慌てて取り繕うが、白石は首を振り、
「教官が望むことなら…♪」
 と、俺の尻の下に太ももを入れ、腰を浮かせたところに自慢の美巨乳を用意。
 潤滑油の代わりに唾液を垂らし、そして、真っ白な柔肉二つで俺の竿を左右から包み込む。
「おぉッ…♪」
 すごく優しく、何とも心地よい圧迫…。
 性に目覚めた頃から憧れた、このパイズリという技だが、実を言うと、体験願望こそあったものの、実際にしてもらうのはこれが初めて。
 今まで交際してきた女性に頼んだこともあったが、サイズが足りないと言って断られたり、ドン引きされて変な空気になったり…。
 そんなこんなで念願の初体験となった今夜。
 感想は率直に、
(た、たまらん…♪)
 この一言だ。
 なおも献身的にズリズリと摩擦奉仕を続ける白石。
「どうですか…?私…上手く出来てますか?」
 と本人は自信なさげだが、とんでもない。
(ヤ、ヤバい…で、出ちまいそうだ…)
 体内で高まってくるモノを感じた俺は、ゆっくり身体を起こし、再度、白石の身体を抱きしめた。
 このまま白石の胸の中で発射してもよかったが、なぜか今は、一回でも出す前に…体力がマックスの状態で白石と繋がりたい…無性にそんな気分だった。
 抱き合いながら、耳元で、
「白石っ…俺、もう我慢できないよ…」
 と本音を吐露すると、白石は頷いて、
「私もです。教官…♪」
 その言葉を聞いて、そっと白石の身体を仰向けに寝かせた俺。
 緊張する手でパンティを下ろすと、白い美脚の両膝に手を置き、ゆっくりと左右に開く。
「やぁっ…♪」
 と思わず恥じらいの声を上げた白石、御開帳の瞬間。
 キレイな土手…均整のとれた陰毛…そしてキラリと光沢が光るピンク色の秘肉…。
 折って開いた脚の間に腰を入れ、欲しがる割れ目に竿をあてがって、
「し、白石…いいんだな?本当に…」
「…はい…♪」
 その返事を受けて、まずは切っ先から、ゆっくりと押し込む。
「んんッ…♪」
 ピクッと眉が動き、つま先がピンと伸びた白石。
 そのままゆっくり腰を押し当て、奥へと滑らせていくような感覚で挿入。
「あっ、あっ…んんっ♪きょ、教官ッ…♪教官の、大ッきい…♪」
「白石…お前の中だって…すごく熱いぞ…おぉッ…♪」
 ウネウネまとわりつき、竿を締めつけてくる膣肉。
 やがて根元まで入ったものを、一度、抜いてきて、再度、奥へ。
 そのスローピストン一回ごとに、
「あぁんっ…♪ひ、ひぃぃっ…♪んあぁッ…♪」
 と色っぽい声を漏らし、シーツを鷲掴みにする白石。
 その手を掠め取るようにして手を繋ぎ、
「痛かったら言えよ。すぐ止めるから…」
 とだけ言って、じわじわとピストンを速めていく俺。
 うんうんと頷いた白石は、俺の手をぎゅっと握り返しながら、
「あっ、あっ…♪んんっ、あぁっ♪す、すごいッ…んあぁっ♪」
 セクシーな悶え顔…右へ左へせわしなく首を動かし、それに合わせて振り乱れる長髪と乳房。

 ぐじゅっ、ぐじゅっ…♪

 と腰を突き挿れるたびに奏でられる粘っこい濁音。
 膣内がみるみる滑らかになり、ピストンもようやくリズムに乗ってきたというところで、
「あぁっ、きょ、教官ッ…!わ、私ッ…イッちゃいそうです…あぁっ、イ、イクっ♪イクぅぅッ…♪」
 膣痙攣とともに自然と身体を丸めた白石。
 俺が黙ってそのイキ様を見下ろす中、白石は、
「ハァ…ハァ…♪」
 と額に汗の粒を浮かべて息を乱し、それが落ち着くと、
「やぁっ…!そんなまじまじと見ないでください…は、恥ずかしい…」
 と顔を覆う。
「イッたのか?白石」
「は、はい…教官の腰遣いが気持ち良すぎて…ごめんなさい、私だけ…」
「いや、それはいいんだが…」
 イッた瞬間の膣の締まり…これが相当のモノだった。
 早くも、もう一度、今の締まりを味わいたくなってしまった俺は、
「し、白石…もう一回いいか…?」
「はい…教官が…教官が気持ちよくなれるまで、何度でも突いてください…♪んっ、あぁっ♪あぁぁッ♪き、気持ちいいぃッ♪」
 ピストン再開に最高の反応を示す白石。
 思わずここが教官たちの宿舎だというのを忘れてしまう最高のセックス。
 正常位だけでは飽き足らず、バック、対面座位、添い寝バック、腰浮かせ正常位、立ちバック…。
 矢継ぎ早にいろんな体位で交わり、そして最後は、
「白石、上に跨って動いてくれよ」
「わ、私…?やぁっ…は、恥ずかしい…」
「頼むよ。俺が自分でイクよりも…白石にイカされたいんだ…」
 と、取ってつけたようにことを言って促すと、白石は、
「わ、分かりました…教官がそう言ってくれるのなら…」
 と、モゾモゾ体勢を変え、仰向けに寝転がった俺の上に跨る白石。
 一度、躊躇したわりには、両膝をシーツにつけ、腰のくねりだけで踊るレゲエダンス風の騎乗位を見せ、見事に俺を圧倒。



 高まる快感に表情を歪めつつ、ふと見上げれば、ボンボン弾む美巨乳…そして恍惚に酔いしれる美しい御尊顔…。
「あぁっ、き、気持ちいい…♪んんっ、と、止まんないッ…!腰が止まんないですぅッ…!」
 と訴え、そのまま、
「あぁっ、イクっ!またイッちゃうッ!んひゃぁぁっ…♪」
 と絶叫して果てる白石。
 そして、そんな「男殺し」と形容してもいい凄まじい腰にキレに、たまらず俺も、
「あぁっ、し、白石ッ…!で、出るッ…出るッ!あぁっ、イクっ!」
 さすがに中に出すのはまずいと、余韻に浸る白石の腰を慌てて持ち上げ、結果、自分の腹の上に大量にぶちまけた俺。
 間違いなく俺の人生で一番気持ちいいセックス。
 それを証明するように、勢い余って首筋まで飛んだ精子の飛沫もちらほら。
「はぁ…はぁ…」
 息が乱れ、放心状態の俺。
 そして最後は、白石が、俺の胴体に飛び散った精液を下から順に舌で舐め取って掃除してくれて、この夢のようなひと時は終了。
 起き上がる気力もないまま、仲良く添い寝をする中で、
「なぁ、白石…?」
「はい…?」 
「何で、俺なんかと、こんなことまで…?」
 と相変わらず野暮なことを聞いてしまう俺に対し、白石は少し間を置いてから、、

「私…この訓練学校を巣立つ前に、何か一つ、思い出が欲しかったんです…この訓練生として過ごした期間を忘れないための思い出…教官なら、それを作ってくれそうだと思って…」

「……」
 果たして、白石の思い描いたようないい思い出を作ってやることが出来たかどうかは分からない。
(もしかしたら、逆に、二度と思い出したくないような嫌な思い出になってしまった可能性も…)
 そんな不安が、白石が服を着直し、帰っていくのを見送った後も俺の中で、どこかモヤモヤしたものとして残った。


 それ以来、白石とは会えていなかったが、ふいに、その不安が解消される出来事があった。
 一年後…つまり翌年のクリスマスイブ。
 白石たちの次の代の修了式も終わり、また、あの頃と変わらず、冷凍枝豆と冷奴で一人晩酌しようと宿舎に戻った寒い夜のこと。
 何の気なしにポストを覗くと、一通の手紙が届いていた。
 差出人のところに「白石麻衣」の文字。
 手紙の内容自体は特に他愛もない近況の報告で、そこにありきたりな「寒い日が続きますので身体に気をつけて」とか「よいお年を」などの定型文が付けられているワケだが、最後の結びに、

<今でも、時々、教官と過ごした日々を思い出す時があります。そのおかげで、今、新しい環境の中でも自分らしく頑張れています。>

 と一文が添えられていたことで、ようやく…あれから一年越しにやっと、モヤモヤが晴れた気がした。
 ホッとした。が、ホッとしたら途端に腹が減ってきた。 
 冷凍枝豆と冷奴じゃ物足りない。
(…よし、ぺペロンチーノでも作ってみるか)
 ふと、記憶を頼りに、あの味を再現してみたくなった。
 俺にとってクリスマスはケンタッキーフライドチキンより、ニンニクの効いたぺペロンチーノの方が思い出の味だから。


(おわり)

鰹のたたき(塩) ( 2022/12/25(日) 05:16 )