鈴木絢音との一夜
シャァァァ…
かすかに聞こえるシャワーの音。
生まれて初めて入ったラブホテル。
大緊張の俺は、ベッドのへりで、まるで石像のように固まっていた。
ドクン、ドクン…と脈打つ心音がハッキリと分かる。
その鼓動は今まで経験したことのないような速さだ。
やがて、ずっと聞こえていた水音が止み、カチャッ…と、バスルームの戸が開く音がした。
ぎこちなく、音のした方へ顔を上げると、そこには髪を湿らせ、バスタオルで身体を隠した絢音さん。
石像と化している俺を見て、クスッと笑い、
「緊張してるの?」
「は、はい…」
「ふふっ、可愛い…♪」
と微笑みながら俺の隣へ。
数時間前の初対面…グイグイ系のセクシーお姉さん、純奈さんの隣でちょこんと座っていた時とは顔つきが変わっていた。
今じゃ、この人の方がよっぽどセクシーお姉さんだ。
絢音さんは、魅惑の眼差しで俺を見て、
「私とキスしたいって言ってたよね…♪」
「…は、はい…」
ヘビに睨まれたカエルのように身体が動かない俺の肩にそっと手を回す絢音さん。
洗いたての髪からシャンプーのいい香りが振り撒かれ、ドキドキを助長する。
耳元に口を寄せ、
「初めてが私で本当にいいの…?」
と囁く絢音さんに、
「も、もちろんっ…いや、むしろ…絢音さんがいいです…」
「そうなんだ。ふふっ…可愛い♪」
耳元で笑み、そして、そのまま耳たぶに口づけ。
そこから、
チュッ…♪チュッ…♪
と小刻みに触れる唇の感触が頬を伝って口元へと下りてくる。
そして…。
チュッ…♪
唇に触れた絢音さんの柔らかい二枚貝に俺のドキドキも最高潮。
そして、感慨に浸るヒマもなく、巧みな重ね方で俺の口を開かせて間髪いれずに舌を侵入させてくる絢音さん。
「んっ…んっ…」
どうしていいか分からず戸惑う俺に対し、一度、舌を抜いた絢音さんは、
「恥ずかしがらないで…上手い、下手とかどうでもいいから夢中になって…?」
と言って、再び舌をねじ込む。
アドバイスを受け、恥を捨てて自分からも舌を絡めにいく俺。
ズチュッ…ズチュッ…
と不器用な濁音が響くが、嫌がる様子もなく、優しく受け入れてくれる絢音さん。
気付けば俺は絢音さんの華奢な身体を抱きしめていたし、絢音さんも俺のモヤシみたいな身体に手を回していた。
そして、ゆっくりと口を離す二人。
「…ヘ、ヘタクソですいません…」
と謝る俺に、首を振って微笑み、
「大丈夫。これからどんどん上手くなるから自信を持って」
と励ますと同時に、スッと俺の手を取ってバスタオルに隠された胸元へ誘導する絢音さん。
これもまた今まで触れたことのない柔らかな感触。
「小さいとか言ったら怒るからね…?」
と、一言、釘を刺し、誘導を解いて続きを任せてくれる。
ぶっちゃけ、まだ俺には大きさのことは分からない。
ただ、心地よい手ざわり…触ると止まらない柔らかさ…これが女性の胸の感触だと、しっかり頭に刻み込む。
そして何より、指先に力を込めるたび、
「んっ…♪んんっ…♪」
と吐息を漏らす絢音さん。
本当にAVやエロ動画の通りだが、これを生で聞く臨場感は、それらから得る性的興奮を遥かに凌駕した。
俺の首に手を回し、
「いいよ…そう、もっと…♪」
と囁く絢音さんに言われるがまま、バスタオルの上から夢中でガシ揉み。
やがてバスタオルははだけ、絢音さんの美乳とその先端の小さな突起が露わになって俺の興奮はさらに増す。
俺は、興奮のあまり、鼻息を荒くしながら、
「こ、ここも触っていい…ですか…?」
「うん…♪あっ…んんっ、そ、そんないきなり摘まんじゃ…んんっ♪」
BB弾ほどの小さな突起をどうにか摘まみ上げ、転がして指の腹で刺激する。
まだ女体の扱いを知らない俺は、まずは周囲からなぞって徐々に性感を高めて…という段階を知らない。
全てはAVの見様見真似だ。
それでも、幸い、何とか絢音さんの可愛らしい反応は引き出せている。
「あ、絢音さん…き、気持ちいいですか…?」
と聞くと、
「もぉ…♪初めてのくせに生意気…」
と言いつつ、満更でもない様子。
むしろ仕返しに、俺の乳首を狙ってシャツの中に潜り込む絢音さんの手。
あっさりと見つかり、ゴシゴシと擦られ、指先で弄られる俺のウブな乳首。
「あっ…うぅっ…」
「アハハ、君だって敏感じゃん…♪」
と楽しそうに笑う絢音さん。
そのまま自然とシャツを脱がされ、二人で向かい合って乳首の弄り合い。
「あんっ…♪んんっ…」
「うぅっ…んっ、んっ…」
電撃のような刺激に耐えながら、ひたすら絢音さんの乳首を摘まんで転がす俺。
まだそれしか能がない俺に対し、絢音さんはスッと俺の股間へも手を伸ばしてきた。
卑猥な手つきで撫で回して、
「んー…?何か固いなぁ…?何でかなぁ…?」
とイジワルな流し目で俺をドキドキさせて、
「ここも触ってほしい?」
「は、はい…触ってほしいです…!」
と、もはや完全に言いなりの俺。
そして完全に空間を支配した絢音さんは、
「触ってあげてもいいけど…その前に、一つ、お願いがあるんだよねぇ…♪」
「お、お願い…?何ですか…?」
この状況でいったい何を頼まれるのかドキドキする俺に、
「あのね…実は…」
と、静かに自身の意外な性癖をカミングアウトし、あるリクエストを耳打ちをする絢音さん。
それを聞いた俺は瞬時に顔が真っ赤になった。…が、なぜか不思議と、断ったり、嫌がったりする気にはならない。
見た目とのギャップに興奮し、そして、恥じらいよりも、その先に進みたい欲が勝ったからだ。
「わ、分かりました…」
と手を止め、絢音さんの前に仁王立ちになる俺。
自らベルトを外してGパンを、そしてパンツを下ろし、初めて女性の前で性器を晒す。
息を飲んで見守る絢音さんに、
「じゃあ…見ててください…」
と固い表情で開始を伝え、自らのイチモツを握る俺。
そして、目の前の絢音さんを凝視しながら、ゆっくりその手を前後に動かし、竿を扱く。
「んっ…あぁっ…♪くぅっ…!」
徐々に速くなる手つきに合わせて、漏れる息も荒くなる。
普段しているセンズリを妙齢の女性の前で披露する恥ずかしさもさることながら、それをしっかり凝視する絢音さんの視線にゾクゾクする。
(み、見てる…めっちゃ見られてる…)
それを実感することで自然と手の速度も増し、普段、夜な夜な一人でするよりも気持ちいい。
「ハァ…ハァ…!」
そそり勃つ竿を猿のごとく扱く俺に、
「ねぇ…今、誰のこと考えてシコシコしてるの?」
「も、もちろん…絢音さん…です…」
と今の気持ちを素直に言うと、絢音さんも満更でもない様子。
「じゃあ、私もお礼しなきゃね…♪」
と腰まで落ちたバスタオルを完全に取り払い、M字開脚を披露する絢音さん。
(うぉぉぉっ…!)
初めて生で見る女性器…オマンコ。
しなやかな脚のラインも、キレイに生え揃った陰毛も含めて、とにかくそそるの一言。
やがて、俺の情けないセンズリを鑑賞しているうちに
「私も興奮してきちゃった…♪」
と呟き、絢音さんも俺の目の前でオナニーを始める。
「あっ、んんっ…♪んっ、んっ…」
「ハァ…ハァ…ハァ…!」
向かい合って、お互いの自慰行為を目に焼きつけながらの相互オナニー。
特に絢音さんは、俺が自らの竿を扱く手つきを穴が開くほど凝視して、
「す、すごい…♪クチュクチュいってる…♪いやらしいお汁がいっぱい…♪」
と、うわ言を漏らしながら自身の股を卑猥に擦り上げる。
一見、大人しそうな顔をしている絢音さんに、まさかこんな性癖があるとは、人は見かけによらないものだ。
しまいには、
「ねぇ…もっと近くに来て…?私の目の前で見せて…!」
と言い出す始末。
言われるがまま足を進め、そのまま絢音さんの鼻先に亀頭が当たるぐらいの距離で見せつける俺。
「はぁ…はぁ…♪す、すごい…気持ちよさそう…♪」
と虚ろな目でガン見する絢音さんは、とうとう舌を出し、首を伸ばして、拳から飛び出る亀頭をチロチロと舐め始めた。
「あっ…ううっ…♪」
普段、空気にしか触れていない竿の先端に当たる生温かい舌の感触に、思わず腰が引ける俺。
そのへっぴり腰を、
(逃がさないわよ…!)
というように抱き寄せ、そのまま亀頭にむしゃぶりつく。
「うぁぁっ…!」
初めて味わう感触に、つい、前屈み。
そのまま上目遣いで、
(止めないで…?そのままシコシコし続けて…?)
と目で訴える絢音さんに従い、手は止めない。
そうすると、その先に待つ結末は一つ。
「あぁっ、で、出るっ…出ちゃいます…!」
と予告し、ラストスパートに入る俺。
一旦、口を離した絢音さんは、その小さな口を目一杯開けて、亀頭の前に顔を構えた。
そこへ、
「くっ…で、出るっ!うっ、うぅっ…!」
ドピュッ…!ドピュッ…!
二連撃となった俺と白濁ミサイル、まずその核弾頭が絢音さんの口の中へ消え、続いて第二撃が、下顎、頬へと着弾し、首筋に垂れる。
絢音さんの美しい顔が、あっという間にザーメンでコーティングされ、卑猥な仕上がりに変わると、
「ハァ…ハァ…♪」
と、犬のように舌を出して受け止めた絢音さんは、少し余韻に浸った後、満足げに笑みを浮かべ、
「すごいよ、この量…♪めっちゃかかった…」
「す、すいません…つい…」
「ううん…いいの」
と言って、口の周りをぺろりと舐めた絢音さんは、
「ほら、寝て?お返しに私が跨ってあげる…♪」
と不敵に微笑み、俺の肩を突いた。
そのまま射的の人形のようにベッドに倒れる俺に、素早く跨った絢音さん。
「いい…?童貞、卒業させてあげるからね…♪」
「お、お願いします…うっ、うがぁぁっ…!」
ぐじゅっ…♪と卑猥な濁音を残して、あっさり捕食された俺のイチモツ。
思っていたよりもあっけない童貞喪失の瞬間。
女性のマンコというのは思っていたよりも熱く、そして思っていたよりも締まる…!
「あっ!んんっ、んんっ…♪す、すごいっ…出したばかりなのにまだ固いぃっ…♪き、気持ちいいっ♪」
と、髪を乱し、俺の上で激しく悶える絢音さん。
下敷きの俺はされるがままで身を任すのみ。
絢音さんの腰は変幻自在で、激しい上下のバウンドからクネクネと円を描くローリング、そして極めつけはクイッ、クイッ…♪と土手を押しつける密着グラインドで緩急をつけて俺のチンポを鍛えてくれる。
「あっ、イ、イクっ…イクぅぅっ…!」
と、一足先に天を仰いで声を上げる絢音さん。
ビクビクと身体を反らした瞬間、俺のチンポを締めつける膣肉も同時にキュゥゥ♪と締まり、ザラザラした肉が絡みつく。
たまらず、
「くっ…!」
と歯を食い縛り、釣られて高まった射精感を必死に抑える俺。
危うく暴発で中出ししてしまうところだった。が、そんな理性の制止をもろともせず、イッた直後で即、再稼働する絢音さんの腰遣い。
「んっ、くっ…あ、絢音さんっ…」
とストップをかけようとする俺を無視して、
「はぁっ、んんっ…もっと…!もっと気持ちよくなろぉ…♪」
と没頭する絢音さん。
(くっ…!す、すげぇ…こ、これがセックスか…や、やべっ…き、気持ちよすぎる…!)
苦節二十年。
ようやく訪れた念願の初体験は、年上のお姉さん…それも、清楚に見えて実は酔うと変態チックなお姉さんのイッても止まらないエンドレス騎乗位だった。
……
翌朝。
精魂尽き果てて深い眠りに落ちた俺が目が覚ました時に、絢音さんは既に姿を消していた。
残されていたのはまだほのかに部屋に残るオトナの色香と、テーブルの上の書き置きのみ。
そこには、ただ一言、
<昨日はごめんなさい。私のことは忘れて下さい>
と記された殴り書きのみ。
これが俗に言う「ワンナイトラブ」というヤツのようだ。
(忘れて下さい…か)
別に口外する気もないし、追いかけ回るつもりもない。
ただ、忘れるというのは残念ながら無理だろう。
なぜなら、昨夜の出来事は、これまでの人生の中で最も刺激的な夜…これからしばらくオナニーのオカズとして使わせてもらうからだ。
以上、これが冷静沈着なミステリアス捜査官…鈴木絢音のプライベートアクトだ。
(おわり)