乃木坂抗争 ― 辱しめられた女たちの記録 ―





























































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第四部 第十章・山下美月、みたび…
6.感じる先輩、感じる後輩
 シーン2。
 先ほどまでと一転、怜奈の表情も少し緊張気味だ。
 それをセット裏から無理やり見学させられている美月は、今作が怜奈のデビュー三作目で、『元・女捜査官AV女優、山崎怜奈 はじめてのアナル体験』というタイトル、コンセプトすら知らない。
 そんな後輩の目から見ても分かる怜奈の緊張感に、美月自身も、
(な、何が始まるの…?)
 と緊張してきた。
 そのせいで、いつの間にか、声を上げたり、身体を揺すったりする努力も止めてしまい、これから目の前で繰り広げられる光景を、ただ、
(ごくっ…!)
 と、息を飲んで眺めるのみ。
 男優が現れた。
 さっきの前戯の男とは別の男だ。
 妙に慣れた様子で、マットレスの上にちょこんと座る素っ裸の怜奈の横にポジションを取り、
『じゃあ、早速、始めていこうか』
 と囁く。
「は、はい」
「まずは、もう少しリラックスしてもらわないと…♪」
 と、怜奈の胸に手を伸ばす。

 むにゅっ…むにゅっ…

「んっ…んんっ…♪」
 デビュー以来、すっかり感度の上がった怜奈の美乳。
 それを触って高揚させることなど、プロの男優にかかれば朝飯前。
 やがて、
「ふぁぁっ…♪あぁっ、んんっ…♪」
 身体の力が抜けたのか、身を預けるように男優にもたれかかる怜奈。
 肩にかかる髪がファサファサと揺れ、真っ白な肌に目に見えて赤みがさす。
 その変化をマジックミラー越しに眺める美月が浮かべる羨望の眼差し。
(ハァ…ハァ…♪)
 と再び息を荒くして、しがみつく木馬の上でモゾモゾと身体を波打たせる。
「どれどれ…どんな具合かな?」
 と怜奈の股ぐらに指を這わせる男優。
 合間に一度は拭き取った筈のヌメりが再び溢れ、男優の指先に絡む。
 男優はクスッと笑って、
「一応、痛くないようにローションも用意してるんだけど…ここから拝借すれば必要ないな」
「━━━」
 ローションに代用できるほど愛液が止まらないことを揶揄され、さすがに少し恥じらう怜奈。
「じゃあ、カメラにお尻を向けて四つん這いになって、腰を突き出して」
 と指示され、言われた通りに体勢を変える。
 男優に、そして、カメラに向けて突き出す美尻。
 それによって怜奈の顔は反対側、美月の方を向くことに。
 マジックミラー越しに目が合ってるかと錯覚するほど真っ正面。
 そして、
「リラックスしてね〜、ゆっくりほぐしていくからね〜」
 と男優が優しい口調で言いながら、怜奈の尻肉をグッと拡げ、現れたアナルを指先でなぞる。
「…んっ…ひゃぁっ…」
 眉を寄せて小さく声を上げる怜奈と、その表情を目の当たりにして、静かに息を飲む美月。
 突き上げた尻の山越しに男優の指がクネクネ動くのが見える。
 そして、それに合わせて表情が強張る怜奈。
「あっ、んんっ…んっ、んっ…」
「よーし。じゃあ、軽く指を挿れるね」
 と、割れ目から掬った潤滑油を馴染ませ、突き立てた指をゆっくりと尻穴に埋め込んでいく。
「んっ…んんっ…」
 力むように歯を食い縛る怜奈。
 かつて、あの強制契約拷問の際に尻穴に指で弄られた経験があるが、それ以来の尻穴への刺激。
 今回の作品は、設定上、アナルへの刺激は全て初体験というテイでの撮影だが、実際のところ、あれから時間も経ってどんな感覚だったか忘れつつもあるので本当に初体験同然だ。
「あっ…!んんっ…ひ、ひぃっ♪」
「どう?指がお尻に突き挿さってるの分かる?」
「う、うん…わ、分かる…」
「どんな感じ?」
「へ、変な感じ…あ、脚が震えちゃう…!」
「いいよ、もっと震えて。恥ずかしがらずに」
「んんっ、んんっ…」
「ほら、自分でお尻を広げて、指が入ってるところをカメラに見せつけて」
 と指示され、ゆっくり自らの尻肉を開く怜奈。

 

「あっ、あっ、あっ…」
 埋め込まれた指の絶妙な刺激に、小刻みに声を上げながら静かに受け入れる怜奈。
 そして、そんな怜奈の表情を見て、興味津々の美月。
(お、お尻…お尻って気持ちいいの…?したことないから分かんない…)
 木馬の首の脇から顔を出し、覗き見するように目の前のプレイを眺める美月は、やがて、自分でも気付かぬうちに自然と身体を揺すり、馬の背中に股を擦りつけていた。

 ズリ…ズリ…

 と革張りの馬の背に股が擦れるたび、
「あっ、んっ…んんっ…♪」
 と狭い密室の中、甘い吐息を漏らす美月。
 目の前に広がる光景…秀才キャラだったインテリの先輩が犬のように四つん這いになり、尻穴をほじくられて感じている姿をオカズに、美月も擦りつけオナニーの開始。
「はぁっ、はぁっ、んんっ♪」
 たちまち、ギシギシと軋む木馬。
 手枷、足枷で固定された身体をナメクジのように木馬の背中で這わせて精一杯の快楽を得るという何ともはしたない画。
 そして、その様子を監督椅子の片桐からひそかにモニタリングされていることも、当然、知らない。
(ホ、ホントは…ホントは指で触りたいけど…)
 と、もどかしい思いをしつつも、妖艶に動く身体はもう止まらない。
 それと競り合うように、肝心のオカズの方もノッてきた。
「んひぃぃっ!?ふ、深いぃっ♪」
 ピンと伸ばした中指をグリグリとねじ込まれ、思わず仰け反って四つん這いのまま天を仰ぐ怜奈。
 まるで遠吠えするオオカミ。
 じわじわ滲み出た汗で怜奈の髪が濡れてセクシーを助長し、白い肌もテカる。
「よし。じゃあ、次はオモチャを使っていこうか」
 ガチャガチャとアナル責め用の玩具を広げる男優。
「ほら、見てごらん」
 と背後から手を伸ばし、四つん這いの怜奈の顔の前に用意した玩具を次々と示し、
「こんなのとか…こんなのとか…ほら、こんなのもあるよ。どう?ワクワクするでしょ〜?」
 と、ニヤニヤしながら順にプレゼン。
 その紹介の対象は怜奈だけではない。
 マジックミラー越しの美月もだ。
(す、すごい…あ、あんな太いの…本当にお尻に入るの…?)
 というようなものまである。
 それを見ているうちに、だんだん美月も、お尻がむず痒くなってくる…。
「じゃあ、まずは…これぐらいのモノから使っていこうか」
 と、手始めにボールペンほどのアナルスティックを手に取る男優。
 これにも割れ目から垂れ流される愛液をたっぷりと馴染ませ、怜奈のヒクヒクする菊門にあてがう。
「行くよ?力を抜いてね〜」
「は、はい…あっ、んっ…!んんっ…!」
 いきむように眉を寄せ、グッと唇を噛んだ怜奈。
 その何とも言えない悩ましい表情に釘付けの美月は、背後の立て付けの悪い戸がゆっくり開かれたことも気付かない。
 顔を覗かせ、静かにニヤリと笑った片桐の使い魔はシーン1で役目を終えたAV男優。
 鑑賞に夢中の美月の、木馬にしがみついて突き出した無防備な小さな尻にスカートの上から手を置くと、
(なっ…!?)
 ぎょっとして振り向き、堰を切ったように身体を揺すり始める。
 それを抑えるようにポンポンと尻を叩き、
「気にせず続けなよ。擦りつけオナニー…♪」
(くっ…コ、コイツ…い、いつの間に…)
 と、すっかり後方への注意が散漫だった自分を恥じるとともに、
(ま、まさか…見られてた…!?くっ…わ、私としたことが…)
 と、ここまでの“卑猥な自主摩擦”を見られていたことに頬を染める。
 意欲を失くしたように、途端に制止する身体。
「…ん?どうしたの?やらないの?」
 とニヤニヤする男優に、
(す、するワケないでしょ…み、見世物じゃないんだから…!)
 と意地を張る美月だが、
「ふーん。しょうがないなぁ…じゃあ、こうしてあげよう…♪」

 ガラガラ…ガラガラ…

(んんっ!あぁっ…!)
 唐突に発揮される木馬についたキャスターの利点。
 狭い覗き部屋を出し入れするように、引っ張り出し、また押し込み…引っ張り出し、また押し込み…を美月を乗せた木馬を前後に転がす男優。
 その覗き部屋とスタジオの床の間にある微妙な段差をキャスターは難なく乗り越えるも、その衝撃が上に乗る美月の股間にダイレクトに伝わってしまう。
(あっ、こ、擦れるっ…アソコに擦れるぅっ♪んひぃっ!?)
 まだ痺れが残る舌で声こそ上げないが、そのぶん、
「ハァ…♪ハァ…♪」
 と吐息が漏れ、為す術なく馬の首にしがみつく美月。
 もし、この出し入れをもう少し乱暴に、激しくされたらもっと感じてしまうだろう。
 だが、決してそうはしない男優。
 焦らすというよりは、本番中の撮影にキャスターを転がす雑音が入ることを考慮しているようだが、それも、美月にとっては単なる焦らしでしかない。
(くっ…うぅっ…!んっ、んっ…)
 一定の快楽は生むものの、明らかに足りていない刺激。
「ほら、見てごらん。キミの先輩…さっきのより太い二つ目の玩具を試してるよ」
 と言うので目をやると、また怜奈の顔が苦悶に満ちていた。
 ズブズブと尻穴に埋め込まれる二つ目の玩具、アナルパール。
 挿入した状態で円を描いたり、抜き挿しをしたり、いいように弄ばれ、そのたびに怜奈は、
「あぁっ…んんっ、あっ、あっ…は、入ってくるぅっ♪んんんッ♪」
 と悶絶。
 その戸惑いと快感の交差する悩ましげな表情が、美月の目に飛び込むたび、
(れ、怜奈さん…お願いっ…その顔しないで…!その顔を見たら…わ、私も触発されちゃうからッ…!)
 と、マジックミラー越しに念じるも、当然、そんなものは届く筈がない。
「よし。じゃあ、次は電動だ!」
 と、今、挿入していたアナルパールを引っこ抜き、形はほぼ同じだが、そこに振動やうねりを機能に追加した電動アナルパールと差し替え。
 いつの間にか難なく異物を呑み込むようになった怜奈の尻穴。
 グリグリと連なった球体が一個ずつ呑み込まれ、つっかえたところでスイッチオン。

 ブィィィィ…!

「んひぃぃっ♪」
 再び仰け反り、天を仰いだ怜奈。
 細かな振動音とともに本体が震え、そして男優が手放した柄の部分が突き挿さったまま円を描くと、それに合わせて、
「おぉっ…♪んほぉっ…♪」
 と、今までにない野太い声で喘ぐ。
「いいね、いいね。じゃあ、その顔をカメラに見せてみよう」
 と、怜奈の四つん這いを反転させ、カメラにはしたない悶え顔を晒す男優。
 反転…それは、つまり、これまで顔を向けていた美月の方に尻を向けるという意味だ。
(え…す、すごっ…!)
 円を描くアナルパールの柄と、それを根元まで咥え込んだ怜奈のアナル…締まる尻肉と、その少し下、太ももまで愛液を垂らす美マンに思わず見とれてしまう美月。



 そして、その美月も、
(あんっ♪んんっ、あぁっ…♪)
 と、思わず脳内で艶やかな声を上げる。
 背後の男優の指が、スッ…スッ…とスカートの中、パンティ越しに股ぐらをなぞる。
 既にぐしょぐしょの股間から股下を通って尻の割れ目まで。
 そして、ちょうど尻穴のあたりに指を立て、ドリルのようにクリクリとねじって、
「ほら、ここ…♪」
(あぁ…そ、そこは…!)
「フフフ…ここが、今、キミの先輩が目の前で責められて悶絶してるところだよ」
 と、木馬の上の美月に囁く男優は、続けて、
「キミの方も開発しがいがありそうだな?あとで僕が、あの男優さんに頼んでおいてあげようか?この娘も開発してあげてくださいって。どうする?ねぇ?」
 とピストルのように構えた指ドリルでパンティ越しに美月の尻穴を嬲る。
(あっ、や、やめてっ…そ、そこは私もまだ…未経験…!)
 と脳内で抗議しつつ、それに乗じて腰が止まらない美月。
 くすぐったいフリをしながら、またもズリズリと馬の背中に股を擦りつける始末。
 既にパンティには恥ずかしいシミが大きく広がり、おそらく男優も確認済み。
 だが、それでも構わず、止まらない腰を振り続け、
(あぁっ♪んんっ、き、気持ちいいっ…♪ダ、ダメ…腰が止まんない…!ま、真後ろに男がいるのに… み、見られてるって分かってるのにぃっ…♪)
 続けるうちに、徐々に、この不自由な体勢の中で可動域を掴み、より的確に股ぐらを馬の背に擦りつける美月。
 もはや背後は見れない。
 目をやるのは、目の前の怜奈の尻。
 そしてクネクネとうねりを見せるアナルパールの実物リアルオカズ。
 しまいにはバウンドするように身体を打ちつけ、まるで正常位でラストスパートをかける男のように浮かせた腰を高速で擦りつけて、
(あっ、あっ…イ、イクっ!ダメっ、このままイッちゃいそうっ!あぁっ、ヤ、ヤバいっ!ヤバいよぉっ♪イ、イクぅぅぅっ…♪)



 痺れた舌のまま絶叫し、背後から見られているのも構わずにオーガズムへ!…は辿り着けなかった。
「おっと…♪」
 あと少しというところで、美月のパンティのゴムを尻のところで掴み上げ、木馬と股間の接地面を離す男優。
 すっかりイク気マンマンだった美月は頭が真っ白になりかけたすんでのところで現実に戻され、思わず、
(な、何で邪魔するのっ!?今、イキそうだったのにッ!)
 と脳内で不満を叫ぶ。
 下ろしてくれとばかりにジタバタする身体。
 望み通りに下ろしてもらうと、すぐさま、また股間を擦りつけるも、イク寸前で再び腰を持ち上げられてお預け。
「ダメだよ。先輩がまだイッてないのに、なに先にイこうとしてんの?それにキミはあくまでも見学。メインはあの女優さんなんだから」
(く、くぅっ…)
 さっきまでのように密室状態で一人きりなら腰を振り続け、躊躇なく絶頂まで昇り詰めているだろう。
 そんな美月の思惑を看破するように監視役として現れた男によって、いくら腰を擦りつけても絶頂寸前で持ち上げられて邪魔をされる。
 しかも相手はAV男優。
 その歴戦の眼力で、女が絶頂に達する瞬間をしっかり見定め、きっちりあと一歩というところで止めてくる。
 ノーリアクションを演じても、グッと身を固めても、小手先の誤魔化しが一切通用しない。
(くっ、イ、イキたい…!イキたいのにっ…!)
 散々、股を擦りつけた馬の背はじっとりと蒸れ、パンティから滲み出た愛液で湿りを帯びる。
 髪、頬、首筋、ブラの中の胸、腋の下まで汗だくの美月。
 火照った身体が鎧を脱ぎたくなるのも、もはや時間の問題か。
(つ、辛い…辛いよ…!ここまできてイケないなんて…!)
 と胸の内で叫ぶ美月だが、そんな彼女の苦境を嘲笑うように怜奈の肛門に突き挿さる玩具がクネクネ動き回り、才女のアナル開発は着々と進む。
 その光景にまた懲りずに股を擦りつけては絶頂寸前でお預け。
 涎を垂れ流し、ようやく少し舌の痺れが引いてきたところで、もはや威勢のいい啖呵は出ない。
「…キたい…イ、イキ…たい…イキたい…ってばぁ…」
 と、途切れ途切れで無意識に連呼する美月。
 そのうわ言をようやく聞き取った男優がニヤリと笑って手を伸ばし、美月の顔の前に差し出した一枚の紙切れ。
(な、なに…?これ…)
 思考能力が低下し、スラスラと字が読めない。
 それよりも股を擦りつけるのが先決。
(あっ、あっ…イ、イクっ…次こそ…次こそお願い…止めないで…)
「はい、ダメー!」
 無情にも馬の背中から離される腰。
 そして、そこでようやく美月は、目の前に差し出された紙切れを初めてしっかりと読んだ。
(なっ…!?)
 思わず絶句、目を疑う衝撃。
 提示されたのは、AVメーカー『immortality』で看板女優・山崎怜奈に続く二人目の専属女優として所属するための契約書だった。
 しっかりとした書面。
 契約者のところには、書いた覚えのない自分の名前…山下美月としっかり書かれており、あとは拇印を押せば契約成立の状態。
(な、何これ…!何で私の名前が…!?)
 と困惑する美月に囁かれる男優の一言。

「さぁ、この契約書に拇印をつくと誓えば、ご祝儀として、ひと思いにイカせてあげよう。逆に、契約するまではイカせてあげないからね?フフフ…♪」


(つづく)

鰹のたたき(塩) ( 2022/02/26(土) 01:15 )