乃木坂抗争 ― 辱しめられた女たちの記録 ―





























































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第四部 第九章・金川紗耶&掛橋沙耶香の場合
掛橋沙耶香サイド―10.ピンチはチャンス
「がぁっ…あぁっ…うぅっ…」
 デブの頭の上でその華奢な身体を弓のように反らされて、沙耶香は、何とも言えない表情で顔に近くなった天井の照明を見つめていた。
 人生初の性感責めによるむず痒さを我慢できずに失禁…しかも、よりによって下衆な男たちの見ている前で、だ。
 リング上から見事な弧を描いた聖水は床に水たまりを作り、まるで天井から雨漏りでもしているかのよう。
「おい、まだ出るか?もう全部出たか?んー?」
 グッ、グッ…と沙耶香の身体を登頂部で突き上げるデブ。
「ぐっ…あぁっ…」
 真ん中でポキッと折られるような背骨の痛みに顔をしかめ、呻き声を上げる沙耶香だが、その頬は真っ赤っ赤。
 よりによって放尿の瞬間を見られてしまうという恥辱。
 処女と看破され、胸を見られ、股間を見られ、媚薬を塗られ、全裸にされ、指で刺激をされ、そして失禁…この一時間足らずで“人生最大の屈辱”が次々と更新されていく。
 そして、ドサッ…!と音を立てて、ようやくリングに下ろされた沙耶香。
 すぐには立ち上がれず、放心状態のところに、
「ハハハ!なんて女だ!盛大におもらししやがった!」
「あとでちゃんと拭いとけよ?テメーの粗相の後始末はテメーでやれ」
 と矢継ぎ早に浴びせられるリングサイドからの嘲笑。
 言い返す気力もなく、フラフラと立ち上がる沙耶香だが、その眼は、闘志を剥き出しにしていた数分前とは雲泥の差。
 明らかに動揺し、男たちの下卑た視線に怯えていた。
「ククク…さすがにオシッコするとこを見られるのは戦意喪失するぐらい恥ずかしかったみてぇだな。脱け殻になっちまった」
 勝ち誇ったように笑うデブ。
 それに対し、沙耶香は、弱々しい眼で、
「ち、ちくしょう…よくも…」
 と小さく言い返すのが精一杯。
「さぁ、そろそろカタに嵌めてやるか…!派手に散らしてやるぜ、女捜査官のこれまで守ってきた処女をな」
「くっ…来るな…嫌っ、来ないで…!」
 ニヤニヤしながら迫るデブに向かっていく気迫もなく、もはや追い込み漁の餌食となった沙耶香は、どんどん狭くなる逃げ場に足を踏み出すことも出来ず、じりじりとコーナーに追い詰められていく。
 そして…。
「うりゃぁっ!」

 ドゴォッ!

「ぐっ…!」
 とどめのタックルを受け、コーナーポストに叩きつけられた沙耶香。
 そのまま掴まれた手首を引き寄せるように倒され、その小さな身体をデブに押さえつけると、
「くっ…!くっ…」
 跳ねのけようにもその体格差は歴然、簡単にはいかない。
「さぁ、始めるか!へっへっへ」
 下卑た笑みとともに伸びた不穏な手の平が、防具を失った沙耶香の胸の膨らみを覆う。

 むにゅっ…

「んんっ…!はぁっ…」
 寄せ集めるようにして小さな胸を揉まれた瞬間、上がる声。
 すっかり媚薬の効いた身体は、これだけでも過敏に反応してしまう。
「んっ、あぁっ、や、やめろ!触るなぁ…んあぁっ♪」
「へへへ。どうだ?気持ちよすぎて自分の身体じゃねぇみたいだろ?」
「ひ、ひぃっ…♪」
「遠慮はいらねぇ。ちゃんと気持ちいい状態でバージン卒業させてやるから存分に感じろ」
「ふ、ふざけるな…誰がお前なんかに…んひゃぁっ♪」
 かろうじて絞り出した啖呵も無情のキャンセル。
 微乳の先端でぷくっと突起した乳首に吸いつかれ、沙耶香は、その生まれて初めての感覚に頭が真っ白になった。
(な、何?この感じ…!か、身体が…浮いちゃう…?)
 それが乳首舐めを初体験した沙耶香の感想だった。
 そして、そこからチューチュー吸われるたびに、
「ひ、ひゃぁっ…♪や、やめっ…んひぃっ♪」
「へへへ。なかなか可愛い声を出すじゃねぇか。生意気に振る舞うよりもよっぽどいい。もっとしてやりたくなるぜ。こうやってよぉ!



「うぁぁっ!?ま、周りを舐めるなッ…!やぁっ、舌を絡めないでぇッ…ひぃぃっ♪」
 デブの見かけによらないねっとりとした舌技を前に、リングでのたうち回り、髪を乱して悶える沙耶香。
 さらに、そっちに注意を逸らしておいて、喘ぐ沙耶香の脚が思わず大きく開いた瞬間、素早く挟むように脚を絡め、開脚状態を維持。
 隙だらけとなった股間にも、再び、あのギターを掻き鳴らすような手つきが襲いかかる。
「んはぁぁっ!?あぁっ、んんっ、ダ、ダメぇっ!あんっ、あんっ…♪」
 初めての二点責め…その波状攻撃に不本意な甘え声が止まらない沙耶香。
「ほぅ…どうやらノッてくると声がデカいタイプのようだな。いいじゃねぇか、男に好かれるぜ。お前…♪」
 と笑うデブ。
 さらに、どんどん追い詰められる沙耶香をニヤニヤしながら眺める幹部からも、野次るように、
「おら、言えよ。気持ちいいって素直に言ってみろ」
「い、嫌っ…!気持ちよくなんか…ない…!」
「ウソつけ。既にマンコはぐしょぐしょに濡れ、乳首もビンビン。可愛らしい喘ぎ声を我慢できないのが何よりの証拠だ!」
「ち、違うっ!それは…さっきのクスリのせい…」
「ほぅ…だったら我慢するんだな。我慢できなきゃ、感じていると見なされても仕方ねぇぞ」
 と言い、責めるデブには、
「どうやら、この期に及んで、まだ意地を張りたいらしい。それが無駄なことだと教えてやれ」
「へいっ!」
 返事とともにデブの責めがさらにヒートアップ。
 吸い上げた乳首に歯を立て、股をなぞる指はビラビラを開いて刺激を知らないウブな秘肉に直接アプローチ。
「んあぁぁっ♪あぁっ、ダ、ダメぇっ!それダメぇぇっ♪」
 もはや我慢など不可能。
 完全にされるがままの一方的な形勢で、このままだと陥落も時間の問題か。
「ひ、ひぃっ!や、やめて…もうやめてぇっ!」
 と絶叫する沙耶香に、
「まだまだッ!大人の交わりってのはよぉ、こういうこともするんだぞ!おらっ!」
 と、素早くポジションを変え、沙耶香の細い足首を掴んで、ぐるんと持ち上げる。
「嫌ぁぁっ!」

 

 ダルマのような窮屈な体勢…見上げる目の前に自身の股間。
 まんぐり返しにされ、その恥じらいが燃え上がるようなはしたない格好に沙耶香の顔も赤面…いや、もはや顔だけではなく全身が紅潮している。
「へへへ。嫌だ、嫌だと言うわりにはしっかり濡れてんだよ、テメー!」
 と、沙耶香の秘肉をテカテカにする蜜を指で掬い、見せつけるように舐めて味見。
「嫌ぁっ!な、何してんの…!」
 股から出た体液を舐める…そんな発想がない処女には少々インパクトの強い光景だ。
 構わずに、
「ハッハッハ!粘り気たっぷりでトロトロ、ちょっとションベンくせぇのもまたいい!」
 と高笑いのデブは、
「まどろっこしいから直に頂くとしよう!」
 と、とうとう、沙耶香の股間に顔を埋めた。

 ぺろぺろ…ぺろぺろ…

「んひぃっ♪あっ…あっ…♪ダ、ダメ…そんなところ舐めないでよぉッ!うあぁぁっ♪」
「なにを言う!男はこれが好きなんだよ!それに、恥ずかしいのは最初だけだ。お前もそのうち自分から『もっと舐めてぇっ!』とおねだりすることになるからよ!」
「し、しないッ!そんなことしないからぁ…!んひゃぁっ♪あぁっ、んんっ♪こ、こんなの…こんなの無理ッ…♪」
 否定した直後に甘い声、そしてお手上げ宣言…もはや言うことは支離滅裂。
 丸められた小さな身体をピクピクと震わせ、これも人生初とならクンニを味わい、あまりの刺激に頭が回らない沙耶香。
「ほら、もっとよく見ろよ。舐められてるところを」
「嫌っ!見たくないっ!やぁっ…!」
 目を閉じ、顔を背けるも、
「いいのか?目を閉じたら相手の行動が見えない。ろくなことがないぞ…♪」
 と思わせぶりなことを言ったデブの舌が移動し、

 ぺろんっ…♪

「はひぃっ!?」
 一旦は閉じた目を慌てて見開き、ぎょっとしてデブに目をやる沙耶香。
「なっ!ど、どこ舐めてんのぉっ!んひぃっ!?」
「どこって…見りゃ分かるだろ?ケツの穴だよ、ケツの穴♪ちょこんとしててなかなか可愛らしいぞ」
 と平然と言い放ち、なおも沙耶香の小さな尻の割れ目に顔を埋めるデブ。
 肛門を舐めるなど処女の沙耶香にしてみれば言語道断、理解不能な行為。
「や、やめろっ!やめろってばぁっ!やめろっつってんでしょ!ちょ、ちょっとぉっ!」
 一線を越えて半ばキレ気味…発狂したように暴れる沙耶香のバタつく脚をしっかり押さえ込み、
「うるせぇガキだな。お前の先輩たちもみんなやってることだよ」
 と一蹴するデブ。
 そして極めつけは、アナルからマンコまでの長いストロークをねっとりと往復。
 肛門を舐められる嫌悪感から股下を通るむず痒さ、そして秘部とクリトリスに走る快楽。
(な、何これ…!ホントに何なの、これぇっ…!)
 ウブな知識…世間一般的な正攻法のセックスしか見識がない沙耶香にとって、まんぐり返しやアナル舐めは理解の範疇を越え、混乱でしかない。
 そして、
「へへっ…よーし、そろそろいいか」
 と、たっぷり唾液まみれにしたところで、いよいよリング上での公開処刑へと移るデブ。
 押さえていた手を離すと、バネのように、ぐるんっ…と脚が戻り、仰向けに戻る沙耶香。
「よっと!」

 ドカッ!

「あぅっ…!」
 逃げる隙を与えず、沙耶香の華奢な身体に馬乗りになるデブ。
(お、重い…!苦しい…)
 自身の倍以上の体重で潰される沙耶香は圧死寸前。
 そして、その歪む顔の前に突き出された黒光りする男性器…!
 それが見えた瞬間、サッと顔を背ける沙耶香に、
「おら、見ろ」
「嫌っ…!」
「見ろッ!」
「嫌ぁっ!」
 押し問答ではラチがあかず、上を向く沙耶香の頬にぺちぺちと打ちつけ、
「へへへ…どうだ?固いだろ?あんな可愛らしい喘ぎ声を聞いたら男は誰でもこうなるんだ」
「━━━」
「よし。それじゃ、コイツで今からぶち抜いてやる。…が、その前に」
(…!)
 おもむろに沙耶香の鼻を摘まむデブ。
「おら、口を開けろ。まずはしゃぶって濡らすんだよ」
(んっ…く、苦しい…)
 徐々に欲してくる酸素。
 腹の上に巨体が座っているから尚更だ。
 しばらくは耐えた。…が、終わりのない酸素の遮断に、とうとう我慢しきれず、
「…ぷはぁ…!」
 と口を開けた瞬間、デブは、沙耶香の髪を乱暴に掴み、
「へへっ、待ってましたぁ!おらっ、咥えろッ!」
「んぐッ!?」



 小さな口に強引に押し込まれるイチモツ。
「ごぉっ!?がぁっ…」
 屈辱の口内凌辱に眉を寄せる沙耶香に対し、
「へへへ…ほら、どうだ?これがフェラチオっていうんだ。…っつっても知識ぐらいはあるか。まぁ、とにかくセックスの前にはそうやって舐めて咥えて男をその気にさせる…お前の仲間もヤる時はみんなしてることだ。さぁ、たどたどしくてもいいからやってみろ」
「ぐっ…!んぐぅっ…!」
 吐き出そうとしても強引に押し入ってくる汚ならしいイチモツ。
「ハハハ!ほら、もっと吸え!頬をすぼめろ!舌で舐め回せ!」
 と沙耶香の口内を堪能するデブは、すっかり沙耶香を屈服させた気でいる。…が、実はひそかにこの好機を待っていた沙耶香。
「へへへ。いいぞ、初めてのわりにはなかなか上手いじゃないか。もしかしてセックスがまだなだけで、フェラ抜きまでは既に経験済みか?おい」
 と饒舌でご機嫌なデブだが、次の瞬間、

 …がぶっ!

「んぎゃぁぁぁっ!?」
 飛び上がるような反応と悲鳴。
 なんと沙耶香は、口内に飛び込んできた男根に噛みついたのだ。
 まさに「窮鼠、猫を噛む」の体現。
 この痛み…男にしか分からない激痛。
 それを、すっかり気を抜いたところにモロに喰らって、額に一気に脂汗が噴き出たデブは、
「い、いでぇぇっ!は、離せっ!ぐぉぉっ!?」
 と喚き、反射的に噛みつく沙耶香の頬に強烈な張り手を見舞う。

 バチィィッ!

「きゃっ…!」
 叩かれた反動で口から飛び出た男根。
 デブはよろけ、もんどりうって倒れると股を押さえて立てなかった。
 それを見て、ゆっくり立ち上がる沙耶香。
 叩かれた頬を腫らすものの、キッとした眼で、
「はぁ…はぁ…ふんっ…ざまぁみろ、この変態野郎…!」
 と、消えかけた闘志が少しは戻った様子。
 頭の片隅にずっとあった逆転の手段…やはり体格差のある男を倒すには急所を狙うしかなかった。
 だが、既に一人目の男をその作戦で破り、手の内を見せている。
 同じように打撃で狙っても重点的にガードされて阻まれるだろう。
(となると、油断させて、自らモノを晒して近寄ってくるのを待つしかない…!)
 と考えていた。
 自ら晒して近寄ってくる瞬間…つまり、犯す気マンマンで密着する時だ。
 決して気が進む作戦ではなかった。
 その時に満足に動ける状態じゃなければそのままヤラれるという綱渡りのリスクがあり、どうにか功を奏した今も、結果的に好きでもない男のモノを口に含むことになった。
(帰ったら、うがいしまくって、口の中、隅々まで消毒しないと…)
 少し気は滅入るが、とにかくこれで残る刺客はあと一人…。
 いまだリング上で股間を押さえて動けないデブに、
「あーあ…まさかの大逆転負け…惜しかったな」
 とリングサイドから呆れ笑いを浴びせるヒョロガリのノッポ…この男だ。
 チラッと確認して、沙耶香は、改めて、
(コイツだけ前の二人と空気が違う…いったい何者…?)
 と思った。
 それは、この勝ち抜き試合を始める時から、薄々、感じていたことだ。
 見た感じでは前の二人に比べて体格では明らかに劣るのに、妙に余裕があるように見える。
 事実、出てくる順番もトリの三番目…。
 最初の男が体格では一番まともだったし、今しがた退けたデブもタフな上に意外と俊敏で手強かった。
 それに対して、
(あんなガリガリのくせに三番目…この見た目で、前の二人より手強いってこと…?)
 悶絶して動けないデブがリングから下ろされ、代わってそのノッポが、
「やれやれ…とうとう出番が来ちまったか」
 と苦笑いでリングに上がる間、ずっとそれを考えては、じっと見据えていた沙耶香。
 もちろん見た目だけで判断するのは危険だ。
 あのデブでさえ、予想以上に俊敏だったことを見誤り、ギブアップで余計で羞恥を余儀なくされた。…とはいえ、この男を倒せば沙耶香の勝ちなのも事実。
 (勝てば帰れる…やんちゃんも助けられる…負けられない!絶対に勝つッ!)
 と、塗られた媚薬の疼きを必死に堪え、今一度、闘志に火をつける沙耶香。
 依然、既に金川は約束を反故にされて快楽漬けにされていると知る由もなく、まだ、この場から無事に帰れるというような絵空事を思い描いているようだ。
 そこに立ちはだかる最後の刺客、ノッポ。
 果たして、その不気味な男の実力とは…。


(つづく)

■筆者メッセージ
…だらだら長いッスよねぇ(苦笑)
戦う男、三人もいらなかったな…と今になって後悔してますが、これで来ちゃったものはしょうがないのでどうにか膨らませてこのまま行きます。

あと、私事で申し訳ないんですが、本職の方でちょっとコロナが流行ってきちゃって(※私は無事ですが周りが…のパターン)けっこうバタバタしてるため、更新がまばらです。すいません。

でも書いてます。
全然元気は元気なので、単に更新がトロいだけで、引き続きやっていきます。

というワケで、皆さんもお気をつけて。





鰹のたたき(塩) ( 2022/02/22(火) 00:45 )