-after story- 妬まれた北野日奈子 (序章)
満月の夜。
今宵も、とある秘密クラブにて、クイーンの公開レズ調教ショーが開催されていた…。
「ほぉ〜ら、先っぽが当たってるねぇ?どうしてほしいか言ってごらん?」
「ひ、ひぃっ…!」
散々、焦らされた後、クイーンが腰に装着した疑似男根を股間にあてがわれた今宵の獲物は、とうとう、
「お、お願いします…!お、犯して…犯してください…!それで私を犯してくださいぃっ!」
と快楽に負けて絶叫した。
その瞬間、わァッと沸き上がるフロアー。
クイーンも満足げに微笑みはしたものの、
(ここですぐに挿れるってのもつまらないわね)
と、その獲物を、そして観衆たちをさらに焦らすように、
「まだよ。その程度じゃダメ。言葉が、全っ然、足りないわ!何で何処をどうしてほしいのか、ちゃんと繋げて言葉にして言いなさいッ!」
「ひぃっ…!じょ、女王様のオチンチンで…わ、私のオマンコを…め、めった刺しにしてくださぁい…!お、お願いします!は、早くぅっ!」
「ふふっ…よく言えましたぁ♪それじゃあ、望み通り、ご褒美あげちゃう♪…それっ♪」
「あんっ…♪き、来たぁっ♪すごぉい♪気持ちいいぃっ♪」
疑似男根をバックの体勢から埋め込まれた瞬間、その女…加藤美南は恍惚の表情を浮かべて派手に鳴いた。
すかさず、その顔のアップをポラロイドカメラで撮影するアシスタントの北野日奈子。
後背位で犯しながら、
「どう?日奈子。撮れた?」
と聞くクイーンに、
「はい、撮れました♪バッチリです♪」
と満面の笑みで出てきた写真を示す日奈子。
それを見てクイーンが、
「オッケー!なかなか上手じゃないの、日奈子。…じゃあ、そんな日奈子にもご褒美♪」
と、日奈子を抱き寄せ、おもむろに唇を重ねて褒め代わりのキスを送る。
それを見て再び沸くフロアー。
そのまま観衆の前で二度、三度と舌を絡め、口を離すと顔を真っ赤にして照れながらステージからハケていく日奈子。
これで依頼は完了。
あとは日奈子が撮ったこの証拠写真を“依頼人”であるプロダクション社長に送付すれば、この女はもう二度と生意気な態度をとることは出来ないだろう。
話によると、新潟かどこかの地域密着型アイドルグループの元メンバーらしい。
グループを卒業しても今なお、自分は依然アイドルだと勘違いしたままの言動が治らず、いくら注意しても聞く耳を持たないということで、ここらで一度、きつくお灸を据えるべきという結論に至ったのが社長談。
こういった鼻につく勘違いだらけの生意気な女を大勢の前で見世物にしながら調教し、その天狗の鼻をへし折って制裁を下すクイーンの裏稼業。
依頼主からは前金と成功報酬が貰えるし、それをこうして公開調教ショーにすることで観客からも金を取れる。
そこにクイーン自身の支配欲が満たされるメリットも踏まえれば、まさに一石三鳥だ。
「ほぉら!ほぉら!どう?アンタの淫乱オマンコにズブズブ入ってるの分かる?これに懲りたら、二度と目上の人に生意気なクチを聞くんじゃないよ?でないと、今さっき撮った写真がネットの海に出回るからねッ!」
と最後に釘を刺すクイーン。
そんなクイーンの鬼ピストンで淫らに堕ちていった元アイドル…。
こうして今宵のショーも大盛況。
夜の街に集うレズビアンたちのカリスマ的存在、クイーンが神格化される理由はここにある。
……
生意気な元アイドル、加藤美南の公開調教ショーの帰り道。
観客として神と崇めるクイーンのテクニックの数々を目の前で見れて、まだ興奮冷めやらぬギャル二人組。
「いや〜、ヤバかったよね。今日のクイーン様♪」
「マジでヤバかった。特に、最後のあの腰遣い…見ながら思わず濡れちゃったよ、私♪」
「私も、私も。ホント、クイーン様、マジで神!」
と、絶賛し合う二人だったが、角を一つ曲がったところでトーンが一変、
「ところでさぁ…今日もいたよね、アイツ…」
「うん、いた。北野日奈子…だっけ?アシスタントか何だか知らないけど…マジ何なの、アイツ…」
「今日も生意気にクイーン様にキスしてもらってさ。いや、アンタ写真撮ってただけじゃん!って。それでクイーン様からキスしてもらえるとかズルくない?いやいや、今お前がキスしたの私たちの神様なんだけど。って言いたいわ、マジで」
「ウザいよね、アイツ。何かさ、いっつも上目遣いで笑顔作って…クイーン様に媚びてる感じしない?」
「するする!超分かる!あの眼、マジでウザい!もう一人の伊藤なんとかって娘はそんなことないから余計にね!」
「ぶっちゃけ、アイツより私らの方が遥かにクイーン様を尊敬してるのにね」
「そうだよ、おかしいよ」
熱狂的な信者としてクイーンを崇拝するあまり、その側近の日奈子に対するひがみが止まらない二人。
そして、さらにもう一つ、角を曲がったところで彼女たちは画策する。
「ねぇ。あの北野ってヤツさ…ムカつくから一回ヤッちゃわない?」
「いいね。賛成、賛成。泣かしちゃおうよ、マジで」
「よし、ちょっと待ってね」
と、片方のギャルがスマホを取り出し、かける。
「…あ、もしもし。私だけど。ちょっとさー、カズ君に協力してほしいことがあるんだよねー」
と、ヤンチャで有名な地元の男友達に電話をかけて提案を持ちかけ、最後には、
「じゃあ、上手くやってね。マジでズタボロにしてOKだから」
と不吉なことを言って電話を切った。
……
そして、その二日後。
真夜中の路上で、北野日奈子がヤン車に拉致された。
これから彼女は、女の嫉妬がいかに恐ろしいかを思い知ることとなるだろう…。
(つづく)