乃木坂抗争 ― 辱しめられた女たちの記録 ―




























































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第四部 第四章・鈴木絢音と伊藤純奈の場合
エピローグ
「はぁ…はぁ…!」
 息を切らして駆けつけた秋元真夏、渡辺みり愛、矢久保美緒の三人。
 三人が三人とも、中でも特に真夏の表情には鬼気迫るものがあった。
 現場は、夜明けとともにネオンが消え、カラスが目につき始めた繁華街の裏路地。
 前日一夜ぶんのゴミ袋で埋め尽くされた狭い路地の奥で、伊藤純奈、鈴木絢音の二人が全裸で棄てられているのが発見されたのだ。
 すぐに病院に搬送された二人。
 幸い、二人とも命に別状はなく、強い睡眠薬を注入されて眠らされているだけだった。
 半日の安静を挟み、夕方になってようやく話を聞ける状態になったが、話を聞き始めてすぐ、真夏は深い溜め息をついた。
 二人とも言うことは同じで、昨晩、二人であの繁華街をパトロールしたところまでは覚えているが、その後、この病室で目覚めるまでの間の記憶がないというのだ。
(記憶を消された…?)
 それ以外に考えようがない。
 クスリか、洗脳か…それとも催眠による暗示か…。
 とにかく、二人の記憶が戻らないと、空白の一夜の手がかりは得られない。
 二人がどこにいたのか?
 二人が何をされたのか?
 そして、二人が何を見たのかも…。


(つづく)

鰹のたたき(塩) ( 2021/05/06(木) 23:59 )