乃木坂抗争 ― 辱しめられた女たちの記録 ―





























































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第四部 第四章・鈴木絢音と伊藤純奈の場合
伊藤純奈サイド―1.地獄の始まり
「…ぐっ…うぅっ…!」
 目を覚ました純奈。
 垂れた首を持ち上げた瞬間、腹部の鈍痛とヒリヒリする脇腹の火傷が痛み、顔をしかめる。が、すぐに表情を戻した。
 自分を眺める男たちがいたからだ。
「起きたか」
 と、一言、ニヤリと笑った目の前の男を、殺意すら感じられる鋭い眼で睨みつける純奈。
「どうだ?懐かしいか?この構図は」
 と男が言うように、置かれた状況は前回と全く同じ…。
 薄暗いどこかの一室の中央にて、両手を吊られて開脚、いわゆる「人」の字で固定された純奈を、あの因縁の男とその子分二人、計三人の男が下衆な目つきで眺めている。
「くっ…は、離せよ…くそっ!」
 ジャラ、ジャラ…と天井から垂れる鎖を揺するも、手首を束ねる南京錠つきの革バンドは外れないし、左右の足首を繋ぐ鉄パイプのせいで、自慢の鋭い蹴りを繰り出すことはおろか、脚を閉じることも出来ない。
「ふっ…バカな女だ。おとなしく家でブルブル震えてればよかったものを、戦線復帰なんてするから…」
 と呆れたように声をかけるリーダー。
 ゆっくりと棒立ちの純奈の背後に回り、
「前に言ったよなぁ?『これに懲りたら、もう二度と俺たちの周りをウロウロするんじゃねぇ』って…せっかく忠告してやったのに、さてはイクことに夢中で聞いてなかったか?」
「う、うるせぇっ!くそっ!」
「ふっ…相変わらず威勢だけはいいじゃねぇか」
 とリーダーは不敵な笑みを浮かべ、
「だったら、なおのこと、もう一度、男の怖さってもんをイチから思い知らせてやらねぇといけねぇなぁ?その聞き分けの悪い頭と、この身体によ!」
 と、吊られた純奈の身体を羽交い締めにして、
「よし、やれ!」
 と子分たちに命じた。
(…!)
 近寄る子分たちの手に光る荷ほどき用のカッター。
 その先端、鉤爪のようになっている刃の切っ先を純奈のブラウス、そしてタイトスカートに、それぞれ引っかけ、ともにニヤリとして純奈の顔色を窺う。
「くっ…や、やめろよ、テメェら…!」
 という牽制の一言を待っていたかのようにカッターを真下へ向けて引っ張ると、縦一閃、しなやかな切れ味とともに、純奈の防具は真っ二つに裂かれた。
 はだけるブラウス、そして力なくずり落ちたスカート。
 その下からは、それぞれ、ブラとパンティが顔を出し、胸の谷間、そして肉付きの良い太ももを覗かせる。
「…くっ…」
「へへへ。どうした?少し顔が赤くなってるぞ?」
「さすがの純奈ちゃんも強制ストリップはやっぱり恥ずかしいみてぇだな」
「う、うるせぇ…ザ、ザコども…あとでぶっ飛ばすかんな…!」
 と強がる純奈だが、子分たちはケラケラと笑って、
「ぶっ飛ばす?どうやって?」
「そうやって強がるから、後々、恥ずかしい思いをするんだよ!」
 と、いよいよブラ、そしてパンティにもカッターを差し込む。
 そして、もう一度、力を込めて下向きに引っ張ると、

 パツンッ…!

 と小さな音とともに、切断された下着が床に落ちた。
「く、くそっ…!」
 あとは、腕に残るブラウスの袖の部分も引き裂いて取り除けば、あっという間に純奈の逞しく、そして美しい裸が露わとなる。
 鍛え抜かれたそのボディ。
 その腹部に残るアザは、先刻、催眠状態の西野七瀬に打ち込まれた連続ボディーブローによるもの。
 脇腹に残るスタンガンの火傷と同様、痛々しい生傷だが、それも、普段スーツの下に隠した抜群のスタイルの良さと、それを解放して溢れ出すセクシーなオーラの前では見事に霞む。
 推定Dカップの隠れ巨乳、締まったウエストに長い脚、そして、その白い肌の中心に集まるエロティックな陰毛…。
 そんな一糸まとわぬ純奈の裸を一周しながらニヤニヤと眺めて、
「フフフ…これだ、この身体だよ。俺が心ゆくまで抱いてやったのは」
「くっ…!」
 蒸し返される悪夢の夜。
「俺の腕の中で何度もイキ、最後は俺に跨がって自分で腰を振ってたっけなぁ?」
「う、うるさい…!」
 生々しい発言に反射的に顔を背ける純奈。
「せっかくだから前回のことを反芻していこうか」
 リーダーはクスッと笑って、純奈の背後から手を回し、おもむろに、乳房を手の平に乗せて持ち上げた。
「…くっ…」
 豊満な胸が、むにゅっ…と形を変え、同時にピクッ…とわずかに反応する純奈。
「…さ、触んなよ…」
 と小さく制するが、リーダーは構わず、純奈にではなく子分たちに聞かせるように、
「ほーら、柔らかそうだろ?顔に似合わず、なかなかいい胸してるんだよ、コイツ」
 と言い、純奈にも、
「相変わらず、今もここは感じやすいのか?んん?」
「だ、黙れっ…!」
「おいおい、そんなに怒るなよ。事実じゃねぇか。だって、そうだろ?こうやって、ねっとりとした手つきで撫で回すだけでアンアン言ってたじゃねぇか、あの夜は」
「んっ…くっ…!」
 その言葉の通り、ねっとりとした手つきで乳房を撫で回され、身を固くする純奈。
「それに、こっちも…」
 と、乳房を離れた手の平が、次は内ももへと下りる。
「くっ…や、やめろよ…うぁぁ…!」
 スリスリと脚の付け根を擦られ、思わず仰け反ると、
「ほぅ。ここも相変わらず弱いな。またあとでたっぷりしてやるがな」
 と、してやったりの笑みを浮かべるリーダー。
 そして…。
(…!!)
「んんっ!あっ…!」
 ふいに声が漏れる純奈。
 まるで、いよいよ股間への責めが始まったかのような声。…だが、綺麗に生え揃った陰毛に守られた股間、そこを這い回る指はない。
 リーダーの指は、いつのまにか内ももから遠く離れ、また上に戻って鎖に吊られた純奈の二の腕をなぞっただけなのだが…。
「くっ、んんっ、や、やめろぉっ…!」
 ブンブンと身体を揺する純奈。
 その様子をきょとんとした表情で眺める子分たちに、リーダーが
「な?おかしいだろ?実はコイツ、ここが性感帯なんだよ。この白くて逞しい二の腕をつぅ〜っとなぞられるのがたまんねぇんだとよ」
 と、純奈が反応する理由を教える。

 再捕縛…二度目の拷問…そして相手は前回と同じこの男…。
 それは純奈にとって明らかに不利な条件だった。
 前回、しつこく責められ、何度もイカされて、一度は心を折られるまで嬲られた純奈。
 そうした中で、伊藤純奈という女の攻略法、よく効く責めや弱点、性感帯など、全て知られてしまっているからだ。
 たとえば、胸を優しく触られるとゾクゾクすること、脚の付け根がくすぐったいこと…そして、ぷにぷにした二の腕を指先でなぞられるとたまらないことも…。

「ほーら、どうだぁ?お前の大好きな二の腕嬲りだぞぉ!何ならダブルでやってやろうか?ほれっ!ほれっ!」
「んっ、あっ、くぅっ…!」
 蜘蛛のように蠢く五指が、無防備な二の腕に左右から襲いかかる。
 じっとしていられない純奈は、何とか振り払おうと必死に暴れ、そのたびに、ガシャン、ガシャン…と天井から垂れる鎖が音を立てる。
 リーダーは楽しそうに責めながら、
「おい。お前らもやりてぇか?」
「は、はいっ!」
「やりてぇッス!」
「よーし、じゃあ代わってやるよ。面白いほど反応するからな。たっぷり遊んでやれ!」
「へいっ!」
 威勢よく返事をした子分たちが、手を下ろしたリーダーに代わって、二の腕をくすぐる。
「くっ、あぁっ、んあぁっ!」
「ほぉ、こりゃすげぇ!」
「こんなところが性感帯とは、お前も、なかなかスケベな身体してんだなぁ?」
「う、うるせぇ…!くそっ…!さ、触んなっつってんだろ!うあぁっ…!」
 じっとしていられず、絶えず揺れ動く純奈の前に立ち、
「フフフ…さぁ、それじゃ始めようか。今度は、前回の比じゃねぇぞ?どこまで気丈でいられるか、楽しみだなぁ?『乃木坂46』きっての武闘派、伊藤純奈ちゃんの女体拷問、第2ラウンドをよォ」
 と語りかけるリーダー。

 復讐の鬼・伊藤純奈、そんな彼女を再び地獄へといざなう二度目の女体拷問が、今、幕を開ける…!


(つづく)

鰹のたたき(塩) ( 2021/04/12(月) 10:04 )