乃木坂抗争 ― 辱しめられた女たちの記録 ―





























































小説トップ
第四部 第四章・鈴木絢音と伊藤純奈の場合
2.男の妄想が叶う店
 都内で不動産を展開するR興産。
 そこの社長は、表向きはやり手の好漢だが、実は裏では柴崎と繋がりを持っており、その間柄から例のソープにも「予約なしで入店OK」という厚遇を受けるかわりに、常連としてよく金を落としている。
 この日も気が向いたので一週間ぶりに店に行くと、
「あぁ、社長さん!いつもありがとうございます!」
 と、すっかり顔馴染みになったマネージャーが笑顔で頭を下げて、
「大丈夫ですよ。すぐにご案内します」
 と言った。
 そんなVIP待遇に機嫌を良くする社長だが、
「花奈ちゃん、どうかな?」
 と、この店で彼が一番お気に入りの嬢について聞くと、マネージャーは帳簿を繰って、
「すいません。花奈は、今、別のお客様についておりまして…」
「では、七瀬くんは?」
「えーっとですねぇ…すいません。七瀬も、今、他のお客様が…」
「…そうか。残念だ」
 お気に入りのトップ2、中田花奈と西野七瀬が、ともに別の客に指名されて出払っていたことで少しトーンが下がる社長。
「他にご希望は?」
「いや、その二人じゃなければ誰でもいい。お任せで」
 と何なら少し不貞腐れたように言う社長に対し、マネージャーが取り繕うように声をひそめ、
「実はですね。本日から新しいコースが出来たんですよ。社長さんには、是非、今日はそちらをお試しいただければと思いまして」
「新しいコース?」
「えぇ。社長が見えたら必ずこれをオススメしろ、とオーナーから指導されております。もちろん強制ではありませんが…」
「新しいコースねぇ…なるほど。いいだろう」
 機嫌を直したようにニヤリと笑みを浮かべる社長。
 そうやってサプライズっぽく話を出してくるのが、いかにも柴崎っぽい。
 彼が期待を裏切らない男だと理解している以上、野暮な会話は必要ない。
 勧められるままに、柴崎の勧める新しいコースとやらを選択して、
「おい、君。どうせならコースの中身も、今日は誰がつくかも、部屋に入るまで秘密にしておいてくれ。せっかくだから私も少しはドキドキしたい」
 と言った。
 年甲斐も無い発言だが、まんざら嘘でもない。
「かしこまりました。では、こちらへ…」
 マネージャーが歩きだす後ろをついていく社長。
 ふと、通り慣れた廊下を見て、
「壁紙を変えたんだね。あぁ、そういえば前に来た時に改装工事で二、三日、臨時休業すると貼り紙があったが、どこを改装したんだ?」
 と聞くと、マネージャーは笑って、
「社長。ドキドキしたいと言ってたじゃないですか」
 と、たしなめるように言った。
「あぁ、そうだったな」
 社長は、照れたように頭を掻くと、高揚を隠すように唇を締め、黙ってマネージャーの後ろを歩いた。


 部屋に通された瞬間、社長は思わず目をしばたたいた。
(で、電車…?)
 天井に等間隔で吊るされた吊り革、そしてロングシートに網棚、手摺り。
 ドアや窓も、よく見ればハリボテとプラスチック板による再現だが、立て付けなどはよく出来ている。
 さらに、よく耳を澄ますと天井に埋め込まれたスピーカーから、風を切る音、そしてレールの継ぎ目を拾う音が流れてくるではないか。
(…どういうことかね?)
 呆気にとられた表情で振り返るも、既にマネージャーの姿は消えていた。
「━━━」
 改めて周囲を見渡し、試しにロングシートの座面を触ってみる。
 フカフカした手触りと少し強めのバネのような跳ね返りに、ふと懐かしさを覚えた。
 もう何年も前、毎朝、満員電車に揉まれながら通勤していた頃を思い出す。
 あれから時は経ち、苦労を重ねて出世を繰り返し、ようやく彼は社長にまで登り詰めた。
 そして、それを機に日々の通勤は秘書が運転する送迎車へと様変わりし、快適と引き換えに、いつの間にか忘れていたこの景色。
 それが今、ふいに頭に甦る。
(久しぶりだな、この感じ…)
 おもむろに吊り革に手を伸ばす。
 指先を絡め、ぐっと引き寄せると、毎朝、電車通勤に明け暮れていた日々の画が鮮明に甦る。
(…そうだ、これだ。こうやって、毎朝、通勤をしていたんだ)
 最寄りのN駅、7時49分発の急行、前から3両目の真ん中の扉。
 始発駅じゃないから入線してきた時点で既に混んでいる車内。
 まず、数人が下車するのを待ち、それが終わると後ろから来る人波に飲まれ、奥へ奥へと押し込まれる。
 座席にありつける筈などなく、そのまま棒立ちで、時折、左右の人との衣擦れに耐えながら7駅、30分弱。
 その間、彼の前後左右には日替わりで様々な人間が登場した。
 数人でぺちゃくちゃ喋り続ける男子高校生グループや黙々と文庫本を読む青年、耳障りな咳払いを繰り返すサラリーマン、立っている姿が可哀想になるようなお年寄り…。
 そんな中、時折、心が躍る日もあった。
 それは、眩しい笑顔の女子高生が隣に来た時だ。
 短いスカートから覗く瑞々しい太もも。
 背伸びしているのが分かる香水のニオイとシャンプーの香り、そして制服を押し上げる発育途上の膨らみ…。
 そんな十代の娘が隣に来た時は、ついつい視線を向けずにはいられない。
 開放的で胸元のボタンが緩い娘ならなおのこと、コソコソと盗み見しては目の保養をしていた。
 もちろん、その眼下で揺れるスカートに手を伸ばしたい衝動だけはしっかり抑えて、だ。
 そんな良からぬことを必死に我慢したことも思い出して、
(うむ、懐かしい…)
 と、しばし感傷に浸る社長。
 すると、突然、目の前のハリボテのドアがゆっくりと開き、女が二人、乗客を演じて入ってきた。
(…!)
 思わず目を奪われる社長だが、それもその筈。
 その二人が、まさに今、回想していた通り、女子高生の格好をしていたからだ。
 少し照れたように俯きながら社長の両隣につく二人の女子高生。
 右は、黒いソックスで着崩すことなく清楚系を演じる岩本蓮加。
 対する左は、ルーズソックスでラフな着こなしをした与田祐希。
 ともにこれまで一度も指名したことがない娘だった。
(…!)
 突然、ベルが鳴り、
「ドアが閉まります…ドアが閉まります…」
 と放送が流れた。
 これも通勤電車を忠実に再現したニクい演出だ。
 ゆっくりとドアが閉まり、再びスピーカーから走行音が流れ始めると、蓮加と与田は二人して肩に掛けたスクールバッグからスマホを取り出し、操作をするフリをする。
 もちろん実際の満員電車ではないのでスペースはあるのだが、あえてくっつくように左右から身体を寄せてくる二人。
 揃ってフリフリと尻を振ってスカートを靡かせる様子を見て、社長は、
(なるほど…そういうことか)
 と、勧められた“新しいコース”の趣旨を理解した。
 吊り革を掴んでいた手をゆっくりと下ろし、そっと二人の尻を撫でてやると、
「んっ…!」
「あんっ…!」
 と、早速、声を上げ、内股になる二人。
 その後も女子高生という設定を守ってスマホをいじり続ける二人のお尻と内ももを撫で回す社長。
 そのまま、蓮加には制服の中に、そして与田にはスカートの中にそれぞれ手を突っ込み、触ってやる。
「んはぁっ…!」
「ひゃぁぁっ…!」
 仲良くピクッと飛び上がる二人に、
「どうしたんだ、君たち?痴漢されて感じているのかね?」
 とニヤニヤしながら聞くと、首を振り、
「や、やめてください…」
「感じて…ない…もん…」
 と返す蓮加と与田。
「ほぅ。ならば続けよう」
 と、さらに突っ込んだ指を動かしてやると、二人して可愛い声を漏らし始める。
「この固くなったポッチは何だ?」
 と蓮加に、そして、
「何だ、これは?もうこんなに濡れているぞ?」
 と与田に声をかけ、それぞれの乳首と割れ目を同時に責める。
「んっ、あんっ…はうぅッ…!」
「ひゃぁっ!?ひっ、ひぃっ…!」
「本当に感じていないのかどうか見せてもらおう」
 すっかり二人の女子高生の身体を掌握する痴漢役になりきり、まずは蓮加の背後に回り、
「ほら、吊り革を持ってろ」
 と命じ、バンザイをさせると、おもむろに制服をブラごと捲り上げた。
「やんっ…!」
 ぷるんっと揺れて飛び出したボリューミーな乳房に思わず顔を背ける蓮加。
 それを、むぎゅっ、むぎゅっ…と揉みしだき、そして、その先端の突起をクリクリと嬲りながら、
「おい。この固くなってるのは何だと聞いてるんだ。何でこんなに乳首が勃っている?」
「んひぃっ!…ひぃっ!」
 摘まんだり、先っちょを擦られるたびに嬌声を上げる蓮加。
「んん?どうした?痴漢に好き放題されるがままか?えぇ?」
 陰湿な痴漢というキャラを自らに憑依させ、今回「N46」に導入された新しいコース、イメクラプレイの痴漢シチュエーションに夢中になる社長。
 楽しんでいるのは彼だけではない。
「ひゃぁっ!んんっ!あんっ…♪」
 と背後からの乳首責めに敏感に反応して応える蓮加。
 過去、痴漢責めをキッカケに女の快楽を知った蓮加も、あれ以来、久々に味わう“電車の中で感じてしまう”この背徳感とスリルがたまらない。
 あの時を思い出しながら、あの日と重ね合わせながら悶える蓮加を嬲りながら、
「ほら、君もだ」
 と、隣の与田に命じ、同じようにバンザイで吊り革を掴ませる社長。
 このソープに仕える泡姫の中でも際立ってM気質な与田は、従順に、つま先立ちで小柄な身体を伸ばし、ぶら下がるように吊り革を握った。
 こちらも無防備になった制服をブラごと捲り上げ、その柔乳を蹂躙してやる。
「ひゃぁっ…!くっ、んっ、んっ…!」
「フフフ。なかなかいいものを持っているじゃないか、君たち」
 と、二人まとめて抱き抱えるように手を回し、二人の胸を揉み比べる社長。
 充分に満喫した後は、
「手を離すんじゃないぞ?」
 と釘を刺し、身を屈めて、それぞれ二人の股の間に手の平を差し込み、パンティの上からなぞる。
「あんっ♪」
「はひぃっ♪」
 ピクンと震え、同時に声を上げる二人。
 先ほど少し触れただけですぐに濡れてきた与田に対し、蓮加の方も、胸への刺激だけでもうすっかり湿っている。
「さぁ、どっちの股が、より熱を帯びているかな?」
 と意地悪な笑みを浮かべ、突き立てた指で広がるシミの上から愛撫してやると、二人はさらに鳴いた。
 ゆっくり、じゅわ〜っと滲み出てくる蓮加に対し、まるでおもらしでもしたようにパンティの左右の内ももを伝って流れる与田の愛液。
 本日から開始されたイメクラプレイで、与田にとっては人生で初めての痴漢責めだが、蓮加と同様、そのスリルを気に入ったようだ。
「先に吊り革から手を離した方はお預けということにしようか」
 と呟くと、二人して、
「い、嫌ぁ…!」
「もっと…もっとしてくださいぃっ…!」
 とねだる二人。
 そう言うだけあって、クチュクチュと音が立つまで責め立てても、示し合わせたように意地でも吊り革を離さない二人。
「んっ、んっ…ふぁぁっ、ひぃっ…!」
 と、むっちりした太ももを揺すって指先にぶつけてくる蓮加と、
「んひゃぁっ!やんっ!きゃっ…!」
 と小動物のように軽快な鳴き声でピョンピョン飛び跳ねる与田。
「どれどれ…」
 いよいよ二人まとめてパンティをずり下ろしてやれば、揃って、ぷりっとしたお尻が飛び出し、そして、離れていくパンティとの間にとろりとした糸を引いた。
「あーあー…電車の中だというのに痴漢相手にこんなに感じてしまうとは」
 二人の股ぐらがあまりに大洪水なことに苦笑しながら、
「君たち、歳は?」
 と、なおも愛撫を続けながら聞くと、与田の方が、
「わ、私の方が…あっ、んっ…み、3つ上です…ひゃあっ…!」
「ほぅ、そうか」
 社長は、指先で二人の陰毛をファサファサと撫で比べた後、蓮加の隆起しかけたクリをつっつき、
「年下のわりに君の方がここの毛は濃いんだなぁ」
「ひゃぁっ…は、恥ずかしいよぉっ…!」
 陰毛の濃さを指摘されて顔を赤らめる蓮加。
 さらに社長は、同じく与田のクリもつっついて、
「君の方は、少し毛先が鋭くて生え際もジョリジョリしているね。過去に剃ったことがあるのかな?」
 と意思悪く問いただす。
「は、はい…剃りました…あっ、んっ…」
 こちらも顔を真っ赤にして照れる。
 剃りました、もとい、剃られました。
 過去、ある男に調教完了の証として二度にわたって剃られた下の毛。
 しかし、エロい女は髪が伸びるのも早いというように、内に秘める性欲の強さから、またすぐに生え揃い、ちょうど今は養成中で芝生のようになっていた。
 天然の剛毛の蓮加と、それに近づこうとする途上の与田。
 そんな妙なコントラストが窓に見立てたプラスチック板に反映される。
 社長は、二人のクリに突き立てた人差し指を添え、
「さぁ、好きに動いて自分で当ててごらん」
 と言った。
 すると、堰を切ったように、クイッ、クイッ…と腰を揺する二人。
「んはぁっ!あぁっ!」
「ク、クリちゃん…!クリちゃん気持ちいいっ!」
 はだけた制服と揺れて捲れ上がるスカートが妙にそそる。
 コスプレとはいえ、当時、必死に自制していたピチピチの女子高生への痴漢行為、および、猥褻行為に没頭する社長。
 その後も、二人を並べてひざまずかせ、勃起した肉棒を舐めさせたり、乳首を舐めてやったりして、最後は、親子ガエルのように四つん這いの蓮加の背中に与田を乗せ、二人に尻を突き出すように命じた。
「はぁ…はぁ…」
「は、早くぅ…早くきてぇ…!」
 上下ともに湿ってヒクヒク蠢く二人の秘肉とプリケツは壮観だ。
「さぁて、どちらにしようかね…」
 二人の唾液まみれになった肉棒の先端を、まず下の蓮加の割れ目にあてがう。
「ひゃぁっ…!」
「こっちかな。それとも、こっち…」
 と次は、その上に跨がる与田の割れ目に。
「はひぃぃっ!?」
「さぁ、立候補したまえ。先に挿れてほしいのはどっちだ?」
「わ、私ッ!私に先にぃっ!」
「ち、違うよぉ!蓮加っ!蓮加にぃっ!」
 と、グラグラ揺れながら絶叫する二人。
 そんな二人の必死におねだりする姿にご満悦の社長。
 期待を煽るように重なる二人の身体の間、蓮加の尻と与田の土手っ腹の間に無理やりねじ込めば、
「あっ、か、固いぃっ!は、早く欲しいよぉ!お、奥まで一気にぶちこんでぇっ!」
「そ、それください!もっと上っ!上ですぅ!わ、私のヒクヒクしてるオマンコにぃっ!」
 と淫語を交えながら身体を揺すって誘ってくる。
 その様子を眺めて、
(たまらん…!たまらんぞ、これは!)
 と満足の笑みが堪えられない社長。

 その後、しっかりと二人、順番に挿入してイカせてやった後は、浴室に移動して本来のソーププレイを堪能してプレイが終了。
 あとから聞くと、他にも、王道の『病室×ナース』や、少しMっ気のある客には『取調室×ミニスカポリス』などのバリエーションがあり、同じ制服シチュエーションでも『教室』などもあるという。
 そして、
「それ以外にも、ご希望に添える範囲なら、即興で対応させていただきます」
 ということだった。
 評価はもちろん大満足。
「近いうちにまた利用したい。オーナーに、そう伝えておいてくれ」
 と、退店時、上機嫌にマネージャーに声をかける社長。
「かしこまりました。嬢のキープは対応しかねますが、部屋は一つ、常に空けておきますので、いつでもどうぞ」
 と言われ、さらに気分が良くなって帰路へ。
 歩きながら、早速、次の利用を想像する。
(次は病室でナースとのプレイでお願いしよう。消灯後、こっそり来て逆夜這いで誘惑してくる痴女ナース!これこそ花奈ちゃんによく似合いそうだし、七瀬くんのナースも捨てがたいなぁ。そして、その次は…)
 と、もうすっかり「N46」の新たな試みの虜。
 彼のような人間がスポンサー(金蔓)となり、柴崎一派はさらに潤っていくのだ…!


(つづく)

鰹のたたき(塩) ( 2021/03/28(日) 11:50 )