乃木坂抗争 ― 辱しめられた女たちの記録 ―




























































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第四部 第一章・新内眞衣の場合
10.帰還
 もう随分と前のことのように感じる一時間半ほど前の出発。
 それから山手線を一周し、死にたくなるような恥を晒しながらも何とか戻ってきた眞衣。
(あと少し…!あと少しで和也に会える…!)
 もはや粉々同然のメンタルをかろうじて繋ぎ止めるのは、その思いだけ…。
 早く和也に会いたい…!
 その一心でホテルのロビーを足早に通りすぎ、エレベーターに乗り込む眞衣。
 ドアが閉まると、無言でスカートの裾を掴み、生地を伸ばすように引っ張った。
 和也にだけは知られないように…まるで、山手線の車内でイカされた、潮まで噴かされたという屈辱的な事実を隠滅するように…。
 エレベーターが着くと、眞衣は足早に、元いた部屋を目指し、コンコン…とドアをノックする。
 ガチャッ…と開き、柴アが顔を出す。
「…約束通り、逃げずに戻ってきたわ」
 と眞衣が気丈に告げると、柴アはニヤリと笑って、
「そうか。そいつはご苦労だったな」
「これでいいんでしょ?早く和也を返して」
「分かった。入れ」
 と眞衣を招き入れる柴ア。
 廊下を進み、ベッドルームへ…。と、そのストロークの中で、ふと眞衣は眉を寄せた。
 部屋の奥から、何やら、
「あんっ、あんっ…!」
 と女の喘ぎ声が聞こえるからだ。
(だ、誰かいる…!?)
 出発前、部屋に女は自分しかいなかった筈だ。
 そして、おそるおそるベッドルームに入った眞衣は、思わず目を見開いた。
(…!!)
 まず目に入ったのは、依然、ヘッドホンと目隠しをされて椅子に縛りつけられた和也。
 だが、その和也に跨がるように腰を振っている女がいた。
 そして、その女というのが…。
「か、楓…!?」
 …そう。
 自身の恋人に跨がり、結合して嬌声を上げている女は、なんと、同僚の、しかも後輩の佐藤楓だった。
「あんっ、あんっ…!」
 と、なおも一定のリズムで腰を上下させて喘ぐ楓。
 あまりに夢中で、眞衣に見られても気にする様子もない。
(ど、どうして楓がここに…!?何で和也と…!?)
 混乱とともに愕然とする眞衣。
 これはいったい…?

 ……

 時は少し遡る。
 それは、眞衣が体調不良を訴えて早退を申し出てすぐのこと。
 不穏な態度に疑問を持った秋元真夏、渡辺みり愛、そして佐藤楓の三人は、話し合った結果、少し様子を見守ることにした。
 そして、その後見に抜擢されたのが楓である。
「もしかしたら眞衣は、私たちに内緒で、何か危険な状況に置かれているのかもしれない…だから、少しでも妙な動きがあったら、一人で頑張ろうとしないで、すぐに連絡して」
 と真夏に念を押され、すぐに早退した眞衣の後を追った楓。
 ひとまず、まっすぐ自宅に戻った。
 体調不良を訴えていたのだから当然だろう。…が、真夏からは、
「もう少し様子を見て」
 と言われ、しばらく粘っていたところ、夕刻、何か思い詰めた顔をして自宅を飛び出す眞衣を見て、楓もただならぬものを感じた。
(やっぱり、何か変だ…!)
 本当に体調が優れないのなら静養するべきだが、最寄りの病院に行くワケでもなく、そのまま駅へ向かい、電車に乗って何処かを目指す眞衣。
 よほど考え事に夢中なのか、尾行する楓の存在に気付く様子はないまま眞衣が向かった先は品川、駅からほど近い高層ホテル。
(こんなところに何の用が…?)
 と、首を傾げながら、ひとまず、その旨を真夏へ報告した楓。
 電話口の真夏も困惑気味に、
「品川のRホテル…?」
「はい。眞衣さんは都内に自宅があるので、わざわざ宿泊するつもりで来たとは思えませんが」
「じゃあ、誰かと会うってこと?」
「ではないかと思います。かなり足早に歩いているようにも見えます」
 と楓は私見を述べ、
「どうしますか?」
「う〜ん…」
 電話口の真夏は少し考えて、
「眞衣がそのホテルにいる誰を訪ねたか、どうにか調べられないかな?」
「分かりました。やってみます」
 とミッションを授かり、意気込んで電話を切った楓。
 ロビーからエレベーターに乗る眞衣をひとまず見送り、ドアが閉まったらすぐに後を追う。
 エレベーターホールで頭上のモニターを注視していると、眞衣を乗せたエレベーターは27階で止まった。
 隅のパンフレットラックにあったホテルの案内を見ると25階から上はランクの高いエグゼクティブフロア、そして眞衣が向かった27階はスイートルームの階だ。
(やはり、おかしい…!)
 言ってはなんだか、普段、倹約家で庶民的な一面がある眞衣が、こんな高級ホテルのスイートルームに用事があるということに違和感を覚える。
(まさか、とうとう連中が動き出した…?)
 頭にちらつく悪の影。
 そして、ここで今一度、真夏に報告をしなかったことが、楓の失態といえる…。
 すっかり気が急いた楓は、すぐにボタンを押し、エレベーターをロビーへ呼び戻して、自分も27階へ上がった。
(眞衣さんが危ない…のかもしれない…!)
 という漠然とした緊張感で到着を待つ。
 そして27階に到着。
 チャイムが鳴ってドアが開いた。…と次の瞬間!
(…!?)
 ドアが開くのを待ち構えていたように男たちがドドドっと乗り込んできて、有無を言わせずに楓の細い身体を押さえつけにかかった。
「くっ…!」
 抵抗する間もなく掴み上げられる両手首。
 そして素早く背後に回った男が絞ったタオルを口に噛ませ、声を封じる。
「んぐぅぅっ…!」
「へへへ…やはり尾けてきたヤツがいたか」
「独断か、それとも打ち合わせしたのか知らねぇが、とりあえず、ようこそと言っておこう」
「降りろ!おらっ!」
(し、しまった…!)
 完全に虚を突かれ、エレベーターから引きずり下ろされる楓。
 悲鳴を上げる間もなく、屈強な男たちに締め上げられ、エレベーターの傍の、眞衣が消えた部屋とは別の部屋へ連れ込まれると、すぐに一人が内鍵をかけ、逃げられないようにする。
 一人の男が、
「ポケットだ!」
 と指示をして、羽交い締めにされた楓のポケットを探る。
(ま、まずい…!)
 見つかり、奪い取られたケータイ。
 男は、それをトイレに持ち込むと、躊躇もせずに便器の中に捨て、そのまま水に流してしまった。
「へへへ…これでもう外部と連絡は取れねぇなぁ?」
「さぁ、たっぷりおもてなしをしてやろう!」
(くっ…!)
 必死に暴れようとするも、腕をがっちりと固められて動けない。
 男たちは楓の細い身体を締め上げたまま部屋を進み、そして、乱暴にベッドへ放り投げた。
 よろけたまま倒れ込み、バウンドする楓の身体。
(くっ…!)
 すぐに起き上がろうとする楓だが、それよりわずかに早く、一人の男が、俯せの楓の背中に馬乗りになると、
「へへへ…さすが頭の切れるアニキだぜ。見事に読み通りだ」
(よ、読み通り…!?)
 …そう。
 柴アは、呼び出した眞衣を仲間が尾けてくる可能性も想定し、もう一部屋、同じ階に部屋を押さえた上で配下の力自慢たちをエレベーター前に待ち伏せさせていたのだ。
「んんっ…ぐぅっ…!」
 タオルを噛まされてもがく楓だが、大男にマウントを取られてはもう動けない。
「へへへ…尾けてきた女がいれば、捕まえて俺たちで好きにしていいって言われてんだ!そういうことだから楽しませてもらうぜ!」
(…!!)
「おらっ!顔を上げろ!」
 と楓の髪を掴み、捻り上げる男。
 上体反らしのような体勢になったところで、目の前に設置される加湿器。
 男がスイッチを押すと、蒸気機関車のように水蒸気が吹き出した。
(んっ…!くっ…!)
 水蒸気がモロに顔面に直撃し、みるみる潤ってくる楓の額。
 もちろん、ただの水蒸気でなければ、リラクゼーション効果があるアロマのようなものでもない。
「さぁ、まずはたっぷり鼻から吸ってもらおうか。俺たち特製の“強力媚薬ミスト”をなぁ!ガハハハハ!」


 こうして眞衣と同様、媚薬ミストを浴び、眞衣が公開オナニーや和也への奉仕フェラをさせられてる隣の部屋で、人知れず尾行を見破られた楓も男たちの手にかかっていたというワケだ。
 やがて媚薬ミストが全身に回って欲情した身体を責められ、あっけなく陥落してしまった楓。
 そして、眞衣が山手線一周の指示を受けてホテルを出ていったのと入れ替わりに柴アの元へ運ばれた楓は、ここでも男たちに好き勝手に犯されるうちに性欲のタガが外れ、けしかけられるまま、とうとう椅子に縛りつけられた先輩の彼氏、和也の上にも自ら跨がって、クネクネと腰を上下に…。

 ……

「あんっ!あんっ!」
 依然、和也の上でリズミカルに跳ねる楓の裸体。
 ちらちらと覗く二人の結合部からは絶え間なく粘っこい糸が引いている。
(えっ…な、何これ…ど、どういうこと…?)
 目の前で繰り広げられる自分の恋人と職場の後輩による性交…その異様な光景をまだ理解しきれず、茫然と立ち尽くす眞衣。
 そして、そんな無防備な眞衣の身体を、ふいに背後から抱き締める男。
「きゃっ…!…くっ!」
 そこでやっと我に返るも振りほどけず、そのままもつれるようにベッドへ倒れ込む二人。
「へへへ…残念だなぁ?大切な彼氏を、よりによって後輩に寝取られるなんてよ」
「う、うるさい…!は、離して…!」
「まぁ、そう言うな。あっちはあっちで楽しんでるんだ。こっちも楽しもうじゃねぇか!」
(…!!)
 男は、そう言うと、眞衣のすっかり着慣れたボディコン衣装を掴み、強引に引っ張った。
 ビヨ〜ンと伸び、肩がはだけてそそる素肌が、より露わになる。
「や、やめてっ!やだっ…!」
 はだけた衣装を必死に戻す眞衣だが、そこに他の男たちも次々と加勢していって、
「おらっ!さっさと脱げ!」
「大好きな彼氏の代わりに俺たちが相手してやるからよ!」
「目には目を、だ!浮気には浮気で対抗してやれ!」
「い、嫌っ!嫌ぁぁっ!和也ぁっ!」
 衣装を剥かれながら、とっさに目の前の恋人の名を呼ぶ眞衣。
 だが、当の和也は、ヘッドホンと目隠しをされたまま、楓との対面座位を心地良さそうに味わうのみ。
「か、和也っ…!ねぇ!助けて!和也ってばぁ!」
 という眞衣の悲痛の叫びも、もはや届かない。
 それどころか、自らバウンドを繰り返す楓の、
「あんっ!か、固いっ…!この人のオチンチン、ずっと固いぃっ…!」
 という卑猥な一言に、より絶望を思い知る。
「おらぁっ!」
 男の怪力を前に、ビリビリっ…!と音を立てて無惨に裂け目が入る生地。
 さらに、その裂け目を広げられると、とうとう、スレンダーなわりにふくよかな乳房、山手線の車内で必死に守り続けた隠れ巨乳がポロリとこぼれ落ちた。
「い、嫌ぁっ…!」
 慌てて覆い隠そうとする手を掴み上げ、無防備になった乳房にスッと手の平を添える男。
「さぁ、山手線を一周してる間に感度はどれぐらいになったかな?」
 とニヤニヤ笑みを浮かべながら揉みしだかれる胸。

 ムニュッ…

「んひぃぃっ…!?」
 思わず長い脚をピンと伸ばして悶絶する眞衣。
(そ、そんな…む、胸だけでこんなに…!)
 もはや自分でも制御不可能な爆発的感度。
 さらに繰り返し、ムニュッ、ムニュッ…と揉まれ、
「んあぁっ!?ダ、ダメぇっ…!ひぃぃっ!」
 と声を上げてジタバタと暴れる。
「おらっ!おとなしくしろ!」
「暴れるんじゃねぇ!」
 スラリとしたふくらはぎを掴むも、その触り心地に魅了されてスリスリと撫で回す男たち。
「や、やめてっ!触んないでっ!き、気持ち悪いっ…!」
 と拒絶する眞衣だが、脚フェチの気があると思われる男たちは、
「ハァ…ハァ…こ、この生脚…!」
「た、たまんねぇ…!」
 と興奮が止まらず、とうとうその美脚を舐め回し、顔を擦りつける。
「ひぃぃっ…!」
 あまりのおぞましさに身を固くする眞衣だが、そうなると次は、その身をほぐすようなディープな乳揉みで翻弄される。
「んはぁっ…あぁっ、んんっ…!」
「へへへ…どうだ?恋人のすぐ傍で襲われる気分は?気持ちいいなら気持ちいいって言ってもいいぞ?」
「そ、そんなワケ…!んんっ!?んはぁぁっ…!」
 反論の途中、山手線の車中からずっと勃起しっぱなしだった褐色乳首を摘ままれ、思わず仰け反る眞衣。
 そのままコリコリと指の腹で転がされると、それに合わせてビクンビクンと身体が跳ね、
「んひゃあぁっ!?そ、それダメぇっ…!」
 とギブアップ同然の情けない声を上げる。
 それでも男は止めず、それどころか、
「おいおい。まだ胸だけだぞ?それでこの有り様じゃ、こっちはどうなるのかねぇ?」
 と、スラリとした内ももに男の指が触れる。
「んっ、あぁっ…やぁっ、やめてぇっ…!」
「やめて、だぁ?どの口が言ってるんだ?こっちの口はそうは言ってねぇぞ!」
 と、ファサファサと陰毛の上から割れ目をなぞられ、
「う〜わ…!こいつはすげぇや!またトロットロになってやがる!」
「んっ、あっ…んんっ…!」
「さては、お前、彼氏の前でヤラれることにも興奮してんじゃねぇのか?」
「ち、違うっ!そんなワケ…んひぃぃっ!?」
「どこが違うんだ?中までもうこんなに濡らしておいて!ほら、俺の指をいとも簡単に咥え込んだぞ?んん?」
「あぁっ!ダ、ダメっ!その指、ダメぇっ!」
 グジュッ、グジュッ…と、すっかりとろけた眞衣のマンコを出入りする男の指。
「へへへ…さぁて、さっきみたいに、もう一度、スプラッシュしてもらおうか!おらっ!おらっ!」
「ひ、ひぃぃっ…!」
「今度は我慢する必要はねぇぜ!さぁ、彼氏にぶっかける勢いで飛ばせ!イケよ、おらっ!」
 激しさを増す手マンに、
「んひゃあぁっ!で、出るぅっっ!イクぅぅっ!」
 と絶叫し、ブシュッ、ブシュッ…とシーツの上に潮を撒き散らす眞衣。
 男の言った通り、椅子に縛られて人間ディルドー状態の和也、そして、その人間ディルドーに跨がって何度イッてもなお動きを止めない楓の身体にまで飛び散る。
 派手な潮吹き絶頂で一気に疲労感を覚え、ぐったりとする眞衣。
 だが、休むヒマなど与えられるワケもなく、気がつけばペチペチと固いモノが頬を叩く。
「おい、口を開けろ!」
「…い、嫌っ!んぐぅぅっ!?」
 すっかり弱々しくなった抵抗など軽々と突破し、横たわる眞衣の口に無理やり竿を突き挿す男。
「さぁ、俺にもしてくれよ!さっき彼氏にしてやったあのエロい舌遣いをよぉっ!」
「んぐっ…!んぐっ…!」
「へへへ…いいぞ。そうやってちゃんとやらねぇと分かってんだろうなぁ?」
(くっ…こ、この期に及んで、まだ和也をだしにするなんて…!)
 脅されて一変、眉を寄せて嫌がる表情を見せつつも、従順に口をしぼませる眞衣。
 口内で舌を巡らせ、レロレロと亀頭を舐め回してやると、男は、
「うぉぉっ!?こいつはたまらんなぁ!」
 と嬉しそうに言って、
「ほらっ!褒美をやるぞ!」
 と、後ろ手に乳首を摘まみ上げて引っ張った。
「んんっ…!はふぅっ…!はうぅッ…!」
 口を離すか離すまいかと葛藤する様が見て取れる感じ方。
 長髪がみるみる汗で濡れ、風呂上がりのように湿る。
 なおもフェラに勤しむ中、また別の男の指が、次はクリトリスをなぞる。
「んっ…!はぁぁっ…!」
 これにはさすがに口を離した。
 肥大して皮も剥けきった敏感クリトリスを嬲られ、ピクッ…と反射的に跳ねる身体。
 さらに面白がって繰り返されると、眞衣の身体はまるで電気ショックでも受けたように、ビクンビクンと続けて反応する。
「ハハハ!こいつはおもしれぇや!」
 と、たいへん気に入った様子で何度も繰り返され、そのたびに、
「んっ!あぁっ!あんっ!あんっ!」
 と声を上げる眞衣。
「どうだ?こういうのも本当は彼氏にしてもらいたかったか?しかし残念ながら、お前の彼氏は、今、別の女のマンコに夢中らしい。…ほら、見ろ!」
 と、眞衣の頭を掴み、無理やり横に向ける。
 その視線の先には、跨がり、
「あぁっ、イ、イク…!またイクぅっ!」
 と絶叫して果てる楓。
 そして、そんな楓の膣の肉感に負け、自らも快楽を求めて腰を浮かせる和也の姿があった。
「あぁっ…い、嫌ぁっ!」
(見たくない…!和也が私以外の女とヤッてるところなんて見たくないよぉっ…!)
 必死に首を戻そうとする眞衣だが、押さえつける男はすごい力で、全く動かせない。
「んんっ!あぁっ!?ぜ、全然、萎えない…!た、勃ちっぱなし…!す、すごいよぉっ…!」
 と無意識に口にしながら再びグラインドに没頭する楓の声が、眞衣を複雑な気持ちにさせる。
 そして…。

 ペチ…ペチ…!

「んあぁっ…!?」
 ふいに股ぐらに打ちつけられる、太く、長く、そして固い杭…!。
「どうだ?見てたらお前ももう欲しくてたまらんだろう?彼氏のは取られちまったようだから、代わりに俺のを挿れてやるぜ」
「ひ、ひぃっ…!」
(ダ、ダメ…そんな…和也のすぐ傍で…!)
「い、嫌っ…!嫌ぁっ!」
 クネクネと身体を揺すって拒否する眞衣だが、それも見ようによっては誘ってるように見える。
「ほら…!ほらっ…!入口に当たってるのが分かるか?ハハハ!」
 心と裏腹に、既に準備万端の割れ目に亀頭を擦りつけ、眞衣を高ぶらせる男。
「や、やめて…!お願いっ!それだけは…!」
「あぁ?聞こえんなぁ!行くぞ、そぉらっ!」
「きゃうぅっ…!」
 スレンダーな身体にズブズブと押し込まれていく黒々とした巨根。
(と、とうとう挿れられてしまった…!和也以外の男に…!)
 みるみる身体に広がる絶望感。
 せめて声は上げないと必死に歯を食い縛る眞衣だが、その閉ざした口元にも、再び、ノックをするようにイチモツが叩きつけられる。
「もっと舐めろ、ほら!」
「んっ…んんっ…!」
 避けるように右へ左へ髪を振り乱す眞衣だが、ゆっくりと動き出した膣内へのピストンに、たまらず、
「んあぁっ!?あんっ!あんっ!」
 と声を漏らせば、そのわずかに開いた隙を狙ってグリグリと口内へ押し込まれる。
「おごぉぉっ…!」
「歯を立てたら承知しねぇぞ?さぁ、しゃぶれ!」

 ジュポ、ジュポ…!
 パンっ、パンっ、パンっ、パンっ…!

 上からは濁音、下からは肉と肉の激突音。
 長い脚をカエルのように折り曲げられ、濡れた秘肉を蹂躙される眞衣。
 それも恋人の真横で…。
「ハハハ!疼いたマンコには一番の特効薬だろう!どうだ?気持ちいいか!」
「あうぅッ!んんっ!あぁっ、あぁっ、んはぁぁっ!?」
 またしても堪えきれずに口を離し、されるがままの眞衣。
 シーツをぎゅっと掴むのは不本意だというアピール、せめてもの抵抗。
 だが、いくらそんな抵抗をしても、肝心の嬌声は一向に止む気配がない。
「へへへ…残念だったなぁ?本当は恋人とイチャイチャしたかっただろうに後輩に寝取られちまってよぉ!」
「そうだ、そうだ。俺たちは、いわば慰めてやってんだ!むしろ感謝してもらいてぇなぁ!ハハハ!」
(ひ、卑怯者ぉっ…!)
 恥辱的な指示に応じたにもかかわらず、その間に後輩を手にかけたのは誰なのか。
 そして、その後輩と和也に性交を強要しておいて、どの口が言うのか。
「うぅっ…うっ、うっ…」
 鬼畜の所業に抗議の涙を流す眞衣。
 だが、文字通り、鬼畜な男たちは、その涙するも嘲笑のネタにする。
「んっ…?何だ?もしかして泣いてるのか?」
「恋人に裏切られてショックなのか、それとも気持ちよすぎて感激してんのか、どっちだ?」
「この喘ぎっぷりだと、案外、後者かもなぁ?ガハハハハ!」
「くぅぅっ…!」
「そう思われるのが嫌なら歯を食い縛って、そのいやらしい声を止めてみろ!」
「うぅっ、ぐぅっ…ぐっ、あっ!?んんっ!あぁっ!ダ、ダメぇっ!んひぃぃっ!?」
 我慢しようとしたが無理だった。
 心と裏腹に既に受け入れ態勢だけはバッチリの膣内を荒々しくピストンされては我慢などできっこない。
「んはぁっ!あぁぁっ!」
「ほら、彼氏のチンポとどっちがいいんだ?」
(ど、どっちって…そ、そんなの…か、和也に決まってる…!)
 否定するように髪を振り乱す眞衣。
 だが…。
「あんっ!あんっ!あんっ!」
 その否定をまた否定するかのように、いつになく上ずった声が止まらない。
 そして、こうして犯される最中、男の煽りを触発されて不思議と冷静に比較してしまう自分もいる。
 そんな冷静な自分が出した答えは…。
(く、悔しいけど…か、和也のより…す、すごい…!ふ、太いし…固い…それに、奥の深いところまで…来る…!)
 もちろん、以前までの和也との営みでも充分な満足は得ていたつもりだ。
 だが、眞衣は、今、不覚にもそれ以上のモノを知ってしまった。
(か、和也…!ごめん…す、すぐ傍にいるのに…他の人ので…私…感じちゃってる…!)
 頭より先に、とうとう快楽を認めてしまった身体。
 そんな恋人への裏切りに拍車をかけるように、
「おらっ、おらっ!もっと早くしていくぞぉっ!」
「ひ、ひぃぃ!?は、激しっ…激しすぎっ!んはぁぁっ!?」
(こ、こんなの…き、気持ちよすぎる…!)
「ハハハ!マンコがキュッ、キュッと締まってるぞ!彼氏の真横で犯されるスリルってのは、そんなにもゾクゾクするものか?」
「んっ、あぁっ、ダ、ダメ…言わないでぇっ!」
 男の指摘によって押し寄せる背徳感。
 そして、それに並行して、
「あぁっ、イ、イク…!もうダメぇっ!」
 と絶叫し、思わず飛び上がる楓。
 飛び上がった拍子に和也のイチモツは抜け、楓はそのまま力尽きたように床に崩れ落ちた。
 突っ伏したまま、荒い息を吐く楓。
 だらしなく開いた脚の付け根には、ヒクヒクと蠢く女性器が湿った口を開けていた。
 その様子を見て、
「へへへ…アイツはもう限界か。よかったじゃねぇか、彼氏のチンポが空いたぞ?だが…」
「んあぁっ!?あぁっ…!」
「…残念っ!今日、お前がマンコを使って締めつける相手は彼氏じゃなくて俺だからよ」
「ひ、ひぃっ!」
「おら!もっと腹筋を使って締めつけろ!コラ!」
 と言って、なおも繰り返し杭を打ち込む男。
 正常位で堪能した後は、貫く眞衣の身体を、繋がったまま、ぐるんと裏返し、その細い腰を掴んで、
「おら、立てっ!」
 と引っ張り上げた。
 身体を起こされ、ベッドの上で立ちバック。
 そして、眞衣の細長い両腕を腕を掴み、
「さぁ、歩くんだよ!ほらっ!」
 と、二人して、まるでケンタウルスのような格好で、ゆっくりと前へ移動する。
 しっかりと身体を支える男の後ろ足に対し、ぷるぷる震えて今にも折れそうな眞衣の前足。
 そして歩みを進めるにつれ、
「い、嫌っ!嫌ぁっ!や、やめてぇっ…!」
 と急にうろたえる眞衣。
 …そう。
 男は、貫いた眞衣を、和也の真横へ誘導しているのだ。
「何が嫌なんだよ?嫌なら振り払って逃げ出してみろ!楽しんでるくせに!おら、歩けっ!歩けってんだよ、ほらっ!」
「んはぁぁっ!?そ、それダメぇっ…!」
 ズドン、ズドン…と二発、渾身の深いピストンが決まったことで、ぐったりとして抵抗が弱まる眞衣。
 その隙に再び歩みを進め、眞衣を和也の真横へ連れてきた男はニヤリと笑って、
「さぁて、それじゃあ、まずヘッドホンから外してやるか」
(…!!)
「や、やめて!お願い!ダメっ!」
「何がダメなんだよ?声ぐらい聞かせてやれ!」
「嫌っ…!」
 和也のヘッドホンが取り去られた瞬間、反射的に掴まれた右手を振り払い、口に蓋をする眞衣。
「ほぅ、まだそんな力が残っていたとは…これが火事場の馬鹿力ってやつか」
「━━━」
 まるで自らの頬を握り潰さんとするほどの力を込め、声が漏れるのを…いや、その声を和也に聞かれることを嫌う眞衣。
 だが、そのような態度は、この状況を愉しむ男たちに対しては、むしろ火に油を注ぐようなもの…!
「へへへ…おもしれぇじゃねぇか!いつまで耐えられるかなぁ!?…おらおら!おらぁっ!」
 と、さらにピストンの速度を上げて眞衣を追い詰める男。
「ぐっ…うぅっ…!」
 手の蓋の下で、血が出るほど唇を噛んで声を殺す眞衣。
 だが、いくら我慢したところで、声と快楽の蓄積は別物…。
(あぁっ…!ダ、ダメ…イクっ!またイカされるっ!?か、和也が横にいるのにっ…!んあぁっ!?ダメぇっ!イクぅぅっ…!)
「ぐぅぅっ…がふっ…!」
 手の蓋で声を押し殺したまま、グッと仰け反り、ピクピクと痙攣する眞衣のスレンダーな身体。
(はぁ…はぁ…)
 茫然とし、一瞬、頭が真っ白になる眞衣。
(な、何?今の…さ、さっきの、電車の中や…ベッドの上より…何倍も…き、気持ちいい…!)
 という心の中だけは素直な感想。
 そして、そんな感想を抱きながら、一瞬、放心状態になった隙を狙われた。
「何をぼーっとしてる!?まだだぞ、おらっ!」
 と、すぐにピストンが再開し、つい、
「んあぁっ!?あんっ、あんっ…!」
 と声が漏れてしまった。
 その声を耳にし、キョロキョロして、
「ま、眞衣…?」
 と声を上げる和也。
(…!!)
 慌てて、もう一度、口に蓋をしようとする眞衣だが、わずかに早く、男がその手を掴み上げた。
(くっ…!)
「へへへ…手でガードする時間は終わりだ。さぁ、たっぷり聞かせてやれ!彼氏に、別の男のチンポで感じてる声をなぁ!」
「やぁっ、い、言わないでっ!んあぁっ!?ああっ!ま、待って!嫌ぁっ!はうぅッ!」
「━━━」
 ふいに聞こえてきた男の煽りと、それに対する、
(ウソだ!眞衣じゃない!)
 という願いを見事に打ち砕く、聞き馴染みのある女の喘ぎ声。
 絶望したように口元を震わせる和也。
 それが目に入り、たまらず、
「んあぁっ!?お、お願い…も、もう許して…んひぃぃっ!」
「許して、だぁ?まだまだこれからだよ、楽しいのは!」
 と男は言って、次に和也の目隠しに指をかける…!
 途端に顔面蒼白になる眞衣。
 だが、もう自分の力では止められない。
「んんっ!あぁっ!?んひゃぁぁっ!」
「へへへ…さぁて、そろそろとどめをさしてやるか。彼氏の目の前で、このよく締まるマンコの奥深くにたっぷりと出してやるぜ」
(…!?)
 背筋が凍る一言。
 そして、そこを最終地点に定めたかのように徐々にスパートをかけ始める男の腰。
「ま、まさか…!ま、待って!ダメ!それはホントにダメっ!」
 男の思惑に気付いた途端、血相を変えて髪を乱す眞衣だが、背後を取られ、両腕を掴まれた眞衣には、もうどうすることもできない。
「ハハハ!さぁ、彼氏に見てもらうがいい!違う男に生中出しされて崩れ落ちる姿をな!」
 と男は言い、一思いに和也の目隠しを取り去ると同時に、
「うっ、くぅっ…あぁっ、で、出るぞ!出るぞぉぉっ!」
「嫌ぁっ!ダメっ、み、見ないで!和也、見ないでぇっ!嫌ぁぁぁっ…!!」
 断末魔に等しい眞衣の絶叫…。

 ドクン…ドクン…

 突き挿さる肉棒が脈打つのが分かった。
 そして、その先端から放たれた熱い滾りを身体の最深部に浴びせられたのも分かった。
(あぁっ…だ、出された…中に…!そ、それも…和也の目の前で…!)
 それから数秒、まるで時が止まったように部屋にいる全員が制止した後、再び時の流れを戻すように、静かに、

 ジュポっ…!

 と、肉棒を抜き取る濁音を奏でる男。
 掴んでいた細い腕を離すと、スルスルと手の平をすり抜けて、眞衣はゆっくりと崩れ落ちた。
 そのまま土下座するような態勢で、尻を向ける眞衣。
 そして愕然とする和也の視線に映った眞衣のぐしょ濡れの秘部からは、どろりと大量の精液が溢れ出てきて、糸を引きながら、ポタポタ…とカーペットの上に落ちる。
「うぅっ…うぅっ…」
 最悪の結末に泣き崩れる眞衣。
 そんな眞衣の背中に、嘲笑を浴びせる男たち。
 そして、そんな男たちを退け、これまで黙って眞衣がレイプされる様子を眺めていた柴アが歩みを進める。
 うずくまる眞衣の髪を捻り上げ、
「フフフ…派手にヤラれてしまったなぁ?ほら、さっさと自分でマンコの中を掻き出さないと好きでもない男の子供を孕んでしまうぞ?」
「うぅっ…さ、最低よ、アンタたち…!」
「最低…か。そう言ってもらえると光栄だ」
 柴アはニヤリと笑うと、捻り上げた眞衣の泣き顔に額を寄せて、
「これが手始めだ。新たな戦いの始まりを、その泣きっ面で仲間どもに伝えておくんだな。フフフ…ハーッハッハッ!」
 と、勝ち誇った笑いを浴びせるのだった…。


■筆者メッセージ
〜次回予告〜

※第二回リクエスト総選挙内より起用メンバー熟考中
鰹のたたき(塩) ( 2021/01/06(水) 09:45 )