乃木坂抗争 ― 辱しめられた女たちの記録 ―




























































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★第三部と第四部の間の短篇集★
与田祐希のその後…
 都内某所、夜の帳が下りるとともに輝き始める大歓楽街。
 碁盤の目のように縦、横に通りが伸び、そのブロックごとに熟女、SM、ロリ、性感マッサージなど、需要が変わる。
 そして、ある一角には、男性が女性に性的なサービスをする“女性向け風俗”が密集していた。
 イケメンを揃える店、元AV男優を取り揃えてテクニックをウリにする店など、色々、店ごとに特色がある。
 そして、そのブロックの中の一店、「スレイブ」という店に、今宵、一人の女が訪れた。
 スレイブ━和訳すると“奴隷”。
 その名の通り、高圧的な男との少し乱暴なプレイが楽しめるM女向けの店で、これが意外とそういう癖の女性で賑わっている。
 来店したその女は、夜なのにサングラスをつけ、目深に帽子を被っていた。
 受付で「向井桃子」と友人二人の名前を勝手に拝借してつけた偽名を名乗り、
「いつもの人で…」
 と言った。
 そして、部屋に入り、ベッドに座って待つこと数分、指名した男が来た。
 男は目が合うとニヤリと笑って、開口一番、
「何だ?また俺にいじめられたいのか?この変態女め」
 と先制パンチを浴びせた。
 そんな言葉にも、その女、向井桃子━本名、与田祐希は反論するどころか、ぞくぞくしながら受け入れてしまうのだった。


 与田祐希。
 過去、二度にわたり、鮫島という鬼畜な男に薬漬けにされ、その身体を調教された悲劇の女。
 一度目は学生時代、無理やり連れ去られて蹂躙された。
 そして二度目は、自分を辱しめたその男に復讐をするため、女捜査官になった後のこと。
 追い詰めたつもりが、まんまと罠に堕ちて捕まり、またしても鮫島に凌辱される羽目になった。
 しかも二度目は、閉ざした過去を思い出させるようにネチネチといたぶられ…。
 その後、性奴隷としてその男に仕えたのも束の間、頼れる先輩たちの活躍で救出された祐希は、療養という形で入院した。
 まず媚薬に侵された身体を洗浄し、そしてカウンセリングで忌まわしい記憶の克服を目指すリハビリの日々が続いた。
 その甲斐あって、先月、ようやく退院し、今は自宅療養。
 あとは自分の気持ち次第。
 過去の恐怖に打ち勝ち、再び、捜査官として現場に復帰すべく、気持ちの整理と決心がつく時を待つだけ。…の筈だった。
 だが、祐希は勝てなかった。
 二度にわたる性調教の記憶は、消えるどころか、洗浄を終えた小柄な女体を、夜な夜な、疼かせた。
 いわば“鮫島の呪い”。
 その疼きは、もはや自慰行為では収められない。
(あの快楽…!“アイツ”の、あの頭がおかしくなるような快楽責めがないと、この疼きは収まらない…!)
 時間が経過するごとにその欲は増すばかり。
 復帰を目指して受けていた日々のカウンセリングなど、結局、何の意味も成していなかった。
 それどころか、その療養期間が逆に“お預け”期間となったことで、より辛い。
 それに肝心の、祐希の身体に呪いをかけた張本人の鮫島が、もう既にこの世にいない。
 抑えきれない性欲に理性まで蝕まれた祐希は、まず元カレ、それから学生時代に仲の良かった男子に片っ端から連絡を取り、手当たり次第に会った。
 そして強引にホテルに誘い、行為に及んだが、自分の求めていたほどの快楽は得られなかった。
 それどころか、そんなことを繰り返しているうちに「与田はヤリマン」という不名誉な噂が出回ってしまい、それすら自重せざるをえなくなった。
 依然、悶々としたものは晴れない。
(愛なんていらないっ…!今は…快楽さえくれれば…!)
 今の祐希にラブセックスなど必要ない。
 虐げられ、奴隷のように扱われる乱暴なセックスじゃないと、祐希はもう満足できないのだ。
 そして、そんな折、気休めの自慰行為のネタ探しにネットサーフィンしていた時に見つけた女性向け風俗のホームページ。

<ノーマルセックスでは物足りないM女、大歓迎!>
<腕利きの調教師が必ず貴女を満足させてみせます!>

 という如何わしい誘い文句につい惹かれてしまい、試しに一度、行ってみた。
 そして、そこで出会った一人の男とのプレイにハマり、今日が四度目の指名。
 変装し、つい偽名まで使ってしまう後ろめたさを感じつつ、今夜も祐希はこの男に自ら望んで抱かれるのだ━。


「んぐっ…んぐっ…」
 部屋に響く卑猥な濁音と、祐希の呻き声。
 後ろ手に縛られ、アイマスクをした状態で、そ小さな口に押し込まれた極太バイブ。
 だが、当の本人は、それをひたすら従順に咥え続ける。
 小柄なわりにしっかりと弾力のある胸は、ボンレスハムのように縄でぐるぐる巻きにされ、さらに、先端の乳首にはクリップ型のローターが留められている。
「落とすなよ?落としたらお預けだぞ?」
 と男は言って、乳首を挟むクリップ型ローターのスイッチを入れた。
「んっ!んごぉぉっ…!」
 極太バイブを頬張ったまま、その小さな身体を跳ね上げる祐希。
 過去、二度の媚薬調教で全身どっぷり快楽漬けにされた身体は今でも当時の感度を覚えていて、少しでも性的興奮をするたびに、あの時の爆発的な感度に戻ってしまう。
 乳首を襲う振動で、すぐに口が緩む。…が、咥えたバイブは落とさない。
「やるじゃねぇか。そんなに次に進んでほしいか?」
 と問われ、バイブを咥えたまま、うんうんと頷く祐希の姿は、もはや欲求不満の変態ドMと言う以外に表しようがない。
「よーし。それじゃあ、どれだけ発情してるか、実際に確かめてやるか。股を開けよ、この淫乱女!」
 しっかりキャラを入れて高圧的な口調を演じる男は、開かれた脚の間、祐希の股ぐらに無造作に手を伸ばす。
 過去、鮫島に、奴隷の証として刻まれたサソリの刺青は現代の医術で跡形もなく消えている。
 だが、そうするためには剃毛が必須だったため、祐希の股ぐらは、今、パイパン状態だ。
 その無毛の土手から、割れ目へと下りてゆく男の指。
「んっ、ぐっ…ぐうぅっ…!」
 悶える祐希に対し、男は耳元で、
「やっぱり、お前、正真正銘の変態だな?前々回より前回、そして前回より今回、俺と会うたびにマンコの濡れ具合が増してるよ」
「んぐぅっ…」
(い、言わないで…!恥ずかしい…でも、もっと!もっといっぱいなじって!私のこと、もっと変態って言って!)
 心の中で、そう懇願する祐希。
 男は咥えさせたバイブを引き抜くと、
「うわぁ…。自分でこんなに濡らして…まったく、なんというヤツだ」
 と呆れた口調の後、耳元で、
「この変態…!ドスケベ早漏女…!」
「ひぃっ…!」
 罵るような言葉責めにすら、ぞくぞくする祐希。
 過去、鮫島に調教された時も、濡れやすい体質をネタに罵られた。
(い、今の言葉…!あ、あの時を思い出す…!)
 忌まわしい記憶の中に埋もれた快楽地獄。
 あの気が狂うほどの責め苦を思い出して、こともあろうに、それをまた求めてしまう祐希。
(も、もっと…!もっといじめて…!)
 そんな精神状態だから、
「どこにぶちこんでほしくて、こんなに濡らしたんだ?言ってみろよ」
 と促され、祐希は躊躇なく、
「マ、マンコ…!私のマンコに、お、奥までグリグリ突き挿してほしいの…!あぁっ、は、早くぅっ!」
 と、アイマスクをしたまま、おねだりをする。
「仕方ないな…ほら!望み通りしてやるよ、このメスブタ!」
「んぎゃぁっ…!」
 悲鳴とともに、思わず仰け反る祐希。
 股の間に突き挿さった極太バイブが、ズブズブと膣内へ埋まっていく。
 そして、持ち手のところのスイッチを入れられると…。
「んはぁぁぁっ!あぁっ!す、すごぉっ!う、動いてるぅっ!マンコの中で動いてるぅっ!」
「いいぞ、もっと言え!卑猥な言葉を羅列して今の自分の状況を説明してみろ!」
 と男に命じられ、これまで来店三回の調教の成果を出し、
「い、今…ビ、ビンビンに勃起した祐希のエロ乳首には、んっ、あっ…ロ、ローターがついています…!あぁっ…ロ、ローターの振動で、ゆ、祐希…んっ、あっ…か、感じちゃってます…んひぃっ!」
 と甘い声を交えながら卑猥な言葉を吐く。
「下は?」
「し、下は…グ、グチョグチョのオマンコには、んっ、あぁっ…ふ、ふっといバイブが、お、奥までぇ…ひぃっ、お、奥までぇぇっ…あぁっ、ダメぇっ!イクぅっ!んはぁぁぁっ…!」
 説明の途中で、耐えきれず、あっけなく絶頂に達する祐希。
「あーあー、まだイッてもいいとは言ってないのに」
「ご、ごめんなさいぃっ…!んひゃぁっ!」
 罰としてバイブを振動のレベルを上げられ、祐希は、さらに上ずった声を出す。
「さぁ、続きだ。太いバイブがどうしたって?」
「んっ、あぁっ…ふ、太いバイブが、んひぃっ…オ、オマンコの奥まで、さ、挿さって…あんっ、あんっ…な、中でグルグル動いて、き、気持ちいいですっ!んっ、あぁっ!はあぁっ…!」
「何だ、その動き。もしかして、またイクのか?」
 と問われると、祐希は恥ずかしがることもなく頷き、
「イ、イキそう…!またイキそうっ!あぁぁっ、イクっ…!イクっ!イクぅっ!また勝手にイッちゃうっ!ごめんなさいっ!ごめんなさいぃぃっ!んひゃあぁっ…!」
 と謝りながら、すぐに二度目の絶頂。
 あまりに激しく跳ね上がるから、挿さっていたバイブが抜けてしまった。
 愛液まみれになりながら、シーツの上で卑猥に動き続ける極太バイブ。
「はぁ…はぁ…」
 祐希は絶頂の余韻で荒い息をしながら、その縛られた上半身を、視界が暗闇の中、男の気配がする方へ擦り付けて、
「お、お願いします…チ、チンポくださいっ!つ、次はバイブじゃなくて…ほ、本物のオチンポくださいぃぃっ!」
 と泣き声混じりに懇願する。
 すると男は、これまでと一変、急に、
「挿入についてなんですが━」
 と事務的な口調になり、
「当店のサービスに挿入行為は含まれておりません。よって、挿入を希望のお客様は、お客様自身の任意となります。任意のため、当店では一切の責任を負いかね…」
「い、いいからぁっ!何でもいいから、今日も…今日も挿れてほしいのぉっ!」
 と、いつも通り、野暮な通過儀礼は必要ないとばかりに挿入を了承し、
「は、早くぅっ!早くぶちこんでぇっ!」
 と、命令されてもいないのに、がに股で自ら無毛の割れ目を開き、男を誘う祐希。
 愛液で指が滑り、自然と元に戻るビラビラを再び指で捕まえて、また開く。
 そのたびに、ぬちゃっ…ぬちゃっ…と左右を結んで粘っこい糸を架け、濁音を聞かせる祐希。
「本当にいいんですね?あとで文句を言わないでくださいよ?あくまで、お客様がご自身で希望されたことですからね?」
 ニヤニヤしながら念を押した男は、素早く下を脱ぎ、勃起したイチモツを祐希の開いたビラビラの真ん中に押し込んだ。
「んひぃっ!?やぁっ、あぁぁっ…!」
 固い肉棒の侵入に、思わず絶叫する祐希。
 途端に、男は、口調を戻し、
「さぁ、メスブタ。どうしてほしいんだ?リクエストしてみろよ」
 と問うと、祐希はメスブタ呼ばわりに反論もせず、
「バ、バック…!う、後ろから…メチャクチャにしてぇっ!」
 と絶叫する。
 早速、男は、祐希を俯せにして、お尻を上に突き出すように命じた。
 ぷりっとしたお尻と細い腰が持ち上がってくると、男は、そのまま、祐希の手を後ろに縛った縄を持ち、仰け反らせるように体勢にして高速ピストンで突きまくった。
「んはぁぁっ!き、気持ちいいっ!す、すごいぃぃっ!」
 まさにドMの犯され方。
 小さな身体がカクカクと揺れ、縛られて強調された胸がぶるんぶるんと波打つ。
 だらしなく開いた口からヨダレが垂れ流し状態。
「どうだ?これで満足か?メスブタ!」
「さ、最高ぉっ!最高ですぅっ!」
「今、何されてるか言ってみろよ、メスブタ!」
「セ、セックス…!セックスですっ!バ、バック…バックからオチンポ挿れられてるのぉっ!」
「お前は何だ?」
「メ、メスブタ…!祐希はメスブタですっ…!」
「よく言ったな、褒美をやるぞ!」
「んっ、あっ、あぁっ!?気持ちいいっ!んあぁぁっ!イ、イクぅっ!んひゃあぁっ…!」

 ……

 望み通りに犯され、悶え狂う祐希は、その後、時間を延長までして性欲を発散する始末。
 身体の疼きが収まるのが先か、それとも風俗通いで貯金が無くなるのが先か…。
(あ、熱い…!身体が…!だ、誰かぁっ…!)
 今夜も祐希は“鮫島の呪い”に苦しみ、代わりとなる男を求め、彷徨っている━。

鰹のたたき(塩) ( 2020/07/22(水) 18:05 )