乃木坂抗争 ― 辱しめられた女たちの記録 ―





























































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第三部 第十章・白石麻衣の場合 (絶体絶命編)
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「こ、こんなことして…この程度で私をイカせられるとでも思ってるの…!?」

 麻衣のこの一言が、柴崎を刺激した。
「…そうかい。ならば、その意地、どれほどのものか試させてもらおうか!」
 と柴崎は挑戦的な目をして、
「これを見ろ」
 と、顎をしゃくった。
 そっちに目をやると、そこに並んだ部下の男たちが、各自、手にした電マを構えて見せた。
「くっ…!」
「白石麻衣処刑部隊…とでも名付けようか」
 と柴崎は笑って、
「こういうものを使われても君は動じないというのだな?」
「あ、当たり前…でしょ…!」
「ククク…さっきより少し語調が弱くなったんじゃないか?ヘタな強がりは自らの首を絞めると思うがね」
「う、うるさい…!」
 そして、麻衣が全裸で寝かされる施術台を取り囲んだ男たち。
 一斉にスイッチが入り、振動音が重なる。
「くっ…!」
 視界の中、複数ある電マのうち、どれが何処を狙っているかを瞬時に確認し、身構える麻衣。…と、そんな矢先、ふいに視界が暗闇に覆われてしまった。
「あっ…!ちょっ、ちょっと…!」
 無理やりアイマスクをつけられたことに、思わず抗議の声を上げる麻衣。
「これで心は準備は出来ない」
 と柴崎は得意げに言って、
「始めろ!」
 と大号令を発した。
 媚薬に侵食され、感度の上がった身体に、振動具が、どこからともなく襲いかかる。
 まずは、じわじわと乳房の山裾、そして内ももから。
「くっ…!んっ、あっ…!」
 事前に予測のできない電マの襲来に戸惑い、声を漏らす麻衣。
 そして、それが徐々に、上は乳首、そして下は割れ目へと迫るにつれ、声が上ずっていく。
「んっ…!はうぅっ…!あぁっ、くぅっ…!」
「おい、どうした?まだ序の口だぞ?気持ちいいところに届いてもいねぇぞ?」
「ここでそんな反応してたら、当たったらどうなるのかねぇ?」
 暗闇から飛んでくる男たちの野次。
 無視して堪えることに集中する麻衣だが、それも、媚薬の強制投与、そして予測不能で防御できないという2つのハンデによって、じわじわと追い詰められていく。
 そして、電マの先端部が固く尖った対の乳首、そして割れ目をかすめた時、麻衣は、思わず、
「んはぁぁっ…!」
 と声を上げ、仰け反ってしまった。
(ウ、ウソっ…!?か、かすっただけで、こんなに…!?)
 予想以上の刺激。
 もう少し耐えられるものと思っていたがゆえ、大きく出たのが今になって重圧に変わる。
 乳首と割れ目にターゲットを絞った電マの群れが身体を這う。
「や、やめろぉっ…!」
「おいおい。急に暴れるんじゃねぇよ。どうしたんだよ?」
「まさか、あんなエラそうなこと言って、もうイクなんてことはねぇよなぁ?ええ?」
 笑みを交えて問う男たち。
「んあぁぁっ!?あぁっ!」
(ま、まずいっ…!イ、イカされるっ…!)
 口ほどにもなく、あっけなく絶頂手前まで押し上げられて慌てる麻衣。
(ダ、ダメっ!イクっ…!イクぅっ…!)
「くっ…!うぅっ…!」
 呻くような声を上げた麻衣。…だが、身体が痙攣することはなかった。
 絶頂に達する瞬間よりわずかに早く、電マが身体を離れたのだ。
 そして耳元で囁かれる男たちの声。
「まったく…この程度の責めではイカないんじゃなかったのか?」
「俺たちは、もっとイクか耐えるかの攻防を楽しみたいんだよ」
「くっ…!」
 そして再び身体を這う電マ。
「はうぅっ…!」
 一度、絶頂目前まで達した身体は媚薬の効果以上に敏感になっていた
 必死に堪えようとする麻衣の意思など無視して蓄積していく快感。
「くっ…あぁっ!?ダ、ダメっ!んはぁぁっ…!」
 大きく仰け反る麻衣。…だが、またしても、すんでのところで電マは離れる。
「はぁ…はぁ…」
 すっかり息が荒くなる麻衣に対し、男たちは、
「おいおい。もうギブアップか?」
「こんなのでイカないって言ったのはお前だろ?だらしねぇなぁ」
「何で俺たちが気を遣ってやらねぇといけないんだよ?」
 と笑う。
 そこで、ようやく麻衣はハッとした顔をする。
(コ、コイツら…!さては、わざと…!)
 …そう。
 彼らは、「イカない」と強がった麻衣の態度を逆手に取り、「イカせない」責めを始めたのだった。
 同時に、
「ククク…どうやら事の重大さに気付いたようだね」
 と柴崎の声が聞こえ、
「さっき言った通りだ。ヘタな強がりは自らの首を絞める。『イカない』と軽々しく言ったことを後悔したまえ」
 そしてまた電マ責めの再開。
「く、くそっ…あぁっ!?」
 もはや声を我慢することもできない。
 当てられて一分足らずで、すぐイキそうになるが、男たちは、当然のように、またイク寸前で電マを離す。 
「くぅっ…!」
 こんな雑魚どもにまで、いいように翻弄されることに唇を噛む麻衣。
 だが、柴崎の言うように、一丁前の啖呵を切った手前、自ら「イカせて」とは口が裂けても言えない。
 発火するほどに火照り、汗で光る白い裸体を振り乱して悶える麻衣。
「ほらほら、どうしたぁ!」
「んあぁっ!ああぁっ!」
 絶叫する麻衣だが、オーガズムの前兆で身体を震わせると、すぐに電マは離れ、
「なにイこうとしてんだよ。ダメだよ、自分で言ったんだから」
 と笑われる。
「はぁ…はぁ…!」
「辛いなぁ?これだけ火照った身体してるのにイク寸前で止められるってのは」
「いっそのこと、ひと思いにイキたいだろ?ええ?」
「う、うるさい…!わ、私はイカなっ、ああぁぁっ!?」
「イキたい、だろ?なぁ?」
「イ、イカないっ!イカないひぃぃぃっ!」
 先端の球状の部分をグリグリと、白い美巨乳、そして股間に押しつけられる麻衣。
「んはぁぁっ!?」
「ほら、正直になっちまえよ。『強がってごめんなさい』って言ったらチャラにしてやるからよ」
「だ、黙れっ…黙れぇぇっ!んあぁぁっ…!」
「おっと危ねぇ。うっかりイカせてしまうところだったぜ」
 男たちはケラケラと笑う。
 その中の一人の男が、
「それにしても、すごい汗だな。陰毛までビチョビチョだよ」
 と言って、おもむろに麻衣の股間の恥毛を掴んで引っ張り上げる。
「い、痛ッ…!」
 痛みで、思わず腰を浮かせ、男の手についていく麻衣の腰。
 だが、その先に待っていたのは、当然、電マの振動だった。
「何だ?自分で持ってきやがって。当ててほしいのか?ほらよ!」
「んあぁぁっ!?」
 ブリッジのように上げた腰を震わせて絶叫する麻衣。
 拘束された足首、スラリとしたふくらはぎ、そして引き締まった太ももがぷるぷると揺れ、股間の刺激で支えきれずに身体を落とす。
「あぁっ!」
 どすんと音を立てて施術台に落下する麻衣の身体。
 男の手には、その反動で抜けた陰毛が数本、握られていた。
「ほら、見ろよ。白石麻衣のマン毛、GETしたぜ!ギャハハハ!」
 と見せびらかし、どっと男たちの間で笑いが起きる。
 その屈辱に、ますます態度を硬化させる麻衣。
「おら、もうたまんねぇだろ?そろそろイキたいだろ?言えよ、素直に」
 と問われても、頑なに首を振る。
(い、言わない…!こ、こんなふざけたヤツらには…絶対に言わないっ…!)
 その後も、気が狂いほどの寸止め地獄に悶絶しつつも折れない麻衣。
 既に身体は制御不能で、振動が当てられるたび、すぐに絶頂へと押し上げられているのは否定できない。
 だが、その先、麻衣の口から屈服の言葉を欲する男たちに対し、絶対に口にしない麻衣。
 それは、もはや根比べ、意地がモノを言う戦いと化していた。
「おらおら、いつまで耐えるつもりだ?お前が負けるまで続くんだぞ?」
「時間の無駄なんだから素直にこのへんで負けとけよ。なぁ?」
「さっさと認めろよ」
 と煽る男たち。
 それに対し、アイマスクの下でキッとした眼をして、
(わ、私をナメるな…!私は指揮官だ…!お、お前たちなんかに負けてたまるか…!)
 と、モチベーションを保つ。
 それが5分…10分…15分…と続いても、麻衣は折れない。
 こうなると、次第に苛立ってくるのは男たちの方だ。
「チッ…!しぶとい女だな!」
 と、うんざりしたような発言が増え、やがて、
「早く素直になれって言ってんだろ!コラぁっ!」
 と恫喝するような発言に変わる。
 そんな連中を嘲笑うかのように無言を貫く麻衣。
 普通の女ならば、とっくに陥落するような寸止め拷問にも耐え続ける麻衣に、次第に手を焼き始めた男たち。
 かといって、業を煮やして無理やりイカせたところで支配できるのは身体だけ…。
 お高くとまった女捜査官を屈服させるには、身体だけでなく、心まで堕とさないと意味がない。
 そのジレンマと、徐々にグダグダになりつつある状況にイライラが募る男たち。
 見かねた柴崎が、たまらず、
「一回、止めろ」
 と声を上げた。
 その、明らかに不機嫌な口調に立ちすくむ男たち。
「役に立たないヤツらだ。そんなワンパターンな責めで、その女を堕とせると思ったか?」
「━━━」
「もういい。下がれ」
 見限ったような口調で男たちを退かす柴崎。
 彼らが置いていった電マを拾い、なおも施術台に横たわる麻衣に目を落とす。
「さて…」

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(※)
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鰹のたたき(塩) ( 2020/07/14(火) 04:27 )