橋本奈々未サイド―6.仮面を剥がれた女王
張型が、ズブズブと奈々未の肛門へと埋まっていく。
「んんっ…ああっ、い、嫌ぁっ…!」
「どうだ、女王様?アナルに疑似チンポぶちこまれて気持ちいいか?」
「き、気持ちよく…なんか…」
(…な…い…!)
と言いきりたかったが、語尾が吐息に紛れてしまった。
スティックで散々いたぶられて、次にその倍はある太さの張型を挿入されている。
しかも、この張型は男性器を忠実に模し、先端に疑似カリ首とされる膨らみがある。
その膨らみが先陣をきって奈々未の体内を押し拡げながら突き進むと、それが何とも言えない感覚となって奈々未の脳に伝わる。
「さぁ、ずっぽり咥え込んだところで抜き挿しを始めようか」
「や、やめっ、んあぁぁっ…!」
「へへへ。随分いやらしい声が出るようになったじゃないか。喜んでくれて嬉しいぜ」
「よ、喜んでなんか…な…い…んんっ!」
「じゃあ、まず、その説得力をゼロにする情けない声を我慢してみろよ!さっきの毅然としたツラはどこ行った!あぁっ!?」
とリーダーは言って、張型のピストン運動を速める。
「あぁぁっ…ダ、ダメぇぇっ…!」
「さぁ、まだまだやるぞ。次はひねっていくからな。こいつはさっきのスティックより太いし、ちゃんとカリもある。きっと比べもんにならねぇぐらい気持ちいいぞ?」
「よ、よせっ…んあぁぁっ!?あぁぁっ…!」
もはや息が荒いなどという次元ではなく、完全に喘ぎ声を漏らす奈々未。
「へへへ。たまんねぇなぁ?たまんねぇだろ、奈々未女王様よ」
「んっ、くぅっ…!」
「ほら、女王様らしく上から目線で言ってくれよ。『アンタたちのアナル責め、なかなか気持ちいいじゃない。私をアナルでここまで感じさせるなんてたいしたものだわ』ってよ!」
「う、うるさぁ…いっ…んんっ!」
髪を振り乱す奈々未。
(あ、熱い…!身体が…!お尻がぁ…!)
「ほら、もう我慢できねぇぐらいに感じてんだろ?素直に認めろよ、この野郎!」
「ち、違うっ…!そ、それは…」
「それは…?何だよ、言い訳があるなら言ってみろよ」
「お、お前たちが“媚薬”という卑怯な手を使ったから…!」
そう言って、キッとした眼で睨む奈々未。
「なるほど、媚薬か。じゃあ、お前さんが―」
「んあぁぁっ!」
ひねりながらのピストンに悶える奈々未。
「お前さんがこうやって声を漏らしてしまうのは、全部、媚薬のせいだというワケだな?」
「そ、そうよ…!」
「自分の本心ではないということか?」
「あ、当たり前でしょ…!」
「そうか、そうか。なるほどなぁ…」
それを聞いて、なぜか、ニヤッと不敵な笑みを浮かべるリーダー。
同様に、周りの男たちも笑みを浮かべて顔を見合わせている。
「な、何がおかしい…!?」
「実はなぁ…」
リーダーは奈々未の耳元に顔を近づけ、
「媚薬を飲ませたっていう話…あれ、実はウソなんだよ」
と囁いた。
(……えっ?)
きょとんとする奈々未に、リーダーは続けて、
「媚薬なんて本当は使ってねぇんだよ。さっきからお前が逃げ道に使ってる“媚薬”なんてものはハナからないんだよ」
(そ、そんな…じゃあ、私…!)
さぁっと血の気がひく奈々未。
「ウ、ウソよ…!そんな筈は…!」
動揺が隠しきれない奈々未。
てっきりコイツらが言うことを鵜呑みにして、気絶しているうちに媚薬を盛られたと思っていた。
身体が火照り、妙に感度が高いのも媚薬のせいだと思っていた。
だが、実際は違った。
媚薬なんてものは最初から無かったのだ。
(それじゃあ、今まで押し寄せていたあの快楽は…?)
蒼ざめる奈々未に対し、リーダーは笑って、
「そうさ。鞭を打たれて感じてたのも、ローター責めでイッちまったのも、こうしてアナルを責められてヒィヒィ鳴いてるのも、全部、お前が自ら快感を得ているだけなのさ」
「━━━」
リーダーは、再び、奈々未の耳元に顔を寄せ、
「女王様ともあろう女が、鞭を打たれて感じるのはどうなのかねぇ?」
「ち、違うっ!」
「ローターで責められて、びくびく震えながらイッてたなぁ?女王様のくせに感度の良い身体しやがってよ」
「…や、やめてっ!」
「それだけじゃねぇ。しまいには、こうして━」
「んひぃぃぃっ…!」
ずっぽりと奥まで突き挿さる張型。
それをまたゆっくりとひねりながら、
「こうやってケツの穴でもアンアン声を漏らす変態ときた。ドMか、オメェは?ホント、よくそれで女王様なんてのが務まるなぁ?えぇ?」
「や、やめて…動かさないで…!」
「あぁ?何でだよ?動かしたらどうなるっつーんだよ!?」
「んあぁぁっ!あぁぁっ!」
「動かさないでって、誰に向かって言ってんだ?エラそうに女王様ヅラしてたドMが、この俺様に指示してんじゃねぇよ!」
「ひぃぃっ!?あぁぁっ!」
「それとも今のはフリか?そう言いながら本当は、もっと動かしてくださいってことか?だったら望み通り、いっぱい動かしてやるよ、おらぁ!」
「んあぁぁっ!や、やめてっ!やめてぇぇぇっ!」
とうとう懇願するような声で絶叫する奈々未。
まんまと騙されたという狼狽が抵抗力を下げ、抵抗力が下がることで快楽を堪えることが出来なくなった。
「んっ、くぅっ…んんっ!」
ひときわ声が高くなり、四肢に力が入って身体を固くする奈々未。
間違いなく絶頂の前触れであり、そして、それをこの男が見逃す筈がない。
「おい、お前ら!」
リーダーが、男二人に声をかけ、
「よく見ておけ。見逃すんじゃねぇぞ。なんてったって、女王様がケツを責められてイッちまう決定的瞬間だからな」
「や…やめて…見ないで…!」
顔を背けようとする奈々未の髪を鷲掴みにするリーダー。
「へへへ。逃がさねぇよ。しっかりと生き恥を晒してもらうからな」
と笑って、横に反らした首を正面に戻す。
奈々未の目に、男たちの好奇の視線が突き刺さる。
「へへへ。せっかくだから決定的瞬間を動画に残しておこうかな」
片方の男がスマホを奈々未に向けた。
「やぁっ…嫌ぁっ!撮らないでっ!」
「ほら、歯を食い縛れ!だらしないイキ顔を見せてみろ!」
そう言ってリーダーは、張型を射精寸前のイチモツのように、激しく、そして深く、奈々未の尻穴に突き挿した。
「ダ、ダメぇっ!お、お尻…!イグぅっ…!お尻でイグぅぅぅっ!」
その整った顔立ちに似つかわしくない下品な絶叫とともに、弓なりに仰け反り、びくんびくんと痙攣する奈々未。
括約筋の収縮により、リーダーが手を離しても突き挿さったままの張型。
ぶらんぶらんと垂れ下がる張型は、まるで尻尾が生えたようだ。
「…おい、撮れたか?」
「あぁ、ばっちりだ」
「へへへ。女王様がアナル責めで逆調教されて痙攣しながらイク瞬間…こいつを動画サイトにアップしたら、とんでもねぇ再生回数になるかもなぁ?」
「お、お願い…やめて…!」
荒い息を吐きながら、かすれた小さな声で懇願する奈々未だが、その髪を、再び、リーダーが掴み、ひねり上げる。
「何をボソボソ言ってんだ?まだ終わりじゃねぇぞ?俺様の調教はこんなもんじゃ済まさねぇからよ」
「ぐっ…」
リーダーは、掴んだ奈々未の髪をぶんぶんと振るって、
「へへへ。悔しいか?女王様。…でもよぉ、悪いが、お前はもう女王様でも何でもねぇんだ」
「━━━」
「今のお前は、アナルを開発されて無様にイッちまったただのメス。化けの皮が剥がれた淫乱な雌猫なんだよ」
「━━━」
「さぁて、猫は最初のうちにしっかりしつけてやらねぇとなぁ…へへへ」
リーダーの顔にサディスティックな笑みが広がる。
その狂気じみた笑顔で、果たして次は何をしようというのか?