乃木坂抗争 ― 辱しめられた女たちの記録 ―





























































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第三部 第七章・二人の女王様 ―ダブルインパクト― (橋本奈々未、伊藤万理華)
橋本奈々未サイド―4.女王失脚
「さぁ、どこからスイッチを入れてやろうかなぁ?」
 まるで、というより、まさに、新しいオモチャを手に入れた子供のように笑うリーダー。
「くっ…!」
「おーおー、そんな歯を食い縛って…まだ、どこのスイッチも入れてねぇぞ?まさか、この後のことを想像しただけで感じてるんじゃあるまいな?」
「う、うるさい…!」
「へへへ。それにしても目隠しをされて何も見えねぇと身構えようがなくて困るなぁ?…どうだ?怖いのか?女王様よ」
「…や、やるならもったいぶらずにさっさとやりなさいよ…」
「おぉー、いいねぇ。全裸に剥かれてローションまみれにされてもなお、強気な姿勢は崩さず、か。素晴らしい!」
 おちょくり半分で称賛し、奈々未の気高い顔を、まじまじと見つめる男たち。
「じゃあ、まず最初は…」
「…くっ…」
 暗闇の視界の中、突然、お尻の穴━アナルに振動が走る。

 ヴィィ…ヴィィ……ヴィィィン……ヴィィ…

 と、リモコン側の操作で、パターンもなく、ただ不規則に震えるローター。
 感じるというよりもくすぐったい感覚だ。
 奈々未は、唯一まだ動かせる腰を懸命に揺すり、貼りつけられたローターを振り落とそうと試みるも、テープの粘着が強く、剥がれない。
「おいおい、何を焦ってるんだ?…さては、お前、これを警戒してるのか?」
 という笑い声とともに、次は2つ目、秘部のローターも動き出した。
「んっ…!」
 不意をつかれ、小さく呻いた奈々未だが、何事もなかったかのように、すぐ唇を縛る。
「へへへ。どうだ?マンコもアナルも責められてるぞ」
「交互に震えるのがいいか、それとも同時がいいか、言ってみろよ」
 男たちの煽りにも聞く耳を貸さない奈々未だが、アナルはともかく、さすがに秘部に直撃する振動は無視できない
「んっ…くっ…!」
「どうした?脂汗が出てるぞ?」
「我慢しなくていいぞ。声が出そうなら気にせずに出してもらおうじゃねぇか」
「女王様の可愛らしい喘ぎ声なんて、なかなか聞けねぇからな」
「…めろ…」
「なに?」
「こ、これを…止め…ろ…!こ、こんなことして何が楽しいの…!?」
「ハハハ!そのセリフは、そっくりそのまま返してやるよ」
 リーダーは高笑いとともに奈々未の髪を掴み上げ、
「お前こそM男相手にこんなことして何が楽しかったんだ?この変態性癖女がよ」
「くっ…!」
「責める方の楽しみを味わったんなら、責められる苦しさもちゃんと知っておかねぇとなぁ?」
「お前にいじめられたM男の敵討ちだ。同じ目に遭わせてやるからヒィヒィ鳴いてもらおうか」
「だ、黙れ…お前たちには関係な、あぁぁっ!?」
 言葉の途中で、とうとう最後、3つ目のローターまで振動を開始した。
 いくら気丈でクールな奈々未も、女の性感帯━クリトリスを剥き出しにされた上、そこに密着状態で振動を加えられては太刀打ちできない。
「んあぁっ!?…あぁぁっ…!」
「どうした?大見得を切ったわりに、一転、ピンチじゃないか。辛そうだな?女王様よ」
「んっ、くっ…止…めろ…!」
「ん?何だって?」
「止めろ…は、早く…!」
「止めろ、だぁ!?」
 リーダーは奈々未の細い首を鷲掴みにして、
「今の自分の立場をわきまえろよ。『止めてください』だろうが!」
「がぁっ…げほっ…げほっ…!」
 掴んだ手が離れると同時に、むせて身体を揺らす奈々未だが、その間も振動は止まらず、そのまま次は股間への刺激に身体を揺らすことになる。
「さぁ、言えよ。女王様の口から『許してください』ってよ」
「ふ、ふざけるな…んっ、くっ…だ、誰がお前たちみたいな下衆に許しなど請うものか…んんっ!」
 と言い返す奈々未だが、それを言われたリーダーは嬉々として、
「そうだ。そうこなくっちゃ張り合いがねぇ。ここは海の上、誰の邪魔も入らねぇからな。じっくり長期戦で行こうじゃねぇか」
 と笑った。


 その後も震えるリズムやコンビネーションなど、振動のパターンを色々と変えながら奈々未を弄ぶ男たち。
 脚を開脚の状態で固定されてしまったため、内股になることすら許されず、股間を隠すことすら出来ない。
 ようやくローターの振動が収まると同時に、ふいに、

 バシィィっ!

 と、何かで床を叩く音がした。
(……!)
 その音から瞬時に音の正体を察した奈々未。
 するとリーダーは、
「へへへ。さすが女王様、すぐに気づいたようだな」
 と笑い、手にした鞭で、吊るされた奈々未の綺麗な背中を打った。
「あうっ…!」
 乾いた音と奈々未の呻き声がキャビン内に響く。
 リーダーは、さらに、
「おら!ゆらゆら揺れてないで、ちゃんとまっすぐ立てや!コラ!」
「あうっ…うぅっ…」
「じっとできねぇのか!止まれってんだよ、この野郎!」
「くっ、うぅっ…」
 自身の中に、負け、屈伏という選択肢がない以上、見えないところから飛んでくる鞭の痛みも、黙って耐えるしかない奈々未。
「よし、次は前からだ。我慢しすぎると、その可愛らしい胸が真っ赤に腫れ上がって見れなくなるぞ」
 とリーダーは言い、
「おら、さっさと言えよ!『許してください』はどうしたァっ!?」
「うぅっ…!い、言うものか…!」
「そうかい、だったら続行だ!調子に乗ってんじゃねぇぞ、この雌豚がよ!」
「んっ、くぅっ…」
「へへへ。楽しいなぁ!こういう強い女を手も足も出ないようにしてコテンパンにやっつけるってのはよぉ!」
「あうっ…く、くそっ…!」
 リーダーが鞭を打つ手を止めても奈々未への責め苦は止まらず、
「おら、アメと鞭だ。痛みを与えるばかりじゃ、つまんねぇからな」
「んんっ!ああっ…やぁっ…んあぁっ!」
 再びローターが振動、しかも次はタイミングを揃えた三ヶ所同時の再開だ。
 さらにリーダーは、奈々未の眼下にしゃがむと、それら、テープで留められたローターを、順に、鞭の柄でグリグリと身体に押しつける。
「んあぁっ!?ああぁぁっ!」
 クリトリスを押し潰し、膣、アナルに埋まりかけたローターは、その付近のひくひく蠢く肉にも振動を伝え、さらに性感を生む。
「どうだ?たまんねぇだろ?」
「くっ、うぅっ…!」
「さて、次は痛みと振動、同時に与えてやるか。女王様はどっちがお好みかな?」
 とリーダーが言って、ローターがONの状態で鞭が飛ぶ。
「んあぁっ!ああっ、痛っ…!んんっ!くっ、あうっ…!」
「ひゃはははははっ!」
 悦に入ったリーダーの笑顔。
 この男こそ、真性のS気質かもしれない。
 そして、まんまと、その性癖の餌食となった奈々未。
 彼女を苦しめるのは鞭の痛みよりも股間のローターの振動、つまり性感責めの方だ。
 身体の痛みは堪えることが出来ても“オンナ”への責めは堪えようがない。
「んあぁっ!ああっ、はぁぁっ…!」
 徐々に腰を揺する頻度と、その艶かしさに拍車がかかる。
「ハハハ!もういっぱいいっぱいだな!」
「生き恥を晒すのも時間の問題か?」
 男たちの野次に対し、奈々未は、
(おかしい…!こんな…この程度の責めで…?)
 の徐々に戸惑いを覚えていた。
 意に反し、高まり続ける感度。
 その上がり幅に違和感がある。
(さ、さては…媚薬…?)
 頭によぎる非合法ドラッグ『HMR』の存在。
「おらおら、どうしたァ!?」
 鞭の乾いた音と快楽に耐えながら、必死に、ここまで受けた辱しめを思い返す。
(お、思い当たるとしたら、さっき塗られたローション…?でも、この火照りは明らかに体内から…)
 もし、あのローションに媚薬が含まれていたとしたら、おそらく肌の表面に効果が出る筈だ。
(となると…まさか、最初から…!?)
「…へへへ。どうやら気づいたらしいぜ」
「さすが元捜査官。鋭いな」
 と笑う男たち。
「お、お前ら…!私の身体に何を…!?」
「なに、このクルーザーに運び込む際、気絶している間にちょっとカプセル薬を一つ、口に押し込んでおいただけだ」
「それが今になって溶け始めて効いてきたらしいな。タイミングとしてはバッチリだ」
(カ、カプセル…?ま、まさか…!)
 奈々未の口元が強張る。が、リーダーは笑って、
「心配するな。お前さんが、今、頭に思い描いてる“例のクスリ”じゃねぇ」
「━━━」
「お前に飲ませたのは以前から俺たちが女をハメる時に使っていたものだ。もっとも、それもなかなかの効果のモノだがな」
「き、貴様ら…!んんっ!ああっ…!」
 怒りの感情すらもかき消すローターの刺激。
 性感が高まるにつれ、密着三点責めの恐ろしさを思い知る奈々未。
(ま、まずい…せ、制御が…出来ない…!)
 ひとまず盛られたクスリが問題の『HMR』ではないという安心も束の間、クイッ、クイッ…と無意識に突き出し、動く腰。
 先ほどまでのローターを必死に振り落とそうという動きではなく、明らかに感じてしまってどうしようもない動きだ。
「さぁ、何発目でイッちまうかな?」
 悪魔のような笑みで再び鞭を構えるリーダー。
「…そらっ!」

 バシィィっ

「あうっ!んんっ…!」
「もういっちょ!」

 バシィィっ

「くっ…!ああっ、んあぁっ!」
「おら、悔しいか?悔しいか?女王様よぉ!」

 バシィィっ、バシィィっ

「くぅっ…!あっ、ダ、ダメっ…嫌っ!」
「おら、イッちまえ。さっさとイッちまえよ、てめぇ!」
「う、うるさ…い…んあぁっ!ああっ!ああぁぁっ!」
「とどめだ!そらっ!」

 バシィィっ

「がぁっ…!ああぁぁっ…!」
 最後は上から振り下ろすのではなく、下から振り上げる形で開脚状態で無防備な奈々未の股間にめがけて一発。
 直撃と同時に痙攣し、上ずった声とともに、跳ねるように身体を震わせた奈々未。
 男たちの微笑の中でガクッと落ちる頭と、そして乱れた吐息。
 リーダーは、奈々未の乱れた髪を掴んで持ち上げ、
「へへへ。奈々未女王様、拘束されて鞭で打たれながら仕込みローターであえなく絶頂…か。屈辱だなぁ?」
「…は、離せ…うぅ…」
「女王様ともあろうものが、俺たちみたいな下衆の前で気をやるってのはどうなんだ?失脚モノじゃねぇのか?」
「━━━」
「失脚した女王様なんて、ただの雌犬同然。もう二度とエラそうな口は叩けねぇ」
 そう言ってリーダーは、奈々未のアイマスクを指で摘まむ。
「こんなのも、もういらねぇな」
「よ、よせ…!やめろ…!」
「へへへ。イッた後の女王様のとろけ顔、どんな具合か見せてもらおうか!」
 と言って、アイマスクを引っ張るリーダー。
「や、やめろ…い、嫌だ…!」
 抵抗むなしく剥ぎ取られるアイマスク。
 視界を奪われ、責め苦の障害となっていた反面、男たちの下卑た視線から逃げることが出来ていたアイマスク。
 それを奪われ、嫌な視線が正面と左右、三方向から奈々未に突き刺さる。
「…どうだ?俺たちに屈する気になったか?」
 というリーダーの問いに、キッと睨み、静かに首を振る奈々未。
「ま、負けない…女一人に三人がかり、身体の自由を奪い、挙げ句の果て、クスリにまで頼るお前たちのような卑怯者に、私は負けないわ…!」
 と吐き捨てる奈々未。

(たかが一度、無理やりイカされた程度で折れるようなヤワな覚悟ではない…!私は…いや、“私たち”はお前らなんかには絶対に屈しない…!)

 強き女、橋本奈々未の目は、そう物語っていた。

鰹のたたき(塩) ( 2020/06/01(月) 00:00 )