乃木坂抗争 ― 辱しめられた女たちの記録 ―




























































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第三部 第四章・白石麻衣の場合 (危機一髪編)
1.襲撃
 それは、まさに一瞬の出来事だった…。
 捕らえた山崎怜奈に対し、プライドをズタズタにする羞恥快楽拷問で口を割らせ、まんまと「乃木坂46」の本部の場所を聞き出した花田組の屋台骨の一人、片桐。
 捜査官たちに引導を渡すため、舎弟の中でも特に武闘派の精鋭たちを引き連れ、丑三つ時を狙って本部を襲撃した。
 絶対に安全と思われていた秘密の本部内に、突如、威嚇射撃とともに突入してきたガスマスクの一団は、部屋中に大量の催涙ガスを噴射し、中にいた女捜査官たちを次々と戦闘不能にしては素早く捕縛した。
 連日の抗争で肉体的にも精神的にも疲労がピークに達していた徹夜組の捜査官たちは突然の出来事に対応が遅れ、視界を奪われて為す術なく次々に捕らわれていく。
 秋元真夏、井上小百合、佐藤楓、新内眞衣、向井葉月、矢久保美緒。
 そして、ついに、最後まで抵抗した総大将、白石麻衣も…。
「は、離せっ…くっ!」
「おら、おとなしくしろっ!」
 男たちに囲まれ、背後に回った巨漢に羽交い締めにされて動きを封じられると、がら空きの脇腹に押し当てられるスタンガン。
「あうっ…!」
 強烈な電撃に膝から崩れ落ちた白石。
 長い髪が乱れ、床にばさっと広がる。
(やったぞ!大成功だ!)
 ガスマスクの中でほくそ笑む片桐。
 これ以上ない完全勝利、鮮やかな捕獲劇だった。
 足元に転がる捜査官たちの身体。
 まだ少し煙る部屋の中、眼前に突っ伏した白石のタイトスカートから伸びる白い美脚に、思わず目が留まる片桐。
 本能のままに手を伸ばしかけたが、
(いかんいかん…!)
 と我に返り、慌てて衝動を抑えた。
 焦らなくても、この後ゆっくり楽しめる。
(こんな上玉、手もつけずに花田のアニキに差し出すなんて冗談じゃねぇ。しっかり調教して俺専用の肉奴隷にしてやる!)
 などと抜け駆けを考えつつ、片桐は、配下の舎弟たちに、
「よし、運べ!」
 と、隠しきれない喜びで上ずった声で命じた。

鰹のたたき(塩) ( 2020/03/22(日) 23:14 )