8.敗北
寸止めは何度も続いた。
その責め苦に、美波は、もう発狂寸前だった。
(も、もう無理…おかしくなる…イキたい…イキたいいいいっ!!)
「おっと、自分からマンコを擦りつけてきやがって。危うくイカせちまうところだったぜ」
「くっ…!」
「黙ってイカせてもらおうなんて虫が良すぎるぞ。おら、おら!」
「うああっ!あああっ!ダ、ダメっ!」
「なに?ダメなのか?じゃあ、やめてやる。…おいおい、どうしたんだ?自分でダメって言ったくせにもどかしそうに腰を浮かせやがって」
「はぁ、はぁ…」
「どっちなんだ!欲しいのか嫌なのか!おら!言ってみろ!言え!おら!」
「…んぁぁぁ!はぁぁああ!」
(イキたいっ!お願い!もうイカせてっ!)
美波の心は完全に折れかけていた。
「さぁ、そろそろ堕ちてもらおうか。次はこれだ」
男の無情な一言とともに、突然、身体のまわりの至るところから機械的な振動音が聞こえた。
「な、なに!?や、やめて…んああぁぁっ!!」
突如、右の乳首を激しい震えが襲った。
「へっへっへ、どうだ?こいつは俺たちが特別に改造した強力ローターだ。そこらの大人のオモチャとは桁違いの振動だぞ。さぁ、次はどこに当ててやろうか?」
「や、やだ…お願い…やめ、うあああっ!んっ、あっ、はぁぁっ!」
また乳首に当てられた。
左、右、左と交互に当て、次は耳元、脇腹、首筋、へそ、つま先と、全身をランダムに振動が襲う。
「おら、耐えろ耐えろ。身体が跳ねるとまた違うところに当たっちまうぞ!はっはっは!」
男たちは巧みな連携で次々と振動を当ててくる。
「さぁ、次は二ヶ所同時に当ててみようか」
「ああっ!んっ!ひゃあ!」
「当ててほしいところがあるなら言ってみろ。聞いてやるぞ」
「くぅぅ!ああっ!」
(ア、アソコ…アソコに当てて…!)
「おいおい、何だ、その動きは?そんなわざとらしく腰をくねらせてても当ててやらねぇぞ」
振動が身体から離れていく。
「お、お願い!やめないでっ!もう無理だからっ!」
とうとう美波は自ら刺激を求めた。
「なに?何が無理なんだ?」
男はニヤリとしつつも、白々しく聞き返す。
「やぁ…言わさないで…」
「はっはっは、可愛らしいことを言うじゃないか。だが、そんなことじゃ、俺たちは満足しねぇんだ。言わないのならまた寸止めだな」
(やだっ!寸止めはもうイヤぁぁ!)
「お願い!アソコに…アソコにそれを…!」
「アソコ?分からねぇなぁ」
「マンコ!マンコに…早く…お願い!!」
今の美波に、もう羞恥心も自尊心もない。
ただ目先の快楽を求める獣同然だった。
「ははははは!とうとう言ってしまったな!仕方ねぇな、この淫乱スパイは。おら、たっぷり味わえ!」
男の声で方々にあった振動が一ヶ所に集結し、淫汁を垂れ流す秘部に掌底でグリグリと押し当てられる。
「んあぁぁぁぁ!イっクぅぅぅ!ああああっ!」
美波は絶叫とともに大きく身体をバウンドさせ、あとは、その余韻に浸るように小刻みに痙攣した。
(き、気持ちいい…もっと…もっとして…!)
振動音が止み、アイマスクを剥ぎ取られた。
「おぅおぅ、目が虚ろになってやがる。だらしねぇなぁ」
男は、美波の長髪を鷲掴みにして首を持ち上げると、
「さぁて、仕上げといこうか。長い夜になるぞ、今晩は。はっはっは!」
と高らかに笑った。
(つづく)