乃木坂抗争 ― 辱しめられた女たちの記録 ―




























































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第一部 第二章・梅澤美波の場合
3.地獄の始まり
 薬を飲まされてから10分間、男たちは何もしなかった。
 もちろん良心が痛んだなんて生易しい理由の筈がない。
 目的は一つ、媚薬の効き目が出てくるのを待っているに違いなかった。
 だからこそ美波も、
(悟られてはいけない。悟られたらコイツらの思う壺だ)
 と、自らの身体に対し、強く念じていた。
 だが…。
(…!)
 10分が過ぎた頃、身体が急に熱を持ち始めたのが自分でも分かった。
 胸が張るような感覚、そして下腹部の疼き、体内が火で炙られてるように熱い。
(耐えるんだ…耐え抜くんだ…)
 美波は、そう自分に言い聞かせ、徐々に身体中を侵食してくる異変を決して認めない。
(大丈夫。まだ気付かれていない。このまま耐えていれば、史緒里が応援を連れて、必ず助けに来てくれる筈…)
 と美波は頭で考えていたが、ふいに男の一人から
「どうだ、すごい効果だろう?」
 と言われ、途端に動揺が走った。
 目をやると、男たちは全員、見透かしたように笑みを浮かべている。
「へっへっへ、さっきから気付かれまいとしていたようだが、息が荒くなってるし、顔も紅潮しているぞ。身体は正直なんだよ」
「くっ!」
「熱いか?それじゃあ、涼しくなった方がいいぞ。…よし、やれ」
 リーダー格の男の声で、今まで動かなかった男たちが一斉に美波のまわりを取り囲み、ハサミを片手に、美波のスーツへ手を伸ばした。
「や、やめろ!触るな!」
 抗議の声も空しく、男たちは美波のスーツをズタズタに切り裂き、それを足元へ捨てていく。
 やがて男たちの前に現れたのは、あとは黒の下着の上下を残すのみとなった美しい女の裸体だった。



「み、見るなっ!」
(熱い…身体が…)
 男たちのいやらしい視線が突き刺さる上、その間も全身の疼きが止まらない。
「さて、残り二枚。まずは上から見せてもらおうか」
「やめろ!…やめろぉっ!」
「おっと、あまり身体を揺すると薬の回りが早くなるぞ?」
「たいして大きくもねぇんだ。もったいぶるんじゃねぇよ!」
「う、うるさい!くそっ!…あっ!」
 抵抗も空しく、黒いブラはあっさりと真ん中で真っ二つに切り裂かれ、ずり落ちて、隠されていた乳房が男たちの前に露わとなった。



「おぉ、いい身体してるじゃねぇか」
「これは上玉だ」
「乳首もピンク色、あまり遊んではいないみたいだな」
 と、男たちの間で歓声が上がる。
 中でも、リーダー格の男が言った、
「しっかり乳首が勃ってるじゃないか。まぁ、慌てなくても後でたっぷり弄ってやるよ」
 の一言が美波の羞恥心を煽った。
 あまりの屈辱に、これまで気丈だった美波も、とうとう男たちから顔を背けてしまった。
「さて…それじゃあ、最後の一枚も切らせてもらおうか」
「や、やめろ…離せ…」
「さぁ、薬の効果で疼いてたまらないお前さんのマンコ、どうなってるかしっかり見せてもらうぜ」
 その言葉と同時に、男の持つハサミの刃が、無情にも美波の身体を守る最後の砦を破壊した。


(つづく)

■筆者メッセージ
☆作者の後日談☆

下衆な男たちによってコスチュームが脱がされていく…というシーンでした。

前回の山下がパーティーの出し物として変態オヤジに嬲りものにされたのに対し、今回の梅は敵の組織の人間たちが相手ということで、煽りや挑発が飛び交うドキドキ、ワクワクのシーンとなりました。

捕らわれ、男たちに囲まれ、ニヤニヤしながら防具を剥がれてゆく…この小説の世界観でいうとお決まりの流れであり、実際、今後もターゲットを変えては幾度となく出てくるシーンです(笑)
鰹のたたき(塩) ( 2019/12/04(水) 15:05 )