乃木坂抗争 ― 辱しめられた女たちの記録 ―




























































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第三部 第一章・山下美月、再び…
5.サンプル堕ち
 都内の某高校。
 ある日の下校途中、三人組の男子生徒が、突然、チンピラに因縁をつけられた。
 クラスで「電車オタクのネクラ三人衆」と名付けられ、あだ名も「のぞみ」「ひかり」「こだま」と揶揄されるほどの陰キャラ。
 突然、気の弱い三人は、目の前のチンピラ一人に対し、まるで蛇に睨まれた蛙のように立ちすくんでしまった。
「とりあえず三人とも乗れや」
 とチンピラは脅し、半ば無理やりに三人を黒塗りのベンツの後部座席に押し込んだ。
「勘弁してください…!」
「ど、どこへ行くんですか…?」
「帰してください…お願いします!」
 と恐怖に震えた声で懇願する三人衆。
 しかし運転するチンピラは聞き入れず、黙って車を走らせた。
 やがて、通学路からはるか離れた郊外の廃墟に連れ込まれた三人衆。
 これから何をされるのか、まったく想像がつかない。
 意を決して、三人の中の一人が口を開き、
「あ、あの…何をするんですか?」
 と、震える声で聞いた。
 チンピラは、その質問には答えず、代わりにニヤッと笑って一言、
「お前らよぅ。“オンナ”を知りたくねぇか?」
 と言った。


 部屋に入るなり、三人は、
「うわっ…!」
 と、驚きの声を上げた。
 部屋の真ん中に、目隠しとヘッドホンをつけられた女が全裸で「X」の字で立たされていたからだ。
 その女、山下美月は、脚をぷるぷる震わせ、物欲しそうに口を半開きにしては、
「…お願い…誰か…!」
 と、うわ言を繰り返している。
 日頃、クラスの女子からも敬遠される陰キャラ三人衆にとっては初めて生で見る女性の裸体。
 反射的に目を背ける三人に対し、さっきまでコワモテだったチンピラは、なぜか急に優しくなって、
「遠慮しなくていい。ちゃんと見るんだ」
 と言った。
 そう言われて、ちらちらと盗み見するように目をやる三人。
「す、すげぇ…」
「ほ、本物だよ…」
 と口々に呟いていると、チンピラは、
「どうだ?この女の身体を触ってみたいと思わないか?」
「えっ!?…いやっ、それは、あの…け、結構です…」
 キョドりながら首を振る三人。
「なに、遠慮しなくてもいいんだよ。それに━」
 そのチンピラは、吊るされた美月の背後に回り、ピッと一筋、背中を指先でなぞった。
「…んひぃっ!」
 突然の、そして久々のボディータッチに美月は身体を反らせると、
「だ、誰っ!?誰かいるの?」
 と言った後、間髪いれずに、
「ね、ねぇ!もっと!もっと触って!お願い!」
 と声を上げた。
 もはや自尊心や恥じらいなど置き去りにして、今は焦らしに焦らされた身体を慰めることしか頭にない美月。
 唖然とする三人衆に対し、チンピラは笑って、
「ほら、本人がそう言ってるんだ。好きにしていいぞ」
 と言った。
 それでもなかなか手が出ない三人だったが、やがて、一人が勇気を出して、おそるおそる美月の胸の膨らみに手を伸ばした。
 胸を揉む、というよりは、その膨らみに手の平を添えるような手つきだったが、それにも美月は、
「んんっ!」
 と、くもった声を上げた。
 仲良しグループの常というのか、一人が先陣を切って突破口を開くと、その後はすんなりと続き、三人は交代で初めて触る女性の乳房の感触を確かめ合った。
「す、すげぇ…!」
「こんなに柔らかいものなんだ…!」
「俺、初めてだよ…!」
 感嘆とした声を上げた後は、取り憑かれたように夢中で手を伸ばす少年たち。
 最初は遠慮がちに添えるだけだった手つきも、次第に、撫で回し、鷲掴み、そして揉みしだきへとエスカレートする。
「あんっ!はぁっ!んあぁっ!」
 思春期のウブな少年に胸を揉まれ、悶絶する美月。
 テクニックなどまるでない無骨な触り方だが、それでも今の美月にとっては充分な愛撫となった。
「も、もっと…!ねぇ、もっとぉぉ!」
 理性を失った美月が声を張り上げる。
 一度は脱した筈の媚薬の魔力に再び屈し、その敏感になった身体を自分より年下の少年たちの性教育の実習サンプルにされているにもかかわらず、その刺激をしっかりと味わっては、さらに続きを求める美月。
 いつのまにか、この授業の講師となったチンピラが、三人のうちの一人を指名し、美月にキスをするようにけしかけた。
 緊張しながら、口を、美月の唇に当てにいくその生徒。
 初めてのキスでどうしていいか分からなかったが、そんな心配は無用だった。
 唇と唇が触れた瞬間、美月の方から、その生徒の唇にむしゃぶりついたからだ。
(…!)
 突然の急襲に驚く生徒の唇をこじ開け、自ら舌を挿し込んで絡めては、ズチュッ、ズチュッ…と、いやらしく湿った音を響かせて少年の舌を吸い上げる美月。
 目隠しをされ、両手を拘束されているにもかかわらず、だ。
 目の前で行われる卑猥なキスに、残る二人も興奮を隠せない。
 チンピラは、また一人、指名して、その少年には背後から胸を揉ませ、先端の突起は指先で弾くように指示をした。
「…んんっ!んはぁぁっ!乳首いぃっ!もっとぉ!もっとぉぉっ!」
 絡めていた舌を離し、身体をひくつかせながら声を上げる美月。
 少年は不器用な手つきだが、それでも先ほどまでのソフトタッチ焦らしに比べれば、断然、刺激がある。
「慣れてきたら、摘まんだり、指で転がしたり、指先で擦り上げたりしてやると女はもっと喜ぶぞ」
 とチンピラはニヤニヤしながら教えている。
 それを実践された美月が甘い声を上げたのは言うまでもない。
 そして最後、余った一人の少年に対し、チンピラは、開かれた脚の間にある茂みを触るように指示を出した。
 前の二人以上に緊張した面持ちのその少年。
 チンピラは、その顔に似合わず、美月の左右の太ももを固定し、割れ目を剥き出しにして触りやすい状況を作ってやってから、
「さぁ、アダルトビデオの見様見真似でいいからやってみろ。この女は、きっと、いい声で鳴いてくれる筈だ」
 と言った。
 おそるおそる指を差し出す少年。
 その指先がピンク色の秘肉に触れた瞬間、
「…んあぁぁっ!あぁぁっ!」
 と、美月は、身体を弓なりに仰け反らせた。
 あまりの反応に思わず少年の方がビクッとして、指を引いた。が、美月は、間髪いれず、
「や、やめないで!お願い…!もっとしてぇ!」」
「━━━」
 呆然とする少年。
「ほら、もっとしてくれって言ってるぞ?」
 とチンピラに急かされ、再び指を伸ばす。
「…んひゃぁぁっ!」
 触れた指先にまとわりつくヌメヌメした液体。
 それを潤滑油にしていじくり回してやると、美月は脚をガクガクと震わせ、
「んんっ!あんっ!すごいぃぃ!お、お願い…!イクまで…イクまで続けて!乳首もマンコもイクまで触ってぇぇっ!!」
 と絶叫した。
 初めて生で見る淫れた女性に、やや引き気味の少年たち。
 それもその筈、そんな卑猥なセリフ、クラスの女子の口からは聞ける筈がない。
 唯一、年齢の規制をかいくぐってコソコソと見ていたアダルトビデオの中で聞いたぐらいだろう。
 しかし、今、自分たちの目の前に、それを恥ずかしげもなく口走って全裸で悶えている実物の女がいる。
 そして、そんな少年たちに向けてチンピラが言う。
「さぁ、お前たち。その女は、もはや何をしても喜ぶ淫乱女だ。クラスの女子には出来ないこともここでは出来る。目一杯、楽しんでいくがいい!」
 そして…。
「は、早く…わ、私の身体…好きにしていいから…早くイカせて…!」
 その美月の言葉に、それまで戸惑っていた思春期の少年たちの目が、一瞬にして好奇に染まった。

鰹のたたき(塩) ( 2020/02/17(月) 21:52 )