乃木坂抗争 ― 辱しめられた女たちの記録 ―





























































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第二部 第五章・遠藤さくらの場合
3.快楽の誘い
 捕まったさくらは、前回のレイと同様、椅子に縛りつけられた。
「や、やめてください…!」
 衛藤が慣れた手つきで、四股を拘束していく。
 その様子をレイは少し気まずそうに見ていた。
 拘束が完了すると、衛藤は不敵に笑って、
「あんなところを見られたら、ただで帰すワケにはいかないわねぇ」
「え、衛藤さん…!これはいったいどういうことですか!?」
 さくらは、レイにも目をやり、
「レイちゃん、どうして…?」
「━━━」
 レイは目を背けた。が、代弁するように衛藤が、
「子供だったレイちゃんが大人の快楽に目覚めた。ただそれだけよ」
「大人の快楽…?」
「あらあら、しらばっくれちゃって。今時の娘が、その歳で何も知らないワケないでしょ?」
 衛藤は、クスクスと笑いながら、棒立ちのレイの背後に回り、後ろから抱きつくようにして、
「こういうことよ」
「んっ…やぁっ!あんっ…」
 背後から胸元と内腿に手を這わされ、悶絶して身体をくねらせるレイ。
 突然のさくらの登場で一時的に鎮火した官能の火が、再び点火し、瞬く間に燃え上がる。
 衛藤はそのまま無理やりレイを歩かせ、さくらの正面に移動した。
「やぁっ…み、見ないで…!」
「きゃあっ!こ、こっち来ないでよぉ…!」
 お互い、顔を背けるさくらとレイ。
 衛藤は、スルスルとレイの下着を剥ぎ取り、責めるポイントもより直接的に、乳首と陰部へ移動した。
「はあっ!んんっ!あんっ!」
 声が大きくなるレイ。
 さくらは、その光景を拒絶しながら、内心、
(レ、レイちゃん…少しは抵抗しなよ。どうしてされるがままなの…?)
 と思った。
 それを見透かしたように、衛藤が笑って、
「ふふっ。この娘はね、もはや快楽の虜なのよ。同期の目の前で嬲り物にされても受け入れて感じてしまう変態ちゃんになっちゃったのよ」
「ひぃっ…い、言わないでください…ひゃあっ!」
「ほら、ちらちら見られてるわよ?声も聞かれてるし。我慢しなきゃ面目が立たないんじゃないの?」
 そう言いながら衛藤は、レイの濡れた花弁をいたぶる。
「やぁっ…む、無理ですぅ…んあっ!ああっ…!」
 脚をガクガクと震わせ、もはや背後から抱き抱える衛藤の支えだけで立っている状態のレイ。
 衛藤は、レイの身体を押し出してさらにさくらに近寄り、ちょうど椅子に座らされているさくらの耳元にレイの股間があるようにして、そこで指を挿入した。
「んあっ!」
「…ほら、聞こえる?」
 グチュッ、グチュッ…と湿った音がする。
「やだぁ!」
「いやぁっ!」
 ともに髪を振り乱して顔を背ける二人。
 しかし、衛藤はなおもレイの膣内を責め続ける。
「ダ、ダメっ…!いやぁ!や、やめてくださいぃ…!」
「ふふっ。いつもは自分からおねだりするくせに、なに同期の前だからってカッコつけちゃって」
「ち、違いますぅ…!」
「そう。じゃあ、ここでやめちゃおうかしら」
 そう言って衛藤は指を抜いた。
「あっ…」
 少し残念そうな声を上げるレイ。
 そして、さくらは見てしまった。
 抜かれた瞬間、レイが腰を突き出して離れていく指を少しだけ追いかけたのを。
(そ、そんなに気持ちよかったの…?)
 さくらもレイも、顔を真っ赤にしている。
「ほら、どうなの?もっとしてほしいんじゃないの?」
 衛藤は、意地悪な顔で俯くレイの顔を覗き込み、
「そのつまらない恥じらいを捨てたら、いっぱいイカせてあげるのにねぇ」
「くぅ…」
「…はい、今日はここでおしまい。ほら、こっちを見なさい」
 またレイに、絶頂をセーブする催眠をかけようとする衛藤。
「やぁっ!…そ、それは嫌ですぅ!」
「何がイヤなの?」
「だ、だって…今日はまだ一回も…」
 …そう。
 さくらの邪魔が入ったせいで、今日はまだ一度もイカせてもらえていないのだ。
 しかし衛藤は首を振り、
「そんなのは知らないわ。変な意地を張ったレイちゃんがいけないのよ?ほら、早く私の目を見なさい」
「やぁっ…!」
「それか、いっそのこと…」
 衛藤は、突然、レイに何かを耳打ちした。
 レイは、一瞬ハッとした顔になったが、すぐに首を振り、
「できないですっ!そんなこと…」
「じゃあ、今日はお預けね。だからって明日があると思っちゃダメよ。私は気まぐれだから、このまま二、三日、ほったらかしにしちゃうかもねぇ…」
「そ、そんなぁ…!」
 想像しただけでも耐え難い仕打ちだ。
(さぁ、どうするの?)
 衛藤は、そんな目をしてニヤニヤと笑っていた。
 日頃、一晩を乗り切るだけでも辛いのに、それを二日、三日と絶頂禁止の生殺しで焦らされた日には、どうなってしまうか分からない。
 今、自分の身体と相談しても、耐えきれる筈がないと言っている。
 それに、元はといえば、さくらが戻ってこなければ、いつも通り、衛藤に責められて絶頂に達することができる筈だった。
(さくらのせいで、私は、今日、イカせてもらえなかった…!)
 連日の衛藤の調教により、身体を快楽に雁字搦めにされたレイは、とうとう心配して戻ってきたさくらに対しても半ば八つ当たりのような感情を持つ始末だ。
 結局、レイは、先ほどの衛藤が耳打ちした提案を受け入れるしかないのだ。
(でも…それはさすがに…)
 レイは迷った。…が、結局、じわじわと再燃する身体の疼きが舵を切る決め手になった。
 一瞬、覚悟を決めたような表情を見せたレイは、顔を上げると、ふいに、拘束されて動けないさくらの唇を奪った。
(……!!)
「んむぅぅっ!」
 突然の出来事に、声に鳴らない悲鳴を上げるさくら。
 顔を振り乱し、何とかレイの接吻から逃げたさくら。
「な、何っ?急に…」
「ねぇ、さくら…さくらも一緒に気持ちいいことしよ?そうしたら私も恥ずかしくなくなるからさ…」
「や、やだよ!バカなこと言わないでっ!」
 さくらは血相を変えたが、衛藤にそそのかされたレイの目は本気だった。
 さくらの逃げる唇を追いかけ、むしゃぶりつく。
 必死に口を閉ざすさくらだが、心の奥底では、やはり相手が同期の仲間という思いがあり、強くは拒めない。
 その心の隙をついて、レイの舌が唇をこじ開け、口内へ侵入した。
「んっ…むっ…」
 日頃、衛藤の長い舌との絡みで鍛えられた舌遣いを見せると、さくらの唇がみるみる緩む。
(へ、変な感じ…!別に好きな男の人でもないのに…同じ女の子のレイちゃんなのに…)
 困惑するさくら。
 勢いに乗り、ジュルジュルと音を立ててさくらの舌を吸い始めるレイ。
 そんな二人のディープキス、中でも特にさくらの蕩けた表情を、衛藤は不敵な笑みで眺めていた。

鰹のたたき(塩) ( 2019/12/31(火) 09:58 )