6.貫かれた少女
(…!)
ようやく目隠しが外された。が、視界が開けた途端、目の前の光景にレイは小さく悲鳴を上げた。
そこにいたのは、いつの間に脱いだのか下着姿の美彩と、そして、その腰回りに装着された男性器を模した張型、ペニスバンドだった。
レイは、自分に突きつけられた擬似男根、そして美彩の不敵な笑みを見て、思わず戦慄が走った。
(まさか、今からこれで“私の初めて”を…!?)
サッと血の気が引き、必死に暴れるレイ。
しかし、拘束は解けない。
「さぁ、レイちゃん。痛くないように自分でしっかり舐めて濡らしておきなさい」
美彩は、そう言って、レイの口にその擬似男根を突っ込んだ。
「んぐっ!」
吐き出そうとするが、美彩が後ろから頭を押さえていて抜けない。
それどころか、その状態で腰を振り始める美彩。
その行為を「イラマチオ」と呼ぶことなど、レイはまだ知る由もない。
「ぐぇぇっ!」
思わず胃液が出てしまいそうな不快感で無理やり吐き出すと、ペニスバンドとレイの唇の間を唾液が糸を引いて落ちた。
「ふふっ、よくできました」
そのサディスティックな笑みに、美彩の本性が垣間見えた気がした。
「さぁ、レイちゃん。大人の階段を登る時間よ?」
苦しさ、そして恐怖で涙を浮かべるレイ。
「嫌っ!嫌ぁぁっ!」
髪を振り乱して暴れるも、きつい結び目はほどける気配がない。
股の間にあてがわれるペニスバンド。
「美彩さんっ!お願いですっ!それだけは…!それだけは許してくださいぃぃ!」
「ふふっ、何を言ってるの。早くこういう経験がしたくて週に二回もオナニーしてたんでしょ?」
話しながらもグリグリと先端を埋めていく美彩。
「ひ、ひぃぃ!」
「さぁ、いくわよ」
そう言って美彩は、残りを一気にレイの身体に突き刺した。
「ん、あぁぁっ…!い、痛いぃぃ!あぁぁっ!」
激痛に思わず顔を歪ませるレイ。
しかし、美彩は、
「我慢しなさい。痛いのは最初だけよ。あとは媚薬の効果ですぐに気持ちよくなるわ」
と言い、ゆっくりとピストンを開始した。
「んあっ!やぁっ!あぁんっ!んんっ!」
普段、布団に潜って声を押し殺しながら自慰行為をしていたレイが、人生で初めて発した本意気の喘ぎ。
その声は、よく通り、そして歳に似合わず、甘く艶やかだった。
「ふふっ、いい声で鳴くのね。そんな声で喘がれたら私も興奮して腰が動いちゃう!」
ギシギシと椅子が軋む。
美彩がピストンのスピードを上げると、レイは宙を仰いでその快楽の受け止める。
そして。
「んっ、はあぁっ!そ、そこダメですぅ!」
美彩の指が結合部に差し込まれ、ピストンと並行してクリトリスをグリグリと押し潰す。
いつもオナニーをする時、ラストスパートにこねくり回しているところ。
強く触るとビクッとなるので、いつも、ゆっくりと加減をしながら触っているというのに、それが今、他人の指で加減もせず無茶苦茶に触られている。
「んあぁぁっ!す、すごいぃぃっ!」
美彩の言った通り、いつのまにか痛みはなくなり、代わりに身体中に突き抜けるような快感が押し寄せる。
「どう?いつものオナニーとは比べ物にならないでしょ?」
「は、はいぃいっ!違いますぅっ!んあぁぁっ!」
(な、中が…中がすごく気持ちいいっ…!)
天真爛漫な少女がついに知ってしまったオンナの悦び。
そのとろけた顔が合図と見て、美彩は、ようやく、レイの身体を縛る縄をほどき始めた。
手首と足首に赤い痕が残るほどきつく縛られ拘束されていた身体がようやく自由になった。
「レイちゃん、どう?まだしてほしい?」
「は、はい…してほしいです…!」
「それじゃあ、四つん這いになってお尻を突き出しなさい」
言われるがまま、手をついてお尻を突き上げるレイ。
ペチペチとペニスバンドでお尻を打たれると、一瞬もどかしく、じれったい表情を見せた。
「欲しい?」
「欲しいです…!」
「じゃあ、行くわよ…ほら…!」
「んひぃぃぃっ!」
さっきとまた違う角度で体内に入ってくるペニスバンド。
何となく自分で分かる体内の気持ちいい箇所、この体位はそこに見事に当たり、さらにズリズリと前後に擦れていく。
(き、気持ちいいっ!すごく気持ちいいよぉっ!)
いつのまにかレイは、夢中で自ら尻をペニスバンドに打ちつけていた。
その尻肉に、美彩の平手打ちが飛ぶ。
パァンと乾いた音がして手の痕がついた。
「ほらァ!もっと自分から打ちつけて奥まで咥え込みなさい!ほらほらっ、ほらァっ!」
平手打ちの連打。
その痛みすら快感に変え、レイは本能のままにお尻を振った。
美彩は、そんなレイの身体を挿入したまま抱き込むようにして起こし、背後から左右の乳首をしなやかな指で連打するように弾いた。
「ひゃあぁぁっ!」
上半身と下半身、同時に押し寄せる快楽に思わず身体を反らせるレイ。
美彩はそのまま仰向けに倒れ、次はレイが上に乗る格好になった。
うねるようにして跨がり自ら突き刺していくレイ。
その腰の動きは、とても初めてのセックス、初めての騎乗位とは思えない動きだ。
「やぁぁっ!ダメぇ!イッちゃいますっ!美彩さん、イッちゃいますぅぅ!」
「いいわよ、イッて。そのかわり、大きな声で叫びなさいっ!」
「あぁぁぁっ!イクっ!イクっ!!んあぁぁ!イッ、クぅぅぅっ!」
ペニスバンドが抜けるほど跳ね上がったレイの身体は、力が抜け、支えを失ってぐったりと美彩の上に落ちてきた。
汗だくの引き締まった身体が美彩の腕の中でブルブル震えながら荒い息をしている。
「気持ちよかった?レイちゃん」
美彩が聞くと、レイは虚ろな目で天井を見ながら、
「…は、はい…す、すごく気持ちよかった…です…ハァ…ハァ…」
と途切れ途切れに呟いた。
レイのその言葉、そして、それを言ってる時の快楽に堕ちた女の表情を見て、美彩は満足そうに笑みを浮かべた。
レイの身体を横にずらして起き上がる美彩。
その腰に、元捜査官には少し不似合いな女王蜂の刺青があるのを、レイは果たして見えただろうか。