乃木坂抗争 ― 辱しめられた女たちの記録 ―




























































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第二部 ANOTHER-01 女捜査官の逆襲 (桜井玲香・中田花奈)
4.鬼と悪魔
 その後、吉村は、失神するまでパイズリを繰り返され、精巣が空っぽになるまで搾り取られた。
 最後の方にいたっては、ただ腰が浮くだけで一滴も精液は出ていなかったほどだ。
 吉村は、意識朦朧とした目で、
「ゆ、許して…許してくれ…」
 と、うわ言のように繰り返している。
 そこでようやく中田は吉村の身体から離れた。
 吉村の精液とカウパー液まみれの手を洗い、身なりを整え、いつもの捜査官の顔に戻る。
「これぐらいで勘弁してあげる。これに懲りたら、二度と鮫島みたいな男の言いなりにならないことね」
 と中田は諭すようなことを言った。…が、吉村を残して部屋を出ようと振り向いた時、中田の顔色が変わった。
 いつのまにか、そこに、屈強な男が三人、ドアを塞ぐように立っていたからだ。
 両サイドの二人はともに大男。
 その二人に比べると真ん中の男は長身で落ち着いていた。
 そして、その首筋と手の甲には見覚えのあるサソリの刺青。
「鮫島…!」
「ほぅ。覚えていてくれたのか。光栄だ」
 と、鮫島は言い、
「俺も覚えているぞ。中田花奈。確か、桜井の腹心だな」
(しまった…拳銃を持っていない…!)
 想定外の来客に対し、丸腰なことに気づいて取り乱す中田。
 鮫島が一歩近づくごとに中田は一歩間合いを取りながら、
「な、なぜここに…?」
「そいつに見張りをつけておいた。…と言えば、あとは察してくれるか?」
(…!!)
 迂闊だった。
 鮫島が姿を消した時、その足跡を手繰る糸はこの男しか残っていなかった。
 そう思って玲香とともに、この男をマークし、徹底的に張りついた。
 しかし、今、考えれば、それを鮫島ほど頭の切れる男がそれを見過ごす筈がないのだ。
(見張ってるつもりが、見張られていた…!)
「ククク…動揺しているのか?」
「だ、誰が…!」
「それにしても、てっきり桜井と二人まとめて生け捕りに出来ると思ったが、残っていたのはお前だけか。少し泳がせすぎて踏み込むタイミングが遅れたなァ」
 鮫島は舌打ちをして、
「まぁ、いい。じわじわと仲間を減らして追い詰めるのも一興だ。今日はお前で我慢するか」
(…!!)
 とっさに身構える中田。
 しかし、訓練を積んでるとはいえ、大男二人に女一人で敵う筈もなく、あっという間に打ちのめされてしまった。
 その間に、鮫島は、情けない姿で拘束されている吉村の元へと歩み寄り、
「ククク…久しぶりじゃねぇか。ずいぶん派手にやられたもんだな」
「あ…あ…」
 吉村は、鮫島を前にして恐怖で固まっている。
 鮫島の存在自体もそうだし、寸止め拷問に耐えきれずに情報を売ってしまった負い目があるからだろう。
 何なら、今この場で殺されるぐらいに思っているのかもしれない。
 しかし、鮫島は、その点は指摘せず、
「まぁ、そうビビるなよ。せっかくだから、今からアイツをいたぶるのに、お前も混ぜてやるよ。男なら、やられたことは倍にして返してやらねぇとなぁ?ククク…」
 相変わらず特徴的な笑い方をする鮫島。

 こうして、すっかり形勢が逆転し、中田は、鮫島の手に落ちた。
 果たして捕らわれた中田の運命は如何に…!?


(つづく)

鰹のたたき(塩) ( 2019/12/23(月) 10:45 )