5.媚薬
これまでで一番の歓声、そして拍手。
「ほぉ、見事なおっぱいですなぁ!」
「色、形、大きさ、全てが素晴らしい!」
「どれどれ、私にも触らせてくださいよ!」
男たちの手が、開放されたばかりの美乳に集結する。
「っ!…んっ!」
猿轡の隙間から吐息が漏れた。
男たちの手が美月の乳房を押し上げ、つっつき、揉みしだく。
(や、やだっ!触り方、気持ち悪いっ!)
誰の手かも分からない無数の感触が身体を這い回る。
嫌悪感しかない筈だが、それでも何故か少し息が乱れてしまう。
(あの薬のせいだ…!)
おそらく、あれは性感を高める媚薬だったに違いない。
その効果がどれほどか、また、どれだけ持続するかは分からないが、何にしろ、そんなものに屈するワケにはいかない。
「さて、それではお待ちかね、最後の一枚も取っ払ってしまいましょう!」
支配人が、最後の防具のゴムを引っ張り、ハサミを噛ませた。
「ううっ!うううっ!」
美月は痺れる舌を必死に震わせて制止の声を上げる。が、絞り出したその声は猿轡にあっさりとかき消された。
そして、その布が床に落ちた瞬間、男たちから先ほどよりさらに大きな歓声が上がった。
(嫌だ!見るなっ!見るなぁぁ!)
美月は必死に開いた脚を閉じようとするが、無情な鎖がそれを許さない。
「これはすごい!まだ触ってもいないのに、もうトロトロになっていますよ」
「胸だけで感じてしまったのかな?」
「ヒクヒクして、まるで自分から求めているようだ」
男たちの卑猥な感想が鋭い矢となり、美月の羞恥心に次々と突き刺さっては傷つけていく。
そして…。
「さぁ、皆さま、下もご自由にお触りください」
支配人の無責任な一言で、男たちの指が一斉に湿った秘部を攻撃する。
(ふぁっ!…んっ!やっ!ああっ!)
声は漏れていない。が、それは声が出ないからであって、我慢は全然できていない。
もし注射をされてなければ、今頃、大声で艶かしい声を上げていただろう。
それはつまり、それだけ感じてしまっているということだ。
(や、やばい…身体が、身体が熱い!やめてっ!もう触らないで…!)
美月の腰の動きが激しくなる。
何とか見えない指から逃げようとするのだが、男たちにはそれが求めていた反応のようで、
「おやおや、腰をフリフリして、もっと触ってほしいとおねだりしているのかな?」
「指を挿れてほしいの合図かもしれませんな」
「なるほど。それでは望み通りに…」
(んああっ!!)
とうとう一人の男の指が膣内に侵入してきた。
(つづく)