冒険
03
「ねえ、せっかくだから日曜日とかお花見いかない?」
「日曜日ですか?行きたいけど部活があるからなー」
「別に終わってからでも良いよ、夜桜ってのも悪くないしね。」
彼女は楽しそうにこっちを見て話す、まるで断られる訳などないといった顔でクッキーを一つつまむ。
「部活終わってからで良いなら僕も良いですよ。というより優子さん、行くつもりしかないですよね。」
「えっ、行きたくなかったなら別に良いよ」
「いや、そういうわけじゃなくて…」
「冗談だよ」
そう言いながら笑う彼女は立ち上がり窓のそばまで行く。彼女はよく窓から何かを眺めて戻ってくる、これもミステリアスなものの一つだ。

愛生 ( 2014/07/20(日) 07:54 )