2nd
06
-このスピードなら間に合う!-
そう思うと必死に走った。

ほぼタックルのような形であっちゃんを歩道に戻した。そして1秒もしないうちに、俺の真後ろをトラックが通過、トラック同士の衝突事故を引き起こした。
「あっちゃん!大丈夫!?」
抱き上げるようにあっちゃんを起こすと泣き出した顔がそこにはあった。
「輝、怖かったよ…」
トラックを見ると事故の凄まじさが解る。多分あの運転手は重体だろう、大きく形が変わった運転席が見える。
「二人とも大丈夫!?」
たかみながこっち駆け出した。

事故は終わってなどいなかった。トラックの積み荷を固定するロープが切れ、積み荷の鉄パイプが落ちてきた。
「たかみな!!」
一瞬だった。崩れ落ちてきたそれは、あっという間に彼女を飲み込んでいった。

愛生 ( 2014/03/10(月) 01:34 )