03
花音の尾行が始まってから4日目になった。俺と阿弥はいつものように2人で帰路についていた。
花音、?side……
?「花音様、なんであの2人を尾行するんですか?」
花音「あの2人の仲を引き裂いて彼を私のものにするためよ。あなたも私に協力すれば、たまには貸してあげるわよ。わかるでしょ?」
?「はぁ…なんとなく。でもなんであの男なんですか?」
花音「松井ホールディングスの御曹司よ、結婚できたらこんなに嬉しいことはないわよ。それなのにあの男、自分の会社の社員の娘と付き合うなんて許せない。」
実は花音も名古屋ではそこそこ有名な会社の社長の娘だったのだ。しかし、松井ホールディングスとは取引は行われていない。
?「なるほど。」
花音「しかも奈和ならともかく、私には目もくれずに付き合うなんて本当に許せない。あの2人の仲を引き裂いて阿弥から彼を寝取ってやる!」
?「花音様を見ないなんて酷いですね。花音様もお嬢様なのに。」
花音「そうよ。だから李苑、私のために力になりなさい。いいわね?」
李苑「かしこまりました。」
花音「それと、あなたはもっと手下たちを探しなさい。断ろうとしても金で釣るのよ。それか脅しなさい。」
李苑「はい、仰せの通りに。
花音「私は私でやらなければならないことがあるから。2人で柴田阿弥を潰すわよ。(よし、私はあの男の心と身体のコントロールを始めよう。ふふふふふ、柴田阿弥!目障りなお前を学校から追い出してやる!)」
花音の部下とは奈和と仲のいい李苑だった。花音はこれからどのようなことを仕掛けてくるのだろうか。
健太、阿弥side………
阿弥「健太って、頭いいんだってね?」
俺「まぁまぁかな。それより誰にそんなことを聞いたんだよ?」
阿弥「和晃くんたちにね。」
俺「やっぱり和晃かよ。ううっ…そうだ、今日早速阿弥のうちに泊まってもいいか?(何言ってんだ俺。そんな気ないのになんなんだこれ…)」
阿弥「い、いいけど。急にどうしたの?顔が真っ青よ。」
(ふふふふ〜、ちょっと心と身体をコントロールさせてもらいまーす。)
俺「気のせいだ、ほら早く行こうぜ。家に着いたらたっぷりと可愛がってやるよ。楽しみだなー。(本当にどうしちまったんだ?おかしい、思ってることと全然違う、ことを言ってしまう。)」
阿弥「そう?ならいいんだけど。(どうしたんだろ。急に目つきが変わってるいつもの健ちゃんじゃない。)」
花音はついに俺を一部支配し始めたのである。俺の思考だけはそのままに。